バクスミーの使い方|重症低血糖への点鼻方法・使用後・学校での対応

こんばんは、薬剤師のしぐです。
糖尿病治療中に起こることがある「重症低血糖」。
意識がもうろうとして自分でブドウ糖を口にできない、呼びかけへの反応がおかしい、けいれんを起こしている——。こうした場面では、周囲の人による速やかな救急対応が必要です。
そのときに使われる薬のひとつが、バクスミー点鼻粉末剤3mgです。
バクスミーは、血糖値を上げるホルモン「グルカゴン」を鼻の粘膜から吸収させる、1回使い切りの点鼻薬。注射薬のような溶解操作や注射針がなく、本人が息を吸い込めない状態でも使用できます。
そして、以前の記事から特に大きく変わった点があります。
現在は一定の条件を満たせば、学校や保育所などで、本人に代わって教職員等がバクスミーを使用することが可能になりました。
この記事では、バクスミーを使うタイミング、実際の操作、使用後に必ず行うこと、保管上の注意、学校での緊急使用までまとめます。
結論
バクスミーは「自分で糖分をとれない低血糖」に備える救急薬です。使用したらそれで終わりではありません。横向きに寝かせ、医療機関へ連絡・受診し、意識が戻ったら糖分を補給します。追加でもう1本使うことはしません。
- バクスミー点鼻粉末剤3mgとは
- どんなときに使う?判断の基準は「他者の援助が必要か」
- バクスミーが血糖値を上げる仕組み
- バクスミーの特徴|吸い込む必要はない
- バクスミーの使い方|3ステップで点鼻
- 使用後に必ず行う4つの対応
- バクスミーの保管方法|黄色い容器は使用直前まで開けない
- 主な副作用と注意点
- 小児にも使える?
- 学校や保育所で教職員が使えるようになった
- 薬局で確認したいポイント
- バクスミーに関するよくある質問
- まとめ|バクスミーは「持っている」だけでなく、周囲が使える備えを
- 参考資料・外部リンク
- グルカゴン〈バクスミー点鼻粉末剤〉低血糖治療薬で初の点鼻粉末剤
- グルカゴン〈バクスミー点鼻粉末剤〉の特徴
- 低血糖に対するグルカゴンの作用機序
- グルカゴン〈バクスミー点鼻粉末剤〉の用法用量
- グルカゴン〈バクスミー点鼻粉末剤〉の適応症、効能効果
- バクスミー点鼻粉末剤使用時の注意点
- バクスミー点鼻粉末剤使用時の重要な基本的注意
- 点鼻後の副作用
- 低血糖症状を起こしやすい血糖値
- バクスミー点鼻粉末剤の処方制限本数
- バクスミー点鼻粉末剤:保険給付上の注意
バクスミー点鼻粉末剤3mgとは
バクスミーは、低血糖時の救急処置に用いるグルカゴン製剤です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売名 | バクスミー点鼻粉末剤3mg |
| 有効成分 | グルカゴン3mg/1点鼻容器 |
| 効能・効果 | 低血糖時の救急処置 |
| 用法・用量 | グルカゴンとして1回3mgを鼻腔内に投与 |
| 剤形 | 1回使い切りの点鼻粉末剤 |
| 貯法 | 室温保存(患者向け資材では30℃以下) |
| 有効期間 | 24か月 |
| 製造販売元 | グローバルレギュラトリーパートナーズ合同会社 |
製造販売承認は2020年、販売開始は2020年10月です。現在の製造販売元は日本イーライリリーではなく、グローバルレギュラトリーパートナーズ合同会社となっています。
どんなときに使う?判断の基準は「他者の援助が必要か」
バクスミーを使うのは、単に血糖値が低いときではなく、回復のために周囲の人の援助が必要な低血糖です。
たとえば次のような状態が考えられます。
- 意識がない、または意識がもうろうとしている
- 呼びかけへの反応がおかしい
- けいれんしている
- 異常行動がみられる
- 自分でブドウ糖やジュースを口からとれない
- 自分自身では低血糖への対応ができない
一方、意識がはっきりしていて、安全に飲み込める状態なら、まずはブドウ糖などによる通常の低血糖対応を行います。
低血糖時にとるブドウ糖の量や再確認のタイミングは、こちらの記事でも詳しくまとめています。

