GLP-1作動薬で経口薬発売!DPP4阻害薬との比較やメリットまとめ

糖尿病

薬剤師のしぐです。

今回は糖尿病治療薬であるGLP1作動薬です。みなさんの薬局ではどのGLP1作動薬が処方されますか??

ビクトーザやバイエッタ、ビデュリオンにトルリシティ。どのGLP1作動薬も皮下注製剤なのですが、他薬剤との差別化を行なっていてそれぞれ特徴がありますよね。

それぞれ使い方の指導も必要ではあるのですが、今やインスリン製剤同様糖尿病治療の中心になりつつあるこのGLP1作動薬。薬剤師としてはしっかりおさえておきたい医薬品です。

以前まとめてある「インクレチンとは」という内容はこちら。

そんなGLP1作動薬に待望の経口薬がまもなく発売となるらしい!

そして、具体的な成分やら商品名がでてきてます!!

今回はこのGLP1作動薬の解説から、GLP1作動薬をもちいた治療方法のBPT療法、さらにDPP4阻害薬との違いなんかをまとめていくよ!

ちなみにこの疾患別Q&A1「糖尿病」は糖尿病のお勉強にとてもオススメです!


全て問題と解答、その内容の詳細という構成になっていて、糖尿病の概要や薬効といった基礎的な部分から、検査値や低血糖の対応の仕方、服薬指導のポイントなど幅広く学べて重宝してます。

2014年の発売で、SGLT2阻害薬あたりの新しめのものには対応できてないところだけ少し残念ですが、、、。糖尿病治療全般を理解するのにはとてもオススメ!!

GLP1作動薬とは

GLP-1はインクレチンの1種で、下部小腸および大腸を中心に存在する L 細胞から分泌されるインクレチンホルモンの1つです。

「Glucagon-Like Peptide-1 」の頭文字から来てます。
これはグルカゴン様ペプチド1という意味で、下部腸管内分泌L細胞でプログルカゴンをプロセシングすることにより生成されることから名付けられています。

食事による刺激によって小腸からGLP-1が分泌されるとβ細胞にあるGLP-1受容体に結合してcAMPを上昇させ、インスリン分泌を増加させる働きをします。

この働きは血液中のブドウ糖量に依存しているので、血中ブドウ糖濃度(血糖値)が80mg/dL以下では作用が弱まり、低血糖が起こりにくいと言われています。

GLP-1の作用は多岐にわたりますが、主には下記5つの作用があります。

  • インスリン分泌促進作用
  • グルカゴン分泌抑制作用
  • 胃内容排出遅延作用
  • 満腹感の促進と食事摂取量の抑制作用(食欲抑制作用)
  • β細胞量の維持や増加作用

GLP-1は分泌された後に、血液中にあるDPP-4という酵素によって速やかに分解・不活性化されてしまいます。

GLP-1をアシル化することで、DPP4からの分解を受けにくくしたものがGLP-1受容体作動薬です。基本的には、消化器症状の発現を抑えるために低用量からの開始が多いです。

BPT療法とは

「BPT療法」について、以前詳細をまとめたものがコチラ!

糖尿病治療は、食事療法と運動療法をベースに、下記ステップで治療を行なっていきます。

①内服薬による治療

②経口血糖降下薬+基礎インスリンを組み合わせた「BOT」療法

③強化インスリン療法
といったステップで治療を行っていました。

そこに加わる新しい治療法が

「基礎インスリンとGLP-1受容体作動薬との併用療法:BPT療法」

となります。

BPT(Basal-supported Prandial GLP- 1RA Therapy)とは、GLP-1受容体作動薬と基礎分泌を補う持続型インスリン製剤を1日1回同じタイミングで注射する併用療法です。
位置づけ的には、②と③の間に入ってきますね。

③強化インスリン療法では基礎インスリン1回と速効型インスリンを毎食直前に1回ずつの1日計4回注射を行うことになります。結構体の負担にもなるし、外食や旅行好きな方なんかでは注射の回数をすごく嫌がる患者さんも多かったりします。

