【2026年版】ゼジューラ(ニラパリブ)とは?PARP阻害薬の作用機序・適応・副作用・リムパーザとの違い

こんばんは、薬剤師のしぐです。
ゼジューラ錠100mg(一般名:ニラパリブ)は、卵巣がんに用いられるPARP阻害薬です。
2020年に「ゼジューラカプセル100mg」として登場した当初は、通常1日1回300mgという用法でした。その後、2022年に錠剤が加わり、現在は体重と血小板数に応じて開始量を200mgまたは300mgに分ける形になっています。
ここは、発売当初の記事だけを読むと混乱しやすいポイントです。
この記事では、ゼジューラの現在の適応と用法、PARP阻害の仕組み、服用時に特に注意したい骨髄抑制や高血圧、薬局で確認したいポイントまでまとめます。
- この記事のポイント
- ゼジューラ(ニラパリブ)とは
- ゼジューラの適応は3つ
- BRCA遺伝子変異がなくても使える?
- PARP阻害薬の作用機序
- ゼジューラの用法・用量
- 飲み方と飲み忘れ時の対応
- 特に注意したい副作用
- 薬局で確認したいポイント
- ゼジューラとリムパーザの違い
- まとめ|ゼジューラは“1日1回”だけでなく開始量と副作用フォローが重要
- FAQ
- ニラパリブ〈ゼジューラ〉製造販売承認取得のご案内
- ゼジューラカプセルの有効成分
- ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の適応・効能効果
- ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の用法用量
- ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の作用機序
- オラパリブ服用時に注意が必要な副作用
- 重篤な副作用とその初期症状
- ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の食事による影響
- ニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉の薬価決定
- ニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉の包装
- ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の禁忌
- ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の慎重投与
- ゼジューラとリムパーザの違いその1
- ゼジューラとリムパーザの違いその2
- ゼジューラとリムパーザの違いその3
- ゼジューラに新剤形発売!錠剤での販売のメリット
この記事のポイント
- ゼジューラは卵巣がんに使うPARP阻害薬
- 現在の剤形は「ゼジューラ錠100mg」
- 通常は1日1回200mg、一定条件では1日1回300mgから開始
- BRCA遺伝子変異の有無だけで、すべての適応が決まる薬ではない
- 血小板減少・貧血・好中球減少などの骨髄抑制と高血圧に注意
- 飲み忘れや服用後に吐いた場合、追加で飲まず次の予定時刻まで待つ
ゼジューラ(ニラパリブ)とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | ゼジューラ錠100mg |
| 一般名 | ニラパリブトシル酸塩水和物 |
| 薬効 | PARP阻害薬/抗悪性腫瘍薬 |
| 剤形 | 灰色のフィルムコーティング錠 |
| 服用回数 | 1日1回 |
| 貯法 | 室温保存 |
| 製造販売元 | 武田薬品工業株式会社 |
ゼジューラは、点滴ではなく自宅で服用する経口抗がん薬です。
「維持療法」という使い方が中心ですが、一部では、一定の条件を満たす再発卵巣がんに対する治療としても用いられます。
カプセルから錠剤へ変わったことが重要
発売時のゼジューラはカプセル剤でしたが、現在は錠剤が使用されています。
単に剤形が変わっただけではありません。錠剤の追加時に、初回投与量は次のように個別化されました。
- 原則:1日1回200mg(100mg錠を2錠)
- 初回投与前の体重が77kg以上、かつ血小板数が15万/μL以上:1日1回300mg(3錠)
つまり、体重と血小板数の両方を満たす場合に300mgで開始します。
ゼジューラの適応は3つ
日本の電子添文に記載されている適応は、次の3つです。
- 卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法
- 白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法
- 白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損(HRD)を有する再発卵巣がん
同じ「卵巣がんに使うゼジューラ」でも、維持療法と、再発卵巣がんに対する治療では条件が異なります。
初回化学療法後の維持療法
FIGO進行期分類III期またはIV期の卵巣がんで、白金系抗がん薬を含む初回化学療法が奏効している患者さんが対象です。
抗がん薬で得られた効果をできるだけ長く保ち、病気が進行するまでの期間を延ばす目的で使われます。
初回化学療法後の維持療法では、3年を超えて投与した場合の有効性と安全性は確立していません。
再発卵巣がんにおける維持療法
白金系抗がん薬に感受性があり、再発時の白金系抗がん薬を含む治療が奏効している患者さんが対象です。
この場合も、化学療法で得られた効果を維持するためにゼジューラを使います。
HRDを有する再発卵巣がんに対する治療
白金系抗がん薬に感受性があり、相同組換え修復欠損(HRD)が確認された再発卵巣がんでは、治療薬として用いられる場合があります。
ただし、この適応は3つ以上の化学療法歴がある患者さんが対象です。承認された検査でHRDが確認されていることも必要になります。
BRCA遺伝子変異がなくても使える?
「PARP阻害薬はBRCA遺伝子変異がある人だけの薬」と思われることがありますが、ゼジューラの適応はそれほど単純ではありません。
初回化学療法後の維持療法や、白金系抗がん薬感受性の再発卵巣がんにおける維持療法では、電子添文上、BRCA遺伝子変異陽性だけに限定されていません。
一方、複数の治療歴がある再発卵巣がんに対する治療では、HRDが確認されていることが条件です。
したがって、
- 維持療法なのか
- 再発卵巣がんに対する治療なのか
- 白金系抗がん薬が効いているか
- HRDやBRCA遺伝子変異の結果はどうか
- これまで何種類の治療を受けてきたか
をまとめて判断する必要があります。
PARP阻害薬の作用機序

