アニサキスと正露丸!?概要や症状、治療法や注意点をまとめるよ

薬剤師のしぐです。

最近よく聞きませんか?

アニサキス。

実際に初めてこの名前を聞き、ググって見て、写真を見たときはゾッとしました。

どんな疾患か、原因から治療法までまとめてみます。

アニサキスとは。概要だよ。

アニサキス症とは、アニサキスという寄生虫の幼虫がいる魚介類を食べた数時間後に幼虫が主に消化管の壁に食いつくことによって急な腹痛などを起こす感染症です。

日本におけるアニサキス症の報告のほとんどは胃への感染(胃アニサキス症)です。そのほか、小腸への感染(腸アニサキス症)、まれですが消化管からお腹の中に入り込んで症状を起こす場合(腸管外アニサキス症)もあります。

日本のアニサキス症の発生は、刺身やお寿司など海産魚介類を生で食べる食習慣と強く関連しているため、諸外国に比べて多い傾向にあります。時期的には冬に報告が多いといわれており、また地域によっても発生にばらつきがあることが特徴です。

日本では、年間数千件の発生があると推定されています。

アニサキスの幼虫は人の体に入ると、約2~3週間で自然に死滅するとされています。

アニサキスは寄生虫の一種で魚介類の内臓に寄生しており、宿主が死亡し鮮度が落ちると内臓から筋肉のほうへと移動することが判明しています。

主に、サバ・サンマ・イカなどに寄生していることが多く、形状は長さ2~3cm・幅0.5〜1mmほどで半透明の白色の太い糸のように見えます。

アニサキス症は魚介類の生食が感染経路であるため、刺身や寿司などの海産魚介類を生食する食文化がある日本特有の疾患といえるかもしれません。

アニサキスは、本来海産哺乳類(クジラやイルカ)の消化管の中に生息する線虫です。クジラやイルカなどから産卵された卵は糞便とともに海中に放出され、海水中で卵が孵化し、オキアミ(第1中間宿主)に食べられて第3期幼虫となります。これを海産魚(サバなど)やイカ(第2中間宿主)が食べると第3期幼虫のままですが、海産哺乳類(終宿主)が食べると、体内で成虫となります。

人間がカツオ、イワシ、サンマ、ホッケ、スルメイカなど(第2中間宿主)を生で食べると、ヒトの体内はアニキサスにとっては良い環境ではないようです。

人の体内に入ったアニサキスは成虫にはならず、消化管の粘膜(胃壁や腸壁)に刺入し(もぐりこみ)、その結果はげしい腹痛をおこします。

アニサキスの感染経路

アニサキスの幼虫は、さまざまな魚介類を中間宿主(幼虫の時期を過ごす動物)として寄生しています。代表的なものとしてはサバ、イワシ、タラ、ホッケ、イカなどがあります。最近ではサンマも感染の原因になる機会も多いとされます。

アニサキスの終宿主(成虫が寄生する動物)はクジラやアザラシなどの海産哺乳類であり、これらの消化管に寄生することがわかっています。アニサキスの幼虫は加熱や冷凍などで死滅させることができますが、酢漬けや塩漬けといった一般的な調理方法では生存可能です。

寄生虫被害の多くはこのアニサキスの幼虫(体長は11mm~37mm位)の経口摂取が原因です。

寄生部位(穿孔部位)別に胃アニサキス症、腸アニサキス症、腸管外アニサキス症に分けられます。アニサキスの多くは消化管壁を貫通できませんが、貫通した場合は穿孔性腹膜炎や寄生虫性肉芽腫を発症することもあります。

アニサキスの症状

アニサキスに関連した病気と症状は以下の通りです。

一方、吐瀉物は胃液だけで下痢などは一切認められないことが一般的な食中毒と異なる点です。これはアニサキスの虫体が寄生のために胃壁や腸壁を食い破ろうとするために生ずる症状であるとされています。

