
薬剤師のしぐです。
抗がん剤の副作用を勉強すると、必ずといっていいほど出てくる「骨髄抑制」。
白血球が減る、貧血になる、血小板が減る……。言葉としては知っていても、検査表を前にすると「WBCとNeut、どっちを見るんだっけ?」「StabとSegは足していいの?」と、少し迷うことがありますよね。
しかも、外来ではペグフィルグラスチム〈ジーラスタ〉を使っている患者さんもいます。「白血球を増やす注射をしたから、発熱しても大丈夫」という理解になってしまうと、そこはちょっと心配です。
結論からいうと、骨髄抑制は好中球数・ヘモグロビン・血小板数を、それぞれの症状とセットで確認することが大切です。そして好中球を見るときは、割合の%と、絶対数の/μLを区別する。ここを押さえるだけで、検査表がぐっと読みやすくなります。
今回は血球の基本を残しつつ、好中球数の読み方、ジーラスタの役割、発熱時の動き方まで整理します。
骨髄抑制とは?血液をつくる働きが低下すること
骨髄は、骨の内部にある、血液の細胞をつくる場所です。白血球、赤血球、血小板は、骨髄の造血幹細胞から分化・成熟してつくられます。
この血液をつくる働きが低下し、血球が減少する状態が骨髄抑制です。
細胞障害性抗がん薬は、増殖の盛んながん細胞に作用する一方、正常な造血細胞にも影響を与えます。そのため、治療後に好中球減少、貧血、血小板減少などが起こります。放射線治療や、がんそのものの骨髄への影響が原因になることもあります。
ただし、「抗がん剤なら、どれも同じように骨髄抑制が起こる」というわけではありません。薬の種類、組み合わせ、投与間隔、これまでの治療、患者さんの状態によって違います。分子標的薬などでも血球減少は起こり得るため、点滴か内服かだけで判断しないことも大切ですね。
| 減少するもの | 主な役割 | 注意する症状・問題 | 主に確認する検査値 |
|---|---|---|---|
| 好中球 | 細菌・真菌などへの防御 | 感染、発熱 | 好中球絶対数(ANC) |
| 赤血球・ヘモグロビン | 全身への酸素運搬 | 息切れ、動悸、だるさ | Hb、必要に応じてRBCなど |
| 血小板 | 出血を止める | 鼻血、歯肉出血、皮下出血 | PLT |
同じ「骨髄抑制」でも、感染と貧血と出血では、確認することも対応も違います。ひとまとめに「血液が少ないですね」で終わらせず、どの血球が減っているのかを分けて考えたいところです。
WBCは白血球全体の数。感染リスクでは好中球を確認
白血球数はWBCと表記されます。白血球には、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球などがあります。
| 種類 | よく見る表記 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 好中球 | Neut、NEUT、Neutro | 細菌や真菌などを取り込み、排除する |
| 好酸球 | Eos、EOS | アレルギー反応や寄生虫に対する防御に関わる |
| 好塩基球 | Baso、BASO | ヒスタミンなどを介してアレルギー反応に関わる |
| リンパ球 | Lymph、LYMP | T細胞・B細胞・NK細胞などによる免疫を担う |
| 単球 | Mono、MONO | 組織でマクロファージなどとなり、異物処理や免疫応答に関わる |
抗がん剤治療中の感染リスクを考えるとき、特に確認したいのが好中球です。WBCは白血球全体の合計なので、それだけでは好中球がどれくらい残っているか分かりません。
たとえば、WBCが3,000/μLでも、好中球が60%なら好中球数は1,800/μL。好中球が10%なら300/μLです。同じWBCでも、状況はかなり違いますよね。
「白血球が何個か」に加えて、「そのうち好中球が何個か」を確認する。ここが検査値を見るときの出発点です。

好中球数=Neut?POLYS+BAND、Stab+Segの読み方
Neutは項目名だけで判断せず、単位を見る
Neutはneutrophil、つまり好中球を示す略語です。ただし、Neutと書かれていても、結果が割合なのか絶対数なのかは検査表によって異なります。
| 表記の例 | 示しているもの | 読み方 |
|---|---|---|
| Neut%、NEUT% | 白血球に占める好中球の割合 | WBCと掛け合わせて絶対数を求める |
