アダリムマブ〈ヒュミラ皮下注〉のバイオシミラー「FKB」販売承認、薬価収載へ!

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薬剤師のしぐです。

今回は、世界で1番の売上金額を誇るアダリムマブ〈ヒュミラ皮下注〉のバイオシミラーについて!

↑コチラ、以前まとめたことのあるバイオシミラーについて。

世界規模で医療費の増大に影響を与えている生物学的製剤。

そのバイオシミラーは、その生物学的製剤のバイオ後続品のことですね。

コチラ、インスリン製剤の「ヒューマログ」のバイオシミラーについてまとめた内容です。

ではでは、アダリムマブ〈ヒュミラ皮下注〉の概要から、そのバイオシミラーについてまとめていきます。

ヒュミラ皮下注の有効成分

アダリムマブ

以前書いたこのアリロクマブ〈プラルエント皮下注〉でも書いたことあるのですが、この〜マブというのはモノクローナル抗体医薬品につけられる名前なんですよね。

アダリムマブ〈ヒュミラ皮下注〉の適応・効能効果

ヒュミラ皮下注各規格20mgシリンジ0.2mL40mgシリンジ0.4mL
40mgペン0.4mL
80mgシリンジ0.8mL
80mgペン0.8mL
関節リウマチ
化膿性汗腺炎
尋常性乾癬,関節症乾癬,膿疱生乾癬
強直性脊椎炎
多関節に活動性を有する若年性持発性関節炎
腸管型ベーチェット病
クローン病
潰瘍性大腸炎
非感染性の中間部,後部又は汎ぶどう膜炎

すごくわかりやすいですよね、この一覧。

適応症が広いのがこのヒュミラ皮下注の使用量の底上げになってますよね。

アダリムマブ〈ヒュミラ皮下注〉用法用量

多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎

通常,アダリムマブ(遺伝子組換え)として,体重15kg以上30kg未満の場合は20mgを,体重30kg以上の場合は40mgを2週に1回,皮下注射する.

関節リウマチ

通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として40mgを2週に1回,皮下注射する.なお,効果不十分な場合,1回80mgまで増量できる.

化膿性汗腺炎

通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを,初回投与2週間後に80mgを皮下注射する.初回投与4週間後以降は,40mgを毎週1回,皮下注射する.

尋常性乾癬,関節症性乾癬,膿疱性乾癬

通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に80mgを皮下注射し,以後2週に1回,40mgを皮下注射する.なお,効果不十分な場合には1回80mgまで増量できる.

強直性脊椎炎

通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として40mgを2週に1回,皮下注射する.なお,効果不十分な場合,1回80mgまで増量できる.

腸管型ベーチェット病

通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを,初回投与2週間後に80mgを皮下注射する.初回投与4週間後以降は,40mgを2週に1回,皮下注射する.

クローン病

通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを,初回投与2週間後に80mgを皮下注射する.初回投与4週間後以降は,40mgを2週に1回,皮下注射する.なお,効果が減弱した場合には1回80mgに増量できる.

潰瘍性大腸炎

通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを,初回投与2週間後に80mgを皮下注射する.初回投与4週間後以降は,40mgを2週に1回,皮下注射する.

非感染性の中間部,後部又は汎ぶどう膜炎

通常,成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として初回に80mgを,初回投与1週間後に40mgを皮下注射する.初回投与3週間後以降は,40mgを2週に1回,皮下注射する.

アダリムマブ〈ヒュミラ皮下注〉の作用機序

アダリムマブ〈ヒュミラ皮下注〉はTNFα阻害薬に分類されます。

TNFαとは

TNFαは炎症反応や免疫反応に関わる重要なサイトカインの一つであり,関節リウマチの滑膜液,あるいは乾癬の皮疹部において過剰発現し,関節の炎症と破壊,あるいは乾癬特有の皮膚症状を惹起します。

アダリムマブは,可溶型及び膜結合型TNFαに特異的に結合し,TNFα受容体との結合を阻害することによって,標的細胞でのシグナル伝達を阻害し,炎症反応を改善すると考えられています。

また,膜結合型TNFαと結合することによって,TNFαを分泌する細胞に逆シグナルを与え,分泌を抑制するだけでなく,それらの細胞のアポトーシスを誘導します。これら一連の作用により,関節リウマチや乾癬の症状進行を抑えるとされています。

アダリムマブ〈ヒュミラ皮下注〉の特徴

国内では2008年に承認され、 世界80カ国で約37万人の患者さんに投与されています。TNF阻害薬として、このアダリムマブ〈ヒュミラ皮下注〉は「レミケード」、「エンブレル」に次いで3剤目の生物学的製剤となります。

