ロスバスタチン錠5mg「トーワ」出荷停止|循環器学会も周知、OD錠への切り替えは?

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ロスバスタチン錠5mg「トーワ」出荷停止|循環器学会も周知、OD錠への切り替えは?

循環器診療と薬の供給継続をイメージした、ハートのオブジェと錠剤、聴診器

薬剤師のしぐです。

また、普段からよく扱うお薬の供給情報です。今回は、ロスバスタチン錠5mg「トーワ」。

ただ、このニュースで目が止まったのは、出荷停止という言葉だけではありません。

「日本循環器学会が、この供給案内を周知しているんだ……」

ロスバスタチンといえば、薬局ではおなじみのスタチン。毎回同じ処方で続けている患者さんもいるでしょう。その薬の供給情報が、循環器診療に関わる医師にも学会を通じて届いている。そこに、今の医薬品供給問題の重みを感じました。

まず結論です。今回の対象はロスバスタチン錠5mg「トーワ」で、ロスバスタチンという成分すべてが出荷停止になるわけではありません。東和薬品はOD錠5mg「トーワ」を代替候補として示しています。薬局では実際の入手状況と変更の条件を確認し、患者さんの服薬が途切れないように対応することが大切です。

※供給情報は2026年10月1日時点で確認した、2026年9月のメーカー案内をもとに整理しています。再開時期は見込みであり、実際の入荷状況はメーカー・卸へ確認してください。

ロスバスタチン錠5mg「トーワ」、何が起きた?

東和薬品の2026年9月の案内では、令和8年熊本地震の影響により、製造委託先である三和化学研究所熊本工場での製造に支障が生じ、十分な在庫量の確保が難しくなったとされています。

案内の内容を整理すると、次のとおりです。

項目メーカー案内の内容
対象製品ロスバスタチン錠5mg「トーワ」
対象包装PTP100錠・PTP500錠・バラ300錠
理由熊本地震の影響による製造委託先での製造支障
在庫消尽予定2026年9月
出荷再開見込み2026年11月頃
提示された代替候補ロスバスタチンOD錠5mg「トーワ」PTP100錠

ここで気をつけたいのは、「在庫消尽予定」がメーカー側の予定であること。全国の薬局で同じ日に在庫がゼロになる、という意味ではありません。逆に、メーカーに在庫がある時期でも、薬局が必要な量をすぐに確保できるとは限りません。

そして、11月頃というのも再開の見込み。11月になれば、どの薬局にも必要量が届くと約束されているわけではないんですよね。

再開予定は見通しを立てる情報として使い、患者さんの次回処方は実際の入荷状況で考える。 ここが実務では大切です。

日本循環器学会が周知している、というところ

日本循環器学会は、2026年9月10日付で東和薬品の案内を掲載しています。

正確にいうと、学会が独自に出荷停止を決定したり、新しい治療指針を示したりしたものではありません。東和薬品から受け取った供給案内を、会員向けに周知した形です。

また、学会の「他団体等からのお知らせ」には、ほかの医薬品の供給情報も掲載されています。今回だけの異例の対応だと受け取る必要はありません。

それでも、薬局で仕事をしていると、ちょっと考えさせられます。

供給問題って、どうしても薬局の中では「卸に連絡する」「在庫を探す」「メーカーを変える」という話になりがち。でも処方する側にも、今その製品が用意しにくいことを知ってもらえると、事前に相談できる場面が増えるはずです。

薬を選ぶところから、患者さんが受け取って飲み続けるところまで、供給情報を共有する意味がある。 今回の掲載から、しぐとしてはそんなことを感じました。

出荷停止のたびに、薬局が最後の最後で何とかする。その繰り返しは、患者さんにとっても、薬局にとっても大変ですからね。

そもそもロスバスタチンは、どんな薬?

