ティーエスワン(TS-1)の剤形。顆粒とカプセル、OD錠で大きな違いあり!

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薬剤師のしぐです。

2020年調剤報酬改定での特定薬剤服用管理指導加算2新設により、調剤薬局でも抗がん剤に対する知識がより求められています。

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今回はティーエスワンについて!

ティーエスワンはザ・抗がん剤というほど有名な抗がん剤、

抗癌剤なので、正直作用機序などなど、しっかり理解するのは難しいですよね。
そんな詳細については、ぜひ大鵬薬品さんのHPで学んでみてください。
https://www.taiho.co.jp/medical/brand/ts-1/

さらに、一応Wikipediaも貼っとくね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム

この2つをしっかり読むだけで相当TS-1には詳しくなれるよね。
人任せで申し訳ないけど、正直この方々よりもしっかり説明できる自信はnothingなので。

ってなわけで、自分が話したいことだけカンタンにまとめちゃうよーーー。

ティーエスワン (TS-1)について

とは言っても、ホントに簡単にだけ、自分もまとめます。要点だけ。
紹介した2つのサイト見てくれた方は、スパッととばしてくれて大丈夫です。

まず、TS-1は3つの成分でできています。

テガフールギメラシルオテラシルです。

それぞれ簡単に説明するよーー。簡単にね。

テガフール

体内で徐々に抗癌剤として使用されるフルオロウラシル(5-FU)に変化します。
5-FUの代謝拮抗作用により、DNA合成を阻害します。

ギメラシル

フルオロウラシル(5-FU)の分解を抑制して、効果を持続させます。

オテラシル

吐き気や下痢といった消化器系の副作用(消化器毒性)を軽減します。

TS-1の用法用量

1日2回、28日間投与後14日間休薬。これを1コースとする。

4投2休って言い方をすることもありますよね。そして、添付文書上ではこの4投2休しか書いてないけど実際の現場だと副作用やら何やらを考慮して「14週間投与後7日間休薬の2投1休」の方が多い気がします。自分の印象ね。

用量は体表面積で決まります。初回投薬時はなかなか緊張ですよね。
体表面積からの換算が必要になるので。そんな時に必要なのがこれ!!

それこそ大鵬薬品さんのHPに計算ソフトもあるので時間があるときはそっちでもいいかも。

患者さんの前でそれは難しいと思うので、自分の薬局ではこの表に、用量が変わる体表面積ごとに色分けをしてを常備しております。

体表面積の計算もなかなか難しいですよねー

TS-1の服用上の注意

空腹時だと効果が減弱すると言われているので、必ず、しっかり食後で服用するように服薬指導しましょう。

投与開始時や増量時に体調変化を起こすことがあるので、2週間隔での肝・腎機能検査が推奨されています。肝障害や肝炎などの副作用も多いし、腎機能障害ではギメラシルの腎排泄が著しく低下して、血中フルオロウラシル濃度が上昇してしまうからね。注意が必要なんです。

TS-1の重要な副作用

これもね。あげだすとキリがないんだけど。
一応大事なところだけ。

重大な副作用

骨髄抑制・劇症肝炎・肝障害・脱水症状・激しい下痢・白質脳症・嗅覚脱失・間質性肺炎など。

骨髄抑制についてまとめた内容がコチラ!

投与中止

白色便・黒色便・下痢・血便・赤褐色尿・乏尿など発現時は投与中止する。

とりあえずの概要はこんな感じですね。

そして!今回の1番大事なところ。剤形ですね。

自分の薬局ではTS-1だとOD錠がとてもたくさん出ます。顆粒なんてホントに1/20くらいでしか処方されないです。そんな中、先日新規で顆粒が処方された患者様にこう言われました。

患者さん
患者さん

粉のお薬なの?錠剤でもカプセルでも飲めるのに。
粉じゃないほうがいいんだけど。

こう言われることってけっこうありません?自分はよく経験します。

そして、自分も同じ意見です。粉って味があるし、ザラザラするし、勢いでグビッと飲んでも口の中に残っていて追加のお水が必要になったりするし。錠剤が1番飲みやすい。

薬局としては、「同規格のOD錠もあるので先生に聞いてみますか?」と提案してあげたいところ。コンプライアンスを守るのも薬剤師の大事な仕事だからねっ!

でもでも、このタイミングでハッと思うんですよね。

「これだけOD錠を処方する先生なのに、なんであえて顆粒を選ぶ患者がいるんだろう。」ってね。

味か、体内動態か、気まぐれか、フィーリングか、処方ミスか、、なにか理由があるのか。

そりゃね、同じ状況でシナール配合錠かシナール配合顆粒かってんならソッコー疑義照会しますけど、ものがものだからね。少し慎重になるじゃないですか?

というわけで、添付文書見てもビビッとくることがなかったのでメーカーさんに質問。

顆粒と他剤形には明確な違いがありましたとさ

メーカーさんから納得のいく回答がありました。

「唯一、顆粒だけ腸溶性のつくりになっている。理論上は上部消化管への負担軽減につながり、上部消化管での副作用が少なくなるはず。」

「でもそこまでの調査はしておらず、他剤形との生物学的同等性は証明できている。なので、そこまで知っている医師なら顆粒と他剤形を使い分ける可能性もある。」

おぉおぉぉっ。ひさしぶりにすごく勉強になる感じのメーカー回答。ステキ。

というわけで、そういうことを意図した顆粒処方の可能性もあるため患者さんに説明の上、試しに服用してみてどうしても気になるようなら次回自分で医師と相談するということで終わりました。

今回はこんな感じです。

以前ザイティガとプレドニゾロンとの併用の記事でも触れたんですけど

やっぱり売上の上位に抗癌剤が多数(相当?)入ってきます。
TS-1やゼローダも以前はランクインしていたのですが、GE発売によりほぼほぼGEでの調剤になった関係で売上も落ち込んでます。

TS-1に関しては「エスワンタイホウ」がAGなこともあり、95%はGEでの調剤です。

そんなAGのエスワンタイホウには顆粒がないんですよね。顆粒は先発だけ


やはり腸溶性にするのが困難なのか、、、どうなんでしょうね。AGだから関係ないのかな。

最後まで読んでいただいてありがとございます!

これまで何冊も読んできた書籍の中で、抗がん剤を勉強するのにオススメな書籍3選もまとめてます!みてみてくださいー

ではではーーーしぐでしたっ

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