PARPは、DNAの一本鎖切断を修復するために働く酵素です。
がん細胞の中では日々DNA損傷が起きていますが、PARPが働くことで修復され、細胞が生き残ることがあります。ゼジューラはPARP-1とPARP-2を阻害し、DNA修復を妨げます。
さらに、PARPがDNA上に捕捉される「PARP trapping」によって複製が進みにくくなり、DNAの二本鎖切断につながります。
BRCA1・BRCA2などの相同組換え修復機構に異常があるがん細胞は、二本鎖切断をうまく修復できません。その状態でPARPまで阻害すると、がん細胞はDNA損傷に耐えられなくなります。
このように、単独では致命的でない2つの弱点を組み合わせて細胞死につなげる考え方を合成致死といいます。
ゼジューラの用法・用量
通常、成人にはニラパリブとして1日1回200mgを服用します。
ただし、初回投与前の体重が77kg以上で、なおかつ血小板数が15万/μL以上の場合は、1日1回300mgから開始します。
| 初回投与前の状態 | 開始量 |
|---|---|
| 原則 | 200mg(2錠)を1日1回 |
| 体重77kg以上、かつ血小板数15万/μL以上 | 300mg(3錠)を1日1回 |
副作用が現れた場合は、休薬や減量を行います。
| 初回投与量 | 1段階減量 | 2段階減量 | その次 |
|---|---|---|---|
| 300mg | 200mg | 100mg | 中止 |
| 200mg | 100mg | 中止 | ― |
減量は「治療に失敗した」という意味ではありません。副作用を抑えながら治療を続けるための大切な調整です。

