オフェブ(ニンテダニブ)は冷蔵?保管温度・飲み方・副作用・ジャスケイドとの違い【2026】

薬剤師のしぐです。
今回は、間質性肺疾患の治療に使われる「オフェブカプセル」について。
一般名はニンテダニブです。
薬局で調剤するとき、意外と迷いやすいのが保管方法。
「オフェブって冷蔵庫に入れる薬だっけ?」
「アルミピローから出して渡してよい?」
という点です。
結論から言うと、オフェブは冷蔵庫で保管する薬ではありません。
25℃以下で、湿気を避けて保管します。
しかも吸湿性があるため、服用直前までPTPシートから取り出さず、薬局でもアルミピロー包装のまま調剤することが望ましい薬です。
この記事では、オフェブの保管温度、飲み方、飲み忘れ、下痢を中心とした副作用、薬局でのフォローアップ、そして米国で登場した新しい特発性肺線維症治療薬「JASCAYD(ジャスケイド/ジャスカイド)」との違いまで整理します。
オフェブ(ニンテダニブ)とは?
オフェブは、肺の線維化が進むのを抑える抗線維化薬です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売名 | オフェブカプセル100mg・150mg |
| 一般名 | ニンテダニブエタンスルホン酸塩 |
| 薬効分類 | チロシンキナーゼ阻害剤・抗線維化剤 |
| 国内の効能・効果 | 特発性肺線維症、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患、進行性肺線維症 |
| 通常用量 | 1回150mg、1日2回、朝・夕食後 |
| 減量時 | 1回100mg、1日2回 |
| 保管 | 25℃以下、湿気を避ける |
特発性肺線維症だけでなく、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患、進行性肺線維症にも使用されます。
肺線維症を元の状態に戻す薬ではありませんが、肺機能の低下スピードを緩やかにすることが期待されます。
2026年9月の再審査結果に伴い、IPF用の患者向け資材はRMP資材としての位置づけが変わり、当該資材による特定薬剤管理指導加算3(イ)は対象外になります。一方、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患と進行性肺線維症のRMPによる管理は継続します。適応別の扱いと算定条件は、関連記事で整理しています。

オフェブの作用機序|複数のチロシンキナーゼを阻害
ニンテダニブは、次の受容体型チロシンキナーゼを阻害します。
- PDGFR:血小板由来増殖因子受容体
- FGFR:線維芽細胞増殖因子受容体
- VEGFR:血管内皮増殖因子受容体
これらは線維芽細胞の増殖・遊走や、肺の線維化に関わるシグナル伝達に関与します。
オフェブは複数の経路をまとめて抑えることで、線維化の進行を抑制する薬です。
いわゆる「免疫を抑える薬」とは作用点が異なり、線維化に関係する細胞内シグナルを抑える抗線維化薬という位置づけです。

