ヘルパンギーナが秋も増加|定点1.30、子どもの脱水・のどの痛みへの対処法

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やわらかい黄色を背景に子ども用のコップと体温計、タオルを並べたイラスト

こんばんは、薬剤師のしぐです。

「夏かぜだから、秋になればもう安心」と思っていませんか。

2026年第41週(10月5~11日)のヘルパンギーナの定点当たり報告数は1.30で、2週連続の増加と報じられました。公表日は10月23日です。秋でも、子どもの発熱とのどの痛みには気を配りたい状況です。

家庭で大切なのは、熱の高さだけでなく「水分を飲めているか」「おしっこが出ているか」「反応や元気はどうか」を見ること。のどの痛みで飲めなくなると、脱水につながることがあります。

今回のニュースのポイント

項目内容
対象期間2026年10月5~11日(第41週)
公表日2026年10月23日
定点当たり報告数1.30
動向2週連続で増加
家庭で確認したいこと水分摂取、尿、全身状態

「定点当たり1.30」は、報告する医療機関1か所あたりで、その1週間に平均1.30人が報告されたという意味です。子どもの1.30%が感染したという数字ではありません。

また、全国平均だけでは身近な園や学校の状況までは分かりません。自治体の感染症情報と、園・学校からの連絡も確認しましょう。

※今回の数値は10月23日付の報道で確認したものです。全国週報の原表を直接確認できていないため、都道府県別順位や前週比、過去平均との比較は掲載していません。

ヘルパンギーナとは?発熱とのどの奥の水ぶくれが特徴

ヘルパンギーナは、主にエンテロウイルスの仲間によって起こる感染症です。乳幼児に多く、突然の発熱、のどの痛み、口の奥の小さな水ぶくれなどが現れます。

水ぶくれが破れると浅い潰瘍になり、飲み込むときに痛むことがあります。小さな子どもでは「のどが痛い」と言えず、飲み物を嫌がる、授乳の量が減る、食べると泣くといった変化で気づくこともあります。

夏に多い病気ですが、夏から秋にかけて流行することもあります。季節だけで可能性を除外せず、症状と周囲の流行状況を合わせて考えることが大切です。

少量ずつの水分補給を表すコップとスプーンのイラスト

家庭では「少しずつ飲める工夫」を

一度にたくさん飲ませようとしない

口が痛むときは、一度に多く飲ませるより、少量ずつ、こまめに試しましょう。コップを嫌がる場合は、スプーンなどで少しずつ飲めることもあります。

飲み物の温度は、本人が飲みやすいものにします。熱いものや酸味の強いものはしみることがあるため、嫌がる場合は避けましょう。脱水が心配なときは経口補水液の利用も含めて、医師や薬剤師に相談してください。

食事は、やわらかく刺激の少ないものを

おかゆ、やわらかいうどん、豆腐、プリンなど、飲み込みやすいものを少量から試します。熱いもの、辛いもの、酸味の強いもの、硬いものは痛みを強めることがあります。

普段どおりの食事量に戻すことを急ぐより、まず飲めているかを確認しましょう。ただし、飲み物もほとんど取れない状態は、家庭で長く様子を見続けないことが大切です。

のどが痛いときに食べやすいおかゆとプリンのイラスト

薬は何を使う?抗菌薬は基本的に効かない

ヘルパンギーナに特有の治療薬はなく、つらい症状を和らげる対症療法が中心です。原因はウイルスなので、ヘルパンギーナそのものに抗菌薬は効きません。別の細菌感染症を合併している場合などは、医師が必要性を判断します。

発熱や痛みに対して、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬が使われることがあります。子どもの薬は、年齢・体重・製剤によって使う量が異なるため、処方や製品の指示を守ってください。

解熱鎮痛薬を使う目的には、つらさを減らし、休んだり水分を取ったりしやすくすることも含まれます。体温の数字だけで判断せず、本人の様子を見ましょう。

薬局で確認したい「薬の使い方」と「飲める状態」

薬局では、次のように具体的に確認すると家庭での困りごとが見えやすくなります。

確認項目声かけの例
水分今日、何をどのくらい飲めましたか?
尿最後におしっこが出たのはいつですか?
痛み飲み込むときに泣いたり、飲むのを嫌がったりしますか?
薬市販のかぜ薬や、以前の坐薬も使っていますか?
投与量今の体重と、1回に使う量を確認しましょう
全身状態熱が下がったときに、いつもの反応や元気はありますか?

