レゴラフェニブ〈スチバーガ錠〉用法用量や作用機序、副作用や食事の影響、薬価まとめ

抗がん剤

薬剤師のしぐです。

がん認定専門薬剤師取得を目指して日々学習しています。

前回まとめた、メインとなる抗がん剤「ロンサーフ錠」

メインとなる抗がん剤に+αの薬剤として最強の働きをする抗がん剤ベバシズマブ(アバスチン)の内容を見てくれてる方が結構いるので、今回はレゴラフェニブ(スチバーガ錠)についてまとめてみます。

このスチバーガ錠は、基本的には単剤で使用される「メインとなる抗がん剤」です。

やはり効果がしっかりしてる反面、副作用も出やすいお薬でなかなか使用継続というのも難しいようです。

スチバーガ錠の有効成分

有効成分は「レゴラフェニブ」

レゴラフェニブ〈スチバーガ錠〉の適応症、効能効果

  • 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
  • がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍
  • がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌

ロンサーフ錠同様、必ず目を通しておいて欲しいのが「効能または効果に関連する注意」

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

本剤の一次治療及び二次治療における有効性及び安全性は確立していない。

本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍

イマチニブ及びスニチニブによる治療後の患者を対象とすること。

本剤の手術の補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない。

がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌

局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)の適応となる肝細胞癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。

本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。

やっぱり、一次治療・二次治療での使用は推奨されていない、切り札感!

標準的な治療が困難な場合に、ロンサーフ錠を用いるか、スチバーガ錠を用いるか。

レゴラフェニブの作用機序

レゴラフェニブは腫瘍血管新生に関わる血管内皮増殖因子受容体(VEGFR1~3、TIE2)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)およびシグナル伝達による腫瘍形成(KIT、RET、RAF-1、BRAF)に関わるチロシンキナーゼを阻害します。また、変異型KIT(V560G、V654A、D816H、D820Y、N822K変異)の活性を阻害します

上記機序により、腫瘍血管新生を抑制・腫瘍細胞増殖のシグナル伝達経路を阻害することで腫瘍増殖抑制効果を示します。

標的にする対象が多岐にわたる為、経口「マルチキナーゼ阻害薬」と言います。

レゴラフェニブ〈スチバーガ錠〉の用法用量

通常、成人にはレゴラフェニブとして1日1回160mgを食後に3週間連日経口投与し、その後1週間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

レゴラフェニブ〈スチバーガ錠〉の食事の影響への記載事項を解説

「食事の影響」の欄に、下記記載があります。

外国人健康男性に本剤160mgを低脂肪食(約319kcal、脂肪含量8.2g)摂取後に単回経口投与したとき、空腹時と比較して、未変化体、M-2及びM-5のAUCはそれぞれ136、140及び123%、Cmaxはそれぞれ154、130及び112%となった。

また、高脂肪食(約945kcal、脂肪含量54.6g)摂取後に単回経口投与したとき、空腹時と比較して、未変化体、M-2及びM-5のAUCはそれぞれ148、80及び49%、Cmaxはそれぞれ173、72及び41%となった。

ぶっちゃけ、よくわからないですよね。この日本語。

カンタンにいうと、「空腹時・高脂肪食摂取後の服用」により血中濃度が低下します。理想とする服用方法は「高脂肪食を避けた上での食後内服です」となります。

レゴラフェニブ〈スチバーガ錠〉の減量・休薬基準

こちらも添付文書から。

このレゴラフェニブ〈スチバーガ錠〉は、休薬基準が各副作用ごとに、けっこう細かく設定されています。

手足症候群

皮膚毒性の各グレード
   
発現回数/用量調節及び処置
グレード1本剤の投与を継続し、対症療法を直ちに行う。
グレード2【1回目】
本剤の投与量を40mg(1錠)減量し、対症療法を直ちに行う。改善がみられない場合は、7日間休薬する。休薬によりグレード0〜1に軽快した場合、投与を再開する。
【7日以内に改善がみられない場合又は2回目若しくは3回目】
グレード0〜1に軽快するまで休薬する。本剤の投与を再開する場合、投与量を40mg(1錠)減量する。
【4回目】
本剤の投与を中止する。
グレード3【1回目又は2回目】
対症療法を直ちに行い、グレード0〜1に軽快するまで少なくとも7日間は休薬する。本剤の投与を再開する場合、投与量を40mg(1錠)減量する。
【3回目】
本剤の投与を中止する。

肝機能検査値異常

肝機能検査値異常の程度発現回数/用量調節及び処置
ALT又はASTが
正常基準値上限の5倍以下
本剤の投与を継続し、検査値が正常基準値上限の3倍未満又は投与前値に回復するまで肝機能検査を頻回に行う。
ALT又はASTが正常基準値上限の5倍を超過、かつ20倍以下1回目:
検査値が正常基準値上限の3倍未満又は投与前値に回復するまで休薬する。投与を再開する場合、投与量を40mg(1錠)減量し、少なくとも4週間は肝機能検査を頻回に行う。
2回目:
本剤の投与を中止する。
ALT又はASTが
正常基準値上限の20倍を超過
本剤の投与を中止する。
ALT又はASTが正常基準値上限の3倍を超過、かつビリルビン値が正常基準値上限の2倍を超過本剤の投与を中止する。
ジルベール症候群の患者においてALT又はASTの上昇が発現した場合は、本欄のビリルビン値の基準によらず、上欄で規定するALT又はASTの基準に従う。

