
こんばんは。薬剤師のしぐです。
今回まとめるのは、ジクロフェナクナトリウムを含む「ジクトルテープ75mg」。
名前だけを見ると、
「ボルタレンテープのような、痛いところに貼る湿布かな?」
と思ってしまいますよね。
でも、ジクトルテープは一般的な局所作用型の湿布とは少し立ち位置が違います。
皮膚から吸収されたジクロフェナクを全身に届け、鎮痛効果を発揮するよう設計された「経皮吸収型・全身作用型」の疼痛治療剤です。
しかも、がん疼痛だけでなく、現在は腰痛症や肩関節周囲炎などにも使用できます。
「貼り薬だから副作用は少ないだろう」と考えるのではなく、内服NSAIDsに近い注意が必要な薬。
ここが、ジクトルテープを理解する最大のポイントです。
- ジクトルテープ75mgとは
- 普通の湿布・ボルタレンテープとの違い
- ジクトルテープの効能・効果
- 用法・用量は使用目的で異なる
- 1日3枚を超えてはいけない理由
- ジクトルテープを貼る場所
- 他のNSAIDsとの併用に注意
- 主な副作用
- 湿布薬の63枚制限はどうなる?
- ジクトルテープは麻薬ではない
- 出荷調整が続いている点にも注意
- まとめ
- FAQ
- ジクトルテープ75mg新発売のご案内
- ジクトルテープ75mg新発売!発売日
- ジクトルテープ75mgの薬価
- ジクトルテープ75mgの有効成分
- ジクトルテープ75mgの適応、効能効果
- ジクトルテープ75mgの用法用量
- ジクトルテープ75mgの用法及び用量に関する注意
- ジクトルテープ75mgの使用方法・貼り方
ジクトルテープ75mgとは
ジクトルテープ75mgは、1枚中にジクロフェナクナトリウム75mgを含む貼付剤です。
ジクロフェナクは、ボルタレン錠・ボルタレンサポ・ボルタレンテープなどでも知られているNSAIDsです。
炎症や痛みに関与するプロスタグランジンの産生を抑えることで、鎮痛・抗炎症作用を示します。
ただし、ジクトルテープは「貼った場所だけに効かせる湿布」ではありません。
皮膚からジクロフェナクを吸収させ、血液を通して全身的に作用させる製剤です。
そのため、必ずしも痛い場所へ直接貼る必要はありません。
普通の湿布・ボルタレンテープとの違い
| 比較項目 | ジクトルテープ | 一般的なNSAIDsテープ |
|---|---|---|
| 主な作用 | 全身作用 | 貼付部位を中心とした局所作用 |
| 貼る場所 | 胸部・腹部・上腕部・背部・腰部・大腿部 | 基本的に痛みのある部位 |
| がん疼痛への適応 | あり | 原則なし |
| 全身性副作用 | 注意が必要 | 起こる可能性はあるが、一般に全身曝露は低い |
| 他のNSAIDsとの併用 | 可能な限り避ける | 重複使用に注意 |
「痛い膝に貼らなければ効かない」といった薬ではなく、吸収しやすい指定部位へ貼ることが重要です。

ジクトルテープの効能・効果
現在の効能・効果は、次の2つです。
- 各種がんにおける鎮痛
- 腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱鞘炎における鎮痛・消炎
発売当初は「各種がんにおける鎮痛」が中心でしたが、現在は整形外科領域でも使われるようになっています。
以前の記事にある「適応はがん疼痛だけ」という記載は、現在の情報に合わせて修正が必要です。
用法・用量は使用目的で異なる
各種がんにおける鎮痛
通常、成人には1日1回2枚を貼付し、約24時間ごとに貼り替えます。
症状や状態により、1日3枚まで増量できます。
腰痛症などの鎮痛・消炎
通常、成人には1日1回1枚または2枚を貼付し、約24時間ごとに貼り替えます。
同じ薬でも、使用目的によって基本となる枚数が異なります。
薬局では処方枚数だけを見るのではなく、「何の痛みに使用しているのか」を確認することが大切です。
1日3枚を超えてはいけない理由
ジクトルテープを1日3枚貼付した場合、ジクロフェナクの全身曝露量が、ジクロフェナク経口剤の通常用量を使用した場合と同程度に達するとされています。
そのため、1日の貼付枚数は3枚を超えないようにします。
「貼り薬だから、少しくらい多く貼っても大丈夫」
ではありません。
枚数が増えるほど、消化管障害、腎機能障害、心血管系への影響など、全身性NSAIDsとしてのリスクも意識する必要があります。
ジクトルテープを貼る場所
貼付できる場所は、次の6か所です。
- 胸部
- 腹部
- 上腕部
- 背部
- 腰部
- 大腿部
傷、湿疹、皮膚炎などがある場所は避けます。
皮膚への刺激を減らすため、貼り替える際は毎回同じ場所を避け、貼付部位をローテーションするのがおすすめです。
また、汗や水分が残っていると剥がれやすくなるため、清潔で乾いた皮膚に貼ります。