また、2020.6現在では他にも「シンポニー」、「シムジア」といった製剤が販売されています。

ヒュミラ皮下注は、完全ヒト型抗体のため「中和抗体」ができにくいとされています。

具体的には、他抗体製剤を使用し、寛解や副作用等により中断後、再開する際などに体内で「中和抗体」ができ、再開時に十分な薬効が得られないことが少なからずあります。

このアダリムマブ〈ヒュミラ皮下注〉は中和抗体ができにくく、使用再会時も中断前同様の十分な効果が得られることが多いと言われています。

アダリムマブ〈ヒュミラ皮下注〉の薬価

  • 20mgシリンジ0.2mL:31868円/筒
  • 40mgシリンジ0.4mL:62976円/筒
  • 40mgペン0.4mL  :62620円/キット
  • 80mgシリンジ0.8mL:122397円/筒
  • 80mgペン0.8mL  :121401円/キット

やはり、破格の高額商品ですね。

80mgペンも普通に6本とか処方されるので、在庫管理が大変です。

アダリムマブBS皮下注「FKB」

ヒュミラ皮下注のバイオシミラー(BS)は、協和キリン富士フイルムバイオロジクスさんが1番手となり製造販売承認が得られたようです。

自己免疫疾患用薬ヒュミラ皮下注のバイオシミラー(BS)は、6月承認、11月頃に薬価収載されるとみられています。

商品の一覧がコチラ

  • アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.4mL「FKB」
  • アダリムマブBS皮下注40mgシリンジ0.8mL「FKB」
  • アダリムマブBS皮下注40mgペン0.8mL「FKB」

適応症、効能効果は先発品ヒュミラ皮下注が持つ潰瘍性大腸炎化膿性汗腺炎などの一部の効能は含まれないとのこと。

海外ではEUで承認済。

というか、80mg製剤の販売は今のところ、ないみたいです。

自分的には20mgの方がみたことない規格なのですが。

まあ、80mgは最悪40mg2本で代用可だからですかね。

アダリムマブBS皮下注「FKB」の国内製造販売承認取得!

協和キリン富士フィルムバイオロジクスさんからいただいた国内製造販売承認取得のお知らせがコチラ!

アダリムマブBS皮下注「FKB」薬価基準収載のお知らせ

先日、このアダリムマブBS皮下注「FKB」の販売を行うヴィアトリスグループのMRさんがコチラの通知をお持ちくださいました。

アダリムマブBS皮下注「FKB」
アダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続1]製剤
40mgシリンジ0.8ml「FKB」
40mgペン0.8ml「FKB」
20mgシリンジ0.4ml「FKB」

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜りたく、厚く御礼申し上げます。
さて、この度、アダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続1]製剤『アダリムマブBS皮下注「FKB」』の各規格が2020年6月に製造販売承認を取得し、2020年11月25日付けで薬価基準収載されましたので、ご案内申し上げます。

なお、発売の際には改めてご案内させていちゃだきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
今後とも倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

謹白

アダリムマブBS皮下注「FKB」の薬価

  • アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.4mL「FKB」:20,540円/本
  • アダリムマブBS皮下注40mgシリンジ0.8mL「FKB」:3,9849円/本
  • アダリムマブBS皮下注40mgペン0.8mL「FKB」  :3,9849円/本

上記の通り、薬価収載されました!

各製剤の写真がコチラ!

アダリムマブBS皮下注40mgシリンジ0.8ml「FKB」

アダリムマブBS皮下注40mgペン0.8ml「FKB」

アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.4ml「FKB」

協和キリン富士フイルムバイオロジクス「FKB」とは

協和発酵キリンと富士フイルムバイオロジクが50%ずつ出資した合弁会社となります。

バイオシミラーの研究・開発・製造・販売のために提携したようです。

アダリムマブBS皮下注「FKB」の適応、効能効果

アダリムマブBS皮下注「FKB」は、規格により有する効能効果が異なります。

アダリムマブBS皮下注「FKB」20mgアダリムマブBS皮下注「FKB」40mg
関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱生乾癬
強直性脊椎炎
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎
腸管型ベーチェット病
中等又は重症の活動期にあるクローン病の寛解導入
及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

先発のヒュミラ皮下注に比べると、圧倒的に少ないですよね。

アダリムマブBS皮下注「FKB」を販売するヴィアトリスとは

初めて聞くこの「ヴィアトリスグループ」。

  • ファイザー株式会社アップジョン事業部門
  • ファイザーUPJ合同会社
  • マイランEPD合同会社
  • マイラン製薬株式会社

の4社が統合して、ヴィアトリスグループとして協働していくようです。

抗アダリムマブ抗体(AAA)とは

抗アダリムマブ抗体(anti-adalimumab antibody:AAA)は、アダリムマブ(ヒュミラ)に対する中和抗体であり、血清アダリムマブ濃度を低下させるため、薬剤の有効性を減弱させる可能性があります。

AAAの発現は、重篤な感染症の発生には関与しませんが、投与部位反応はAAA陽性群で効率にみられます。

ちなみに、MTX併用にてAAAが低下することが知られており、ヒュミラはMTX併用にて最大の効果発現が得られ、副作用軽減にもつながる薬剤と言われています。

今回はこんな感じ!

このヒュミラ皮下注との比較して非劣性を示した新薬ウパダシチニブ「リンヴォック錠」がコチラ。名称の由来もおもしろいので見てみてください。

GEの情報やバイオシミラーの情報は結構入ってくるので、随時更新していきます

ではではーしぐでした

コメント

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