飲み方と飲み忘れ時の対応
ゼジューラは食事の影響を問わず服用できます。毎日なるべく同じ時間に飲むと、飲み忘れを減らしやすくなります。
飲み忘れた場合
飲み忘れに気づいても、その分を追加で服用せず、次の予定時刻に1回分を服用します。2回分をまとめて飲んではいけません。
服用後に吐いた場合
服用後に吐いてしまっても、追加でもう一度服用せず、次の予定時刻まで待ちます。
「どのくらい吸収されたか」を自己判断するのは難しく、追加服用すると過量になる可能性があるためです。
特に注意したい副作用
骨髄抑制
ゼジューラで最も注意したいのが骨髄抑制です。電子添文では、骨髄抑制が78.8%に報告されています。
| 検査値の変化 | 気づきやすい症状 |
|---|---|
| 血小板減少 | 鼻血、歯ぐきからの出血、あざ、赤い点状出血、血が止まりにくい |
| 貧血 | 息切れ、動悸、強い疲労感、めまい、顔色が悪い |
| 好中球・白血球減少 | 発熱、悪寒、のどの痛み、感染症状 |
症状が出る前に採血で見つかることも多いため、定期的な血液検査が欠かせません。
特に治療開始後は検査間隔が短く設定されることがあります。採血の予定を確認し、受診日を守ることが重要です。
高血圧
ゼジューラでは高血圧が報告されており、まれに高血圧クリーゼのような重い状態につながることがあります。
治療開始前に血圧が適切に管理されていることを確認し、服用中も定期的に測定します。
自宅に血圧計がある場合は、同じ条件で測った値を記録しておくと受診時に役立ちます。強い頭痛、吐き気、視覚の異常、意識の変化などを伴う場合は、早めの対応が必要です。
可逆性後白質脳症症候群(PRES)
頻度は不明ですが、けいれん、強い頭痛、意識や精神状態の変化、見え方の異常などが現れる可逆性後白質脳症症候群が報告されています。
高血圧を伴うこともあります。疑われる症状がある場合は、次回受診を待たず医療機関へ連絡してください。
間質性肺疾患
空咳、息切れ、発熱などが現れた場合は、間質性肺疾患の可能性があります。
風邪に似ていても、症状が続く・悪化する・息苦しい場合は早めに相談しましょう。
MDS・AML
PARP阻害薬では、まれですが骨髄異形成症候群(MDS)や急性骨髄性白血病(AML)が報告されています。
長く続く血球減少や通常の休薬で回復しにくい血球減少がある場合は、詳しい評価が必要になります。
悪心・便秘・倦怠感・頭痛・不眠
日常生活に影響しやすい症状として、吐き気、便秘、疲労感、頭痛、不眠などがあります。
軽い症状でも我慢し続けると食事や水分摂取が難しくなり、治療継続に影響します。制吐薬や便秘薬の調整が必要な場合もあるため、早めに伝えることが大切です。
薬局で確認したいポイント

ゼジューラは自宅で続ける抗がん薬だからこそ、病院の検査値と、患者さんの日常生活で起きている変化をつなぐフォローが重要です。
薬局では、次の点を確認します。
- 今回の服用量は100mg・200mg・300mgのどれか
- 休薬や減量の指示が変更されていないか
- 飲み忘れや服用後の嘔吐がなかったか
- あざ、鼻血、歯肉出血など血小板減少を疑う症状
- 発熱、悪寒、のどの痛みなど感染症状
- 息切れ、動悸、強い疲労感など貧血を疑う症状
- 血圧と、頭痛・視覚異常・意識変化の有無
- 空咳、発熱、息苦しさの有無
- 悪心、便秘、食欲低下、不眠など生活に影響する症状
- 市販薬、健康食品、サプリメントを含む併用薬
「副作用がある=すぐ治療中止」ではありません。早く気づけば、支持療法、休薬、減量によって安全に治療を続けられる可能性があります。
ゼジューラとリムパーザの違い
ゼジューラ(ニラパリブ)とリムパーザ(オラパリブ)は、どちらもPARP阻害薬ですが、適応、服用回数、開始量の決め方、腎機能・肝機能への配慮などが異なります。
| 比較項目 | ゼジューラ | リムパーザ |
|---|---|---|
| 一般名 | ニラパリブ | オラパリブ |
| 服用回数 | 1日1回 | 1日2回 |
| ゼジューラ特有の開始量判断 | 体重と血小板数で200mgまたは300mg | 該当しない |
| 主な注意点 | 骨髄抑制、高血圧、PRES、間質性肺疾患など | 骨髄抑制、間質性肺疾患など |
| 適応 | 卵巣がん | 卵巣がんのほか、乳がん・膵がん・前立腺がんなどにも適応あり |
単純に「1日1回だからゼジューラ」「適応が広いからリムパーザ」と選ぶ薬ではありません。がんの種類、治療段階、遺伝子検査、臓器機能、これまでの治療歴などをもとに判断されます。
まとめ|ゼジューラは“1日1回”だけでなく開始量と副作用フォローが重要
ゼジューラ(ニラパリブ)は、卵巣がん治療におけるPARP阻害薬です。
発売当初のカプセル剤から錠剤へ変わり、現在は多くの患者さんが1日1回200mg、体重77kg以上かつ血小板数15万/μL以上の場合は1日1回300mgから開始します。
初回治療後・再発治療後の維持療法ではBRCA遺伝子変異だけに限定されませんが、治療として使用する場合にはHRDや治療歴などの条件があります。
薬局で特に見逃したくないのは、出血、発熱、息切れ、血圧上昇、強い頭痛、見え方の変化、空咳・息苦しさです。
経口抗がん薬は、自宅で飲める分だけ、患者さん自身が異変に気づき、病院と薬局が情報をつなぐことが大切になります。つらい症状を「治療中だから仕方ない」と我慢せず、早めに相談してください。
FAQ
Q1. ゼジューラは何の薬ですか?
卵巣がんに使われるPARP阻害薬です。主に白金系抗がん薬を含む治療が効いた後の維持療法として使われ、一部のHRDを有する再発卵巣がんでは治療薬として用いられます。
Q2. BRCA遺伝子変異がなくてもゼジューラを使えますか?
初回化学療法後や白金系抗がん薬感受性の再発卵巣がんにおける維持療法は、電子添文上、BRCA遺伝子変異陽性だけに限定されていません。一方、複数の治療歴がある再発卵巣がんに対する治療ではHRDの確認が必要です。
Q3. ゼジューラは1日何錠飲みますか?
通常は100mg錠を2錠、1日1回です。初回投与前の体重が77kg以上かつ血小板数が15万/μL以上の場合は3錠、1日1回から開始します。副作用に応じて1錠まで減量される場合があります。
Q4. 飲み忘れたらどうすればよいですか?
飲み忘れた分を追加せず、次の予定時刻に通常の1回分を服用します。2回分をまとめて飲まないでください。
Q5. 飲んだ直後に吐いたら、もう一度飲みますか?
追加服用はせず、次の予定時刻まで待ちます。自己判断で飲み直すと過量になる可能性があります。
Q6. ゼジューラで特に注意する副作用は何ですか?
血小板減少、貧血、好中球減少などの骨髄抑制と高血圧が重要です。ほかにPRES、間質性肺疾患、まれにMDS・AMLにも注意します。
Q7. ゼジューラは食後に飲む必要がありますか?
食事の有無にかかわらず服用できます。毎日同じ時間帯に飲むと、飲み忘れ防止につながります。
Q8. 副作用で減量すると効果がなくなりますか?
減量は、副作用を抑えながら治療を継続するために電子添文で定められた対応です。自己判断で変更せず、主治医の指示に従ってください。
薬剤師のしぐです。
2020年4月の調剤報酬改定からすでに半年が経ちました。
衝撃的だった「特定薬剤管理指導加算2」の新設。