オフェブは冷蔵保存?保管温度は?
オフェブは冷蔵保存ではありません。
25℃以下で、湿気を避けて保管します。
冷蔵庫へ入れないほうがよい理由
冷蔵庫から出し入れすると、温度差によって結露が生じる可能性があります。
オフェブは吸湿性があるため、「冷やせば安心」という薬ではありません。冷蔵庫ではなく、直射日光、高温、多湿を避けた場所で保管します。
とくに夏場は、室温が25℃を超える場所へ長時間置かないことが大切です。
- 直射日光の当たる窓際
- 夏の車内
- 暖房器具の近く
- 湿気の多い洗面所や台所
こうした場所は避けましょう。
旅行や通院時の持ち運びでは、保冷剤を薬へ直接密着させて冷やすのではなく、高温にならないようバッグ内で管理します。極端な高温環境が避けられない場合は、事前に薬局やメーカーへ確認すると安心です。
アルミピロー包装のまま調剤する
電子添文では、オフェブは吸湿性があるため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること、さらにアルミピロー包装のまま調剤することが望ましいとされています。
薬局実務では、次の点が重要です。
- アルミピローを開封してバラさない
- 原則としてPTPシートのまま交付する
- 一包化を安易に行わない
- 服用直前までPTPから出さないよう説明する
- ピルケースへ長期間移し替えない
高額薬であることも含め、保管方法は初回だけでなく継続時にも確認したいところです。
オフェブの飲み方|朝・夕食後に1日2回
通常、成人にはニンテダニブとして1回150mgを、1日2回、朝・夕食後に服用します。
副作用や患者さんの状態に応じて、1回100mgを1日2回へ減量することがあります。
| 通常 | 減量時 |
|---|---|
| 150mgを朝・夕食後 | 100mgを朝・夕食後 |
カプセルは噛まずに、コップ1杯程度の水とともに服用します。
カプセルを開けたり、中身をつぶしたりして服用する薬ではありません。
なぜ食後に飲むの?
オフェブは朝・夕食後に服用する薬です。
食事と一緒に服用するとニンテダニブの曝露量が増え、吸収が遅くなることが確認されています。また、下痢や悪心などの消化器症状を考えても、処方どおり食後に服用することが大切です。
食事がほとんど取れない、嘔吐がある、下痢が続いているといった場合は、無理に服用を続けるのではなく医療機関へ相談してください。
飲み忘れた場合
飲み忘れに気づいても、忘れた分を追加で服用しません。
次の服薬スケジュール、つまり次の朝または夕方から、処方された用量で再開します。
2回分を一度に飲むことは避けてください。
オフェブの副作用|下痢への早めの対応が重要
オフェブでとくに多い副作用は下痢です。
電子添文では、下痢56.1%、悪心21.6%、嘔吐11.0%、腹痛10.9%とされています。
「下痢はよくあるから仕方ない」と我慢し続けるのではなく、早い段階で対策することが治療継続につながります。
下痢が起きたらどうする?
下痢がみられた場合は、状態に応じて補液やロペラミドなどの止瀉薬を使用します。
それでも症状が続く場合は、オフェブの減量や一時中断が検討されます。
治療中断後に再開する場合は、1回100mg・1日2回から再開することが検討され、状態に応じて150mgへ戻すことがあります。
ただし、患者さんが自己判断で100mgへ減らしたり、中止したりするのは避けましょう。
次のような場合は、早めの連絡が必要です。
- 水のような下痢が続く
- 下痢の回数が増えた
- 水分や食事が取れない
- めまい、口の渇き、尿量減少がある
- 体重が急に減った
- 血便や強い腹痛がある
下痢の回数、便の状態、食事量、体重を記録しておくと、医師・薬剤師へ伝えやすくなります。
肝機能障害
肝機能障害も重要な副作用です。
投与開始前と投与中に、AST、ALT、ビリルビンなどを定期的に確認します。
強い倦怠感、食欲不振、吐き気、皮膚や白目が黄色い、尿が濃いといった症状がある場合は相談してください。
出血・血栓塞栓症
VEGFR阻害作用に関連して、出血や血栓塞栓症にも注意が必要です。
抗凝固薬や抗血小板薬を使用している患者さん、出血しやすい患者さんでは、とくに慎重な観察が必要です。
鼻血が止まりにくい、血尿、黒い便、血痰、突然の胸痛や息苦しさ、片側の手足の腫れ・痛みなどがあれば、速やかに医療機関へ連絡します。
消化管穿孔・ネフローゼ症候群・動脈解離
頻度は高くありませんが、消化管穿孔、ネフローゼ症候群、動脈解離なども重大な副作用として記載されています。
激しい腹痛、むくみ、急な体重増加、尿の泡立ち、突然の激しい胸・背中・腹部の痛みなどは放置しないことが重要です。
また、創傷治癒を遅らせる可能性があるため、手術予定がある場合は事前に処方医へ伝えます。