| Neut#、NEUT#、好中球数 | 好中球の絶対数を示すことが多い | /μLなどの単位と倍率を確認する |
| ANC | absolute neutrophil count=好中球絶対数 | 感染リスク評価で確認する数 |
「Neutが50だから大丈夫」では、まだ判断できません。50%なのか、50/μLなのかで意味がまったく違います。
検査表に好中球の絶対数がすでに載っている場合は、その値と単位を確認します。そこにもう一度WBCを掛ける必要はありません。
Stab+Segは、桿状核球と分葉核球の合計
好中球を形態で分けると、桿状核球と分葉核球があります。
| 表記 | 日本語 | 対応する英語表記の例 |
|---|---|---|
| Stab | 桿状核好中球 | Band、Bands |
| Seg | 分葉核好中球 | Segs、Polys(好中球分画として使われる場合) |
Stab+Seg、またはPOLYS+BANDが、ともに%表示なら、その合計は好中球の割合です。合計しただけで/μLの好中球数になるわけではありません。
考え方を式にすると、次のようになります。
好中球絶対数(ANC)=WBC(/μL)×[Stab(%)+Seg(%)]÷100
POLYSが分葉核好中球、BANDが桿状核好中球を指す検査表では、次の式です。
ANC=WBC(/μL)×[POLYS(%)+BAND(%)]÷100
ただし、POLYSは多形核白血球を指す言葉として使われることもあります。好中球分画の意味なのか、別の集計なのかを施設の検査項目説明で確認しましょう。Granなどの顆粒球の値も、好中球と同じとは限りません。
計算例:WBC 2,000、Stab 5%、Seg 20%なら?
| 項目 | 値 |
|---|---|
| WBC | 2,000/μL |
| Stab | 5% |
| Seg | 20% |
| 好中球割合 | 5+20=25% |
| ANC | 2,000×25÷100=500/μL |
この場合、好中球数は500/μLです。Neut%が25%と表示されているなら、基本的には同じ考え方で計算できます。
ただし、自動分析のNeutと、顕微鏡で分類したStab・Segは測定法や分類が異なるため、必ず完全一致するわけではありません。Neut%にStab%とSeg%をさらに足すと、二重に数えてしまう可能性があります。別々の測定日の値を混ぜるのも避けます。
WBCの「×10³/μL」「×10²/μL」にも注意
WBCが「2.0」、単位が「×10³/μL」なら、実際は2,000/μLです。「20.0」、単位が「×10²/μL」でも同じ2,000/μLになります。
好中球数が「0.5×10³/μL」なら500/μL。血小板が「8.0×10⁴/μL」なら80,000/μLです。
数字だけをメモすると、あとで読み違えることがあります。薬歴や連携文書では、可能なら単位までそろえて記録しておくと安心ですね。
好中球減少のGradeは、CTCAEの版も確認する
有害事象の程度を整理するときに使うCTCAEは、2025年にv6.0が公表されました。好中球数減少はv5.0から区分が変更されています。
| Grade | CTCAE v5.0の好中球数 | CTCAE v6.0の好中球数 |
|---|---|---|
| 1 | 基準値下限未満~1,500/μL以上 | 1,500/μL未満~1,000/μL以上 |
| 2 | 1,500/μL未満~1,000/μL以上 | 1,000/μL未満~500/μL以上 |
| 3 | 1,000/μL未満~500/μL以上 | 500/μL未満~100/μL以上 |
| 4 | 500/μL未満 | 100/μL未満 |
つまり、ANC 500/μLはv5.0ではGrade 3、v6.0ではGrade 2です。
ここで注意したいのは、Gradeの数字が変わっても、患者さんの感染リスクが低くなったわけではないこと。好中球が少ないときの発熱を、新版でGradeが下がったからと軽く考えることはできません。
また、すべての臨床試験や医療機関の運用が一斉に新版へ切り替わるわけでもありません。血小板の区分にも変更があるため、記録では使っている版を確認します。休薬・減量・再開については、Gradeだけで決めず、各薬剤の添付文書やレジメンの基準に従います。
