薬剤師のしぐです。
今回は糖尿病治療薬として新規承認がおりたばかりの医薬品「イメグリミン〈ツイミーグ錠〉」について!
この新規作用機序。理解するのに、すごく頭を使います、、、。
実は、約1年前にもこのイメグリミンについてまとめたことがあるので、コチラもみてみてください。
糖尿病治療薬関連についてはこれまでいくつもまとめてきました。
セマグルチドとして、〈リベルサス錠〉と〈オゼンピック皮下注〉が同時に発売されたことや。
GLP-1作動薬としては〈トルリシティ皮下注〉
BPT療法の先駆者〈ゾルトファイ配合注〉
では、今回は全く別の作用機序として展開されるイメグリミン〈ツイミーグ錠〉について、まとめていきます!!
ツイミーグ錠500mg製造販売承認取得のご案内
ツイミーグ錠 製造販売承認取得のご案内
謹啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は弊社ならびに弊社製品につきまして、格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます。
さてこの度、「ツイミーグ」(一般名:イメグリミン)が「2型糖尿病」を適応症として製造販売承認を取得いたしましたのでご案内申し上げます。
イメグリミンは、既存の経口血糖降下薬とは異なるTetrahydrotriazine(テトラヒドロトリアジン)構造を有する新規化合物です。インスリン分泌臓器である膵臓、並びにインスリン標的臓器である肝臓、骨格筋等でミトコンドリアへ作用すると想定されており、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取り込み能改善)を発揮します。
そのため、2型糖尿病発症の成因がインスリン分泌低下あるいはインスリン抵抗性亢進のいずれ出会っても血糖降下作用が期待でき、単独および併用療法共に2型糖尿病の新たな治療選択肢になると考えられます。
弊社では、ツイミーグを日常診療にお役立ていただけますよう、情報提供に尽力してまいります。
現在、発売に向けて鋭意準備を進めております。
今後とも、なお一層のご高配を賜りますようお願い申し上げます。
謹白
4.効能又は効果
2型糖尿病
5.効能又は効果に関連する注意
5.1 本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。
5.2 腎機能障害のある患者では、腎機能障害の程度に応じて腎臓からの排出が遅延し、本剤の血中濃度が上昇する。中等度又は重度(eGFRが45ml/min/1.73m2未満)の腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施しておらず、投与は推奨されない。
6.用法及び用量
通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。
大日本住友製薬株式会社
メトホルミンにしろ、このイメグリミン〈ツイミーグ〉にしろ、独特な医薬品を生み出す大日本住友製薬さん。
ツイミーグ錠の有効成分
イメグリミン
イメグリミン。
同系統の作用機序もないので、この響きも初めてですね。
これからイメグリミンについてまとめていきますが、以前もまとめてあるコチラとかぶる部分があることはご容赦ください。
イメグリミンについて
イメグリミンは、テトラヒドロトリアジン系化合物に分類される新規化学物質となります。
実はこのイメグリミン〈ツイミーグ錠〉は構造式がメトホルミンと少し似ています。
開発した会社もメトホルミンを開発したフランスの製薬会社の糖尿病研究グループが新たな会社を立ち上げ、そこで開発されたという経緯があります。
開発のコンセプトも「メトホルミンに類似した作用をもち、乳酸アシドーシスのリスクがない糖尿病治療薬」という考えのもとに、このイメグリミン〈ツイミーグ錠〉が誕生しました。
メトホルミンも、イメグリミンも大日本住友製薬さんの商品となります。
簡単にこのイメグリミンを説明すると、「体内のエネルギーであるATPを効率よく生産するミトコンドリアの働きを整えることで、インスリンの機能異常を改善する医薬品」になります。
イメグリミン〈ツイミーグ錠〉の作用機序
イメグリミン〈ツイミーグ錠〉の作用機序は、大きく5つ。
- インスリン作用増強
- 糖新生抑制
