
こんにちは、薬剤師のしぐです。
日常的に扱う点眼薬でも、回収情報を受け取ったときは、在庫と患者さんの手元の薬をつないで確認する必要があります。

2026年10月19日、プラノプロフェン点眼液0.1%「参天」の対象ロットについて、クラスⅡの自主回収が始まりました。有効成分の含量が低下し、使用期限内に承認規格を下回るおそれがあるためです。
まず確認したいのは、製品名・包装・ロット番号の3点。在庫がなくても、過去の納入履歴と調剤履歴を確認しましょう。
※情報確認日:2026年10月19日。対象や手順に追加案内が出た場合は、最新の正式通知を優先してください。
今回の回収の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売名 | プラノプロフェン点眼液0.1%「参天」 |
| 製造販売元 | 参天製薬株式会社 |
| 回収開始日 | 2026年10月19日 |
| 回収区分 | 自主回収・クラスⅡ |
| 対象包装 | 5mL×50本、5mL×10本の対象ロット |
| 回収理由 | 有効成分の含量低下により、使用期限内に承認規格を下回るおそれ |
今回の回収対象は、指定された「参天」のロットです。製品名だけで判断せず、手元の製品と対象一覧を照合してください。

対象ロット一覧|PR4093は両方の包装に注意
5mL×50本
| 対象ロット | 公表数量※ | 出荷時期 |
|---|---|---|
| PR4085 | 7,345 | 2025年9月19日~2025年10月23日 |
| PR4091 | 6,414 | 2025年12月16日~2026年2月2日 |
| PR4093 | 26,680 | 2026年1月27日~2026年2月6日 |
| PR4094 | 6,349 | 2026年1月28日~2026年3月11日 |
5mL×10本
| 対象ロット | 公表数量※ | 出荷時期 |
|---|---|---|
| PR4086 | 36,745 | 2025年8月7日~2025年10月7日 |
| PR4090 | 32,048 | 2025年11月11日~2025年12月24日 |
| PR4092 | 31,327 | 2025年12月17日~2026年2月17日 |
| PR4093 | 1,002 | 2026年2月4日~2026年4月2日 |
| PR4095 | 31,893 | 2026年3月10日~2026年5月8日 |
※数量は回収概要の数値をそのまま掲載しています。点眼瓶の総本数に換算した数値ではありません。
PR4093は50本包装・10本包装の両方に掲載されています。 一方の包装だけ確認して終わらないようにしましょう。
また、表の出荷時期は患者さんへの調剤日ではありません。卸や薬局の在庫期間があるため、この期間外の調剤だから対象外とは判断できません。
なぜ含量が下がった?原料中の鉄イオンが分解に影響

安定性モニタリングで、一部ロットのプラノプロフェン含量の低下が確認されました。調査では、特定の鉄イオン含量が高い原料が、点眼液中のプラノプロフェンの分解に影響したことが分かっています。
その原料を使用した、承認規格を下回る可能性のあるロットが回収対象です。
使用期限は、適切な条件で保管した製品の品質を保証するうえで大切な情報です。ただし、今回のように期限内の品質に問題が見つかれば、期限が残っていても回収対象になります。
健康への影響は?報告がないことと回収対応は分けて考える
2026年10月19日時点で、今回の件に起因すると考えられる健康被害や有効性欠如の報告はありません。
参天製薬は、含量の低下がわずかで、鉄イオンも微量であることから、今回の件による重篤な健康被害が生じる可能性はないと評価しています。
ただし、これは対象品をそのまま使い続けてよいという案内ではありません。健康への影響について落ち着いて説明しながら、対象ロットの確認と回収対応を進めることが大切です。
プラノプロフェン点眼液は、どんな薬?
プラノプロフェンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。炎症に関わるプロスタグランジンの産生を抑え、目の炎症を和らげます。
外眼部・前眼部の炎症性疾患の対症療法に使われ、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症が対象です。
ステロイド点眼薬や抗菌点眼薬とは役割が異なります。代わりの点眼薬を考える際は、治療目的や処方内容を確認する必要があります。
薬局での対応|在庫確認から調剤履歴の確認まで