発熱性好中球減少症(FN)は、すぐに対応したい状態
好中球が少ない状態で発熱したときに問題になるのが、発熱性好中球減少症(FN)です。
国内で用いられる代表的な診断の考え方は、好中球数が500/μL未満、または1,000/μL未満で48時間以内に500/μL未満になると予測される状態に、腋窩温37.5℃以上の発熱を伴うことです。
ただし、この定義は「自宅で好中球数を確かめて、条件がそろうまで待ってよい」という意味ではありません。前回の採血結果がよくても、今日の数値が同じとは限りません。
抗がん剤治療中の発熱は、治療施設から指示された体温・連絡基準に従って、速やかに相談します。事前の指示が不明なら、37.5℃以上の発熱があった段階で治療施設に確認することが大切です。強い悪寒、息苦しさ、意識の変化、急な全身状態の悪化は、体温が高くなくても緊急に相談・受診が必要です。
解熱薬や抗菌薬があることと、自宅で様子を見てよいことは別
アセトアミノフェン〈カロナール〉などの解熱薬や、発熱時の抗菌薬を持っている患者さんもいます。
ここで薬局が確認したいのは、「薬があるか」だけではなく、何度で連絡するのか、連絡と服用の順番、夜間の連絡先です。医療機関から具体的な指示がある場合は、その手順を守ります。
熱が下がったから感染が解決したとは限りません。抗菌薬についても、自己判断で余った薬を飲んで受診を遅らせるのは避けたいところです。
「熱が出たらこの薬を飲んでください」で説明を終えず、その後の動きまで一緒に確認する。外来治療を支える薬局では、ここまでつなげたいですね。

ペグフィルグラスチム〈ジーラスタ〉は何のために使う?
好中球の回復を支え、FNの発症を抑える持続型G-CSF製剤
ペグフィルグラスチム〈ジーラスタ〉は、好中球の産生などを促すG-CSFの働きを利用した薬です。ペグ化によって作用が持続するようにつくられています。
化学療法で使う目的は、発熱性好中球減少症の発症抑制です。「数値が下がったら、どの場面でも治療として使う薬」と覚えると、適応の理解がずれてしまいます。
また、好中球を支える薬なので、貧血や血小板減少までまとめて改善する薬ではありません。投与後もHbやPLTは別に確認します。
FN予防では、1サイクルあたり3.6mgを1回皮下投与
| 項目 | 化学療法によるFNの発症抑制での内容 |
|---|---|
| 成分名・商品名 | ペグフィルグラスチム〈ジーラスタ〉 |
| 薬の種類 | 持続型G-CSF製剤 |
| 成人の通常用量 | 3.6mg |
| 投与回数 | 化学療法1サイクルあたり1回 |
| 投与時期 | がん化学療法剤の投与終了後、翌日以降 |
| 投与方法 | 皮下注射 |
添付文書では、化学療法剤の投与開始10日前から投与終了後24時間以内に投与した場合の安全性は確立していないとされています。単に「日付が翌日になったからよい」と判断せず、終了時刻と次回の化学療法予定まで確認します。
内服抗がん薬、複数日にわたる投与、毎週投与のレジメンでは、どこを投与終了と考えるかも重要です。毎週投与の化学療法に機械的に組み合わせる薬ではありません。
なお、通常のジーラスタ皮下注3.6mgには2024年、造血幹細胞の末梢血中への動員の適応が追加されています。この目的では成人7.2mgを1回投与するため、FN予防の3.6mgと混同しないことも押さえておきたい点です。ボディーポッドの適応はFNの発症抑制です。
一次予防と二次予防を分けて考える
最初のサイクルからFNを防ぐ目的で使うのが一次予防。前のサイクルでFNなどが起こり、次のサイクルで予防するのが二次予防です。
どの患者さんに必要かは、レジメンの根拠、年齢、既往、全身状態、過去のFN、治療の目的などを合わせて判断します。
日本癌治療学会のG-CSF適正使用ガイドライン2022年版は、以前の「FN発症率20%を基準に使用の是非を決める」という方針から離れ、個々の臨床課題に対する科学的根拠を評価する方向に改訂されています。「20%以上だから全員」「20%未満だから不要」とだけ覚えるのは避けたいですね。
ジーラスタを使っていても、発熱時の連絡は必要
予防薬を使っていても、FNや感染症を完全に防げるわけではありません。
「注射をしたから熱は気にしなくていい」ではなく、「リスクを下げるための注射。発熱したときの連絡は引き続き必要」と説明します。
