プロマック・ノベルジン・ジンタスの違い|亜鉛含有量・適応・飲み方を比較

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プロマック・ノベルジン・ジンタスの違い|亜鉛含有量・適応・飲み方を比較

鮮やかな背景に並ぶ3つの白い薬容器と銀色のリボン

こんばんは、薬剤師のしぐです。

「プロマック75mgとノベルジン25mg。どちらの亜鉛が多いの?」

薬の名前に付いている数字を見ると、プロマックのほうが多そうに感じますよね。でも、ここが亜鉛製剤のちょっとややこしいところ。

プロマックD錠75の亜鉛含有量は約17mg。ノベルジン錠25mgとジンタス錠25mgには、それぞれ亜鉛が25mg含まれています。「成分としてのmg」と「亜鉛そのもののmg」を分けて考えるのがポイントです。

さらに、3剤は適応も飲み方も同じではありません。プロマックは胃潰瘍治療薬、ノベルジンとジンタスは低亜鉛血症に適応のある薬です。

今回は、元記事のテーマである亜鉛含有量を軸に、ジンタスを加えた3剤の特徴と、薬局で確認したいポイントをまとめます。

まず結論:亜鉛の量だけで薬は選べない

比較項目プロマックD錠75ノベルジンジンタス
成分ポラプレジンク酢酸亜鉛水和物ヒスチジン亜鉛水和物
亜鉛含有量1錠あたり16.9mg(約17mg)25mg錠:25mg、50mg錠:50mg25mg錠:25mg、50mg錠:50mg
承認された適応胃潰瘍低亜鉛血症、ウィルソン病低亜鉛血症
通常の飲み方の概要朝食後・就寝前の1日2回低亜鉛血症では開始時1日2回、食後1日1回、食後
剤形の特徴口腔内崩壊錠錠剤に加え顆粒5%がある25mg・50mgの錠剤
比較で押さえたい点75mgは亜鉛の量ではない適応によって飲むタイミングが異なる服用回数を1日1回にできる

※ノベルジン・ジンタスの飲み方は、成人および体重30kg以上の小児の低亜鉛血症治療を中心に記載。用量は血清亜鉛濃度や患者の状態に応じて調節されます。

同じ「亜鉛が入っている薬」でも、単純な置き換えはできません。適応、1日亜鉛量、服用回数、飲み込みやすさをセットで確認すると、違いが見えてきます。

プロマックの特徴:亜鉛を含む胃潰瘍治療薬

プロマックの成分は、亜鉛とL-カルノシンからなるポラプレジンク。胃粘膜の傷んだ部分に作用し、粘膜保護や修復を助ける薬です。

承認された適応は胃潰瘍で、通常はポラプレジンクとして1回75mgを朝食後と就寝前に服用します。

「75mg=亜鉛75mg」ではない

プロマックD錠75に含まれる亜鉛は、1錠あたり16.9mg。通常の1日2錠なら、亜鉛として33.8mg、つまり約34mgです。

「75mg錠を2錠だから亜鉛150mg」と計算すると、大きくずれてしまいます。薬歴や情報提供で亜鉛量を整理するときは、元素としての亜鉛量に換算する必要があります。