「血糖値○mg/dL以下なら使う」と一律に決める薬ではない
低血糖は一般に70mg/dL未満が目安になりますが、バクスミーを使うかどうかは血糖値だけで決めません。
重要なのは、本人が自分で安全に対処できる状態かどうかです。数値を測れない緊急時もあるため、あらかじめ主治医と「どのような症状なら使うか」を本人・家族で共有しておきましょう。
バクスミーが血糖値を上げる仕組み

グルカゴンは肝臓のグルカゴン受容体に作用し、肝臓に蓄えられているグリコーゲンを分解して、グルコースを血液中へ放出させます。
つまり、バクスミーは鼻から糖分を入れる薬ではありません。肝臓に蓄えられた糖を使って、一時的に血糖値を上げる薬です。
そのため、飢餓状態、副腎機能低下症、頻発する低血糖、一部の糖原病、肝硬変などでは十分な効果が期待できないことがあります。また、アルコール性低血糖では血糖上昇効果がみられないとされています。
バクスミーの特徴|吸い込む必要はない
バクスミーの大きな特徴は次の4つです。
- 注射針を使わない
- 薬を溶かす操作が不要
- 鼻から吸い込む動作が不要
- 1回使い切りで持ち運べる
粉末は鼻粘膜から受動的に吸収されます。そのため、本人に意識がなく、自分で息を吸い込めない状態でも使用可能です。
また、感冒に伴う鼻づまりや鼻水がある被験者を対象とした試験では、血糖値の上昇に影響は認められませんでした。ただし、正しい位置に先端を入れ、注入ボタンを最後まで押し切ることは必要です。
バクスミーの使い方|3ステップで点鼻
緊急時に初めて説明書を読むのではなく、処方を受けた時点で本人と家族・看護者が手順を確認しておくことが大切です。

1.黄色い容器から噴霧器を取り出す
赤色の部分を引いて包装用フィルムをはがし、黄色い容器のふたを開けて噴霧器を取り出します。
**噴霧する準備ができるまで、注入ボタンを押してはいけません。試し打ちもできません。**1回分しか入っていないため、事前に押すと本番で使えなくなります。
2.片方の鼻の穴に先端を差し込む
噴霧器を親指・人差し指・中指で持ち、人差し指または中指が鼻に当たるまで、先端を片方の鼻の穴へゆっくり差し込みます。
左右どちらの鼻でも構いません。本人が息を吸う必要はありません。
3.注入ボタンを最後まで押し切る
注入ボタンを最後まで強く押します。緑色の線が見えなくなれば、噴霧完了です。
緑色の線が残っている場合は、先端を鼻に入れた状態で、もう一度しっかり押し切ります。
使用後に必ず行う4つの対応
バクスミーは、噴霧して終わりの薬ではありません。
1.意識がない場合は横向きに寝かせる
グルカゴン投与後は悪心や嘔吐が起こることがあります。意識がない場合は、吐いた物で窒息しないよう横向きに寝かせます。
2.直ちに医療機関へ連絡し、受診する
バクスミーの効果は一時的です。意識が戻った場合でも、低血糖が再発・遷延することがあります。救急要請を含め、あらかじめ主治医から指示された方法で速やかに医療機関へ連絡し、必ず受診してください。
3.意識が戻り、安全に飲み込めたら糖分をとる
意識が回復し、むせずに飲み込めることを確認できたら、ブドウ糖や糖質を含む食品・飲料を補給します。
意識がはっきりしない人の口へ、無理に飲食物を入れてはいけません。誤嚥や窒息につながるおそれがあります。
4.追加のバクスミーは使わない
症状が改善しない場合でも、バクスミーや他のグルカゴン製剤を追加投与しません。繰り返し投与によって血糖上昇作用が増えることは確認されていないためです。
改善しない場合は、医療機関でブドウ糖の静脈内投与などが必要です。
バクスミーの保管方法|黄色い容器は使用直前まで開けない
バクスミーは冷蔵庫に入れる必要はなく、室温で保管できます。ただし、患者向け資材では30℃以下での保存が案内されています。
保管時は次の点を守りましょう。
- 黄色い容器の包装用フィルムをつけたまま保管する
- 使用直前まで容器を開けない
- 自動車内、直射日光、熱源の近くを避ける
- 子どもの手が届かない場所に置く
- 定期的に使用期限を確認する
- 期限切れになる前に再処方について医師へ相談する
- 使用後は、次の緊急時に備えて速やかに再処方を受ける
黄色い容器には防湿の役割があります。開封したまま保管すると粉末が湿気を吸い、正しく噴霧できない可能性があります。
「中身を見ておきたい」「一度練習しておきたい」と思っても、実薬では開封や試し打ちをしないでください。操作練習にはデモキットを使います。
主な副作用と注意点
主な副作用として、次のような症状が報告されています。
- 悪心、嘔吐
- 頭痛
- 鼻の不快感、鼻閉、鼻痛、鼻水など
- 涙が増える、目のかゆみ、目の充血
- 血圧上昇、心拍数増加
- 味覚異常
重大な副作用として、頻度は不明ですがショック、アナフィラキシーが記載されています。
また、褐色細胞腫またはパラガングリオーマのある人、本剤の成分に対する過敏症歴のある人は禁忌です。β遮断薬やワルファリンとの併用にも注意が必要なため、処方時には併用薬を確認します。
小児にも使える?
用法・用量は年齢や体重によらず、通常1回3mgです。
ただし、添付文書には小児を対象とした国内臨床試験は行われておらず、国内外とも4歳未満を対象とした臨床試験は実施していないことが記載されています。小児に使用する場合は、主治医の指示を本人・保護者・周囲の支援者で具体的に共有しておくことが重要です。
学校や保育所で教職員が使えるようになった