この加算の新設により、調剤薬局薬剤師でも抗がん剤に対する考え方、学習の必要性等、結構考えさせられる調剤報酬改定となりました。
今回はポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ阻害剤「PARP阻害剤」のニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉について!
ちなみにこのニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉は2020.10に製造販売を取得した薬剤。以前まとめたことのある同薬効のオラパリブ〈リムパーザ〉がコチラ。

というわけで、作用機序のポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ「PARP」から、同薬効のオラパリブ〈リムパーザ〉との違いや薬価までまとめてみます。
ニラパリブ〈ゼジューラ〉製造販売承認取得のご案内
コチラが武田薬品さんから通知のあったニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の通知。
ゼジューラカプセル100mg
製造販売承認取得のご案内
謹啓
時下、益々ご清祥にこととお慶び申し上げます。
平素は、格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
さて、この度、抗悪性腫瘍剤/ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤「ゼジューラカプセル100mg」の製造販売承認を取得いたしましたので、ここに謹んでご案内申しあげます。
現在、新発売に向けて鋭意準備を進めておりますので、今後とも、ご指導、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
謹白

ゼジューラカプセルの有効成分
ニラパリブ
武田薬品さんからの販売となります。
ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の適応・効能効果
ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の効能効果は下記3つです。
- 卵巣癌における初回化学療法後の維持療法
- 白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法
- 白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌
ここで出てくる白金系抗悪性腫瘍剤。
「シスプラチン:CDDP」や「オキサリプラチン:LーOHP」等プラチナ製剤のことですね。

