高カリウム血症とGI療法について!カリウム高値に対する処置の解説です

その他

薬剤師のしぐです。

先日、こういった処方を受けました。

・スピロノラクトン錠25mg 4錠 分1朝食後 30日分
・アスパラカリウム錠200mg 6錠 分3毎食後 30日分
・テルミサルタン錠40mg 2錠 分1朝食後 30日分

すぐにピンときますよね。

まずスピロノラクトンとアスパラカリウムの併用禁忌

それに加えて、ARBもカリウム値上昇の恐れがあるため併用注意。

処方医に疑義照会。

処方医
処方医

カリウム値がどうしても上がらない患者さんで、あえての併用です。


との返答。理由もしっかりあり、治療上必要となる併用なので、そのまま調剤。

ここで疑問がうかんだので、調べてみたことをまとめます。

体内でのカリウムとは

カリウムは心臓を含む筋肉や神経の活動に重要な役割を果たす電解質です。
体内に存在する量が最も多いミネラルって言われてますねー。

体内のカリウムの98%は細胞内、残りの約2%が血液中など細胞外にあります。

そして、カリウムの働きは主にこの2つ!

  • 細胞の浸透圧を維持調整する
  • 体内の余分な塩分を体の外に出す

ただ、血中に過剰に存在すると不整脈を誘発する可能性があります。

腎臓に障害があると、カリウムを十分に尿に排泄することができずに、体内に蓄積してしまいます。なので腎疾患患者では定期的なカリウム値の検査とともに、検査値の変動によってお薬でカリウム値を調整することになります。

自分が学生の頃、病院実習先の薬剤師さんに
「1番苦しまずに自殺する方法は、カリウム製剤をチューっと注射すること。」
と言われたのはいまだに覚えてます。

と、いうくらい、カリウム高値では心停止の危険があるわけですねー。怖いですね。

カリウムの基準値

基準値:3.5〜5.0mEq/L

低カリウム血症とは、血清カリウム濃度が3.5mEq/Lを下回ることです。

高カリウム血症とは、血清カリウム濃度が5.5mEq/Lを上回ることです。

低カリウム血症とは

血清カリウム濃度が3.5mEq/Lを下回る状態で、主な体調変化はこんな感じ。

  • 筋力低下や筋肉痛
  • 悪心・嘔吐
  • 痙攣(けいれん)
  • 重度になると四肢麻痺(まひ)・呼吸筋麻痺・不整脈など

低カリウム血症に対する治療

これは、最初に記載したようなカリウム値を上昇させる医薬品での内服治療になりますね。

高カリウム血症とは

血清カリウム濃度が5.5mEq/Lを上回る状態で、主な体調変化はこんな感じ。

  • 悪心・嘔吐などの胃腸症状
  • しびれ感
  • 脱力感などの筋肉・神経症状
  • 不整脈

高カリウム血症の患者さんでは不整脈のリスクが高くなるので、心電図を実施すべきだ!と言われています。

高カリウム血症に対する治療

腎機能が低下してきた場合には、カリウム制限などの食事療法を行うことにより、カリウムの上昇を抑えます。それでもコントールができない場合に医薬品や院内での治療の対象になります。

軽度の高カリウム血症

血清カリウム濃度が6mEq/L未満で心電図異常がない患者は、カリウム摂取の制限またはカリウム値を上昇させる薬物の中止に反応する可能性があります。

ループ利尿薬の追加は、体液量減少が存在しない限り腎臓からのカリウム排泄を増加させることができます。

使用される薬剤はこんな感じ。

  • ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(ケイキサレートDS等)
  • ポリスチレンスルホン酸カルシウム(カリメートDS・アーガメイト等)

ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを用いる場合はナトリウムとカリウムとが交換されるため,ナトリウムが過剰となることがある。ナトリウム制限をしている患者には使いづらいですね。

反対に、ポリスチレンスルホン酸カルシウムを用いる場合はカルシウムとナトリウムが交換されます。腎障害患者でのカルシウムといえば、二次性副甲状腺機能亢進症による血管の石灰化があるので、こちらもこちらで注意が必要です。

あ、あと意外と知らない人も多いんですけど、アーガメイトってカリメートのGEなんですよね。剤形がゼリーで、他にないものだからアーガメイトはアーガメイトって感じがするけど。

ジャリジャリしてて美味しくないけど、冷やすと少し食べやすくなるよね。
さっきも出てきた病院実習で試食したけど、自分は意外と普通に食べれました。

中等度から重度の高カリウム血症

心臓が不整脈を起こさないように、迅速な処置が必要になります。

主に3つの応急処置を行います。

 グルコン酸カルシウムによる心筋細胞膜の安定化と不整脈の予防

高カリウム血症において、1番優先すべき事項が不整脈の予防。血中カルシウム濃度を上昇させることで心筋の活動性を抑制し、不整脈を抑制するってわけですね〜

GI療法によるカリウムの細胞内移動の促進

自分が今回学んだことの中で1番「へぇ〜〜」だったのがこのGI療法。

まず、「GI」は「グルコースとインスリン 」のこと。

細胞外に存在するカリウムを細胞内に移動させることを目的として、糖分(グルコース)とインスリンを同時に投与します。

インスリンによってブドウ糖が細胞内に取り込まれるのと同時に、カリウムも一緒に細胞内に取り込まれ、血糖値と一緒にカリウム値も低下するんだって!

知らなかったーーー。インスリンにそんな作用もあったんだね。

そのインスリンの作用を利用するにあたって、低血糖を起こさないようにグルコースも同時に投与するのがこのGI療法ってわけね。病院ではこんな治療が行われていたんだね。

詳細はこんな感じみたい。レジメンを3つ紹介しますね。

レギュラーインスリン5~10単位を静注し、この直後またはこれと同時に50%ブドウ糖液50mLを急速静注する。低血糖予防のために、10%ブドウ糖液を50mL/時で引き続き点滴する。

10%ブドウ糖500mlに10〜20単位のレギュラーインスリンを加えて1時間以上で点滴。

10単位のレギュラーインスリン+50%のブドウ糖50mlをワンショット

 フロセミド点滴静注によるカリウムの排出促進

ループ利尿薬の作用点ですね。
ヘンレ係蹄上行脚のNa+/K+/2Cl共輸送体を阻害し、ナトリウムとカリウムを体外へ排出します。

他にはβ2刺激薬にもカリウムを細胞内へ移行させる速攻作用があり、サルブタモールの吸入でカリウム濃度を0.5~1.5mEq/L低下させることができるとも言われています。有用な補助療法ですね。

腎機能低下者だったり、腎障害を持ってる人だと血液透析実施も有力な治療法になります。

今回はこんな感じーーー!

なんだろ。比較的インスリン関連の内容好きで勉強してきたけど、このGI療法に関しては全く無知だったので、少し楽しくお勉強できました。

インスリン関連だとこんな内容で書いてるよ〜ぜひみてみてね

ではではーーーしぐでしたっ

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