以下は、薬局で進めるための実務上の整理です。返品・交換や患者さんへの対応の範囲は、メーカー・卸の正式案内を確認してください。
1.対象品を確認し、通常在庫から分ける
外箱や容器の製品名・ロット番号を照合します。調剤棚だけでなく、予備在庫、開封済みの箱、在宅訪問用の準備品も確認しましょう。
対象品は誤って交付しないように区別し、数量・包装・ロットを記録したうえで、卸やメーカーの案内に沿って対応します。
2.納入履歴と調剤履歴をつなげる
現在の在庫がゼロでも、対象ロットを扱っていた可能性は残ります。納入伝票や卸の記録から対象ロットの入荷状況を確認し、該当し得る調剤期間を整理しましょう。
調剤履歴に製造番号が残らない場合、薬歴だけで対象ロットの交付を確定できないことがあります。その場合は、把握できた事実と確認できていない範囲を分け、必要に応じて患者さんの手元の容器も確認します。
3.患者さんには「次にすること」まで説明する
「回収対象の可能性があります」だけでは、不安が残ります。次のように、確認方法と相談先を具体的に案内したいですね。
お使いの点眼薬の一部の製造番号が、品質確認のため回収対象になりました。今回の件に関連した健康被害の報告は、現在ありません。手元の容器を捨てず、製造番号を確認させてください。対象の場合の対応や、治療を続けるためのお薬についてご案内します。
使用中の方は、自己判断で別の点眼薬へ変更したり、回数を増やしたりせず、薬を受け取った薬局や処方元へ早めに相談してください。対象と分かった薬の使用・交換についても、確認時に具体的な指示を受けましょう。
強い目の痛み、見えにくさ、急な症状悪化がある場合は、回収品かどうかの確認だけで済ませず、眼科へ相談してください。
4.代替品の確保と記録まで進める
対象外ロットや同成分の他製品の入手状況を確認し、変更調剤の可否や処方医への確認の必要性を判断します。供給状況や患者さんの治療内容によって対応は変わります。
別成分の抗炎症点眼薬、ステロイド点眼薬などへの変更は、薬局だけで決められるものではありません。患者さんへの連絡内容、確認したロット、返品・交換、処方元への相談内容も記録しておきましょう。
ちなみに、メーカー変更での代替は実質「先発」か「日点」になるみたいです。

しぐ的ポイント|「在庫なし」で確認を終わらせない
回収情報に対応するときは、目の前の在庫を調べるだけでも手間がかかります。
それでも、患者さんの手元に未使用の点眼薬が残っていることはあります。特に複数本ずつ交付していた場合は、現在の在庫と交付済みの薬を別々に確認したいところです。
製品名・包装・ロットの照合、納入と調剤履歴の確認、患者さんへの説明、治療継続の相談までを一つの流れで進める。 いつもの点眼薬だからこそ、この確認を丁寧に積み重ねたいですね。
回収時の在庫確認や患者さんへの説明については、ヘパリン類似物質ローション「NIT」の自主回収と薬局対応も参考にしてください。回収理由・対象ロットは製品ごとに異なります。
複数の点眼薬を使っている方への確認には、カリーユニの名称変更と点眼時の順番・注意点もあわせてどうぞ。
よくある質問
プラノプロフェン点眼液は、すべて回収されますか?
今回の対象は、プラノプロフェン点眼液0.1%「参天」の指定ロットです。製品名とロット番号を確認してください。
使用期限が残っていても対象になりますか?
はい。今回は使用期限内に有効成分の含量が承認規格を下回るおそれがあるため、対象ロットは期限が残っていても確認が必要です。
すでに使ってしまいました。健康被害は報告されていますか?
2026年10月19日時点で、今回の件に関連すると考えられる健康被害や有効性欠如の報告はありません。気になる症状がある場合は、薬局や眼科へ相談してください。
箱を捨ててしまい、対象か分かりません。
手元の容器を残して、薬を受け取った薬局へ相談してください。表示が読みにくい場合も、納入履歴などとあわせて確認します。
薬局の在庫がなければ、対応は終わりですか?
在庫がなくても、対象品を交付している可能性があります。過去の納入状況と調剤履歴を確認し、必要な対応を整理しましょう。
問い合わせ先・確認先
参天製薬株式会社 コールセンター:06-7664-8621
・PMDA:医薬品回収の概要(プラノプロフェン点眼液0.1%「参天」)
・消費者庁:リコール情報


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