ニラパリブ〈ゼジューラ〉製造販売承認・発売!PARP阻害薬の特徴や薬価、錠剤追加

DI情報

薬剤師のしぐです。

2020年4月の調剤報酬改定からすでに半年が経ちました。

衝撃的だった「特定薬剤管理指導加算2」の新設。

この加算の新設により、調剤薬局薬剤師でも抗がん剤に対する考え方、学習の必要性等、結構考えさせられる調剤報酬改定となりました。

今回はポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ阻害剤「PARP阻害剤」ニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉について!

ちなみにこのニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉は2020.10に製造販売を取得した薬剤。以前まとめたことのある同薬効のオラパリブ〈リムパーザ〉がコチラ。

というわけで、作用機序のポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ「PARP」から、同薬効のオラパリブ〈リムパーザ〉との違いや薬価までまとめてみます。

ニラパリブ〈ゼジューラ〉製造販売承認取得のご案内

コチラが武田薬品さんから通知のあったニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の通知。

ゼジューラカプセル100mg

製造販売承認取得のご案内

謹啓

時下、益々ご清祥にこととお慶び申し上げます。
平素は、格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。

さて、この度、抗悪性腫瘍剤/ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤「ゼジューラカプセル100mg」の製造販売承認を取得いたしましたので、ここに謹んでご案内申しあげます。

現在、新発売に向けて鋭意準備を進めておりますので、今後とも、ご指導、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

謹白

ゼジューラカプセルの有効成分

ニラパリブ

武田薬品さんからの販売となります。

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の適応・効能効果

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の効能効果は下記3つです。

  • 卵巣癌における初回化学療法後の維持療法
  • 白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法
  • 白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌

ここで出てくる白金系抗悪性腫瘍剤。

「シスプラチン:CDDP」や「オキサリプラチン:LーOHP」等のことですね。

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉効能又は効果に関連する注意

  • 〈卵巣癌における初回化学療法後の維持療法〉
    1. 国際産婦人科連合(FIGO)進行期分類III期又はIV期の卵巣癌と診断され、白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法で奏効が維持されている患者を対象とすること。
    2. 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
  • 〈白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法〉
    1. 再発時の白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法で、奏効が維持されている患者を対象とすること。
    2. 臨床試験に組み入れられた患者における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法終了後から疾患進行までの期間(PFI)、前治療歴等について、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
  • 〈白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌〉
    1. 3つ以上の化学療法歴のある患者を対象とすること。
    2. 承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いた検査により、相同組換え修復欠損を有することが確認された患者に投与すること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
    3. 臨床試験に組み入れられた患者における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法終了後から疾患進行までの期間(PFI)、前治療歴等について、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の用法用量

通常、成人にはニラパリブとして1日1回200mgを経口投与する。ただし、本剤初回投与前の体重が77kg以上かつ血小板数が150,000/μL以上の成人にはニラパリブとして1日1回300mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量、中止すること。

減量・中止する場合の投与量

初回投与量ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉200mgニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉300mg
1段階減量100mg200mg
2段階減量投与中止100mg
3段階減量投与中止

副作用発現時の休薬・減量・中止基準

副作用程度処置再開時の投与量
血小板減少血小板数
100,000/µL未満
初回発現時
・血小板数100,000/µL以上に回復するまで最大28日間休薬する。
・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。
・同量又は1段階減量
・血小板数75,000/µL未満に低下した場合には1段階減量
2回目の発現時
・血小板数100,000/µL以上に回復するまで最大28日間休薬する。
・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。
1段階減量
好中球減少好中球数
1,000/µL未満
・好中球数1,500/µL以上に回復するまで最大28日間休薬する。
・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。
1段階減量
貧血ヘモグロビン値
8g/dL未満
・ヘモグロビン値9g/dL以上に回復するまで最大28日間休薬する。
・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。
1段階減量
上記以外の副作用Grade3以上・ベースライン又はGrade1以下に回復するまで最大28日間休薬する。
・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。
1段階減量

GradeはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。

他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の作用機序

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の作用機序は、PARP(パープ)阻害です。

PARP(パープ)とは

PARPとは、ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼの略。DNAの一本鎖修復に関与する酵素のことです。

BRCA遺伝子変異相同組換え修復の欠損(DNA二本鎖修復異常の状態になります。

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉は二本鎖を有する腫瘍細胞において、DNA損傷応答(DDR)を阻害する分子標的治療薬です。ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉によるPARP阻害は、DNA一本鎖切断に結合するPARPを捕捉し、一本鎖DNAの修復を阻止することで、二本鎖DNAの切断を起こし、がん細胞を死滅させます。

オラパリブ服用時に注意が必要な副作用

高頻度で副作用が見られます。

重要となる主な副作用が2点。

骨髄抑制:78.8%

高血圧:9.8%

減量基準になっている、貧血・好中球数・血小板数には特に十分な注意が必要です。

重篤な副作用とその初期症状

骨髄抑制:78.8%

  • 青あざができやすい
  • 歯茎の出血や鼻血
  • 発熱
  • 喉の痛み
  • 皮膚・粘膜が青白くなる
  • 疲労感
  • 動悸
  • 息切れ
  • ふらつき
  • 血尿

骨髄抑制についてまとめた内容がコチラ!