胃アニサキス症

一般に、アニサキスの幼虫に対する免疫反応の違いによって症状が異なり、急性アニサキス症(劇症型)と慢性アニサキス症(緩和型)に分けられます。多くは急性アニサキス症です。

胃アニサキス症の症状は食後数時間(2時間から10時間後)で始まる激しい腹痛と嘔吐です。具体的には、夕食にアジ、サバ、イカなどの刺身を摂食した既往があり、その後の夜中の2時頃から急激に腹痛と嘔吐がみられるようになります。痛みはギューッと絞られるような痛みであり、間歇的に襲ってきます。

胃一定間隔で腹痛を繰り返すのがアニサキス症の特徴です。症状が悪化すると、発熱や蕁麻疹などのアレルギー反応を伴うこともあります。

腸アニサキス症

腸にアニサキスの幼虫が食いつくことで腹痛、嘔気・嘔吐などを起こします。

腸アニサキス症は生魚の食事後、半日~数日後に下腹部への痛みや胃アニサキス症と同様に嘔吐や吐き気に襲われます。症状が悪化した場合、腸がむくんでしまう腸閉塞や腸壁に穴が空いてしまう腸穿孔・腹膜炎などの合併症を引き起こす事もあります。

消化管外アニサキス症

消化管外アニサキス症は稀にアニサキスが消化管を突き破り、別の部位へと寄生することで発症します。寄生した部位の疾患に対応する適切な処置を行う必要があるため、早急に検査をすることが必要です。
 

アニサキスアレルギー

最近、アニサキス症とアレルギー反応に関連があることがわかっています。アニサキスに感染することで全身に蕁麻疹の症状を伴うことや、アナフィラキシー・ショックを起こし、血圧の低下や呼吸困難に陥いることがあります。この場合、アニサキス自体が抗原となるため、加熱処理などの有無にかかわらず、発症してしまうといわれています。

アニサキス関連の検査

胃カメラ検査・大腸カメラ検査により胃・腸内にアニサキスの有無を直接確認したします。アニサキス症では胃アニサキス症が約99%以上。腸アニサキス症は約1%以下といわれています。

血清検査

抗アニサキス体といわれる免疫反応に対する検査を行います。腸などに感染している場合に診断の補助材料として行います。
 

エコー検査

食後間もない状態で胃カメラの使用が難しい場合や症状が腸に発症しているなど内視鏡検査での確認が難しい場合に腹部エコー検査を行います。

アニサキスの治療について

胃内視鏡

胃アニサキス症の場合、胃内視鏡による虫体の摘出が最も有効と言われています。

正露丸

これまでアニサキス症に特異的に効果のある治療薬は存在しないと言われてきましたが、木クレオソートを含有する正露丸の内服で、胃アニサキス症の症状である強い上腹部痛が焼失した症例が報告されてます。

アニサキス症が疑われた患者が正露丸を服用後、1〜2分で痛みが消失し、そのあとの内視鏡検査で動きのない白色の寄生虫を胃粘膜より採取し、アニサキス症と診断されることがあるようです。

水の中では1時間以上動き続けるのに対し、正露丸を1錠溶かした水5ml溶液では3分程度でアニサキスの運動が停止した。同10ml溶液では4分程度、同20mlでは26分程度で運動が停止したという報告があるみたい。

上記理由から、アニサキス感染が考えられる場合に市販の正露丸を通常用量で服用すれば、アニサキスの運動抑制効果が期待できるってわけですねー。

アニサキス感染の予防

基本的に、このアニサキスは塩漬けや酢漬けで死滅しません。

なので、予防方法としては

  • 物理的に噛み、切断するために、よく噛んで食べる
  • 火を通す

といった方法で予防できます。

結構目に見えるほど大きな虫なんですよね、、、。

今回はこんな感じ。

ホントに壮絶な痛みのようなので、みなさん生魚を食べる際などは要注意です。

ではでは、しぐでしたー

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