レムデシビル〈ベクルリー点滴静注〉承認!新型コロナウイルスに適応・効能効果をもつ新薬

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薬剤師のしぐです。

ついについに、新型コロナウイルスに適応・効能効果を持つ医薬品の承認がおりました!

その名も「ベクルリー点滴静注液」!!

これまでもいくつか新型コロナウイルス関連の内容を書いてきました。

医療の世界の法律まで変えていったこの新型コロナウイルス。

初の治療薬承認!!ということで、このベクルリー点滴静注液についてまとめていきます。

まだ承認がおりたばっかりなので、情報も薄いかもしれないのですが随時更新していきます。

レムデシビル〈ベクルリー点滴静注〉承認

一応、概要だけ先に。

抗ウイルス薬・ベクルリー点滴静注液100 mg、同点滴静注用100 mg(一般名:レムデシビル)が5月7日、重症の「SARS-CoV-2による感染症」を効能・効果として、医薬品医療機器等法第14条の3に基づき特例承認された。同日開かれた厚労省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で、承認が了承された。製造販売元のギリアド・サイエンシズは5月4日に特例承認を活用した申請を行っており、わずか3日での承認となった。感染拡大が世界的に続く一方で、経済面からは出口戦略を求める声が政府に向けられている。安倍首相が満を持して承認したベクルリーが新型コロナの治療薬第一号としてこれを後押しすることとなりそうだ。

成分名は「レムデシビル」ですね。以前もまとめたことがあります。

商品名が「ベクルリー点滴静注液」です。

レムデシビル〈ベクルリー点滴静注〉の適応・効能効果

SARS-CoV-2による感染症

これまでの投与経験から「現時点では原則として重症患者を対象に投与を行う」となっており、下記要件を満たす重症患者に限るようです。

  • 酸素飽和度94%以下(室内気)
  • 酸素吸入を要するもしくは体外式膜型人工肺(ECMO)導入
  • 侵襲的人工呼吸器管理を要する重症患者

とりあえず需要と供給の面から考えると、重症患者から優先して使用することは当然ですよね。これは世界全体での問題なので。供給が安定すれば対象範囲も拡大できるはず。

レムデシビル〈ベクルリー点滴静注〉の作用機序

レムデシビルはもともとエボラ出血熱治療薬として開発されていました。

作用機序は「RNAポリメラーゼの阻害」作用です。

細胞内でアデノシン三リン酸類似体に代謝されるヌクレオシド類似体のプロドラッグで、RNAポリメラーゼを阻害することで効果を発揮します。

RNAウイルスの増殖に必要なRANポリメラーゼという酵素を阻害することで、RNAウイルスの増殖を抑制する、ということですね。

この「レムデシビル」の他にも、治療効果があると言われている抗インフルエンザ薬ファビピラビル〈アビガン錠〉も、同じ作用機序であるRNAポリメラーゼ阻害薬です。

レムデシビル〈ベクルリー点滴静注〉の製造販売はギリアドさん

製造販売はギリアドさんですね。もう、抗ウイルス薬といったらギリアドさん!なイメージついちゃいますよね。

C型肝炎のソバルディ、ハーボニー。

B型肝炎のベムリディ。

治療率100%の高額医薬品としても話題になりましたが、ギリアドさんのおかげで救われる命がまた増えること間違いなしでございます。

レムデシビル〈ベクルリー点滴静注〉の用法用量

成人及び体重40kg以上の小児には投与初日に200mg、2日目以降は100mgを1日1回点滴静注する。

体重3.5kg以上40kg未満の小児には投与初日に5mg/kgを、投与2日目以降は2.5mg/kgを1日1回点滴静注する。

なお、総投与期間は10日までとしているが、人工呼吸器やECMOを必要としない患者には5日までとし、症状の改善が認められない場合は10日目まで投与するとしている。

重大な副作用について

重大な副作用としては、急性腎障害や肝機能障害がある。そのため、腎機能や肝機能を毎日検査し、患者の状態を十分観察することを求められます。

重度の腎機能障害(成人や乳児、幼児、小児はeGFRが30mL/min未満、生期産新生児(7~28日)では血清クレアチニン1mg/dL以上)では治療上の有用性が上回ると判断される場合にのみ投与することとした。

また、ALT値が基準範囲上限の5倍以上の場合は投与しないことが望ましいとした。

ベクルリーに関して、治験・臨床成績の速やかな報告

有効性・安全性が「きわめて限られている」として、現在進行中の治験や臨床試験の成績が得られ次第、速やかに報告することを求めた。

猶予期間は承認取得から9か月で、承認事項を変更する必要が認められた場合には承認事項の変更を命じることがあるとした。

このほか、副作用を速やかに報告することや、医療従事者や患者に特例承認であることを説明し、理解されるために必要な措置を講じること、さらに本剤の販売・授与の相手や相手ごとの販売数量や授与数量を必要に応じて報告することなどを政令上の義務とした。

安全性・有効性・副作用情報の収集

現時点では使用経験が限られていることから、製造販売後一定数の症例についてのデータが集積されるまでの間は、全症例について副作用情報などの安全性・有効性を早期に収集し、適正使用に必要な措置を講じるとの承認条件が付いた。

また、投与に際しても、投与が適切と判断される症例のみを対象に、原則としてあらかじめ患者や代諾者に有効性・安全性に関する情報を十分に説明し、文書による同意を得てから投与することとしている。

今回はこんな感じです!

とりあえずの、速報版ですね。

また、詳細情報で次第更新していきます。

ではでは、しぐでしたっ

コメント

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