レンボレキサント〈デエビゴ錠〉!効能効果や特徴、薬価まとめ。1包化可能

薬剤師のしぐです。

今回は不眠症治療薬の新薬レンボレキサント「デエビゴ錠」について!

デエビゴ、、、。なかなかのネーミング。

そして、ついに発売日が決まりました!!

簡単に、まとめていきます。

最後に、「不眠症」という疾患についても、簡単にまとめてますのでみてみてください〜

レンボレキサント〈デエビゴ錠〉の適応・効能効果

不眠症

ただ、これのみ。

下記で紹介する、同類薬ベルソムラ錠も、この「不眠症」のみの適応でした。

デエビゴ錠の有効成分

レンボレキサント

有効成分は、レンボレキサント。

同系統薬ベルソムラの有効成分は、「スボレキサント」でした。

レンボレキサント〈デエビゴ錠〉の用法用量

通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。

用法及び用量に関連する使用上の注意

  • 効果不十分により、やむを得ず通常用量を超えて増量する場合には、1日1回10mgまでとすること。なお、通常用量を超えて増量する場合には、傾眠等の副作用が増加することがあるので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与することとし、症状の改善に伴って減量に努めること。
  • 本剤は就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中で一時的に起床して仕事等で活動する可能性があるときは服用させないこと。
  • 入眠効果の発現が遅れるおそれがあるため、本剤の食事と同時又は食直後の服用は避けること。〔食後投与では、空腹時投与に比べ、投与直後のレンボレキサントの血漿中濃度が低下することがある〕
  • CYP3Aを阻害する薬剤との併用により、レンボレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠等の副作用が増強されるおそれがある。CYP3Aを中程度又は強力に阻害する薬剤(フルコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミル、イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)との併用は、患者の状態を慎重に観察した上で、本剤投与の可否を判断すること。なお、併用する場合は1日1回2.5mgとすること。
  • 中等度肝機能障害患者では、レンボレキサントの血漿中濃度が上昇するため、1日1回5mgを超えないこととし、慎重に投与すること。
  • 他の不眠症治療薬と併用したときの有効性及び安全性は確立されていない。

ココ、結構重要なことが書いてあります。

要するに、ポイントはこういうこと

  • CYP3A4を阻害する薬剤と併用する場合は1日1回2.5mgで使用。
  • 中等度肝機能障害患者は1日1回5mgで使用。

レンボレキサント〈デエビゴ錠〉の食事による影響

食事の影響(外国人データ)

外国人健康成人24例に本剤10mgを単回経口投与したときのレンボレキサントのCmax及びAUC(0-t)の幾何平均値の比(摂食下/絶食下)とその90%信頼区間は、0.771 [0.687,0.866]及び1.18[1.09,1.28]であり、絶食下と比較して摂食下では、Cmaxは23%低下し、AUC(0-t)は 18%増加した。

また、tmax(中央値)は2時間遅延した。レンボレキサントの最終消失半減期(平均値)は、絶食下及び摂食下ではそれぞれ50.8時間及び53.8時間であった。

食後服用で効果が下がってしまう、ということですね

レンボレキサント〈デエビゴ錠〉の作用機序

レンボレキサントは、覚醒を促進する神経ペプチドであるオレキシンA及びBのオレキシン1及びオレキシン2(OX1およびOX2)受容体双方への結合を競合的かつ可逆的に阻害することにより、脳の過度な覚醒状態を緩和し、覚醒状態から睡眠状態へ移行させ睡眠を誘発すると考えられています。

覚醒系神経核であるオレキシン作動性神経の軸索は、中枢神経系のほとんどの部位に投射しており、主要な覚醒系神経伝達物質の働きを上流で制御していると言われています。

覚醒時には、覚醒系神経伝達物質であるオレキシンがオレキシン受容体に結合し、覚醒中枢の活性が睡眠中枢の活性を上回ることにより覚醒状態が維持されると考えられています。

レンボレキサントは、ノンレム睡眠の抑制に関与するオレキシン2受容体への阻害活性がより強く、速やかな入眠および十分な睡眠維持をもたらすと考えられています。

オレキシン1および2受容体双方を阻害しますが、オレキシン2受容体への阻害活性がより強く、速やかな入眠および十分な睡眠維持効果が期待されます。

作用機序のポイント
  • 覚醒と睡眠リズムの調整を担うオレキシン神経伝達に作用。
  • 覚醒中枢と睡眠中枢のバランスを整える非鎮静性作用の治療薬。
  • ノンレム睡眠の抑制にも関与するオレキシン2受容体への親和性がより強く、速やかな入眠と睡眠維持が可能。

レンボレキサント〈デエビゴ錠〉の特徴

薬剤の投与を中止することにより投与前よりも強い不眠症状が現れる反跳性不眠は確認されず、いずれのレンボレキサント〈デエビゴ錠〉投与群においても投与中止後の離脱症状は見られませんでした。

さらに、ふらつき、認知機能、自動車運転能力や呼吸器への影響などレンボレキサント〈デエビゴ錠〉の安全性について複数の試験で評価しました。

そして、最も大きな特徴が、下記の併用禁忌について!

レンボレキサント〈デエビゴ錠〉の禁忌

同系統薬「ベルソムラ錠」との最大の違い。

禁忌

・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

・重度の肝機能障害のある患者

そう、併用禁忌がないのです!!

ただ、用法用量のとこでも書いてますが、1回2.5mgの服用までに限定されてしまう併用薬が多々あるので、注意が必要です。

レンボレキサント〈デエビゴ錠〉各規格の薬価

  • デエビゴ錠2.5mg:57.3円/錠
  • デエビゴ錠5mg:90.8円/錠
  • デエビゴ錠10mg:136.2円/錠

この資料から、1包化も余裕でできそうですね。

調べてみると、「温度・湿度条件下では3ヶ月間、光条件下では約4ヶ月間、変化は認められなかった」という報告があるようです。

レンボレキサント〈デエビゴ錠〉に期待されてること

不眠症の適応のほか、軽度、中等度アルツハイマー型認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害(ISWRD)を対象とした臨床第Ⅱ相試験が進行中のようです。

デエビゴ錠の名称の由来

Day(日中) + Vigor(活力)+ Go 日中に活力を与えられるように!

素晴らしいネーミング!

さすがエーザイさんです。

レンボレキサント〈デエビゴ錠〉の発売日決定!

2020.7/6

ついに販売開始となります!!

レンボレキサント〈デエビゴ錠〉の適応である不眠症とは

不眠症は、睡眠をとる十分な機会があるにもかかわらず、入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその両方に苦しむことが特徴です。

疲労、集中困難、易刺激性を引き起こす可能性があり、その結果何らかの昼間の弊害がもたらされる状態。

罹患頻度の高い代表的な睡眠障害のひとつで、全世界で成人の約30%の方が不眠症の症状を有しており多くは数カ月から数年にわたります。その結果、不眠症は、長期欠勤や生産性の低下など、さまざまな社会的損失をもたらすことが明らかとなっています。

日本では国民の5人に1人が睡眠障害に悩んでいると推定されています。こういった新しい不眠症治療薬の登場で、たくさんの人の睡眠が改善されるとよいですよね!

今回はこんな感じですねー

スボレキサント〈ベルソムラ錠〉に次ぐ、第2のオレキシン受容体拮抗薬

明らかに、レンボレキサント〈デエビゴ錠〉のほうが使いやすそうですよね。

いや、変に用量調節が必要になるくらいならいっそ併用禁忌にして使えない方が潔いのかな。

今後の処方動向が気になる新薬の紹介でした。

ではではーしぐでしたっ

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