薬局では病院で行われた注射が処方箋に載らないこともあります。患者さんの治療予定表や聞き取りで投与日を確認できると、痛みや採血結果を考える材料になります。
骨痛・背部痛は確認。ただし発熱や強い痛みを薬のせいと決めつけない
ペグフィルグラスチム〈ジーラスタ〉では骨痛や背部痛が起こることがあります。痛みが出る可能性と、処方された鎮痛薬の使い方を共有しておくと、患者さんも対応しやすくなります。
ただし、強い腹痛や左上腹部・左肩の痛み、呼吸困難、持続する発熱、胸部・背部の強い痛みなどは、重大な副作用や感染症の評価が必要になることがあります。脾破裂、間質性肺疾患、急性呼吸窮迫症候群、大型血管炎などが添付文書に記載されています。
「注射後だから、よくある痛みでしょう」と自己判断せず、症状の強さ・部位・経過を確認して医療機関につなぎます。特に発熱がある場合は、まず感染症への対応を遅らせないことが大切です。
ジーラスタのボディーポッドで変わること
ペグフィルグラスチム〈ジーラスタ〉には、体に装着するボディーポッドもあります。医療機関で装着し、時間を置いて薬液が投与される仕組みで、翌日の注射だけのために再来院する負担の軽減につながります。
装着した時刻と、薬液が実際に投与された時刻は別です。治療当日に装着したことを、当日に薬液を投与したことと混同しないようにします。
| 確認したいこと | 理由 |
|---|---|
| 投与予定と完了確認の方法 | 装着しただけで投与完了と考えないため |
| はがれ、液漏れ、破損、エラーの有無 | 薬液が予定どおり投与されていない可能性があるため |
| 異常時の連絡先 | 夜間・休日にも迷わず連絡できるようにするため |
| 入浴や運動などの注意、回収・廃棄の方法 | 製品と施設の説明どおりに扱うため |
装置に問題が起きた場合は、速やかに医療機関へ連絡します。自己判断で付け直したり、「たぶん入っている」と済ませたりしないことが大切です。
通院負担が減るのは大きな利点ですが、自宅での確認が増える面もあります。薬局としても、患者さんが説明内容を理解できているかを確認しておきたいですね。
赤血球はRBC、貧血の確認ではHbが大切
赤血球は、ヘモグロビンによって酸素を全身に運びます。赤血球数はRBC、ヘモグロビンはHbまたはHGBと表記されます。
貧血では息切れ、動悸、めまい、倦怠感などがみられます。ただ、抗がん剤治療中のだるさには、脱水、栄養状態、感染症、薬の影響なども関わるため、症状だけで貧血と決めつけないことが大切です。
Hbの値、前回からの変化、症状の程度を合わせて確認します。急に悪化した息切れや胸痛などは、貧血以外の原因も含めて速やかな評価が必要です。
また、赤血球が少ないからといって鉄剤が必ず必要なわけではありません。造血低下、鉄欠乏、出血、腎機能、溶血など、原因に応じた対応が必要です。網状赤血球は赤血球の産生を考える手がかりですが、単独で骨髄抑制の原因を確定する検査ではありません。
血小板はPLT。出血症状と併用薬も確認
血小板は血管が傷ついたときに集まり、出血を止める働きを担います。検査表ではPLTと表記されます。
血小板が減少したときには、鼻血、歯肉出血、点状の皮下出血、血尿、黒い便などに注意します。出血が止まらない、強い頭痛や意識の変化がある場合は、速やかな医療機関への相談・受診が必要です。
薬局では、抗凝固薬や抗血小板薬に加え、NSAIDsの使用も確認したいところ。ただし、必要な薬を患者さんが勝手に中止するのではなく、数値と症状を共有して医師の判断につなぎます。
血小板数だけを見て「何万以上だから安全」と言い切ることもできません。出血の有無、ほかの検査値、併用薬、予定されている処置などを合わせて考えます。
外来では「今日の数値」と「次に下がる時期」をつなげる
骨髄抑制は、治療当日に症状や数値の変化がそろうとは限りません。好中球などが最も低くなる時期は、ナディアと呼ばれます。時期や回復の速さはレジメンや患者さんによって異なります。
薬局で投薬するときに元気そうでも、その後の自宅療養期間で血球が下がることがあります。逆に、過去に低かった数値が回復していることもあります。採血日と治療日をセットで確認するのが大事ですね。
| 薬局で確認する項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| レジメン、投与日、何サイクル目か | 血球減少が予測される時期を把握する |