高血圧

高血圧の
グレード
用量調節及び処置
グレード2
(無症候性)
本剤の投与を継続し、降圧剤投与を行う。降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合、本剤の投与量を40mg(1錠)減量する。
グレード2(症候性)症状が消失し、血圧がコントロールできるまで休薬し、降圧剤による治療を行う。
投与再開後、降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合、本剤の投与量を40mg(1錠)減量する。
グレード3症状が消失し、血圧がコントロールできるまで休薬し、降圧剤による治療を行う。本剤の投与を再開する場合、投与量を40mg(1錠)減量する。
投与再開後、降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合、本剤の投与量をさらに40mg(1錠)減量する。
グレード4本剤の投与を中止する。

その他の副作用

グレード3以上の副作用発現時は、グレード2以下に軽快するまで休薬し、投与量を40mg(1錠)減量し再開する、又は投与の中止を考慮すること。

グレードはCommon Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)に準じる。

CTCAEとは

なんだか少し今さらですが、CTCAE

がんについて学ぶにあたって、必ず目にする言葉CTCAE。

Common Terminology Criteria for Adverse Events で CTCAE。 

日本語にすると、「有害事象共通用語規準」

米国国立がん研究所(NCI: National Cancer Institute)によって策定された有害事象(AE)共通用語の世界規準。CTCAE v5.0が最新版になります。

日本語版は、JCOG(Japan Clinical Oncology Group)によって作成・公開されています。

一般的なGradeは下記の5段階に分類される。さらに、それぞれの有害事象についてGrade分類の詳細が定義されている。

グレード1軽症:症状がない、または軽度の症状がある。
臨床所見または検査所見のみ。治療を要さない。
グレード2中等症:最小限/局所的/非侵略的治療を要する。
年齢相応の身の回り以外の日常生活動作の制限
グレード3重症または医学的に重大であるが、直ちに生命を脅かすものではない。。
入院または入院期間の延長を要する。身の回りの日常生活動作の制限
グレード4生命を脅かす。緊急処置を要する
グレード5有害事象(AE)による死亡

このように、全ての有害事象の程度をグレードで分けて、世界共通で管理していきましょうよってことですね。

レゴラフェニブ〈スチバーガ錠〉の副作用

減量・休薬基準の欄でも書いた副作用が、注目すべき副作用。

1〜2サイクル目が副作用の発現しやすい時期になります。

特に、手足症候群に関しては発現頻度が50%を超えています。

レゴラフェニブ〈スチバーガ錠〉離脱の1番の要因となるこの手足症候群。

薬局でのフォローも必要になっていきますね。

重大な副作用

  • 手足症候群(50.3%)
  • 肝機能障害(7.7%)
  • 出血(8.8%)
  • 高血圧(29.2%)
  • 下痢、食欲減退、口内炎、悪心など

スチバーガ錠の薬価

  • スチバーガ錠:5682.6円/錠

標準的な1回量が4錠のこのお薬。

1回に22,000円を服用する。ドキドキする。

レゴラフェニブ〈スチバーガ錠〉まとめ

  • マルチキナーゼ阻害薬
  • 3投1休が標準的なサイクル
  • 最も注意が必要な副作用は手足症候群
  • 1〜2サイクル目の副作用発現に注意

こんな感じですねー

服用サイクルがあり、休薬期間をしっかり守る必要があります。

院内での抗がん剤点滴との併用レジメンはないため、特定薬剤管理指導加算2の対象になることはなさそうですが。

それでも投薬後2週間前後にテレフォンフォローを行い、服用状況・副作用発現の有無を把握し処方元へ情報提供することで今後の治療方針の助けにはなると思います。

対物業務から対人業務へ。

テレフォンフォローを積極的に行っていくことが必要になるのかもしれません。

ではではーしぐでしたっ

日本臨床腫瘍薬学会監修のオススメ書籍が発売!

【薬局で役立つ経口抗がん薬始めの一歩】

外来がん治療認定薬剤師の認定を行っている日本臨床腫瘍薬学会(通称JASPO)が発刊した書籍です。

2020.4に発売で、早速購入し読んでみましたが。

これはすごく、イイ書籍!

第1章の「がん種別の概要」については、薬局で見かけることが多い選ばれたがん種8種類。

もちろん、「罹患数・死亡数」の上位がん種である胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・前立腺がんも含まれています。

第2章の「経口抗がん薬の特徴と使い方」も、薬局目線でまとめてくれています。

S-1〈TS-1〉、カペシタビン〈ゼローダ錠〉から始まり、ゲフィチニブ〈イレッサ錠〉、イマチニブ〈グリベック錠〉、アナストロゾール〈アリミデックス錠〉、ビカルタミド〈カソデックス錠〉など薬局で見かけるものが多い薬剤を、作用機序ごとにまとめてくれてます。

各薬剤まとめの最後には関連するレジメンも紹介してくれているので、薬局でも主要レジメンについて学ぶことができます。

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