- 膵β細胞機能増強
- 酸化ストレス抑制
- ミトコンドリア機能向上
上記5つの中で、血糖降下作用に直接関与するのはミトコンドリアを介した作用が想定されていて、膵β細胞におけるグルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、糖新生抑制抑制・糖取り込み機能改善といった肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用という大きく2つのメカニズムとなります。
イメグリミン〈ツイミーグ錠〉の膵作用
この膵作用はNAMPT遺伝子発現増加(NAD+増加)による機序となります。
NAMPT遺伝子とNAD+についてはまた後半でまとめてあります。
- グルコース濃度依存的なインスリン分泌促進作用
- β細胞保護作用
膵作用:インスリン分泌促進作用
イメグリミンのグルコース濃度依存的なインスリン分泌促進の作用機序としては、膵β細胞において、NAD+を介したインスリン分泌の増幅経路の活性化とインスリン分泌の主経路である惹起経路の増強が示唆されています。
惹起経路の一連の機序は、グルコースの取り込みが起点となっていることから、イメグリミンのインスリン分泌促進作用もグルコース濃度に依存して発揮されると考えられています。
膵作用:β細胞保護作用
ミトコンドリアでの活性酸素(ROS)産生低下作用によるアポトーシス抑制によりβ細胞数減少抑制効果があると考えられています。
イメグリミン〈ツイミーグ錠〉の膵外作用
この膵外作用はミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰ競合阻害による機序となります。
このミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰについても後半にまとめてあります。
- 糖新生抑制作用
- 糖取り込み機能改善作用
2型糖尿病患者の病態には、遺伝的なインスリン分泌障害の背景のもと、生活習慣悪化に伴うインスリン抵抗性の発現が関与しています。この膵外作用に関してはほとんどがミトコンドリアの機能改善に関わる作用となるようです。
ここまでが、イメグリミン〈ツイミーグ錠〉そのものや作用機序に関してまとめた内容となります。
だめだ。情報量が多すぎて、全然まとまってないですよね。
もう少し、キレイにまとめていくので、もう少々お待ちください、、、。
とりあえず、これ以降はイメグリミン〈ツイミーグ錠〉に関連する内容となります。
イメグリミン〈ツイミーグ錠〉の薬価
薬価についてはまだ未定です。
ツイミーグ錠500mgの名称について
ここは、パンフレットですごく強調されています。
「対」で備える
ミトコンドリアを介した血糖上昇
ミトコンドリアの機能障害により大きく2つの理由が糖尿病の発症に関連しています。
ミトコンドリア機能障害によるインスリン分泌低下
- ミトコンドリア由来ROS産生増加
- ATP産生低下
- アポトーシス促進によりβ細胞数減少
ミトコンドリア機能障害によるインスリン抵抗性増大
- ミトコンドリア由来ROS産生増加
- 異所性脂質蓄積
- 運動耐容能低下
ミトコンドリアとは
ミトコンドリアは生命活動に必須であるATPを酸化的リン酸化により賛成することができるオルガネラです。
生理的条件下において、この過程で消費酸素の数%程度の割合ですが活性酸素であるmtROSが産生されています。
このmtROSが糖尿病合併症の発症に関与することが報告され、糖毒性によるインスリン分泌不全、TNF-αによるインスリン抵抗性発現など糖尿病の幅広い病態にmtROSが関与することもわかってきています。
このミトコンドリアの機能低下の原因は複数考えられていますが、1番は「加齢」です。悲しいですね。
NAMPT遺伝子とは
ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰ競合阻害とは
一応、今回まとめたかった大まかな内容はこんな感じですね。
すごく、まとまりがないですね、、、。
また少しずつ、要点をわかりやすいように訂正していきます。
ではでは、しぐでしたっ
こちら糖尿病治療ガイドラインの簡易版です。
すごく綺麗にまとまっていて、そしてこの価格!
薬局に1冊どころか、各薬剤師に1冊欲しいくらいですね。
コメント