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉効能又は効果に関連する注意
- 〈卵巣癌における初回化学療法後の維持療法〉
- 国際産婦人科連合(FIGO)進行期分類III期又はIV期の卵巣癌と診断され、白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法で奏効が維持されている患者を対象とすること。
- 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
- 〈白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法〉
- 再発時の白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法で、奏効が維持されている患者を対象とすること。
- 臨床試験に組み入れられた患者における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法終了後から疾患進行までの期間(PFI)、前治療歴等について、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
- 〈白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌〉
- 3つ以上の化学療法歴のある患者を対象とすること。
- 承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いた検査により、相同組換え修復欠損を有することが確認された患者に投与すること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
- 臨床試験に組み入れられた患者における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法終了後から疾患進行までの期間(PFI)、前治療歴等について、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の用法用量
通常、成人にはニラパリブとして1日1回200mgを経口投与する。ただし、本剤初回投与前の体重が77kg以上かつ血小板数が150,000/μL以上の成人にはニラパリブとして1日1回300mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
用法用量に関連する使用上の注意
本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量、中止すること。
減量・中止する場合の投与量
| 初回投与量 | ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉200mg | ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉300mg |
| 1段階減量 | 100mg | 200mg |
| 2段階減量 | 投与中止 | 100mg |
| 3段階減量 | ー | 投与中止 |
副作用発現時の休薬・減量・中止基準
| 副作用 | 程度 | 処置 | 再開時の投与量 |
| 血小板減少 | 血小板数 100,000/µL未満 | 初回発現時 ・血小板数100,000/µL以上に回復するまで最大28日間休薬する。 ・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。 | ・同量又は1段階減量 ・血小板数75,000/µL未満に低下した場合には1段階減量 |
| 2回目の発現時 ・血小板数100,000/µL以上に回復するまで最大28日間休薬する。 ・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。 | 1段階減量 | ||
| 好中球減少 | 好中球数 1,000/µL未満 | ・好中球数1,500/µL以上に回復するまで最大28日間休薬する。 ・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。 | 1段階減量 |
| 貧血 | ヘモグロビン値 8g/dL未満 | ・ヘモグロビン値9g/dL以上に回復するまで最大28日間休薬する。 ・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。 | 1段階減量 |
| 上記以外の副作用 | Grade3以上 | ・ベースライン又はGrade1以下に回復するまで最大28日間休薬する。 ・28日間休薬しても回復しない場合は投与を中止する。 | 1段階減量 |
GradeはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。
他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない

ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の作用機序
ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の作用機序は、PARP(パープ)阻害です。
PARP(パープ)とは
PARPとは、ポリアデノシン5’二リン酸リボースポリメラーゼの略。DNAの一本鎖修復に関与する酵素のことです。
BRCA遺伝子変異は相同組換え修復の欠損(DNA二本鎖修復異常)の状態になります。
ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉は二本鎖を有する腫瘍細胞において、DNA損傷応答(DDR)を阻害する分子標的治療薬です。ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉によるPARP阻害は、DNA一本鎖切断に結合するPARPを捕捉し、一本鎖DNAの修復を阻止することで、二本鎖DNAの切断を起こし、がん細胞を死滅させます。
オラパリブ服用時に注意が必要な副作用
高頻度で副作用が見られます。
重要となる主な副作用が2点。
骨髄抑制:78.8%
高血圧:9.8%
減量基準になっている、貧血・好中球数・血小板数には特に十分な注意が必要です。
重篤な副作用とその初期症状
骨髄抑制:78.8%
- 青あざができやすい
- 歯茎の出血や鼻血
- 発熱
- 喉の痛み
- 皮膚・粘膜が青白くなる
- 疲労感
- 動悸
- 息切れ
- ふらつき
- 血尿
骨髄抑制についてまとめた内容がコチラ!

