ジアゾキシドとは!効能効果や適応症、用法用量について。高インスリン血性低血糖症状の対処法

心血管疾患

薬剤師のしぐです。

今回は「ジアゾキシド」についてまとめます。

初めて聞く医薬品だという方も多いとは思います。この内容を見てもらうことで下記内容を理解していただけるはずです。

  • 効能効果・用法用量
  • 適応疾患の概要
  • 作用機序
  • 実際どのような処方がされるか
  • この医薬品調剤時の注意点

ではでは、かんたんにまとめていくよ

ジアゾキシドカプセル「OP」の有効成分。先発品名称です。

有効成分は「ジアゾキシド」

先発品の医薬品名称が気になった方も多いと思いますが、このジアゾキシドカプセル25mg「OP」が先発医薬品です。

旧名称は〈アログリセムカプセル25mg〉でしたが、名称変更となりました。

糖尿病治療薬界をガラリと一変させたDPP-4阻害薬の発売ラッシュ。

そんな中、2012年に武田薬品さんから発売となった「ネシーナ錠」。
一般名を「アログリプチン」といいます。

規格も25mgとこのアログリセム錠25mgと同量であり、「アログリセム」と「アログリプチン」で名称が類似していたわけですね。

そこで、この「アログリセム」が身を引いて、「ジアゾキシド」に名称変更しましたってわけです。

ちなみに、このゾアゾキシドカプセル25mg。もともとMSDさんからの販売で、ジアゾキシドカプセル25mg「MSD」という名称でしたが、下記販売移管があり今はジアゾキシドカプセル25mg「OP」しか販売されていません。

株式会社オーファンパシフィックは、2019年11月12日付でジアゾキシドカプセル25㎎「MSD」について、MSD株式会社より日本国内における製造販売承認を承継することをお知らせいたします。

オーファンパシフィックは2017年4月1日より、発売元としてジアゾキシドカプセル25㎎「MSD」の販売、製品情報の提供および収集活動を行っております。

今回の承継に伴い、販売名をジアゾキシドカプセル25㎎「OP」に変更いたします。

同じ背景での名称変更品に、「アロチノロール」があります。旧先発医薬品名は「アルマール」であり、糖尿病治療薬の「アマリール」と名称類似による処方間違い・調剤間違いが多発しました。

これによりアルマールがアロチノロール錠10mg「DSP」に名称変更しました。

ジアゾキシドカプセル25mg「OP」の適応症、効能効果

  • 高インスリン血性低血糖症

<効能・効果に関連する使用上の注意>

  • 本剤は、日本小児内分泌学会の診断と治療ガイドライン等を参考に、高インスリン血性低血糖症と確定診断が行われた場合にのみ投与する。
  • 重症低血糖によって引き起こされる中枢神経症状に対する有効性は認められていない。

インスリンの分泌・効果不足で血糖値が高くなってしまう糖尿病。逆の疾患もあって当然ではありますが、滅多にいないよね。この疾患。

自分もまだ1名しかみたことないです。

高インスリン血性低血糖症

様々な要因により、膵臓からのインスリン分泌が過剰になり、低血糖症状を起こす疾患。

先天性であることも多く、新生児期あるいは乳児期に低血糖を発症することがあります。

高インスリン血性低血糖症は、やがて自然にインスリンの過剰分泌が治まる一過性のタイプと、自然にはインスリンの過剰分泌が治まらず、永続的に続く持続性のタイプに分けられます。

一過性のタイプは、低出生体重児で生まれた際、母体が糖尿病であった際、などに起こることが多く、持続性のタイプは遺伝子の変化や膵臓に影響を与える要因によって起こることが多いと言われています。

ジアゾキシドの作用機序

インスリン分泌作用

ジアゾキシドは、膵島β細胞に存在する細胞膜 KATP チャネルを開口させることにより膜電 位を再分極化し、電位依存性 Ca2+チャネルを閉鎖することにより細胞内 Ca2+濃度を低下 させ、インスリンの分泌を抑制する。

ジアゾキシドはマウス膵島細胞及びラット摘出膵臓標本からのグルコース誘導インスリン分泌を抑制した。また、ラット及びイヌにおいて静脈内投与により血中インスリン値を低下させた。

カテコラミン遊離促進作用

ジアゾキシドはラット又はイヌにおいて静脈内投与により血管平滑筋の弛緩作用に基づくと考えられる血圧低下作用を示し、副腎からのカテコラミンの遊離を誘導した。

これらの結果から、ジアゾキシドの血糖上昇作用は主に膵島β細胞からのインスリン分泌抑制作用に基づくと考えられ、カテコラミンによる血糖上昇作用(肝グリコーゲン分解、糖新生等)も一部寄与するものと推察された。

ジアゾキシドの用法用量

1歳以上の幼小児及び成人

通常、ジアゾキシドとして1日3〜8mg/kgを2、3回に分割し、8あるいは12時間ごとに経口投与する。ただし、投与開始時は1日3〜5mg/kgを2、3回に分割投与する。

