アトーゼットLDも限定出荷|LD・HD両規格が供給制限!代替薬と薬局対応を解説

こんにちは、薬剤師のしぐです。
また、
薬局でよく見る薬に、
供給問題です。
2026年9月8日、
アトーゼット配合錠LD
について、限定出荷が案内されました。
そして実は、
アトーゼット配合錠HDは2026年7月3日からすでに限定出荷中。
つまり今回、
LD・HD両規格が限定出荷
となりました。
アトーゼットって、
脂質異常症の患者さんで結構見ますよね。
しかも、
長期処方。
Do処方。
90日処方。
こういうケースも多い薬。
なので、
「今日の処方箋1枚だけ何とかすればいい」
ではなく、
次回処方まで安定して用意できるか
まで考えないといけません。
今回は、
- アトーゼットLD・HDの成分
- 今回の限定出荷の状況
- 原因は?
- GEのエゼアトへ変更できる?
- エゼチミブ+アトルバスタチン単剤へ分ける場合
- ロスーゼットへ変えていい?
- 薬局で実際にどう動く?
- 国内の医薬品供給は今どのくらい悪い?
まで、
かなり実務寄りに整理していきます。
- 2026年9月8日、アトーゼットLDが限定出荷へ
- そもそもアトーゼットって何が入っている?
- エゼチミブとアトルバスタチン、作用は全然違う
- 今回の限定出荷、原因は?
- アトーゼット。まず薬局の在庫を確認
- 同成分GE「エゼアト」への変更を考える
- ただしGEへ需要が一気に集中する可能性もある
- エゼチミブ+アトルバスタチンの単剤に戻す
- ロスーゼットは「そのまま代替」ではない
- 患者さんにはどう説明する?
- そして気になった「限定出荷979品目・供給停止435品目」
- この979・435の元データは?
- 「979品目」って、やっぱり多い
- 今の薬局は「薬効」だけでなく「供給」まで見て薬を選ぶ
- 薬局で今すぐ確認しておきたいこと
- まとめ|アトーゼットはLD・HDとも限定出荷へ
- FAQ
2026年9月8日、アトーゼットLDが限定出荷へ
オルガノンは2026年9月8日、
アトーゼット配合錠LDの限定出荷
を案内しました。
メーカー公式の製品情報にも、
9月8日付で正式に掲載されています。
そしてHDは、
2026年7月3日から限定出荷。
つまり現在は、
| 製品 | 供給状況 |
|---|---|
| アトーゼット配合錠LD | 限定出荷 |
| アトーゼット配合錠HD | 限定出荷 |
という状態。
薬局としては、
「HDがなければLDで代用」
という単純な逃げ方もしにくくなった、
ということですね。

そもそもアトーゼットって何が入っている?
アトーゼットは、
2種類の脂質異常症治療薬をまとめた配合剤。
中身は、
エゼチミブ+アトルバスタチン
です。
PMDAの電子添文では、
アトーゼット配合錠LD
エゼチミブ10mg
+アトルバスタチン10mg
アトーゼット配合錠HD
エゼチミブ10mg
+アトルバスタチン20mg
となっています。
なので覚え方としては、
LD=10+10
HD=10+20
でOK。
効能・効果は、
高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症。
通常、
1日1回1錠を食後に服用します。
エゼチミブとアトルバスタチン、作用は全然違う
配合剤なので、
それぞれ違う方向からLDL-Cを下げています。
まず、
アトルバスタチン。
HMG-CoA還元酵素阻害薬、
いわゆる、
スタチン。
肝臓でのコレステロール合成を抑えます。
しかもアトルバスタチンは、
ロスバスタチン、
ピタバスタチンと並ぶ、
ストロングスタチン
の一つ。
脂質異常症治療についてもう少し広く復習したい方は、

でも、ストロングスタチンやLDL管理について触れています。
一方、
エゼチミブ。
こちらは、
小腸コレステロールトランスポーター阻害薬。
腸管からのコレステロール吸収を抑えます。
つまり、
肝臓で作るのを抑えるアトルバスタチン
+
腸から入るのを抑えるエゼチミブ。
この2方向からLDL-Cを下げる薬が、
アトーゼットです。
エゼチミブについては、

でもGE登場時から追っています。
今回の限定出荷、原因は?
厚生労働省の供給状況データを整理した情報では、
アトーゼットLD・HDとも、
「製造トラブル(製造委託を含む)」
を理由とする限定出荷として登録されています。
また、
解除見込みは未定
となっています。
なので、
「1週間くらい待てば普通に入るかな」
と期待して大量の処方をそのまま受けるのは、
少し怖いところ。
薬局としては、
現在庫+卸の割当+次回入荷見込み
をセットで確認しておいた方がいいと思います。
アトーゼット。まず薬局の在庫を確認
今回のニュースが出たら、
僕ならまず、
LD・HD両方の在庫数
を確認します。
さらに、
在庫だけじゃなく、
何人の患者さんが定期処方されているか
ここも見たい。
例えば、
LDが100錠残っている。
一見、
「まだ100錠あるから大丈夫」
と思います。
でも、
90日処方の患者さんが2人来たら、
終わりです。
だから、
在庫数量ではなく、定期患者何人分か
で考えた方が実務的。
こういう供給不安時は、
定期患者さんの次回予定まで見える電子薬歴だと、
かなり助かりますよね。

