シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉がCOVID-19の予後改善

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薬剤師のしぐです。

先日、驚きのお知らせが届きました。

シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉が新型コロナウイルス:COVID-19の予後改善効果があるとの研究結果!

これまでも、いろいろなものが新型コロナウイルス:COVID-19に改善効果があると臨床研究が進められてきました。

そして、ついに始まった新型コロナウイルスの予防接種ワクチン「コミナティ筋注」についてがコチラ。

では今回は、

シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉が新型コロナウイルス:COVID-19の予後改善効果についてまとめてみます。

シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉とは

そもそも、このシタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉

皆さんご存知の、DPP-4阻害薬です。

これまでも何度か詳細を書いてきてますので、みてみてね。

シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉をCOVID-19感染患者へ

今回行われた臨床研究がこちら。

2型糖尿病を有する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対して,DPP-4阻害薬が有用である可能性が感染拡大地域からの報告により示唆され,2型糖尿病患者における標準治療への追加としてシタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉の使用が検討されるようになった。

さらにイタリア糖尿病学会は,COVID-19で入院中の2型糖尿病患者では,標準治療としてのインスリン治療に加えてDPP-4阻害薬を使用することが有益である可能性についての声明を発表した。

本研究では,COVID-19で入院した2型糖尿病患者において,標準治療へのシタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉追加の臨床的/生化学的アウトカムを検討した。
一次エンドポイントは,死亡/退院。
二次エンドポイントは,集中治療室への入室,人工呼吸器の使用,入院時および追跡時の体外式膜型人工肺(ECMO)の必要性,臨床的改善(退院および/または7ポイントからなる修正順序尺度スコアの低下≧2ポイント)。

シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉COVID-19感染患者へ追加投与

シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉のCOVID-19感染患者へ投与量設定がコチラ。

全患者が入院時,2型糖尿病に対する現状の治療(DPP-4阻害薬を含む)を中止し,インスリン(静注/皮下注)治療(標準治療)に切り替えた。目標血糖値は140~180 mg/dL(100 mg/dLに達した場合はインスリンを中断)。これに加え,シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉非投与例を年齢と性別をマッチングさせて登録し,シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉投与例と比較検討した。
シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉の用量はeGFRにより調整(eGFR≧45 mL/分/1.73 m2の場合は100 mg 1日1回,eGFR 30~45 mL/分/1.73 m2の場合は50 mg 1日1回)

そして、シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉のCOVID-19感染患者への投与による臨床研究の結果がこちら。

一次エンドポイントである30日後の死亡/退院のリスクは,シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉投与患者で非投与患者にくらべ,有意に低かった(ハザード比0.44[95%CI 0.29 to 0.66],p=0.0001)。

死亡は,シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉投与患者31例(18%),非投与患者63例(37%)と有意な差を認めた(p=0.0001)。
集中治療室への入室(HR 0.51[95%CI 0.27 to 0.95],p=0.03)および人工呼吸器の使用(HR 0.27[0.11 to 0.62],p=0.003)のリスクは,シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉投与患者で非投与患者にくらべて有意に低かった。ECMOの必要性は,有意な差を認めなかった(HR 1.15[0.41 to 3.17],p=0.77)。
修正順序尺度スコアの低下≧2ポイントであったのは,シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉投与患者72例(52%),非投与患者50例(34%)であり(p=0.0005),修正順序尺度スコアの全般的改善を認めたのは83例(60%), 55例(38%)(p=0.0001),30日後の退院は120例,89例であった(p=0.0008)。
30日後,炎症パラメーターであるプロカルシトニン(平均±SEM)(シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉投与患者:1.4±0.5 ng/mL[p=0.01 vs. ベースライン],非投与患者:8.9±2.9 ng/mL)およびCRP(3.7±0.5 mg/L[p=0.001 vs. ベースライン],7.1±0.9 mg/L)はシタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉投与患者で有意に減少し,リンパ球数(×10-9/L)(1.6±0.2,1.1±0.07[p=0.03 vs. ベースライン])および酸素飽和度(96±0.7%[p=0.004 vs. ベースライン],92±1.0%)はシタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉投与患者で有意に増加した。また,血糖値(139±4 mg/dL[p=0.002 vs. ベースライン],170±9 mg/dL)はシタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉投与患者で低下した。

シタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉COVID-19感染患者との結論

COVD-19で入院した2型糖尿病患者において,入院時のシタグリプチン〈ジャヌビア・グラクティブ〉追加投与により死亡率が低下し,臨床アウトカムが改善することが示された。

といった感じです。

どうでしょうか?

血糖値が低下することで、予後改善が期待される。

といった感じになるのかな?

おもしろい臨床研究の内容だったので、紹介してみました。

ではではーしぐでしたっ

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