旧記事では、バクスミーを学校関係者へ預けて使用してもらうことはできないと紹介していました。しかし、その後の通知により取り扱いが明確化されています。
2024年1月22日付の厚生労働省通知を受け、学校、保育所、幼保連携型認定こども園、放課後児童クラブ、放課後子供教室、認可外保育施設、児童発達支援、放課後等デイサービスなどでは、生命が危険な重症低血糖時に、一定の条件を満たせば教職員・スタッフが本人に代わって使用できます。
教職員等が使用するための主な4条件
- 本人・保護者が、学校等でやむを得ず使用する必要性と使用上の留意事項について、事前に医師から書面で指示を受けている
- 本人・保護者が学校等へ具体的に依頼し、医師の指示書面を渡して説明している
- 担当する教職員等が本人確認を行い、書面の留意事項を守って使用する
- 使用後は、保護者または教職員等が必ず医療機関を受診させる
「学校に置いておけば、誰でも自由に使える」という意味ではありません。事前の医師の指示、保護者から学校への依頼、情報共有、保管場所、緊急時の連絡・搬送手順まで整えておく必要があります。
学校薬剤師としても、個別の治療判断を行うのではなく、学校・保護者・主治医・学校医・養護教諭等が連携し、緊急時に迷わず動ける体制づくりを支える視点が大切だと感じます。
薬局で確認したいポイント
バクスミーを交付するときは、患者本人への説明だけでは不十分です。実際に使う可能性が高い家族・看護者が操作できるかまで確認したい薬です。
薬局では次の点を一緒に確認します。
- 誰が使う可能性があるか
- 家族・看護者は保管場所を知っているか
- 使用する症状・タイミングを共有できているか
- 実薬で試し打ちをしないことを理解しているか
- 緑色の線が見えなくなるまで押し切れるか
- 使用後に横向き、医療機関への連絡、糖分補給が必要だと理解しているか
- 追加投与をしないことを理解しているか
- 使用期限と保管温度を確認できるか
- 学校等で必要な場合、医師の書面や学校との調整が済んでいるか
できればデモキットで、実際に手を動かして練習するのがおすすめです。「知っている」と「緊急時に使える」は別物。本人だけでなく、家族全員で手順を共有しておく意味があります。
バクスミーに関するよくある質問
Q1.意識がなくても使えますか?
使えます。鼻粘膜から受動的に吸収されるため、本人が息を吸い込む必要はありません。使用後は横向きに寝かせ、速やかに医療機関へ連絡・受診します。
Q2.鼻づまりや鼻水があっても使えますか?
感冒による鼻閉・鼻汁のある被験者を対象とした試験では、血糖上昇への影響は認められませんでした。緊急時は主治医から指示された方法に従って使用してください。
Q3.両方の鼻に噴霧しますか?
いいえ。通常は1回3mgを片方の鼻腔内へ投与します。1容器が1回分です。
Q4.効かなければ、もう1本使ってよいですか?
追加投与は行いません。症状が改善しない場合は救急対応を継続し、医療機関でブドウ糖の静脈内投与などを受ける必要があります。
Q5.使ったあと、意識が戻れば受診しなくてもよいですか?
受診が必要です。効果は一時的で、低血糖が再発・遷延する可能性があります。意識が回復しても、速やかに糖分をとり、医療機関へ連絡して受診してください。
Q6.実物で試し打ちしてもよいですか?
できません。バクスミーは1回使い切りです。練習には操作確認用デモキットを使用します。
Q7.開封後も保管できますか?
使用直前まで包装用フィルムをはがさず、黄色い容器を開けないでください。開封すると吸湿し、正しく噴霧できないおそれがあります。
Q8.学校の先生が使用してもよいですか?
一定の条件を満たせば可能です。医師の書面による指示、保護者から学校等への具体的な依頼、担当教職員による本人確認と指示の遵守、使用後の医療機関受診が必要です。事前に学校・主治医・保護者で具体的な手順を整えてください。
まとめ|バクスミーは「持っている」だけでなく、周囲が使える備えを
バクスミーは、本人が自分で糖分をとれない重症低血糖時に、周囲の人が鼻から投与できる救急薬です。
注射針も薬の調製も必要なく、本人が息を吸い込めない状態でも使用できます。一方で、1回使い切りで試し打ちはできず、使用後は横向きに寝かせ、速やかな医療機関への連絡・受診、意識回復後の糖分補給が必要です。
そして現在は、必要な準備と条件を満たせば、学校や保育所等でも教職員による緊急使用が可能です。
大切なのは、処方された本人だけが使い方を知ることではありません。家族、学校など、実際にその場にいる可能性のある人が、保管場所と使い方、使用後の対応を事前に共有しておくこと。
「いざというときに使えるところまで準備する」。そこまでできて、はじめてバクスミーが本当の意味で重症低血糖への備えになると感じます。
参考資料・外部リンク
※本記事は医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。使用方法や緊急時の対応は、必ず主治医・薬剤師から事前に説明を受けてください。
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過去内容はコチラ
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薬剤師のしぐです。
これまでいくつか糖尿病治療薬についてまとめてきました。