プロマック顆粒15%も、0.5gにはポラプレジンク75mg、亜鉛として約17mgが含まれます。「1包あたり」の量は包装・処方量を確認してから判断しましょう。

味覚障害への使用と、承認適応は分ける

ポラプレジンクが味覚障害などに使用されることはあります。ただし、低亜鉛血症や味覚障害はプロマックの承認適応ではありません。

「亜鉛が入っているから、低亜鉛血症に適応がある」とは言えないんですよね。処方目的と適応の違いは、押さえておきたいところです。

なお、D錠は口の中で崩れますが、口腔粘膜から吸収される薬ではありません。唾液または水で飲み込みます。

小皿に並べた錠剤と顆粒、琥珀色の薬瓶

ノベルジンの特徴:低亜鉛血症とウィルソン病の2つの適応

ノベルジンの成分は酢酸亜鉛水和物。25mg錠には亜鉛25mg、50mg錠には亜鉛50mgが含まれています。

プロマックと違い、錠剤の規格をそのまま亜鉛量として読めるので、計算しやすい製剤です。

低亜鉛血症では食後、開始時は通常1日2回

成人および体重30kg以上の小児では、亜鉛として1回25~50mgを1日2回、食後に服用して開始します。開始時の1日亜鉛量は50~100mgです。

血清亜鉛濃度などに応じて調節し、この対象での最大量は1日150mg。体重30kg未満の小児には別の用量設定があります。

ウィルソン病では飲み方が異なる

ノベルジンには、銅の吸収を抑える作用を利用したウィルソン病の適応もあります。この場合は食前1時間以上、または食後2時間以上あけて服用します。

低亜鉛血症では胃腸障害への配慮から食後投与です。同じノベルジンでも、服用時点を確認するときには処方目的まで見る必要があります。

顆粒もあるのが特徴

ノベルジン顆粒5%は、顆粒1g中に亜鉛50mgを含みます。0.5gなら亜鉛25mgです。

錠剤を飲みにくい患者さんや、細かな用量調節が必要な場面では、顆粒という選択肢があることも特徴です。酢酸亜鉛の後発品を比較するときも、個別製品の剤形や適応を確認しましょう。

ジンタスの特徴:低亜鉛血症に1日1回投与

ジンタスはヒスチジン亜鉛水和物を成分とする低亜鉛血症治療薬。25mg錠には亜鉛25mg、50mg錠には亜鉛50mgが含まれます。

比較でまず押さえたい特徴は、1日1回、食後に服用すること。薬の種類が多い患者さんでは、服用回数が選択を考える際の一つの材料になります。

開始用量は血清亜鉛濃度を踏まえる

成人および体重30kg以上の小児では、亜鉛として1日50~100mgで開始します。添付文書の目安は、開始時の血清亜鉛濃度が50μg/dL以上なら50mg、50μg/dL未満なら100mgです。状態に応じて調節しますが、1日150mgを超えません。

体重30kg未満の小児に対する標準用量は設定されておらず、この点もノベルジンと異なります。

2026年6月に25mg錠が発売

ジンタス50mg錠は2024年8月20日に発売され、25mg錠は2026年6月8日に発売されました。

50mg錠は長径17.0mmの楕円形、25mg錠は直径9.0mmの円形です。規格が増えたことで、用量と錠数に加え、錠剤の大きさも具体的に比較できます。

ただし、25mg錠の発売は「全員が25mgで開始できる」という意味ではありません。 規格と開始用量は分けて考えましょう。

さらに2026年10月1日からは、扶桑薬品工業とノーベルファーマによる共同の情報提供活動も始まっています。これは販売・情報提供体制の話題で、適応や治療効果の変更ではありません。

「新しいから一番よい」とは言い切れない

1日1回という特徴はありますが、それだけで全員にジンタスが最適とは決められません。錠剤の飲み込みやすさ、用量調節、年齢・体重、服薬状況なども関係します。

副作用についても、別々の試験の発現率を並べて「こちらのほうが安全」と断定するのは避けたいところ。ジンタスでも銅欠乏症や消化器症状などへの注意が必要です。

亜鉛不足=味覚障害、と決めつけない

亜鉛は味覚、皮膚や粘膜の維持などに関わる必須微量元素です。不足すると味覚障害のほか、皮膚炎、脱毛、食欲低下などを生じることがあります。

ただ、味覚が変わる原因は亜鉛不足だけではありません。薬剤、口の中の状態、その他の病気なども確認する必要があります。

がん薬物療法中に「味がしない」「何を食べても苦い」と相談されたときも、亜鉛の話だけで終わらせず、口腔内の症状、食事・水分摂取、症状が始まった時期を確認したいですね。

薬局での聞き取りでは、「味は戻りましたか?」に加えて、「食べられるものは増えましたか?」 と聞くと、生活への影響をつかみやすくなります。

血清亜鉛の数値は、症状と採血条件を合わせて見る

診療指針では、血清亜鉛60μg/dL未満を亜鉛欠乏、60以上80μg/dL未満を潜在性亜鉛欠乏の目安としています。ただし、数値だけで亜鉛欠乏症と確定するわけではありません。

症状や他の原因、補充後の反応を合わせて評価します。潜在性亜鉛欠乏の範囲でも、症状のない人への補充を一律には勧めていません。

測定は早朝空腹時が望ましく、ノベルジン・ジンタスの添付文書でも服薬前の採血が望ましいとされています。検査値を比較するときは、採血と服薬のタイミングも確認しましょう。

