こんばんはーーしぐです。
今回は、タイトルの通り、グレープフルーツジュースと医薬品との相互作用について!
相互作用を起こす医薬品もご紹介します。
以下、グレープフルーツジュースのことは全てGFJと略しますので、よろしくお願いします。
グレープフルーツジュース:GFJと医薬品との相互作用とは
ご存知の方も多いかと思いますが、まずは相互作用の起こり方から説明します。
多くの医薬品は、主に小腸と肝臓に存在する薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)で代謝されます。
グレープフルーツの果実や皮に含まれるフラノクマリン類は小腸のCYP3A4を不活性化し、CYP3A4で代謝される医薬品の血中濃度を上昇させることで副作用を起こしやすくしてしまいます!
ちなみにこのフラノクマリン類。独特の苦味がある成分と言われていて、グレープフルーツ特有のあの柑橘系の味の奥にある苦味のこと。果肉よりも、皮の方に多く含まれているので、グレープフルーツを普通に食べる程度ではそこまで気にしなくていいと説明してます。
GFJは果肉も皮も丸ごと絞ってジュースにしてるので、普通に果肉を食べるよりフラノクマリン類が濃縮されてるってわけ!
そんなこんなでグレープフルーツじゃなくて、GFJは控えるように!ってなるんです。
グレープフルーツジュース:GFJ摂取後どれくらいの期間影響があるのか?
フラノクマリン類によるCYP3A4の阻害は不可逆的であり、一度GFJを摂取してから3〜7日間は影響が続くといわれています。
例えば、患者さんにこんな質問をされた時。
朝食後にカルシウム拮抗薬を服用するので、夜GFJをの飲んでもいいですか?
このように答えることができます。
GFJがお薬に与える悪い影響は、数日間続くと言われています。
ご自身のためにも、カルシウム拮抗薬を服用している間はGFJを避けるようにしてください。
調べ物をせずにサッとこう答えられたらステキですねーーー!
個人差も大きいのです
このGFJによる代謝酵素の不活性化。個人差もけっこうあります。
これはCYP3A4の体内量や小腸、肝臓での分布比等の個人差によるものと考えられています。
この個人差もあり、少量の摂取でも強い相互作用を起こすこともあるため、摂取しても安全な基準量というものもありません。
どれくらいの影響がでるのか?
少し前のデータにはなりますが、GFJとの相互作用といったら、カルシウム拮抗薬。
GFJ200mL〜400mLと一緒にあるカルシウム拮抗薬を服用した場合、最大血中濃度が3倍にまで上昇したというデータがあるようです。
グレープフルーツ以外のフラノクマリン類を含む柑橘類
これは患者さんからよく聞かれる質問です!
ぜひ、覚えるかメモしていただきたいです。
グレープフルーツ以外にフラノクマリン類を含む柑橘類には以下のものがあります。
- ザボン
- ブンタン
- ハッサク
- スウィーティー
- ダイダイ
- メロゴールド
- 甘夏ミカン
ちなみに、果肉が赤いものはフラノクマリン類の含有量が半分になるので、比較的安全らしいよ。
フラノクマリン類と相互作用を起こす医薬品
フラノクマリン類と同時服用することで血中濃度が上がってしまう医薬品が以下分。
- カルシウム拮抗薬全般
- シンバスタチン「リポバス」
- アトルバスタチン「リピトール」
- シクロスポリン「ネオーラル」
- ニロチニブ「タシグナ」
- トリアゾラム「ハルシオン」
こんな感じ。
昔はアムロジピンはカルシウム拮抗薬のなかで唯一GFJとの相互作用がなかったんだけどね。
何年か前に追加されちゃったよね。
グレープフルーツ、オレンジ、リンゴと同時服用で効果が減弱するもの
グレープフルーツやオレンジ、リンゴの果実に含まれるフラボノイドが有機アニオントランスポーターを阻害することで薬効を減弱されてしまう医薬品もあります。
- フェキソフェナジン(アレグラ)
- セリプロロール(セレクトール)
- アテノロール(テノーミン)
- アリスキレン (ラジレス)等
これ、なんか意外ですよね。
まあでも服薬指導の際にはあまり活用されない情報ですかね。
こんなの注意してたらコンプライアンスの方が問題なにっちゃいますからね。
ホントは、そうだって知ってるよ〜くらいの知識にしといた方がいいと思います。
フラノクマリン類を含まない柑橘類
これで最後!逆にフラノクマリン類を含まない柑橘類です。
- 温州ミカン
- バレンシアオレンジ
- レモン
- ゆず
- ポンカン
- イヨカン
- デコポン
- スダチ
- キンカン 等
こんな感じですねーーー。
薬剤師さん、薬学生なら必ず勉強することになるGFJとの相互作用。
久しぶりに思い出す資料として、参考にしてみてください〜
ではではーーしぐでしたっ
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