1歳未満の新生児・乳児

通常、ジアゾキシドとして1日8〜15mg/kgを2、3回に分割し、8あるいは12時間ごとに経口投与する。ただし、投与開始時は1日5〜10mg/kgを2、3回に分割投与する。

なお、いずれの場合も血糖値に応じて適宜増減するが1日最大投与量は20mg/kgまでとする。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤による治療の開始にあたっては患者を臨床的に注意深く観察し、投与開始後は患者の状態が十分に安定するまで、臨床症状及び血糖値を慎重にモニタリングすること。

通常は投与開始後数日で血糖値が安定する。

本剤の用量は、患者の低血糖状態の重症度、血糖値及び臨床症状に基づき、最も少ない用量で効果が認められるよう、個別に調整すること。

乳幼児においては、正確な用量を投与するよう特に注意すること。

腎障害患者では、本剤の血漿中半減期が延長する可能性があるので、投与量の減量を考慮すること。

2〜3週間治療を続けても効果が認められない場合には、投与を中止すること。

本剤による治療により低血糖症が改善し、その後再燃を認めない場合は、一過性高インスリン血性低血糖症の可能性があるので、本剤による治療の中止を考慮すること。

体重あたりなので、体重50kgの普通の成人で6C〜16C/日での服用になります。

ジアゾキシドの禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分又はチアジド系利尿剤に対して過敏症の既往のある患者

自分が1番気になったこの禁忌。

なんでチアジド系利尿剤が禁忌なんだろう。理由はインタビューフォームに書いてました。

過敏症に対する一般的な注意事項である。 本剤に含有されている成分又は化学構造が類似しているチアジド系利尿剤に対して過敏症を起こしたことの ある患者では、重篤なアレルギー反応を起こす可能性が高いと考えられるので、これらの患者には本剤を投 与しないこと。 なお、本剤には有効成分ジアゾキシド以外に添加物として、乳糖水和物、ステアリン酸マグネシウムが含有 されている。

構造式が似てるから、念のため。ってことですね。

禁忌は禁忌だから、注意しなきゃね。

ジアゾキシドの副作用

本剤は副作用発現頻度が明確となる試験を実施していない。なお、15歳以下の高インスリン血性低血糖症患者を対象とした国内臨床試験において、23例中2例に副作用注1)が認められた。副作用の内訳は、嘔吐、不快感、血小板増多各1件であった。(承認時)

承認時とはいえ、この日本で、こんな漢方みたいな「副作用発現の試験は実施してません」なんて文言を見ることがあるとは、、、。

製造販売後調査ではコチラ。

長期投与の特定使用成績調査において、安全性解析対象674例中255例(37.8%)に副作用が認められた。

主な副作用は浮腫57件(8.5%)、多毛症44件(6.5%)、心不全24件(3.6%)、貧血16件(2.4%)、高血糖11件(1.6%)、うっ血性心不全10件(1.5%)、悪心9件(1.3%)、末梢性浮腫9件(1.3%)、血小板数減少9件(1.3%)、肝機能異常8件(1.2%)、発疹8件(1.2%)、発熱8件(1.2%)、体液貯留7件(1.0%)、低血糖7件(1.0%)であった。

ジアゾキシドの薬価

  • ジアゾキシドカプセル25mg「MSD」:262.5円/カプセル

思ってた以上に高いよね。

用法用量のとこでも書いた通り、6C〜16C/日で服用する方が多いので、

1,575円/日〜4,200円/日ということ。やはり高額だ。

こういった、他に代替がない唯一のお薬って結構高額で、薬価改定でも薬価が落ちないんですよね。

カモスタット〈フオイパン錠〉とかね。GEが発売されてもなかなか高額なまま。

ジアゾキシドについてのまとめ

  • 高インスリン血性低血糖症に用いる
  • GEっぽい名前だけど先発医薬品
  • チアジド系利尿剤と禁忌
  • 262.5円/カプセルで高額だよ

こんな感じですねー

このお薬をしっかり内服し、どうしても低血糖症状を起こしてしまう際にブドウ糖を頓服服用するというのが一般的な対応方法のようです。

そして、このジアゾキシドを服用中だった患者さんの原疾患になりうる「インスリノーマ」についてもまとめてみたので、よかったらみてみてね。

では最後に糖尿病治療にオススメの書籍を少しだけ紹介しておきます。

今回の調剤報酬改定でも、糖尿病治療患者さんの服薬指導後フォローに対して点数が新設されています。

これまでも「がん治療」「糖尿病治療」領域での高度薬学管理機能を持った調剤薬局を求められていたので、その方針に沿った点数の新設というわけですね!

これからの日本の医療を支えられるように、土台となる知識・患者さんサポート体制を整えていく必要がありそうです。

ではではーしぐでした

コメント

  1. […] […]

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