そして、今回まとめるのが「低血糖治療薬」という、初の薬効分類の医薬品!
低血糖についてまとめた内容はコチラ

糖尿病の治療薬として利用されているインスリンや、インスリン関連のSU剤などによる副作用である低血糖。これまで低血糖発生時にはブドウ糖など糖分の摂取という対処が通常の対応でした。
今回新しく製造販売承認を取得したこの医薬品、グルカゴン〈バクスミー点鼻粉末剤〉。日本イーライリリーさんからの販売を予定してます。
新作用機序の医薬品となるため、まとめてみるよ。
グルカゴン〈バクスミー点鼻粉末剤〉低血糖治療薬で初の点鼻粉末剤
グルカゴン〈バクスミー点鼻粉末剤〉は、注射薬以外の低血糖治療薬としては初の選択肢である点鼻薬です。室温保管が可能で、持ち運びができる1回使い切りの製剤で、患者本人以外の家族や看護者が投与することが可能で、重症低血糖の救急処置を行うことができる。
患者本人の意識がなく、飲食不可であっても低血糖に対応できるところがこのバクスミー点鼻粉末剤の1番のウリになります。
同薬は鼻粘膜から吸収されるため、重症低血糖に陥り意識消失状態の患者に対しても使用可能。また、薬剤は点鼻容器に充填されており、調整作業が不要なため緊急時に迅速に使用できる。
グルカゴン〈バクスミー点鼻粉末剤〉の安全性は、成人1型糖尿病および2型糖尿病患者72例(それぞれ33例、39例)を対象とした国内第Ⅲ相2剤2期クロスオーバーランダム化比較試験で検証された。
同薬とグルカゴン注射薬1mg筋肉内投与を比較した結果、いずれの群においてもインスリン誘導による低血糖が30分以内に100%回復し、非劣性が示された。また、回復までの平均時間はそれぞれ12.0分、11.0分だった。
グルカゴン〈バクスミー点鼻粉末剤〉の特徴
低血糖は糖尿病治療で最もよく見られる注意すべき合併症の1つです。血糖値が異常に低くなることで自律神経症状のみならず中枢神経症状を認めることがあり、長時間低血糖状態に暴露されると障害を残す可能性もある。
重症低血糖は、第三者によるブドウ糖等又はグルカゴンの投与等を必要とする低血糖症状であり、重症低血糖の治療は緊急を要するものの、医療機関外での治療選択肢は介護者によるグルカゴン注射剤の投与に限定されている。
本剤は、グルカゴン注射剤の使用時の調整作業や手順に起因する介護者の救急処置の負担等を軽減することを目的とした即時使用が可能な製剤です。
低血糖に対するグルカゴンの作用機序
グルカゴンは肝臓のグルカゴン受容体に結合して活性化し、肝臓に蓄積されたグリコーゲンをグルコースに分解して血液中に放出させることにより血糖値を上昇させる。