高血圧:9.8%

服用前から、適正な血圧管理が必要になります。

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の食事による影響

卵巣癌患者16例に本剤300mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるニラパリブのCmax及びAUCinfの最小二乗平均値の比は、それぞれ0.785及び1.10であった外国人データ)。

それほど食事による影響はなさそうですね。

1日1回飲み忘れないように!!

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉の薬価決定

  • ゼジューラカプセル100mg:〇〇円/カプセル

まだ薬価未収載のため、わかりません!!

ちなみに、同薬効のオラパリブ〈リムパーザ錠〉の薬価はコチラ。

  • リムパーザ錠100mg:4070円/錠
  • リムパーザ錠150mg:6042.4円/錠

どちらも56錠包装しかないので、100mg1箱でも227,920円

150mgだと338,374.4円

ついにニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉の薬価が決定しました!

ゼジューラカプセル100mg:10,370.2円/カプセル

1日薬価だと20,740.4円/2カプセルか、31,110.6円/3カプセル。

やはり、オラパリプ〈リムパーザ錠〉の薬価と同等になるよう設定されてるみたいですね。

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉の包装

ゼジューラカプセル100mg:14カプセル/箱

少し気になったので、ご紹介。

1日量1〜3カプセルでの投与になるこのゼジューラカプセル100mg。

14カプセル包装って、あまりセンスを感じない、、、。まあ高額商品なので1つの包装のみになってしまうのはしょうがないですが。14カプセルにする!?

普通に10カプセル包装で良くないですか?それか、2でも3でも割れる6か12か、、、。まあいいか。

リムパーザ錠から、多分5000円/カプセルになるのかなーと予想されるので、1箱あたりで考えると70000円ですね。リムパーザ錠よりかは、良心的。

さて、実際に決まった薬価がニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉10,370.2円/カプセルなわけなので、1箱あたり145,182.8円。

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

けっこうビックリしたのが禁忌はこれだけ。定番の、これだけ。

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の慎重投与

重度の肝機能障害のある患者

減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。重度の肝機能障害のある患者(総ビリルビン値が基準値上限の3倍超)を対象とした臨床試験は実施していない。

妊婦への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。PARP-1/2の両方を欠損するマウスにおいて、胚死亡が起こることが報告されており 、本剤の作用機序から、本剤が投与された場合、胚・胎児死亡及び催奇形性が誘発される可能性がある。

授乳婦への投与

授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。

生殖能を有する者

妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。

ゼジューラとリムパーザの違いその1

1番大きな違いと感じたのは「腎機能による減量」の有無ですね。

既存薬のオラパリブ〈リムパーザ〉では腎機能による原料の必要性について下記記載がありましたが、今回のニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉にはこの注意点がありません。

リムパーザの添付文書より

腎機能障害のある患者

軽度腎機能障害患者(CCr51〜80mL/min)では腎機能正常患者と比較してCmaxが15%、AUCが24%高くなる。

中度腎機能障害患者(CCr31〜50mL/min)では腎機能正常患者と比較してCmaxが26%、AUCが44%高くなる。

米国の添付文書では軽度腎機能障害患者への用量調節は不要であるが、中度腎機能障害患者では200mg/回を1日2回投与が推奨されている。

投与量を腎機能に左右されないということですね。これは、相当な、メリット!!

ゼジューラとリムパーザの違いその2

ココもなかなかの重要なポイント。それが、貯法!!添付文書に記載されているコチラ。

貯法

2~8℃

冷所保存。そして、なかなか保管温度が狭いなー。

慣れるまでは調剤時に探す薬剤師が多いだろうなー。

専用の保冷バッグも用意されています。

ゼジューラとリムパーザの違いその3

ゼジューラの方が適応も広くなっています。

「卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法」の適応では、リムパーザはBRCA遺伝子変異陽性患者を対象とするが、ゼジューラは同遺伝子変異の発現有無にかかわらず使用できるという点。

また、ゼジューラに持つ「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣がん」の適応はリムパーザにはないという点。

リムパーザは1日2回経口投与で用いるが、ゼジューラは1日1回経口投与で用いるという用法での点など。

ゼジューラに新剤形発売!錠剤での販売のメリット

先日、下記通知が出ました。

武田薬品は11月26日、卵巣がん治療に用いる経口PARP阻害薬ゼジューラカプセル100mg(一般名:ニラパリブトシル酸塩水和物)について、錠剤の剤形追加に係る承認申請を行ったと発表した。ゼジューラのカプセル剤の貯法は冷蔵だが、錠剤は室温で管理することができる。同社は「医療関係者の皆さんや患者さんにおける利便性の改善につながる可能性がある」としている。

最初から錠剤で発売してくれよーーー!

今回はこんな感じですーー。

院内で使用するレジメンの知識に関しては病院薬剤師さんには勝てません、、、。

院外処方で処方される薬剤の知識だけでも負けないように、しっかり学習を続けていきます!!

ではではーしぐでした。

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