オフェブとジャスケイドの違い
ここで、2025年に米国で承認された特発性肺線維症治療薬「JASCAYD」について。

日本語では「ジャスケイド」「ジャスカイド」などと表記されていますが、一般名はネランドミラストです。
まず押さえたいのは、JASCAYDはニンテダニブの後発品ではないということ。
まったく異なる作用機序をもつ、新しい特発性肺線維症治療薬です。
| 比較項目 | オフェブ | JASCAYD |
|---|---|---|
| 一般名 | ニンテダニブ | ネランドミラスト |
| 作用機序 | PDGFR・FGFR・VEGFRなどを阻害するチロシンキナーゼ阻害薬 | PDE4Bを優先的に阻害 |
| 米国での位置づけ | 抗線維化薬 | IPFに対する新規PDE4B優先阻害薬 |
| 米国での服用 | 150mgを1日2回、食事とともに服用。減量時100mg | 18mgを1日2回。ニンテダニブ併用時は9mgを1日2回も選択肢 |
| 併用 | 他剤との併用は患者ごとに判断 | 米国では既存の抗線維化薬の有無を問わず使用可能 |
| 主な消化器症状 | 下痢が非常に多い | 下痢はみられるが、作用機序・副作用プロファイルは異なる |
| 日本での承認 | 承認済み | 2026年9月時点で未承認 |
ジャスケイドはPDE4B優先阻害薬
ネランドミラストは、ホスホジエステラーゼ4B(PDE4B)を優先的に阻害します。
細胞内のcAMPを分解するPDE4Bを抑えることで、炎症や線維化に関わる反応を調整する薬です。
オフェブが複数の受容体型チロシンキナーゼを阻害するのに対し、ジャスケイドはPDE4Bを標的とします。
そのため、オフェブとジャスケイドは「どちらか一方へ置き換える同成分薬」ではありません。
米国では、既存の抗線維化薬を使用している患者・使用していない患者の双方を対象に承認され、ニンテダニブとの併用も想定されています。
日本ではまだ使えるの?
2026年9月時点で、JASCAYDは日本では承認されていません。
したがって、国内の通常診療でオフェブからジャスケイドへ変更したり、保険診療で追加したりすることはできません。
米国で承認されたというニュースと、日本国内で処方できることは別です。この点は記事タイトルやSNS投稿でも誤解がないようにしたいところです。

薬局で確認したいポイント
オフェブを交付するときは、次の点を確認しておきたいです。
- 冷蔵庫へ入れず、25℃以下で湿気を避けているか
- アルミピローとPTPシートのまま保管しているか
- 朝・夕食後に服用できているか
- カプセルを噛んだり開けたりしていないか
- 飲み忘れ時に2回分をまとめて飲んでいないか
- 下痢の回数・便の状態・水分摂取・体重変化
- ロペラミドなどの使用方法を理解しているか
- 肝機能検査、血液検査、尿蛋白検査が行われているか
- 抗凝固薬・抗血小板薬を使用していないか
- 手術や抜歯の予定がないか
- セント・ジョーンズ・ワートを含む健康食品を使っていないか
オフェブは、下痢などの副作用を早期に見つけ、対処しながら継続することが重要な薬です。
薬局では「下痢はありますか?」だけで終わらせず、回数、食事量、水分摂取、体重、止瀉薬の使用状況まで具体的に確認したいですね。
まとめ|オフェブは冷蔵ではなく、25℃以下・防湿保管
オフェブカプセル(ニンテダニブ)のポイントをまとめます。
- 冷蔵保存ではない
- 25℃以下で、直射日光・高温・湿気を避ける
- 吸湿性があるため、服用直前までPTPから出さない
- 薬局ではアルミピロー包装のまま調剤することが望ましい
- 通常は150mgを朝・夕食後の1日2回
- 飲み忘れても2回分をまとめて飲まない
- 下痢は早めに対策し、必要に応じて減量・休薬を検討する
- 肝機能障害、出血、血栓、尿蛋白などにも注意する
- JASCAYDは別成分のPDE4B優先阻害薬で、オフェブの後発品ではない
- 2026年9月時点でJASCAYDは日本未承認
「冷蔵庫に入れておけば大丈夫」ではありません。
オフェブでは温度だけでなく、防湿とアルミピロー包装の維持が重要です。
そして治療継続の鍵となるのが、下痢を我慢しすぎないこと。
患者さんが副作用を抱え込まず相談できるよう、薬局から具体的な確認とフォローを続けていきたいですね。
よくある質問(FAQ)
オフェブは冷蔵庫で保管しますか?
いいえ。冷蔵保存ではありません。25℃以下で、直射日光、高温、湿気を避けて保管します。冷蔵庫への出し入れによる結露にも注意が必要です。
オフェブは一包化できますか?
吸湿性があるため、服用直前までPTPシートから取り出さず、アルミピロー包装のまま調剤することが望ましい薬です。原則として安易な一包化は避け、必要性がある場合は製剤情報を確認して個別に判断します。
オフェブはいつ飲みますか?
通常は1回150mgを1日2回、朝・夕食後に服用します。副作用などに応じて1回100mgへ減量することがあります。
オフェブを飲み忘れたらどうしますか?
忘れた分は追加せず、次の朝または夕方から通常のスケジュールで再開します。2回分を一度に服用してはいけません。
下痢が起きたらオフェブを中止しますか?
自己判断で中止せず、早めに処方医や薬剤師へ相談します。補液やロペラミドなどで対処し、症状によって医師が減量・一時中断を判断します。対症療法を行っても重度の下痢が続く場合は、中止して再投与しないことがあります。
オフェブとジャスケイドは同じ薬ですか?
同じ薬ではありません。オフェブはニンテダニブというチロシンキナーゼ阻害薬、JASCAYDはネランドミラストというPDE4B優先阻害薬です。JASCAYDはオフェブのジェネリックではありません。
ジャスケイドは日本で処方できますか?
2026年9月時点では日本未承認です。米国で承認されていますが、国内の通常診療で保険処方できる薬ではありません。
薬剤師のしぐです。
自分の薬局で、月の医薬品売上ランキングの常連として毎月上位にランクインするこのお薬。
「オフェブカプセル」
適応が結構特殊なお薬なので、扱ったことない薬剤師さんの方が多いのかな?
新しく適応が追加になって、処方の幅が広がったのでそのご紹介のついでにまとめていくよ
オフェブカプセルの有効成分
有効成分はニンテダニブ。
オフェブカプセルの効能効果
特発性肺繊維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis:IPF)
肺の希少疾患。原因不明の間質性肺炎です。
簡単に説明すると、慢性かつ進行性の、最終的には死に至る肺線維化疾患です。
明確な原因は不明ですが、肺全体が線維化によって固くなってしまい、うまく酸素交換ができなくなってしまいます。
現在、他の治療薬としては抗線維化剤のピレスパ(一般名:ピルフェニドン)や、ステロイド、免疫抑制剤等があります。
このIPFの治療目標は、「病気の進行を抑えること」になります。
全身性強皮症に伴う間質性肺疾患
こちらも難しい疾患。簡単に説明すると、全身の皮膚や組織が線維化して固くなる疾患で、国の難病に指定されています。

