ベバシズマブ〈アバスチン〉:Bmab・BVで動脈乖離!作用機序や標的分子等

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薬剤師のしぐです。

がん認定専門薬剤師取得を目指して日々学習しています。

2020調剤報酬改定で新設された、特定薬剤管理指導加算2もあり今注目されてるであろう抗がん剤治療。自分も学んだことを1つずつまとめていきます。

今回は抗がん剤の1つ、ベバシズマブ(アバスチン)について!

今や、抗がん剤治療での名脇役というか、メインとなる抗がん剤に+αの薬剤として最強の働きをするこの抗がん剤。

2019.11にバイオシミラーが発売されて、売上こそ減少していますが2017、2018では医薬品売上上位の常連医薬品でした。

そんなバイオシミラーの話も薬価や適応症等々絡めて、アバスチンについてまとめていくよ。

アバスチンの有効成分:ベバシズマブ(Bmab)

アバスチンに含まれる有効成分は「ベバシズマブ」です。

レジメンなんかではBmabだったりBVと表記されます。ぜひ覚えてください。

他の抗がん剤まとめでCmabやらPmabやら出てきて混乱するので。
ぜひここでBmabは覚えておきましょう。

ベバシズマブは、血管内皮細胞増殖因子 (VEGF)と結合する抗体を人工的に薬にしたものです 。

「抗体」とは、免疫を担当する物質の一種で、病原体の表面にある物質などにくっついて、これを排除する機能を持ったタンパク質です。

つまり、抗体が反応した物質はその機能が失われたり、弱くなったりするということ。

ベバシズマブはこのVEGFタンパク質を選択的に阻害することにより、血管形成を阻害し、がん細胞の成長に必要な栄養が供給されるのを妨げることによりがん細胞の成長を抑制します。

がん細胞はこの新生血管を通して栄養素を補給するだけではなく、転移も引き起こすことから、ベバシズマブはとても有効な分子標的薬になります。

血管内皮細胞増殖因子:VEGFとは何なのか?

VEGFはがん細胞の成長に必要な糖タンパク質

VEGFとはがん細胞の成長に必須な、脈管形成と血管新生に関与する糖タンパク質です。

人間の正常な細胞も、がん細胞も、血管から流れてくる血液から細胞に必要な酸素や栄養を供給する構造となっています。

ご存知の通り、がん細胞は無限の増殖能力をもっています。しかし、どんなに強力ながん細胞であっても、血液による酸素と栄養の補給なしには生きていくことはできません。

しかも、がん細胞は常に大きくなろうとする性質がありますから、必要とする酸素や栄養も加速度的に増えていきます。こうなると、あるところで既存の血管だけでは足りなくなります。

そこで、がん細胞は自分に必要な血管を新しく作り出す機能を持った物質を分泌します。これが血管内皮細胞増殖因子:VEGFです。現在では、様々な種類のがん細胞が、VEGFを分泌することができることが分かっています。

ここを選択的に阻害するのがベバシズマブことアバスチンというわけですね!

まさに兵糧作戦!!

この作用機序からもわかる通り、アバスチン自体にがん細胞を壊す効果はありません

したがって、アバスチンを単独で使用することはほぼほぼなく、ほとんどががん細胞を直接壊す効果を持った他の抗がん剤と併用することになります。

アバスチンが効果を発揮するがん6種類

現在、アバスチンが承認されている適応症は下記6種まで適応追加されました。

  • 結腸・直腸がん (切除不可能な進行・再発のもの)
  • 非小細胞肺がん (扁平上皮がんを除く、手術不可能な進行・再発のもの)
  • 卵巣がん
  • 子宮頸がん (進行または再発したもの)
  • 乳がん (手術不可能または進行したもの)
  • 悪性神経膠腫:グリオーマ

これらに対して、これまで行われてきた治療法にアバスチンを上乗せすることで、効果をよくするのが、基本的な使い方です。

例外として、悪性神経膠腫:グリオーマでは、再発した際にアバスチンを単独使用した場合の有効性が知られているみたいですね。

2007年発売当初は「結腸・直腸癌」の適応しかなかったけど、「非小細胞肺がん」「卵巣癌」「子宮頸癌」「乳癌」「悪性神経膠腫」といったように徐々に適応を拡大してきました。

ちなみに、2019.11に「ファイザー」さんと「第一三共」さんから発売されたベバシズマブのバイオシミラーは「結腸・直腸がん (切除不可能な進行・再発のもの)」の適応しか持っていません。

