モビコール配合内用剤LD・HDが自主回収|対象ロット5つと薬局で確認したいポイント

こんにちは、薬剤師のしぐです。
2026年8月31日。
慢性便秘症治療薬、
モビコール配合内用剤LD/HD
について、一部製品の自主回収が発表されました。
しかも今回、
「モビコール全部が回収」
というわけではありません。
対象はLD・HD合わせて5ロット。
なのでまずは、
薬局の在庫ロット確認。
ここが最優先です。
回収理由は、
配合されている電解質に、不均一な無機塩が一部混入していることが確認されたため。
ただしEAファーマによると、主成分のマクロゴール4000は規格を満たしており、有効性への影響はないと判断されています。また、電解質についても通常の食事から摂取する量と比較して極めて少なく、重篤な健康被害のおそれはないとされています。現時点で関連する健康被害報告もありません。
今回は、
- 回収対象ロット
- 回収理由
- 健康被害の可能性
- 患者さんから問い合わせがあったらどう説明する?
- 薬局で何を確認する?
まで整理します。
まず確認!モビコール自主回収の対象ロット
今回の対象はこちらです。
| 製品 | 製造番号 | 使用期限 |
|---|---|---|
| モビコール配合内用剤LD 100包 | 418784 | 2026年12月31日 |
| モビコール配合内用剤LD 100包 | 462247 | 2028年5月31日 |
| モビコール配合内用剤HD 100包 | 403126 | 2026年12月31日 |
| モビコール配合内用剤HD 100包 | 403129 | 2026年12月31日 |
| モビコール配合内用剤HD 100包 | 471473 | 2028年10月31日 |
回収開始日は、
2026年8月31日。
PMDAでもクラスII回収として掲載されています。
特に、
HDの471473
は使用期限が2028年10月31日と比較的新しいロット。

薬局に最近納品された製品が該当している可能性もあるので、一度棚を確認しておいた方がよさそうです。

回収理由は「電解質に不均一な無機塩が混入」
今回の自主回収理由。
EAファーマによると、
モビコールに配合されている電解質において、不均一な無機塩が一部混入した事象が確認された
ためです。
モビコールには、
- マクロゴール4000
- 塩化ナトリウム
- 炭酸水素ナトリウム
- 塩化カリウム
が配合されています。
つまり、
単なるマクロゴール製剤ではなく、
マクロゴール+電解質
という製剤。
今回問題になったのは、
主成分のマクロゴール4000ではなく、電解質側。
ここは患者さんへ説明するときにも重要です。
主成分マクロゴール4000は規格内
今回の回収で、
「薬の効き目、大丈夫なの?」
と心配になる患者さんもいると思います。
ただ、
EAファーマは、
主成分であるマクロゴール4000については規格を満たしており、有効性への影響はない
と判断しています。
なので、
「有効成分が足りなかった」
という回収ではありません。
また、
不均一が確認された電解質についても、
通常の食事から摂取する電解質量と比べて極めて少ないため、
重篤な健康被害が発生するおそれはない
とされています。
現時点で、
今回の件に関連した健康被害の報告もありません。
ここはかなり大事。
クラスII自主回収=すごく危険、ではない
今回の回収区分は、
クラスII。
クラスIIは、
一時的または治療可能な健康被害につながる可能性がある場合や、
重篤な健康被害のおそれはまず考えられない
場合に用いられる区分です。
なので、
「クラスIIだから危険な薬だった」
と単純に考える必要はありません。
今回についてはメーカーも、
重篤な健康被害のおそれはない
と明確にしています。
ただ、
品質保証上の問題が確認された以上、
対象ロットはきちんと回収する。
ということですね。

そもそもモビコールってどんな薬?
モビコールは、
慢性便秘症
に使用される薬です。
主成分のマクロゴール4000は、
腸管内に水分を保持することで便をやわらかくし、
排便を促します。
適応は、
慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)。
そして特徴的なのが、
水に溶かして飲む
ということ。
LDとHDがありますが、
HDはLDの2包分に相当する設計になっています。
このLD・HDの違いや発売当時の内容については、しぐブログの既存記事、