また、男女比は1:12であり、30~50歳代の女性に多く見られるのが特徴です。
有効な薬剤はなく、対処療法(ステロイド、ミコフェノレートモフェティル、シクロホスファミド、PPI、エンドセリン受容体拮抗薬等)が使用されています。
その他
海外では、非小細胞性肺癌の治療薬として使われてる国もあるんだとか。
用法用量
通常、成人にはニンテダニブとして1回150mgを1日2回、朝夕食後に経口投与する。
なお、患者の状態によりニンテダニブとして1回100mgの1日2回投与へ減量する。
ニンテダニブの作用機序
ニンテダニブは肺の繊維化に関わる「受容体」を狙い撃ちにする分子標的治療薬です。
肺線維症の発症機序への関与が示唆されている増殖因子受容体、特に血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)および血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)を標的にします。
ここの受容体が壊れてしまうことで、過剰な修復反応が繰り返し起こり、肺胞が繊維化してしまうってわけですね。
そこで、オフェブがこの受容体を狙い撃ちし、過剰な修復反応機能を抑えることで線維化過程に関与するシグナル伝達経路を遮断。
呼吸機能の低下を抑制し、IPFの疾患進行を遅らせる効果があるってことですねーー。
ちなみに、このオフェブ服用で呼吸機能の年間減少率を約半分抑制するっていう結果がでてるみたい。

注意が必要な副作用
下痢・悪心・嘔吐といった消化器系副作用は頻度が高いみたいですね。
下痢にいたっては55%以上!!服用患者の半分以上でみられるってことだもんね。
基本は対症療法で経過をみつつ、悪化するようであれば減量か服用中止。
保管上の注意点
貯法:25℃未満で保存する。
理由が「軟カプセルの為、高温になった場合の安定性の保証ができないから」だとか。
自分の薬局では念のために冷蔵庫で保管してます。
夏場は25℃なんて簡単に超えちゃうからねー。日本はね。
常温・室温・冷所
ちなみに、日本薬局法ではいろんな温度が法的に決まってます。
常温: 15〜25 ℃
室温: 1〜30 ℃
冷所: 15 ℃以下
こんな感じですね。
学生の時に勉強したけど、実際今急に聞かれると、、、パッとは出てこない。

オフェブカプセル各規格の薬価
オフェブカプセル100mg:4464.1円/C
オフェブカプセル150mg:6696.1円/C
高額だーーーーーー!!!
150mg2C2X朝夕食後30日分で、薬剤料が40万円、、、。
保管には温度管理も必要なお薬なので、返品も難しいし。
在庫管理に注意を払うお薬なんですよね。
オフェブの禁忌
妊婦または妊娠している可能性のある女性
さらに、本剤の投与中及び投与終了の少なくとも3ヶ月後まで適切な避妊を行うよう指導する
とりあえず、こんな感じーー。
これまでまとめたことのある分子標的薬関連の内容がこちら!



ではでは〜しぐでしたっ


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