同成分GE「エゼアト」への変更を考える
ここ、
今回かなり重要。
アトーゼットには、
同じ、
エゼチミブ+アトルバスタチン
の後発医薬品があります。
代表例が、
エゼアト配合錠LD「JG」
エゼアト配合錠HD「JG」
です。
PMDAでも、
アトーゼットと同じ、
エゼチミブ・アトルバスタチンカルシウム水和物配合剤
として収載されています。
そして2026年9月8日時点の厚労省供給データを整理した一覧では、
エゼアトLD「JG」・HD「JG」とも通常出荷
となっています。
これはかなり大きい。
もちろん、
この供給状況も今後変わる可能性があります。
でも現時点では、
アトーゼット→同成分GE
が、最初に検討しやすい選択肢です。
ただしGEへ需要が一気に集中する可能性もある
ここ。
供給問題あるあるです。
先発品が限定出荷になる。
↓
みんなGEへ変更する。
↓
GEへ注文集中。
↓
GEも限定出荷。
これ、
何度見てきたでしょうか……。
なので、
今、
エゼアトが通常出荷だから、
「もう安心!」
とは言い切れません。
特に、
LD・HD両方のアトーゼットが限定出荷になると、
全国的にエゼアトへの需要が増える可能性があります。
採用するなら、
卸の在庫+メーカー供給状況
を早めに確認しておきたいところです。
エゼチミブ+アトルバスタチンの単剤に戻す
もう一つ考えられるのが、
配合剤を、
2剤へ戻す
方法。
アトーゼットLDなら、
エゼチミブ10mg
+アトルバスタチン10mg
アトーゼットHDなら、
エゼチミブ10mg
+アトルバスタチン20mg
という組み合わせです。
薬理学的には、
非常に分かりやすい。
ただし、
ここは薬局判断で勝手に、
1錠→2錠へ分解して調剤する
話ではありません。
処方内容自体が変わるため、
処方医への確認・処方変更
が必要になります。
そして患者さん側では、
1錠だったものが2錠になる。
つまり、
服用錠数が増える。
供給面だけ見れば解決でも、
アドヒアランスという意味では少し後退します。
ここまで説明したうえで変更したいですね。
ロスーゼットは「そのまま代替」ではない
名前も似ているので、
ここは注意。
アトーゼット
と、
ロスーゼット。
どちらも、
エゼチミブ+スタチン配合剤。
でも、
スタチンが違います。
アトーゼットは、
エゼチミブ+アトルバスタチン。
ロスーゼットは、
エゼチミブ+ロスバスタチン。
つまり、
別の薬です。
「アトーゼットがないからロスーゼットへ」
と単純に置き換えることはできません。
スタチンの種類が変わる以上、
必要な強度や患者背景を含め、
医師の判断が必要。
疑義照会・処方変更の候補にはなり得ますが、
直接的な代替薬ではない。
ここは薬局内でも共有しておきたいです。
患者さんにはどう説明する?
患者さんからすると、
ずっと同じ薬を飲んできたのに、
突然、
「今日は違うメーカーです」
「今日は2錠になります」
と言われる。
そりゃ、
不安ですよね。
僕なら、
まず、
薬が危険だから止まったわけではない
ことを説明。
そのうえで、
「製造・供給上の事情で、メーカーからの出荷量が制限されています」
と伝えます。
GEなら、
「有効成分と量が同じ後発医薬品へ変更します」。
単剤へ分けるなら、
「今まで1錠に入っていた2成分を、それぞれ1錠ずつ飲む形になります」。
ここまで説明すると、
かなり理解してもらいやすいと思います。
そして気になった「限定出荷979品目・供給停止435品目」
今回、
アトーゼットだけを見ていると、
「また1つ薬が出荷調整になったか」
で終わってしまいます。
でも、
国内全体を見てみると、
まだかなり厳しい。
医薬品供給状況を日次で集計しているSCUELの「医薬品供給モニター」では、
2026年9月8日時点
で、
限定出荷:979品目
供給停止:435品目
と集計されています。
ここで一つ大事なのが、
この435品目の意味。
SCUELでは、
「供給停止」のうち、
薬価削除に伴う計画的な市場退出を除いた数字
として435品目を表示しています。
つまり、
「薬価から削除されるから予定通り市場からなくなる薬」
まで一緒に数えるのではなく、
現場の供給不安として見たい停止品を切り出した数字
ということ。
この定義、
かなり実務的だと思います。
この979・435の元データは?
SCUELが独自にメーカーへアンケートしている数字、
というわけではありません。
元になっているのは、
厚生労働省「医療用医薬品供給状況報告」
です。
厚労省は製造販売業者から、
- 限定出荷
- 供給停止
などの発生について法令に基づく届出を受け、
個別品目ごとに公開しています。
2026年3月31日からは、
医薬品安定供給・流通確認システム
も稼働しています。
SCUELは、
この厚労省の約16,000品目の供給データを日々集計して、
「今、全体で何品目が限定出荷なのか」
を見やすくしたもの。
なので今回の記事では、
一次情報=厚労省
集計値=SCUEL
という位置づけで紹介しています。
これなら根拠も分かりやすいですね。
「979品目」って、やっぱり多い
限定出荷、
979品目。
ほぼ1,000品目。
供給停止も、
薬価削除分を除いて、
435品目。
これを見ると、
今の医薬品供給問題って、
「特定のメーカーだけの問題」
ではありません。
そして9月8日だけでも、
ロキソプロフェンNaパップ200mg「ラクール」などが、
新たに通常出荷から限定出荷へ移っています。
一方では、
通常出荷へ戻る薬もある。
でも、
また別の薬が止まる。
モグラ叩きみたいな状態。
これ、
薬局で働いていると、
本当に実感しますよね。