使用する際は注意が必要ですね。

ベバシズマブの適応症による用法用量

適応症用法・用量
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌●他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回5mg/kg(体重)又は10mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は2週間以上とする。
●他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回7.5mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。
扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん●他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回15mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。
卵巣癌●他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回15mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。
進行又は再発の子宮頸癌●他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回15mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。
手術不能又は再発乳癌●パクリタキセルとの併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は2週間以上とする。
悪性神経膠腫●通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)を2週間間隔又は1回15mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静脈内注射する。なお、患者の状態により投与間隔は適宜延長すること。

結構細かく分けられています。

ベバシズマブ:分子標的薬の副作用

アバスチンのように、がんや身体に存在する特定の物質 を狙って作用する薬を「分子標的薬」と呼びます。分子標的薬は、アバスチン以外にもたくさんの種類がありますが、これらは副作用にも特徴があります。

脱毛・吐き気・白血球減少など、抗がん剤の副作用と言われて思いつくものはほとんどが古くからある「細胞障害性抗がん剤」によるものです。

これらはいわば「古典的な」抗がん剤の副作用であり、比較的歴史の浅い、新しく開発されている「分子標的薬」は、これらの頻度は少ない傾向にあります。その代わりに、分子標的薬は個々に特徴的な副作用を持つことが多いのです。

アバスチンの特徴的な副作用は、下記のようなものです。

  • 高血圧
  • 消化管穿孔(しょうかかんせんこう)
  • ショック・アナフィラキシー
  • 倦怠感
  • 食欲減退
  • 口内炎

実際のところ、高血圧は結構頻度が高いイメージ。

このうち、消化管穿孔はまれではあるものの、死亡例も報告されているので、注意が必要です。消化管穿孔(しょうかかんせんこう)は全体の1%程度に起こります。

「穿孔」消化管に穴が開くことです。

症状としては、急激な腹痛を自覚することが多く、放置すると腹膜炎や敗血症を来し、命にかかわる副作用となります。

動脈乖離が重大な副作用に追加

重大な副作用として「動脈乖離」が追加になりました。

過去3年間の国内報告数のうち、ベバシズマブを成分とする医薬品と動脈乖離関連症例(事象)との因果関係が否定できない症例は1例。うち医薬品と事象による死亡との因果関係が否定できない症例は0例。

改訂理由:国内症例が集積したことから、専門委員の意見も踏まえ、改訂することが適切と判断と厚労省が発表しました。

アバスチン・BSの薬価

100mg/4ml400mg/16ml
アバスチン42,511円/瓶161,885円/瓶
ベバシズマブBS26,492円/瓶100,885円/瓶

薬価ベースで、2017年と2018年は1000億円を超える売上を叩き出しているようです。

管理方法

抗体製剤は全般的共通ですが、本体がタンパク質なので冷所保存となります。

保管温度は2℃〜8℃かつ凍結を避けるように定められています。

この温度を逸脱すると薬効が失われてしまうので、特に夏季は取り扱いに注意が必要となります。

ベバシズマブ(アバスチン):Bmab・BVのまとめ

  • アバスチンは「ベバシズマブ:Bmab」と言う有効成分を含む抗がん剤である。
  • がん細胞に必要な血管を作り出すのに重要な「VEGF」を選択的に阻害する。
  • 他の抗がん剤と併用してその効果を高めるのが基本です。単独投与は稀。
  • 副作用として、高血圧や消化管穿孔が特徴的である。
  • 抗体製剤は高額で管理も厳密に。

こんな感じですかね。

今後必ず目にする機会が増えます。

薬剤師しぐ
薬剤師しぐ

「XELOX+Bmab」のレジメンか。

院内でアバスチンエルプラットの点滴治療を行ってるんだね。
ゼローダによる手足症候群に加えて、血圧の変動や腹痛、吐き気、痺れや食欲低下についての確認もしてみようかな。

なんて。考えながら服薬指導できたら最高ですね〜

日々勉強!ですね。

以前まとめたことのある「抗がん剤治療の学習」にオススメできる書籍がこちら!

日進月歩の抗がん剤治療。毎日新しいことを学べています。

薬剤師の友人にオススメされて借りたこちらの書籍も、なかなかオススメです。

薬物治療についてはサラリと。各がんについての概要やドライバー遺伝子等々細かく要点がまとめられています。

自分が持ってる書籍の中では1番新しいので、最新の情報が得られる!!

ではでは、しぐでしたっ

コメント

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