| 採血日、ANC、Hb、PLT | 単位・前回値・変化の方向を見る |
| G-CSFの種類と投与日 | 予防の計画、痛み、装置トラブルを確認する |
| 発熱、悪寒、咳、口内炎、下痢、肛門痛 | 感染につながる症状を聞く |
| 息切れ、動悸、出血 | 貧血・血小板減少の症状を聞く |
| 発熱時の指示と夜間の連絡先 | 患者さんが具体的に行動できる状態にする |
内服抗がん薬でも、この確認は必要です。トリフルリジン・チピラシル〈ロンサーフ〉のように、服用日と休薬日が決まっている薬では、スケジュールと採血、休薬・再開の判断がつながります。


自宅での感染対策は、生活を守りながら続けられる形に
感染対策の基本は、手洗い、口腔内・皮膚の清潔、傷をつくらない工夫、体調不良の人との接触を避けることです。好中球が減っている時期は、混雑する場所も避ける工夫をします。
食事については、「抗がん剤中だから、全員がすべての生ものを禁止」と一律に説明するのではなく、血球の状態や治療内容に合わせて確認します。十分な加熱、洗浄、保存、調理器具の使い分けなどの食品衛生は共通して大切です。高度の好中球減少や移植後などでは、施設から個別の食事制限を指示されることがあります。
対策を増やすだけでは、患者さんの生活が苦しくなることもあります。「何に注意すればよいか」と「どこまで普段の生活を続けてよいか」を具体的に相談できるといいですね。
まとめ:数値を読むことが、患者さんの次の行動につながる
骨髄抑制を確認するときは、感染に関わる好中球、貧血に関わるHb、出血に関わるPLTを分けて見ます。
好中球は、Neutという名前だけで判断せず、%か絶対数かを確認する。Stab+Seg、POLYS+BANDが%なら、その合計をWBCに掛けてANCを求めます。
ペグフィルグラスチム〈ジーラスタ〉はFNの発症リスクを下げるための支持療法ですが、貧血や血小板減少までまとめて改善する薬ではなく、投与後の発熱時にも連絡は必要です。
検査値の勉強は、数字を覚えるだけで終わりません。「この患者さんが自宅で熱を出したら、迷わず連絡できるか」。そこまで確認して、初めて実務につながると感じます。
外来治療を続ける患者さんを支えるために、検査表と日々の症状、そして次の行動を、薬局でも丁寧につないでいきたいですね。

よくある質問
Q. Neut%が基準範囲なら、好中球数も正常ですか?
必ずしも正常ではありません。割合が同じでもWBCが少なければ絶対数は少なくなります。絶対数が載っていない場合は、WBC×Neut%÷100で確認します。
Q. StabとSegは足してよいですか?
同じ採血の白血球分画で、どちらも%なら足して好中球割合を求めます。好中球絶対数は、その合計にWBCを掛けて100で割ります。Neutにさらに足すと二重計上になることがあります。
Q. POLYS+BANDはStab+Segと同じですか?
POLYSが分葉核好中球、BANDが桿状核好中球を示す検査表では同じ考え方です。ただしPOLYSの定義は施設や検査によって確認が必要です。割合か絶対数かも見てください。
Q. ジーラスタを使えば、発熱しても大丈夫ですか?
FNを完全に防げるわけではありません。発熱時は治療施設から指示された連絡基準に従い、速やかに相談します。指示が不明なら37.5℃以上の発熱で確認し、強い悪寒や息苦しさなどは体温にかかわらず緊急に相談してください。
Q. ジーラスタは貧血や血小板減少にも効きますか?
好中球を支える薬であり、貧血や血小板減少を治療する薬ではありません。HbとPLTは別に確認し、原因や症状に応じて対応します。
Q. ジーラスタは、好中球が下がってから使う薬ですか?
化学療法での承認された目的はFNの発症抑制です。好中球が下がってからの治療的投与は、この予防目的とは区別します。投与の要否と時期は、レジメンと患者さんの状態に応じて医療機関が判断します。
Q. CTCAE v6.0でGradeが変わると、休薬基準も変わりますか?
自動的には変わりません。CTCAEは有害事象を評価する規準で、薬の休薬・減量・再開基準は別です。使用する版と、添付文書・レジメンの基準をそれぞれ確認します。


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