食事の必要量と、治療用の亜鉛量は別

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」における成人の亜鉛推奨量は、年齢により男性9.0~9.5mg/日、女性7.0~8.0mg/日です。

一方、低亜鉛血症の治療では、これより多い亜鉛量を使います。食事による健康維持の目安と、検査をしながら行う薬物治療の量は目的が異なります。

治療薬の量を見てサプリメントを同じだけ飲んだり、逆に食事の目安を超えているからと処方薬を自己判断で中止したりしないよう、違いを説明しておきたいですね。

薬瓶と検査用チューブ、ノートを置いた薬局の相談机

薬局で確認したいのは、重複・相互作用・銅欠乏

1.胃薬やサプリメントにも亜鉛が入っていないか

ノベルジンやジンタスだけを見ていると、胃薬として処方されているポラプレジンクを見落とすことがあります。市販の亜鉛サプリメントやマルチミネラルも含め、亜鉛の重複を確認しましょう。

患者さんには「サプリは飲んでいますか?」だけでなく、「亜鉛や、髪・爪のためのサプリは使っていますか?」と具体的に聞くのも一案です。

2.一緒に飲む薬の吸収を妨げないか

亜鉛製剤では、キノロン系抗菌薬、テトラサイクリン系抗菌薬、経口鉄剤などとの同時服用に注意が必要です。

服用間隔は相手の薬によって異なるため、「全部2時間あければよい」と一括で案内せず、それぞれの添付文書を確認して調整します。

3.亜鉛が上がっても、銅が下がっていないか

亜鉛の補充によって銅の吸収が妨げられ、銅欠乏を生じることがあります。貧血や血球減少、神経症状などにつながる可能性があり、プロマックを含めて注意する点です。

診療指針では亜鉛を1~2か月ごと、銅や血算を数か月ごとに確認する目安が示されています。個々の患者さんの検査計画を把握し、症状と合わせてフォローしましょう。

「亜鉛が正常になったから安心」で終わらず、補充を続ける必要性まで確認することが大切です。

4.胃腸症状を我慢していないか

ノベルジンでは、重大な副作用に出血を伴う胃潰瘍も記載されています。強い腹痛、黒い便、吐血などは、単なる飲み始めの胃の不快感として扱わず、速やかな医療機関への相談が必要です。

ジンタスでも胃腸症状は起こり得ます。薬を変更したあとは、飲めているか、体調の変化がないかを確認しましょう。

まとめ:亜鉛製剤は「量・適応・飲み方・フォロー」で比較する

プロマックD錠75には亜鉛が約17mg、ノベルジンとジンタスには規格どおり25mgまたは50mgが含まれます。

ただし、プロマックの承認適応は胃潰瘍。低亜鉛血症に適応があるノベルジン・ジンタスとは、位置づけが異なります。

低亜鉛血症の治療では、ノベルジンの剤形や小児用量、ジンタスの1日1回投与など、それぞれの特徴を踏まえて考えます。

薬局で大切なのは、含有量を計算するところから一歩進んで、「何のための処方か」「実際に飲めているか」「症状と検査値はどう変わったか」まで確認すること。 亜鉛を補う薬だからこそ、補いすぎや銅欠乏にも目を向けたいですね。

よくある質問

プロマック75mgには亜鉛が75mg入っていますか?

いいえ。75mgはポラプレジンクの量です。亜鉛は1錠あたり16.9mg、約17mgです。

ノベルジンとジンタスは同じ薬ですか?

どちらも低亜鉛血症に使いますが、成分や用法が異なります。ノベルジンにはウィルソン病の適応もあります。

ジンタスはノベルジンの代わりになりますか?

低亜鉛血症の治療では選択肢になります。ただし、適応、年齢・体重、亜鉛量や服用回数を確認して医師が判断します。ウィルソン病治療薬として自己判断で置き換えることはできません。

味覚障害があれば亜鉛を飲んだほうがよいですか?

原因を確認することが先です。症状と血清亜鉛濃度などを評価し、亜鉛補充が必要か判断します。

亜鉛の薬とサプリメントを一緒に飲めますか?

重複によって亜鉛の総量が増えるため、追加する前に医師・薬剤師へ相談してください。サプリメントの商品名や含有量がわかると確認しやすくなります。

コメント

  1. […] ポラプレジンク(プロマック)と酢酸亜鉛(ノベルジン)比較!亜鉛の含有… […]

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