今の薬局は「薬効」だけでなく「供給」まで見て薬を選ぶ
少し前なら、
採用薬を決めるとき、
考えるのは、
- 薬価
- GE率
- 包装
- 一包化
- 錠剤の大きさ
- メーカー
くらいでした。
今は、
ここに、
「安定して入るか?」
がかなり大きな条件として加わっています。
薬価が安い。
包装もいい。
患者さんにも使いやすい。
でも、
毎月入荷するか分からない。
では、
定期患者には採用しにくい。
特にアトーゼットのような、
慢性疾患で長期継続する薬
では、
供給の安定性って、
薬の性能の一部みたいになってきた気がします。
薬局で今すぐ確認しておきたいこと
今回のアトーゼット限定出荷を受け、
僕ならこの順番で確認します。
① アトーゼットLD/HDの現在庫
まず現物。
② 定期患者と次回来局日
何錠必要になるのかを把握。
③ 卸の割当・次回入荷予定
「注文は入るけど納期未定」が一番怖い。
④ エゼアトLD/HD「JG」の確保状況
現時点では通常出荷ですが、需要集中を想定。
⑤ 単剤への切替候補
エゼチミブ10mg+アトルバスタチン10/20mg。
⑥ 処方元と対応を共有
「なくなってから疑義照会」
ではなく、
よく処方する病院・クリニックなら、
早めに情報共有しておく。
これだけで、
実際の処方箋が来たとき、
かなり楽になると思います。
まとめ|アトーゼットはLD・HDとも限定出荷へ
2026年9月8日、
アトーゼット配合錠LD
が限定出荷となりました。
HDは、
2026年7月3日からすでに限定出荷中。
これで、
LD・HD両規格が供給制限
です。
アトーゼットの中身は、
LD:
エゼチミブ10mg+アトルバスタチン10mg
HD:
エゼチミブ10mg+アトルバスタチン20mg。
薬局で考えたい対応は、
- 在庫・定期患者を確認
- 同成分GEのエゼアトを確認
- 必要なら単剤への処方変更を相談
- ロスーゼットは直接代替ではない
- 患者さんへ供給問題を丁寧に説明
です。
そして、
もっと大きく見ると、
9月8日時点でも、
限定出荷979品目。
供給停止435品目(薬価削除による市場退出を除く)。
まだまだ、
医薬品供給問題が、
「昔の話」
になる気配はありません。
だから、
1つの薬が止まったら、
その薬だけを見るのではなく、
代替薬まで含めて次に需要が集中する場所を考える。
薬剤師として、
そんな視点がかなり大切になってきていますね。
ではではー。
しぐでしたっ。
FAQ
Q1. アトーゼットLDはいつから限定出荷?
オルガノンは2026年9月8日付で、アトーゼット配合錠LDの限定出荷を案内しています。
Q2. HDも限定出荷ですか?
はい。アトーゼット配合錠HDは2026年7月3日から限定出荷となっており、現在はLD・HD両規格が供給制限です。
Q3. アトーゼットLDとHDの違いは?
LDはエゼチミブ10mg+アトルバスタチン10mg、HDはエゼチミブ10mg+アトルバスタチン20mgです。
Q4. エゼアトへ変更できますか?
エゼアト配合錠「JG」は同じエゼチミブ・アトルバスタチン配合剤です。2026年9月8日時点の供給データではLD・HDとも通常出荷ですが、実際の変更調剤では処方箋の変更可否、薬局在庫、最新の供給状況を確認してください。
Q5. ロスーゼットで代用できますか?
単純な代替ではありません。アトーゼットはアトルバスタチン、ロスーゼットはロスバスタチンを含むため、スタチン成分が異なります。切り替える場合は処方医による治療内容の変更が必要です。
Q6. 国内では今何品目が供給不足?
SCUELが厚労省の供給データを日次集計した2026年9月8日時点の表示では、限定出荷979品目、供給停止435品目です。供給停止435品目は薬価削除に伴う計画的市場退出を除いた集計です。


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