薬剤師のしぐです。
先日、後発医薬品メーカーの最大手といっても過言ではないであろう製薬メーカーの日医工さんから、下記の通達がでました。
自分の薬局で取り扱いがあった2医薬品について、詳細な情報を共有しておきます。
過去の自主回収医薬品情報はコチラ
テオフィリン徐放錠100mg「日医工」自主回収
テオフィリン「日医工」の自主回収理由
まずはこの医薬品。
テオフィリン徐放錠ですね。テオドールのGE。
日医工さんからもらった通達がこちら。
要するに、2時間経過時点での溶出試験に不適合だったということですね。
4時間経過時・10時間経過時は承認規格内だったとのことで、問題なかったみたいですが、この2時間経過時だけ不適合なんだとか。
この文書に書いてある通り、有効性・安全性への影響は極めて低いように考えられますが、、、。全ロット自主回収なんですね。
日本の医療のいいところであり、悪いところでもありますよね。この厳格な感じ。
全ロット回収されて、他の医薬品メーカーにその分の負担が来るわけで。
すでに出荷調整がかかってる他医薬品メーカーも結構あります。
困った困った。国の後発医薬品使用促進による医療費削減に歯止めをかけるよね。この度重なる自主回収。
テオフィリン徐放錠の概要・注意点
ハイリスク薬としても有名なこのテオフィリン。テオフィリン関連の話をし始めるとけっこうイロイロ出てきますよね。
簡単に、いくつか紹介します。
まずは有効域が狭く、血中濃度測定(TDM)が必要であり、特定薬剤管理指導加算1の対象医薬品になっています。
また、規格によって「普通薬」「劇薬」の分類が変わってくることでも有名ですね。
100mgは普通薬。200mgは劇薬。
新人薬剤師さんは、必ず医薬品棚を見失うこの分類。
あと、100mgと200mgでは小児に対する適応のあるなしが違います。
添付文書の一文がこちら
テオドール錠100mgの場合
(錠200mgは小児に対する用法・用量を有していない)
本剤投与中は,臨床症状等の観察や血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること。
なお、小児の気管支喘息に投与する場合の投与量、投与方法等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考に投与すること
<参考:日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン20171)>
6〜15歳では8〜10mg/kg/日(1回4〜5mg/kg 1日2回)より開始し、臨床効果と血中濃度を確認しながら調節する。
次に、ユニフィルLAのGEとの調剤ミス。
「あるある〜」と、納得いただいてる薬剤師さんが多いはず!
テオドールのGEは「テオフィリン徐放錠」
ユニフィルLAのGEは「テオフィリン徐放U錠」
ですね。ベテラン薬剤師さんでもうっかり気を抜いたら間違えちゃうからね。注意してね。
ちなみに一般名処方はこちら。
テオドール:テオフィリン徐放錠(12~24時間持続)
ユニフィルLA:テオフィリン徐放錠(24時間)
こんな感じですね。
中毒症状・副作用である「頭痛」「吐き気」「発熱」「動悸」に注意しましょう。
セファクロルカプセル250mg「日医工」自主回収
もう1つご紹介。セファクロル。
セファクロルの自主回収理由
テオフィリンほど話題はありませんが、まずは自主回収の理由。
簡単にいうと、経時変化により類縁物質が増加し、純度試験の承認規格に不適合になってしまったようです。
類縁物質は既知物質であり、量も僅かで、重篤な健康被害が生じる可能性はないと考えているんだとか。これまで健康被害の報告もないんだって。
それでも、全ロット自主回収!!同上ですね。
セファクロルの概要・処方理由・適応外処方
ではこのセファクロルでの話題。
セファクロルを有効成分とする先発医薬品のケフラール。このケフラールの小児用細粒で、体重換算での用量よりすごく少量での処方を見たことないですか?
適応外使用になりますが「膀胱尿管逆流を伴う再発性尿路感染の予防」で用いる用量になります。
これを知ってからよくよく処方をみてみると、意外とこの適応外での使用って多いんですよね。逆にこっちの方が多いんじゃないかってくらい。
まあ、世の中にはたくさんの抗生剤がありますからね。あえて、ケフラール小児用細粒を使うとなると、この目的であることが多いかも。
適応外だからね。ちゃんと疑義照会は必要ですからね。
今回はこんな感じですねー。
簡単にまとめる予定でしたが、意外とボリュームのある内容になってしまいました。
本題は、日医工さんの自主回収でした。
ではでは、しぐでしたっ
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