他のNSAIDsとの併用に注意
ジクトルテープ使用中は、他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用を可能な限り避けることとされています。
たとえば、次のような薬です。
- ロキソプロフェン
- セレコキシブ
- ジクロフェナク内服薬・坐剤
- イブプロフェン
- ナプロキセン
- アスピリンを鎮痛目的で使用する場合
併用が必要な場合は、必要最小限にとどめ、消化管障害、腎機能、浮腫、血圧、喘息症状などを確認します。
市販の鎮痛薬を患者さんが自己判断で追加している可能性もあるため、OTC薬まで含めた確認が重要です。
主な副作用
貼付部位に起こりやすい副作用としては、次のようなものがあります。
- 皮膚炎
- 紅斑
- かゆみ
- 発疹
- 貼付部位の刺激感
一方、全身性の副作用にも注意が必要です。
- 胃痛、腹痛、吐き気
- 黒色便、吐血などの消化管出血
- 尿量減少、浮腫などの腎機能障害
- 息苦しさ、喘鳴
- 血圧上昇
- 肝機能障害
- アナフィラキシー
貼付剤であっても、ジクロフェナクが全身へ移行する薬であることを忘れないようにしたいところです。

湿布薬の63枚制限はどうなる?
腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱鞘炎に使用する場合は、湿布薬の処方枚数制限を意識する必要があります。
原則として、1処方につき湿布薬全体で63枚までです。
一方、「各種がんにおける鎮痛」を目的として使用する場合は、一般的な整形外科領域の湿布処方とは扱いが異なります。
63枚を超える処方を見たときは、単純に枚数超過と判断せず、
- がん疼痛目的か
- 整形外科領域の疼痛か
- 処方意図を判断できる情報があるか
- 疑義照会が必要か
を確認することが大切です。
ジクトルテープは麻薬ではない
がん疼痛に使用できる薬ですが、ジクトルテープは医療用麻薬ではありません。
非オピオイド鎮痛薬であるNSAIDsに分類されます。
そのため、麻薬金庫での保管や麻薬帳簿による管理は不要です。
ただし、がん疼痛治療ではオピオイドの代わりになるとは限りません。
痛みの強さや性質によっては、オピオイドや鎮痛補助薬との組み合わせが必要です。
出荷調整が続いている点にも注意
ジクトルテープ75mgは、2026年4月30日から限定出荷となっています。
当初は6月15日までの予定でしたが、その後2回延長され、現在の解除予定は未定です。
最新の出荷状況と、欠品時に薬局で確認したいポイントは、こちらの記事で詳しくまとめています。

まとめ
ジクトルテープ75mgは、ジクロフェナクナトリウムを皮膚から吸収させ、全身的な鎮痛効果を得る貼付剤です。
一般的な湿布と同じ感覚で扱うのではなく、
- 痛い場所に貼るとは限らない
- がん疼痛にも使用できる
- 適応によって使用枚数が異なる
- 1日3枚を超えない
- NSAIDsの全身性副作用に注意する
- 他の鎮痛薬や市販薬との重複を確認する
といったポイントを押さえる必要があります。
貼付剤という使いやすさを持ちながら、全身作用型NSAIDsとしての確認も欠かせない。
ジクトルテープは、まさに「普通の湿布とは違う薬」ですね。
FAQ
ジクトルテープは痛い場所に貼る必要がありますか?
必ずしも痛い場所に貼る必要はありません。胸部、腹部、上腕部、背部、腰部、大腿部の清潔で乾いた皮膚に貼ります。
ジクトルテープは1日何枚までですか?
がん疼痛では通常2枚、症状により3枚まで増量できます。腰痛症などでは通常1枚または2枚です。1日3枚を超えてはいけません。
ロキソニンと一緒に使えますか?
ジクトルテープは全身作用型NSAIDsです。他の全身作用を期待する消炎鎮痛薬との併用は可能な限り避け、必要な場合も医師・薬剤師による確認が必要です。
ジクトルテープは麻薬ですか?
医療用麻薬ではありません。ジクロフェナクナトリウムを含むNSAIDsです。
ジクトルテープは普通の湿布と同じですか?
異なります。一般的な湿布は貼付部位を中心に作用しますが、ジクトルテープは皮膚から吸収され、全身的な鎮痛効果を発揮します。
↓
↓
新発売時の過去の内容はコチラ
↓
↓
薬剤師のしぐです。
今回はがん性疼痛に対する適応にて新発売となる経皮吸収型治療剤「ジクトルテープ75mg」について!