高血圧:9.8%
服用前から、適正な血圧管理が必要になります。


ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の食事による影響
卵巣癌患者16例に本剤300mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるニラパリブのCmax及びAUCinfの最小二乗平均値の比は、それぞれ0.785及び1.10であった外国人データ)。
ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉はそれほど食事による影響はなさそうですね。
1日1回飲み忘れないように!!
ニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉の薬価決定
- ゼジューラカプセル100mg:〇〇円/カプセル
まだ薬価未収載のため、わかりません!!
ちなみに、同薬効のオラパリブ〈リムパーザ錠〉の薬価はコチラ。
- リムパーザ錠100mg:4070円/錠
- リムパーザ錠150mg:6042.4円/錠
どちらも56錠包装しかないので、100mg1箱でも227,920円。
150mgだと338,374.4円。
ついにニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉の薬価が決定しました!
ゼジューラカプセル100mg:10,370.2円/カプセル
1日薬価だと20,740.4円/2カプセルか、31,110.6円/3カプセル。
やはり、オラパリプ〈リムパーザ錠〉の薬価と同等になるよう設定されてるみたいですね。
ニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉の包装
ゼジューラカプセル100mg:14カプセル/箱
少し気になったので、ご紹介。
1日量1〜3カプセルでの投与になるこのゼジューラカプセル100mg。
14カプセル包装って、あまりセンスを感じない、、、。まあ高額商品なので1つの包装のみになってしまうのはしょうがないですが。14カプセルにする!?
普通に10カプセル包装で良くないですか?それか、2でも3でも割れる6か12か、、、。まあいいか。
リムパーザ錠から、多分5000円/カプセルになるのかなーと予想されるので、1箱あたりで考えると70000円ですね。リムパーザ錠よりかは、良心的。
さて、実際に決まった薬価がニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉10,370.2円/カプセルなわけなので、1箱あたり145,182.8円。
ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
けっこうビックリしたのが禁忌はこれだけ。定番の、これだけ。
ニラパリブ〈ゼジューラカプセル〉の慎重投与
重度の肝機能障害のある患者
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。重度の肝機能障害のある患者(総ビリルビン値が基準値上限の3倍超)を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。PARP-1/2の両方を欠損するマウスにおいて、胚死亡が起こることが報告されており 、本剤の作用機序から、本剤が投与された場合、胚・胎児死亡及び催奇形性が誘発される可能性がある。
授乳婦への投与
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
ゼジューラとリムパーザの違いその1
1番大きな違いと感じたのは「腎機能による減量」の有無ですね。
既存薬のオラパリブ〈リムパーザ〉では腎機能による原料の必要性について下記記載がありましたが、今回のニラパリブ〈ゼジューラカプセル100mg〉にはこの注意点がありません。
リムパーザの添付文書より
腎機能障害のある患者
軽度腎機能障害患者(CCr51〜80mL/min)では腎機能正常患者と比較してCmaxが15%、AUCが24%高くなる。
中度腎機能障害患者(CCr31〜50mL/min)では腎機能正常患者と比較してCmaxが26%、AUCが44%高くなる。
米国の添付文書では軽度腎機能障害患者への用量調節は不要であるが、中度腎機能障害患者では200mg/回を1日2回投与が推奨されている。
投与量を腎機能に左右されないということですね。これは、相当な、メリット!!
ゼジューラとリムパーザの違いその2
ココもなかなかの重要なポイント。それが、貯法!!添付文書に記載されているコチラ。
貯法
2~8℃
冷所保存。そして、なかなか保管温度が狭いなー。
慣れるまでは調剤時に探す薬剤師が多いだろうなー。
専用の保冷バッグも用意されています。

ゼジューラとリムパーザの違いその3
ゼジューラの方が適応も広くなっています。
「卵巣がんにおける初回化学療法後の維持療法」の適応では、リムパーザはBRCA遺伝子変異陽性患者を対象とするが、ゼジューラは同遺伝子変異の発現有無にかかわらず使用できるという点。
また、ゼジューラに持つ「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣がん」の適応はリムパーザにはないという点。
リムパーザは1日2回経口投与で用いるが、ゼジューラは1日1回経口投与で用いるという用法での点など。
ゼジューラに新剤形発売!錠剤での販売のメリット
先日、下記通知が出ました。
武田薬品は11月26日、卵巣がん治療に用いる経口PARP阻害薬ゼジューラカプセル100mg(一般名:ニラパリブトシル酸塩水和物)について、錠剤の剤形追加に係る承認申請を行ったと発表した。ゼジューラのカプセル剤の貯法は冷蔵だが、錠剤は室温で管理することができる。同社は「医療関係者の皆さんや患者さんにおける利便性の改善につながる可能性がある」としている。
最初から錠剤で発売してくれよーーー!
今回はこんな感じですーー。
院内で使用するレジメンの知識に関しては病院薬剤師さんには勝てません、、、。
院外処方で処方される薬剤の知識だけでも負けないように、しっかり学習を続けていきます!!
ではではーしぐでした。


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