なのでその治療の前に、1日1回ずつの注射で実績の出てきているBPT療法が世界的にも推奨されているというわけですね。

BOTによって空腹時血糖値は下がっても食後血糖値がなかなか下がらない場合、BOTからBPTにステップアップすることで、空腹時血糖値と食後血糖値の両方の改善が期待できます。
また、GLP-1受容体作動薬特有の体重減少作用も期待できます。

比較的まだ新しい療法で、BOTで血糖コントロール不良の患者さんんが、強化インスリン療法の前段階として用いることが多いみたいです。

強化インスリン療法での頻回投与が負担で、血糖コントロール不良になっている患者さんも、BPT療法に切り替えることで良好な血糖コントロールが得られることがあるようです。

DPP4阻害薬とは

DPP-4阻害薬は、GLP-1やGIPといったインクレチンホルモンを分解するDPP-4(dipeptidyl peptidase-IV)の働きを妨げることでインクレチンホルモンが分解されるのを防いで血中濃度を高めます。

これによりインスリン分泌が増強され血糖値を下げてくれる効果があります。

この主となる作用は、GLP-1濃度の上昇によるインスリン分泌促進作用とグルカゴン分泌抑制作用によるものと考えられています。

1日1~2回の投与で、そして食事の影響がないので食前・食後のどちらの投与でもよいことや、血糖コントロールの改善に伴う体重増加のリスクが低いこと、低血糖リスクが低いことなどが利点として挙げられています。

確実な血糖降下作用と、低血糖リスクが低いことから第一選択薬として選ぶ医師も多い様です。実際、糖尿病治療薬の売上高ではこのDPP4阻害薬が上位を占めています。

GLP1作動薬とDPP4阻害薬との比較や違い

今回の内容は「GLP-1作動薬の経口薬」というわけですが、DPP-4阻害薬って結果的にGLP-1を増やしてくれるわけだから、ここの2つって差別化できるのかな?

という疑問がでてくるのは当然ですよね。

今まではGLP-1作動薬が注射製剤しかなかったから大きな差別化できていたのですが。

そんなこんなで、ここの大きな違いだけ、カンタンにまとめちゃいます!!

心血管イベント抑制効果

いくつかのDPP-4阻害薬での試験で、DPP4阻害薬では心血管イベント抑制効果がないという結果になりつつあるなか、GLP-1作動薬の経口薬ではしっかり心血管イベント抑制効果が認められているんだとか!

プラセボとの比較で、心疾患イベント発生を50%以下に抑制できる!!

という結果も出てるんだって。

血糖降下作用

DPP4阻害薬と比較して、血糖降下作用が約10倍前後!あるんだとか!!すごいよね。

体重減少降下

これはGLP-1作動薬の特徴ですよね。経口薬になってもしっかりこの作用も残ってるってこと。

てことは消化器症状の副作用も、あるってことだよね。作用と副作用は表裏一体ですからね。

今回はこんな感じですねー。

関連する内容として、GLP1作動薬ビクトーザのダイアル変更によるイザコザについてはこちら

他にも関連する内容がコチラ

高度薬学管理機能としてよく話題になるのは「抗がん剤」「糖尿病治療薬」について。

抗がん剤よりもより身近で、高度な薬学管理が求められている領域です。

DPP4阻害薬やSGLT2阻害薬同様、いろんなメーカーさんからいろんな医薬品が発売されるんですかねー。

てはでは、しぐでしたっ

最後の今自分が気に入ってるレシピプラスさんのご紹介。

各巻1つのトピックをまとめていて、とても勉強になります。

このSGLT2阻害薬の号は結構差別化が難しいSGLT2阻害薬をそれぞれ細かく解説してくれてます。

DPP4阻害薬とSGLT2阻害薬は同類薬内での特徴や得意不得意を理解しておくことが重要になるので、ぜひオススメの1冊です。

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