この鮮明な青と赤!ジクロフェナクがスパッと痛みに効きそうですね!!
とりあえず届いていた「ジクトルテープ75mg新発売のご案内」と、その後メーカーさんよりお持ちいただいたジクトルテープ75mgの医薬品情報についてご紹介させていただきます。
がん認定薬剤師を目指して日々学んでいます、薬剤師しぐです。
これまでまとめたことのあるがん関連の内容がこちら!





では、今回がん性疼痛での適応で新発売となるジクトルテープ75mgについてまとめます。
抗がん剤による副作用がしっかりまとまっていて、その対策まで学べるこの1冊!おすすめです。
ジクトルテープ75mg新発売のご案内
久光製薬さんから届きました「ジルトクテープ75mg」新発売のご案内がコチラ。
久光製薬
「ジクトルテープ75mg」新発売のご案内
謹啓 新緑の候、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、経皮吸収型持続性がん疼痛治療剤「ジクトルテープ75mg」を、
5月21日(金)より発売した事をご案内申し上げます。
ジクトルテープ75mgはNSAIDs貼付剤で世界初のがん疼痛の適応がとれました。
非オピオイドですのでオピオイドの副作用でお困りの患者さんや経口困難な患者さんへお役に立てる製剤であると考えております。
また、製剤の特徴について6月3日(木)にWEBの説明会も予定しておりますので、
ぜひご参加いただけますと幸いです。
何かご質問など御座いましたら些細な事でもご連絡いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
謹白
以上

ジクトルテープ75mg新発売!発売日
ジクロフェナクナトリウム経皮吸収型製剤
ジクトルテープ75mg
ZICTHORU Tapes75mg
1枚中 日局ジクロフェナクナトリウム75mg含有
薬価基準収載日:2021年5月19日(水)
新 発 売 日:2021年5月21日(金)
製剤写真

個装箱

ジクトルテープ75mgの薬価
ジクトルテープ75mg 156.5円/枚
140枚包装のみの販売なので、21,920円/箱となります。
麻薬じゃないからよかった。140枚の箱を麻薬金庫に補完するのは不可能ですからね、、、。

ジクトルテープ75mgの有効成分
ジクロフェナクナトリウム
ボルタレン錠、ボルタレンカプセル、ボルタレンゲル、ボルタレンテープ、ボルタレンサポ、、、
ボルタレンシリーズでお馴染みの成分であるジクロフェナクナトリウムですね。
ジクトルテープ75mgの適応、効能効果
各種がんにおける疼痛
適応、効能効果はがんにおける疼痛のみ。
まあ、通常の痛みにはこれまでのボルタレンテープがありますからね。
ジクトルテープ75mgの用法用量
通常、成人に対し、1日1回、2枚(ジクロフェナクナトリウムとして150mg)を胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替える。なお、症状や状態により1日3枚(ジクロフェナクナトリウムとして225mg)に増量できる。
ジクトルテープ75mgの用法及び用量に関する注意
本剤3枚貼付時の全身曝露量がジクロフェナクナトリウム経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は3枚を超えないこと。
本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。
1日3枚まで、ですね。大事なポイント。
ジクトルテープ75mgの使用方法・貼り方
ジクトルテープ75mgについて
このお薬は有効成分を皮膚から吸収させるようにした貼付剤で、がんの痛みを抑える働きがあります。
このお薬は1日1回貼るお薬です。1枚ずつ包装されています。

ジクトルテープ75mgを貼る場所
胸、お腹、上腕、背中、腰、太ももに貼ってください。
皮膚への刺激を減らすために、貼りかえるときは、前回と異なる場所に貼ってください。

ジクトルテープ75mgの貼り方

今回はこんな感じー
新薬「ジクトルテープ75mg」のご紹介でした。
また詳細な情報が入ってきたら紹介していきます。
しかしこの「ジクトル」という名称。
ジクロフェナクナトリウムの「ジク」なのは明確ですが、「トル」はどこからきたのでしょう、、、。まさか、痛みを「トル」的な、、?
メーカーさんがきたら聞いておきます!!
ではでは、しぐでしたーっ


コメント