も参考になります。
モビコールLDとHD、両方とも全製品回収ではない
今回、
ここも混同しやすいところ。
モビコールLD全部が回収。
でも、
モビコールHD全部が回収。
でもありません。
対象は、
指定された5ロットだけ。
EAファーマも、
回収対象製品ロット以外については品質保証上の問題はない
としています。
なので薬局では、
「モビコールが回収だから全部隔離!」
ではなく、
製造番号を確認して対応。
これが大切です。
薬局でまずやること
今回の情報が出たら、
僕ならまずこの順番で確認します。
① LD・HDの在庫ロット確認
対象は5ロット。
まず、
棚・自動錠剤分包機周辺・予備在庫
などを確認。
特に100包包装で保管している薬局なら、
外箱の製造番号をチェックしたいところです。
② 対象ロットは販売・調剤せず隔離
対象品が見つかった場合は、
通常在庫と混ざらないように隔離。
そのうえで、
購入代理店・卸を通じて返品対応
します。
EAファーマの医療関係者向け案内でも、購入代理店を通じた返品が案内されています。
③ すでに調剤済みの患者をどうするか確認
ここは、
薬局の納品履歴・調剤履歴と照合できるなら確認しておきたいところ。
対象ロットを患者さんへ交付していた可能性がある場合は、
メーカー・卸からの正式な回収手順に沿って対応します。

患者さんから「もう飲んじゃったけど大丈夫?」と聞かれたら
たぶん一番聞かれそうなのがこれ。
「対象ロットをもう飲んでしまった」
という相談。
ここで必要以上に不安をあおる必要はありません。
説明するとしたら、
今回は品質上の問題から一部ロットが回収になっています。ただし、便秘に作用する主成分のマクロゴール4000は規格内で、メーカーは有効性への影響はないと判断しています。また、混入した電解質量も非常に少なく、重篤な健康被害のおそれはないとされています。現時点で健康被害の報告もありません。
という整理が分かりやすいと思います。
もちろん、
何らかの体調変化がある場合は、
医師・薬剤師へ相談してもらう。
ここは通常通りですね。
「便秘薬だから」と軽く考えない品質管理
モビコール。
薬局ではかなり身近な便秘薬です。
だからこそ、
今回のようなニュースを見ると、
「普段当たり前に使っている薬も、品質管理の上に成り立っている」
と改めて感じます。
今回、
有効成分そのものには問題がありません。
健康被害も報告されていません。
でも、
配合成分に不均一が確認された。
だから、
きちんと回収する。
医薬品は、
「たぶん大丈夫」ではなく、一定の品質を保証できること
が前提なんですよね。
最近、本当に自主回収が多い
ここ最近だけでも、
薬局業界では自主回収のニュースが続いています。
たとえば先日も、

を取り上げました。
こちらは、
製造記録・試験記録が作成されないまま出荷されていたという、
今回とはまた違った品質保証上の問題。
回収理由は違いますが、
どちらも、
薬そのものだけでなく「品質を保証する仕組み」まで含めて医薬品
ということを考えさせられます。
モビコールLD・HD自主回収|まとめ
2026年8月31日、
EAファーマは、
モビコール配合内用剤LD・HDの一部ロット自主回収
を開始しました。
ポイントをまとめると、
- 回収区分はクラスII
- 対象はLD・HD合計5ロット
- 回収開始は2026年8月31日
- 電解質に不均一な無機塩が一部混入
- マクロゴール4000は規格内
- 有効性への影響はないと判断
- 重篤な健康被害のおそれはない
- 現時点で健康被害報告なし
- 対象ロット以外は品質保証上問題なし
です。
薬局としては、
まず、
モビコールLD・HDの棚を見て、ロット確認。
これですね。
今回のように、
使用頻度の高い薬でロット限定回収が出たときは、
「薬の名前だけ」で対応せず、
どの規格・どのロットが対象なのか
まで落ち着いて確認することが大切です。
そして患者さんには、
「自主回収=重大な健康被害が出ている」
と誤解されないよう、
正確に説明したいところですね。
ではではー。
しぐでしたっ。
FAQ
Q1. モビコールは全部自主回収ですか?
いいえ。モビコール配合内用剤LD・HDのうち、指定された5ロットのみが対象です。対象外ロットについてEAファーマは品質保証上の問題はないとしています。
Q2. 対象ロットは?
LDは418784、462247。HDは403126、403129、471473です。
Q3. 回収理由は?
配合されている電解質に、不均一な無機塩が一部混入していることが確認されたためです。
Q4. すでに飲んでしまいました。健康被害はありますか?
メーカーは、マクロゴール4000は規格内で有効性への影響はなく、電解質量も通常の食事から摂取する量と比べて極めて少ないことから、重篤な健康被害のおそれはないと判断しています。現時点で関連する健康被害報告もありません。
Q5. 薬局ではどう対応する?
まず在庫の製造番号を確認し、対象ロットがあれば隔離して、卸・購入代理店を通じた回収手順に従います。


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