特に注意したいのは、内服薬・坐薬・市販のかぜ薬で同じ解熱鎮痛成分が重なることです。「別の形の薬だから大丈夫」と判断せず、薬の名前、使った量、時刻をまとめて伝えてください。

また、薬を飲み物や食べ物に混ぜる場合は、薬ごとの相性や、全量を取れるかの確認も必要です。自己判断で大量の飲み物に混ぜず、薬局で相談しましょう。

こんなときは早めに受診を

次のような変化は、脱水や合併症などを考えて医療機関へ相談したいサインです。

・水分をほとんど取れない、哺乳が難しい

・尿が明らかに少ない、口が乾くなど脱水が疑われる

・ぐったりしている、反応がいつもと違う

・強い頭痛や繰り返す嘔吐がある

・発熱が長引く、一度よくなった後に悪化する

呼吸が苦しい、意識がおかしい、けいれんが続く場合は、速やかに救急対応が必要です。

ヘルパンギーナと診断されていても、その後の状態の変化は別に評価する必要があります。「診断がついたから大丈夫」とせず、飲める量と全身状態を見てください。

家族にうつさないために、回復後も手洗いを

感染予防の手洗いを表す石けんとタオルのイラスト

飛沫や接触に加え、便に含まれるウイルスが手などを介して口に入ることで感染します。症状がよくなった後も、便からウイルスが排泄されることがあります。

トイレの後やおむつ交換後、食事の前は、石けんと流水で丁寧に手を洗いましょう。タオルや飲み物の共用を避け、家族で手洗いを続けることが大切です。

子どもだけに手洗いを促すのでなく、おむつ交換や食事の準備をする大人も一緒に取り組みましょう。

登園・登校はいつから?

登園・登校を考える目安は、発熱がなく、口の痛みの影響が落ち着き、普段の食事が取れて、全身状態が安定していることです。

解熱薬で一時的に熱を下げた状態だけで判断しないでください。園・学校の運用や医師の指示も確認しましょう。

回復後もウイルスの排泄が続くことがあるため、登園再開後もトイレやおむつ交換後の手洗いを続ける必要があります。

よくある質問

Q. 秋でもヘルパンギーナになるの?

なります。夏に多い病気ですが、秋にも発生します。2026年第41週は定点当たり1.30で、2週連続の増加と報じられています。

Q. 手足口病とは何が違う?

ヘルパンギーナでは口の奥の水ぶくれが特徴的です。手足口病は口の中に加えて手や足などにも発疹が出ます。ただし症状には幅があるため、家庭で発疹の場所だけを見て診断することはできません。

Q. 抗菌薬を飲まなくても治る?

通常は対症療法で回復します。ウイルスが原因なので、ヘルパンギーナ自体に抗菌薬は効きません。処方されている場合は、他の感染症の合併など、処方理由を医師や薬剤師に確認してください。

Q. 熱が下がれば安心?

解熱は回復の目安の一つですが、のどの痛みで水分が取れないことがあります。熱と合わせて、尿や元気、反応も確認しましょう。

Q. 一度かかったら、もうかからない?

原因となるウイルスが複数あるため、再びかかることがあります。過去に感染したことがあっても、手洗いなどの対策を続けましょう。

まとめ

ヘルパンギーナは秋にも注意が必要です。家庭では、熱の高さに加えて「飲めるか」「尿が出ているか」「いつもの反応があるか」を確認しましょう。

薬局でも、解熱薬の説明と一緒に、水分の取り方や受診の目安まで伝えることが、子どもと保護者の安心につながります。

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