ロスバスタチンは、HMG-CoA還元酵素阻害薬。いわゆるスタチンで、高コレステロール血症や家族性高コレステロール血症に使われます。

肝臓でコレステロールが作られる過程を抑え、LDL受容体を介した血液中のLDLの取り込みを増やすことで、LDLコレステロールを下げます。

ここで忘れたくないのは、脂質の薬は「飲んだら体感ですぐわかる」薬とは限らないこと。

患者さんからすると、「飲んでも飲まなくても、特に変わらない」と感じるかもしれません。でも、治療の必要性を自覚症状だけで判断することはできません。

供給が止まったというニュースを見て、「では再開まで飲まなくていいのかな」と受け取られないようにしたいところです。供給事情による変更は、治療をやめる指示ではありません。自己判断で中断せず、薬がなくなる前に相談してもらいましょう。

通常錠とOD錠の切り替えをイメージした、2種類の錠剤シートと水

OD錠5mgへ変更するなら、何を確認する?

メーカーが提示した代替候補は、ロスバスタチンOD錠5mg「トーワ」です。同じ有効成分・同じ含量の候補ですが、通常錠とOD錠では剤形や添加剤などが異なります。

「同じ5mgだから、説明なしで入れ替えれば終わり」とはいきません。

まず、実際に用意できるか

代替候補として載っていることと、自分の薬局が必要量を入手できることは別です。

今の在庫、卸の供給可能量、継続して扱える見込みを確認しましょう。候補が示されていても、需要が集中すれば手配に時間がかかる可能性があります。

処方箋と変更の条件を確認する

処方の記載方法、変更不可の指示、患者さんの希望などを確認します。メーカーが代替候補を示しているだけで、すべての処方を無条件に変更できるわけではありません。

適用される変更調剤の条件を確認し、条件に合わない場合や判断がつかない場合は処方医へ相談する。そのうえで患者さんへの説明と、必要な記録・情報提供を行います。

OD錠は、水で飲んでも大丈夫

ロスバスタチンOD錠「トーワ」は、舌の上で唾液により崩壊し、水なしで服用できます。水で服用することもできます。

「OD錠だから、今までの飲み方を全部変えないといけない」と思わせない説明が大切ですね。水で問題なく飲めていた患者さんなら、その点を伝えるだけでも安心につながります。

一包化や保管も、製品ごとに確認

一包化している患者さんでは、包装を変える前に安定性情報や保管条件を確認します。OD錠の電子添文には、アルミピロー開封後は遮光して保存するよう記載されています。

「OD錠はすべて一包化できない」「同じ成分だから通常錠と全く同じ条件でよい」とまとめず、製品情報と患者さんの管理方法を合わせて考えたいところです。

薬の在庫確認をイメージした、薬局の棚と医薬品の箱、記録用ノート

薬局では「残り何錠」より「誰の次回分まであるか」

供給情報を見たら、まず在庫確認。でも、在庫表だけでは足りないことがあります。

例えば、5mgが100錠残っている。数字だけなら少し余裕がありそうでも、1日1錠・90日処方の患者さんが来れば、ほぼなくなります。

なので確認したいのは、在庫数と、定期患者さんの次回来局予定・処方日数の組み合わせです。

確認すること実務での使い方
通常錠5mgの使用患者次回処方が近い方から対応を考える
手元の残薬薬がなくなる日を把握する
OD錠・他社同成分製品の入手状況実際に用意できる候補を探す
一包化・家族による管理剤形変更後の管理方法を調整する
処方元との共有必要な相談を来局前に進める

すべての患者さんへ一斉に連絡するというより、薬切れが迫る方、長期処方の方、管理方法の調整が必要な方から優先して準備するイメージです。

患者さんが来てから「ありません。先生に聞いてみます」になると、待ち時間も不安も増えます。事前に動けるところは、少しでも動いておきたいですね。

患者さんには、どう説明する?

説明の柱は、供給上の理由、同じ成分を続けるための変更、飲み方、重複防止です。

例えば、通常錠5mgからOD錠5mgへ、用量・服用回数を変えずに切り替える場合なら、こんな説明です。

いつもの錠剤が、製造・供給上の事情で入荷しにくくなっています。今回は、同じ成分が同じ量入った、口の中で崩れるタイプに変更します。水で飲むこともできます。飲む量と回数は今回の指示どおりです。前のお薬が残っている場合は、両方を一緒に飲まないよう、切り替える日を確認しましょう。

