イメンドカプセルの服用方法!抗癌剤の副作用予防。125mgと80mgの服用タイミングや薬価

薬剤師のしぐです。

今回はアプレピタントを有効成分とする吐き気止め「イメンドカプセル」について!

処方を受けたことのある薬剤師さん、イメンドカプセルの服用タイミングってしっかり説明できますかー??

あまり一般的ではない医薬品ではあるのですが、作用機序や服用タイミングについてまとめてみます。

そしてそして、念願(?)のジェネリック医薬品が発売します。

すでにメーカーさんが「後発品だしますので、ヨロシクお願いします。」と、薬局にあいさつに来てくれました。基本的にGEは先発品の半額近くになりますからねー。医療費削減になるわけです。

メーカーさんが来てくれたので、この内容で書いてみようかなって思いつきました。
ではでは。

アプレピタント〈イメンドカプセル〉の効能効果・適応症

抗悪性腫瘍薬(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)で遅発期を含む

適応症は「抗悪性腫瘍薬(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)で遅発期を含む」です。

抗がん剤による吐き気の適応、効能効果になるため、患者さんへの服薬指導の流れは大切です。

アプレピタント〈イメンドカプセル〉の用法用量

他の制吐剤との併用において、通常成人及び12歳以上の小児にはアプレピタントとして抗悪性腫瘍剤投与1日目は125mgを、2日目以降は80mgを1日1回経口投与する。

抗癌剤・抗悪性腫瘍薬投与に伴う消化器症状について

癌化学療法によって引き起こされる悪心・嘔吐は患者さんの苦痛が非常に強いため、治療継続が困難になる例も多々あります。抗癌剤投与時に優先的に解決する必要のある副作用の一つと言われています。

副作用で悪心・嘔吐が発現するメカニズムとして、化学物質受容体(CTZ)の活性化、消化管粘膜からのセロトニン分泌促進による求心性迷走神経の活性化、精神的素因などによる大脳皮質からの刺激経路などが関係してきます。

抗癌剤投与時の悪心・嘔吐はその発現時期により、24時間以内に発現する「急性悪心・嘔吐」24時間以降に発現する「遅発性悪心・嘔吐」次回投薬の直前に発現する「予測性悪心・嘔吐」の三つに大別されます。

アプレピタント〈イメンドカプセル〉の作用機序

中枢性(脳内)の嘔吐反応にかかわるNK1(ニューロキニン1)受容体に選択的に結合することで、嘔吐反応を抑制します。「選択的NK1受容体拮抗型制吐薬」と呼ばれています。

NK1受容体神経伝達物質サブスタンスPの受容体であり、サブスタンスPは嘔吐や痛み、不安、喘息、膀胱炎、片頭痛など多くの症状の発現に深く関与するといわれています。

NK1受容体拮抗薬であるアプレピタントは、サブスタンスPとNK1受容体との結合を選択的に遮断することにより、悪心・嘔吐を抑制するものと考えられている。

急性嘔吐に広く用いられているセロトニン5-HT3受容体拮抗薬とは効き方が違うため、併用によりさらに効果的に吐き気を抑制することができると言われています。

さらに、アプレピタントは急性期だけでなく抗癌剤投与後24時間以降に起こる遅発性嘔吐にも有効です急性期には5-HT3受容体拮抗薬と、遅発期にはデキサメタゾンなどステロイド薬と併用するのが多いように感じます。

アプレピタント〈イメンドカプセル〉の薬価

このアプレピタント〈イメンドカプセル〉。薬価がけっこう高いんですよね

  • 125mg → 4998.7円/C
  • 80mg: → 3408.9円/C

GEの発売はホントに喜ばしいことですねー。

イメンドカプセル:125mgと80mgの実際の処方について

と、これまでは抗悪性腫瘍薬の副作用に対するアプレピタントの添付文書に準じる内容でしたが、ここからは実際の現場での話。

病院で診察をして、薬局にくる患者さん。お持ちいただく処方箋内容で、アプレピタント〈イメンドカプセル〉125mgを1日分、80mgを2日分という処方はよくみます。

そして、125mgの服用タイミングは「化学療法薬投与1時間前」という指示が多いです。

おや。このタイミングは。これから病院にもどるのかな?次回の化学療法かな??

自分の経験上だと、125mgは「次回の化学療法1時間前服用分」80mgは「今回実施した化学療法の、2日目3日目分」ということが多いです。

今渡したお薬をもってそのまま病院にもどるって可能性もなくはないので、患者さんとの確認は必要になります。

ただ、「前回もらった125mg」を今回の化学療法1時間前に服用してるのに、お薬をわたした翌日に「次回化学療法1時間前分の125mg」を間違って服用しないようにしっかり指導する必要がありますよね〜。

「イメンドカプセルセット」のヒートには1日目・2日目・3日目って書いてくれてるけど、ここも日本語の難しいところ。

化学療法施行1日目〜だったり、お薬もらってからの1日目〜だったり、お薬もらった翌日からの1日目〜だったり。

人によって解釈のしかたが色々ですからね。薬剤師さんの服薬指導の腕の見せどころってやつ。

まーそんなこんなですが、実際保険上あんまりいいことじゃないんですけどね。「病院内で使用する医薬品は病院でだしましょう」ってのが一般的ですからね。

包括医療やらなんやらあって複雑です。ホント。

ちなみにこのアプレピタント。現在までに、米国や欧州連合(EU)諸国を含め、世界70カ国以上で承認・販売されているみたいです。米国臨床腫瘍学会(ASCO)などが公表している制吐療法ガイドラインでも、抗癌剤投与に伴う悪心・嘔吐の予防薬として記載されているみたいなのでけっこう世界的にも標準的な抗悪性腫瘍薬投与に伴う消化器症状予防薬なのかもしれないですね〜。

アプレピタント〈イメンドカプセル〉についてのまとめ!

  • 125mg・80mg・80mgの処方があったら、翌日に80mg、翌々日に80mg、次回化学療法施行1時間前に125mgって使い方が多い。
  • アプレピタントは急性・遅発性どちらの悪心嘔吐に効果あり
  • ジェネリックがでますよ!!

って感じですねーー。

ちょいネタとしてカンタンに〜ってつもりだったのですが、意外とながくなっちゃいました。

抗癌剤とはあんまり縁がないな〜って方も多いかもしれないですが、これからは高度な薬学管理機能を求められる調剤薬局。

抗癌剤だけでなく、その副作用対策の薬剤についてもしっかり説明できるようになりたいものですねーーー。

がん治療をたくさん勉強して、外来がん治療認定薬剤師取得を目指しています!!

ではでは。しぐでしたーっ

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