グルカゴン〈バクスミー点鼻粉末剤〉の用法用量
通常、グルカゴンとして1回3mgを鼻腔内に投与する。
低血糖時に点鼻で処置するタイプは国内初とのこと。
グルカゴン〈バクスミー点鼻粉末剤〉の適応症、効能効果
低血糖時の救急処置
「低血糖時の救急処置」を適応として販売されます。
低血糖は、血糖値が正常の値を超えて急速に落下することで生じる緊急の状態で、冷や汗、動悸、意識障害、けいれん、手足の震えなどの症状があらわれます。
インスリンを含む薬物治療により低血糖になる可能性があり、とくにインスリン治療中の糖尿病患者では重症低血糖が起こることがあるため回復に他者の援助が必要となることが多くあります。
「バクスミー点鼻粉末剤は、重症低血糖のリスクを抱える成人および小児の糖尿病患者さんが、より安心して日々の生活を過ごせるように開発されました。患者さんの容態が急変した際に簡便かつ速やかに投与することができ、患者さんおよびご家族の負担やストレスを減らすことを期待しています」と、日本イーライリリーさんが言っております。

バクスミー点鼻粉末剤を用いる「重症低血糖」とは
ここで、バクスミー点鼻粉末剤を使用する「重症」の定義について確認してみたのですが、この重症の対象になるのは「血糖値でも症状でもなく、他者の援助を必要とする低血糖」のことだそうです。
自分でなんとか意識を保ち、糖分を摂取可能な状態では適応にならない。ということですね。
バクスミー点鼻粉末剤使用時の注意点
低血糖を生じた患者に本剤を投与しても、意識レベルの低下等の低血糖症状が改善しない場合は、直ちに、ブドウ糖等を静脈内投与するなど適切な処置を行うこと。
本剤の繰り返し投与によるグルコース濃度上昇作用の増大は認められていないため、本剤又は他のグルカゴン製剤の追加投与は行わないこと。なお、回復した場合でも糖質投与を行うことが望ましい。
バクスミー点鼻粉末剤使用時の重要な基本的注意
患者及びその看護者(家族等)が対処できるように、投与方法及び保管方法について十分指導すること。また、低血糖に関する注意についても十分徹底させること
この『看護者(家族等)』というのは、ほんとに家族の範囲に限られるそう。念のために学校関係者に預けておくことはできないらしく、エピペンのような使用はできないようです。
自分の家族に糖尿病患者さんがいたら、全家族に持っておいてほしいですね。緊急時、誰でも助けられるように。そういった処方も、あり得るらしいですよ。
点鼻後の副作用
副作用発現頻度は、本剤3mg経鼻投与(36例)では50.0%(18例)であった。
主な副作用は下記分であった。
- 嘔吐30.6%(11例)
- 頭痛22.2%(8例)
- 悪心16.7%(6例)
- 鼻部不快感8.3% (3例)
低血糖症状を起こしやすい血糖値
| 血糖値 | 症状 |
| 70mg/dL以下 | あくび・空腹感・イライラ・吐き気 |
| 50〜30mg/dL | 冷や汗、手のふるえ、動悸、痙攣 |
| 20mg/dL以下 | 低血糖昏睡、意識障害 |
普段の血糖値がかなり高い患者さんでは、急激な血糖値の低下に伴い上記の数値以上でも症状がでることがあるので注意が必要です。
バクスミー点鼻粉末剤の処方制限本数
新薬では必ず設けられるこの「処方本数制限」。原則、2週間分が処方の限度になります。
このバクスミー点鼻粉末剤はもちろん新薬です。が、なんとこの緊急時にしか使用しない使用方法ということもあり、処方本数制限は認められていません。
ただ、下記【保険給付上の注意】は把握しておく必要があります。
バクスミー点鼻粉末剤:保険給付上の注意
本製剤を1回2瓶以上処方する場合は、複数必要と判断した理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
こちらは処方する医療機関でのお話で、調剤薬局ではこの確認の必要と、レセプト摘要への記載は必要ないんだそうです。
今回はこんな感じです。
まだまだ、メーカーさんに聞いて確認したいことがたくさんあるので「ルムジェブ注」と一緒に日本イーライリリーさんに確認してみます!

内服のGLP-1作動薬についても聞いてみたいこともあるし。

この新型コロナウイルスが収束したらリリーさんに確認しておきます。
ではではーしぐでしたっ


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