とくに大事なのが、最後のところ。

見た目が変わると、「新しい薬が追加された」と受け取る患者さんもいるかもしれません。残薬がある場合は、いつまで前の薬を飲み、いつから変更後の薬にするかを具体的に確認します。

お薬手帳にも変更を残し、家族や介護者が管理している場合は、その方にも伝わるようにしましょう。

切り替え後の服薬確認をイメージした、薬局の相談カウンターと電話、薬

切り替え後は、薬を渡して終わりにしない

同じ成分・同じ含量への変更でも、飲み間違いがないかは気になります。必要に応じて、次の点を確認します。

  • 前の通常錠とOD錠を重ねて飲んでいないか
  • 見た目が変わったことで、服用をやめていないか
  • 飲みにくさや味の違いで、飲み忘れが増えていないか
  • 一包化や保管で困っていないか
  • 新しく追加された薬や、体調の変化がないか

副作用の聞き取りも、いつものスタチンの視点で。筋肉痛、力が入りにくい、赤褐色の尿などは、横紋筋融解症を疑う症状として早めの相談・受診につなげたいところです。

また、ロスバスタチンはシクロスポリンとの併用が禁忌。併用薬は変更の機会にも確認します。「ずっと同じ薬だから」という思い込みは、ここでも避けたいですね。

ただし、剤形が変わっただけで必ず副作用が増えるという話ではありません。変更後の飲み方と、従来から必要な安全性確認を押さえる、ということです。

別のスタチンへ変えるなら、「同じmg」で考えない

OD錠や他社の同成分製品を用意できない場合、処方医が別の治療薬を検討することもあるでしょう。

その際、「ロスバスタチン5mgだから、別のスタチンも5mg」と機械的に置き換えることはできません。薬ごとの効果、用量、患者さんの治療目標や背景を確認して判断する必要があります。

ほかのスタチンや配合剤への変更は、単なるメーカー変更とは違う相談です。薬局からは、現在の処方、残薬、入手できる候補を整理して伝えると、処方医も検討しやすくなると思います。

同じ脂質異常症治療薬でも、成分や配合の違いによって対応が変わります。
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結局、今回のニュースから何を考える?

ロスバスタチン錠5mg「トーワ」の供給問題は、薬局では「いつもの薬を、どう用意するか」という日々の課題です。

でも、日本循環器学会がメーカー案内を周知しているのを見て、改めて思いました。供給情報を処方側と調剤側で共有し、患者さんが治療を続けられる形にすることが大切なんだな、と。

学会が掲載したから、薬局の対応が不要になるわけではありません。むしろ、共通の情報をもとに相談しやすくなる。その情報を、目の前の患者さんの処方と服薬につなげるのが薬局の仕事です。

今回の結論は、**「通常錠5mgの供給見通しを確認し、OD錠などの候補を実際の入手状況に合わせて検討する。そして、切り替え後も飲み間違いなく治療を続けてもらう」**ということ。

薬を探すだけでも大変な毎日ですが、最後に届けたいのは、いつもの治療を続けられる安心です。

ではでは、しぐでした。

よくある質問

ロスバスタチンは全部出荷停止ですか?

いいえ。今回の案内の対象はロスバスタチン錠5mg「トーワ」です。同成分の他社製品やOD錠を含むすべての製品が停止する、という案内ではありません。各製品の供給状況は個別に確認してください。

いつ出荷が再開しますか?

2026年9月のメーカー案内では、2026年11月頃の見込みです。確定した再開日や、各薬局への入荷日ではありません。

再開まで薬を飲まずに待ってもいいですか?

自己判断で中断せず、薬がなくなる前に薬局や処方医へ相談してください。同成分の別製品などで治療を続けられるか検討します。

メーカーが示している代替候補は何ですか?

ロスバスタチンOD錠5mg「トーワ」PTP100錠です。実際の入手状況と、処方に対する変更の条件を確認する必要があります。

OD錠は水で飲めますか?

はい。ロスバスタチンOD錠「トーワ」は水なしでも、水と一緒でも服用できます。用量・服用回数は指示に従ってください。

日本循環器学会が出荷停止を決めたのですか?

いいえ。東和薬品から届いた供給案内を、学会が会員向けに掲載・周知したものです。

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