湿布:貼付剤の70枚を超える処方の可否。140枚等処方時に必要な記載事項とは

薬剤師のしぐです。

2年に1度の調剤報酬改定。改定のたびに、新しい点数・加算・規制事項等増えていくため、正直少しずつ過去の改定内容が曖昧になってしまう、、、という薬剤師さんも多いかと思います。

今回、自分の薬局で話題になったのが湿布の処方枚数がコレ。

ロキソニンテープ100mg 1日1回 全量140枚 備考欄:貼付部位多数のため

さてさて、皆さんだったらどのように考えますか??

自分の薬局で出た意見が下記3つ。

薬剤師
薬剤師

貼付剤が1処方での上限70枚を超えてるので、疑義照会が必要ですよね??

疑義照会にて医師から指示が出ればこのまま調剤可能では?

薬剤師
薬剤師

1処方での貼付剤の処方上限70枚があるので、疑義照会して処方枚数を70枚にしてもらわなければならないですよね?

向精神薬や麻薬同様、上限の70枚は守る必要があるのでは??

薬剤師
薬剤師

1処方での貼付剤の処方上限70枚はあるけど、備考欄に「70枚を超えて処方する理由」が記載されていればそのまま調剤可能じゃなかったでしたっけ??

ふむふむ。
貼付剤の70枚を超えての処方を受け付けた際の対応。どうでしょうか。調剤薬局ならではの悩みですね。

今回はこの湿布:貼付剤の70枚を超える処方の可否についてまとめます!

ちなみにコチラ、以前まとめたことのある「湿布:貼付剤の70枚処方枚数制限について」です。

湿布:貼付剤の70枚を超える処方の可否

では、さっそく結論から。

平成28年の診療報酬・調剤報酬改定時に新しくできた貼付剤の1処方につき70枚までの処方枚数制限。

その際、改訂時に出された文言がコチラ。

院外処方では処方せんの処方欄に、用法及び用量は、1回当たりの服用(使用)量、1日当たり服用(使用)回数及び服用(使用)時点(毎食後、毎食前、就寝前、疼痛時、○○時間毎等)、投与日数(回数)並びに服用(使用)に際しての留意事項等を記載する。特に湿布薬については「1回当たりの使用量及び1日当たりの使用回数」、または「投与日数」を必ず記載する。

入院外の患者に1処方につき70枚を超えて湿布薬を投薬した場合、調剤料、処方料、薬剤料(70枚超過分)、調剤技術基本料、及び処方せん料は算定できないとされた。ただし、医師が「疾患の特性等により必要性があると判断し、やむを得ず70枚を超えて投薬する場合」は「その理由を処方せん及びレセプトに記載することで算定可能」(点数表告示)とされた。

1処方につき70枚を超える場合は、院外処方では処方せんの備考欄、院内処方ではレセプトの摘要欄に当該湿布薬の投与が必要であると判断した趣旨について記載する(例えば、病名、部位や患部の広さなどが考えられる)。

と、いうわけで、備考欄にしっかりと理由が記載されていれば1処方につき70枚の上限を超えての処方も可能ということになります。

少し前の調剤報酬改定になるので、根拠となる資料が手元に残ってなくて、、、こういったネット上の情報は信憑性に欠けるかもしれないのですが。

そしてここからは、貼付剤の70枚を超えた処方が可能だという根拠の部分!!

湿布:貼付剤の70枚を超える処方可能と判断する根拠

ネット情報が信用できない方。必ずいらっしゃると思います。

実際に新しい情報等は「日経DI」や「調剤と情報」、「治療薬マニュアル」や「今日の治療薬」など、信頼できる書籍に頼るしかないですよね。

自分の薬局で使用してる、保険や請求関連で信頼してる書籍がコチラ「保険薬局業務指針」

この保険薬局業務指針には今回の【湿布:貼付剤の70枚を超える処方】についても記載があります。

【保険薬局業務指針2020】であれば511ページと、515ページですね。ここをみてもらうと、湿布:貼付剤の70枚を超える処方への対応が記載されています。

70枚を超えて湿布薬が処方さている処方箋に基づき調剤を行った場合は、処方医が当該湿布薬の投与が必要であると判断した趣旨について、処方箋の記載により確認した旨又は疑義照会により確認した旨を記載する。

70枚制限のある貼付剤の対象・考え方

補足として、ココも記載しておきます。

ホクナリンテープやフランドルテープが90枚処方されてるけど、備考欄に特に記載がない、、、といった場合。

一応、この70枚処方枚数制限の対象となる貼付剤は下記の通り。

制限対象となる湿布薬は、貼付剤のうち、薬効分類以上の鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤となる。ただし、専ら皮膚疾患に用いるものは除く。

といった感じです。

たまに、70枚を超えて処方された際、薬剤師同士で話題に上がるのでまとめてみました。

今回はこんな感じー。

今さら感のある内容。でも、必ずたびたび話題に上がる内容。

自分も定期的にこの内容を見返すことになると思います、、、。

知識としては知っていても、その根拠は?と聞かれると、少し困っちゃう内容。

今回の内容の初めの方にも紹介しましたが、以前まとめた「湿布:貼付剤の70枚処方枚数制限について」がコチラ。この内容も、定期的に見返す内容になっています。

ではではーしぐでしたっ

コメント

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