
こんばんは、薬剤師のしぐです。
富士薬品の胃腸薬「新富士胃腸薬プラス」で、クラスⅡの自主回収が始まりました。
原因は、有効成分「銅クロロフィリンナトリウム」の含量が承認規格を下回ったことと、使用期限内に下回る可能性が確認されたことです。
対象は18包包装と1包包装の該当ロット。手元にある場合は使用を控え、製造番号を確認して、購入先や富士薬品に相談してください。
回収開始日は2026年10月22日です。PMDAへの掲載日として伝えられている10月23日とは区別して確認しましょう。
今回の自主回収の要点
| 項目 | 内容 |
| 販売名 | 新富士胃腸薬プラス |
| 製造販売業者 | 株式会社富士薬品 |
| 医薬品区分 | 第2類医薬品 |
| 回収区分 | クラスⅡ |
| 回収開始日 | 2026年10月22日 |
| 対象包装 | 18包、1包(試供品)の該当ロット |
| 回収理由 | 銅クロロフィリンナトリウムの含量低下、または使用期限内に規格を下回る可能性 |
| 健康影響 | メーカーは重篤な健康被害の可能性を極めて低いと評価 |
| 健康被害報告 | 公表時点で本件に起因する報告なし |
「健康被害の報告がない」ことと「回収対象をそのまま使用してよい」ことは別です。回収は、医薬品として求められる品質を確保するために行われます。
なぜ回収?使用期限内でも成分量が規格を下回る可能性
安定性モニタリングで、銅クロロフィリンナトリウムの含量が承認規格を下回るロットが確認されました。
さらに、市場に出荷された各ロットの参考品を確認したところ、同様に規格を下回るものが判明しました。そのため、使用期限内に承認規格を下回る可能性があるロットも含めて回収する対応となっています。
今回の確認点は、成分の「含量」です。これを、異物混入や有害物質の検出と取り違えないことが大切です。また、含量低下だけから「すべての作用がなくなった」と判断することもできません。
家庭では見た目やにおいだけで成分量を判断できません。使用期限が残っていても、対象の製造番号に該当すれば回収対応が必要です。

対象製品の確認方法|18包だけでなく1包の試供品にも注意
同じ製品名でも、包装と製造番号を照合して確認します。
| 包装 | JANコード |
| 18包 | 4987524071326 |
| 18包 | 4987524071319 |
| 1包・試供品 | 4987524920167 |
18包包装は多数の製造番号が対象です。「Fから始まるものだけ」「最近買ったものは対象外」といった大まかな見分け方はできません。
メーカーが示している製造番号・使用期限の表示位置は箱の側面左です。箱がない場合や印字を判読できない場合は、残っている分包などを保管して相談しましょう。
1包包装の対象製造番号
添付の回収概要で確認できる1包包装の対象は、次の7ロットです。
| 包装 | 対象製造番号 |
| 1包 | F833S |
| 1包 | G861H |
| 1包 | G873K |
| 1包 | G893N |
| 1包 | H044J |
| 1包 | H059L |
| 1包 | H080N |
この7ロットは1包包装の一覧です。18包包装の判定に、この表だけを使わないでください。
18包包装はメーカーの対象製造番号一覧と、手元の現物を一つずつ照合する必要があります。試供品も、家庭の薬箱や職場の保管場所に残っていないか確認しておきたいところです。

購入した人はどうする?入手経路ごとの相談先
対象製品が見つかったら、使用を控え、ほかの常備薬と分けて保管します。回収の確認に必要なので、箱や分包をすぐに捨てずに残しておきましょう。
| 入手経路 | メーカーが案内する対応 |
| 配置薬 | 担当営業に問い合わせる |
| ドラッグストア | 製品を持参し、近くの店舗の従業員に問い合わせる |
| 通信販売サイト | 富士薬品カスタマーサービスセンターに問い合わせる |
問い合わせ先は、富士薬品カスタマーサービスセンター 学術室:0120-22-8189。受付時間は9:00~17:30(土日祝日を除く)です。
返金方法、レシートがない場合、開封済み・箱なしの場合などは、個別に確認してください。条件を確認せず「必ず返金される」「未開封品しか対象にならない」と決めつけないことが大切です。
飲んでしまった場合の健康影響は?
メーカーは、今回の含量低下に起因する重篤な健康被害の可能性は極めて低く、公表時点で関連する健康被害の報告はないとしています。
すでに服用したことだけで、重い健康被害が起きると考えて慌てる必要はありません。一方で、対象品の使用は控え、回収の相談を進めてください。
服用後の体調について気になることがあれば、服用した製品名や量、時刻、症状を整理して薬剤師・医師に相談しましょう。
薬局・ドラッグストアで確認したい対応
① 売場・倉庫・試供品をまとめて確認する
対象の取り扱いがある店舗では、売場だけでなく、バックヤード、返品待ち、試供品の保管場所も確認します。製品名が一致したら、包装、JANコード、製造番号を照合します。
対象品は販売・配布を止め、通常の在庫と分けて管理します。対象か判断できないものは、確認が済むまで販売・配布を保留する運用が考えられます。
② 回収品の数量と対応経過を残す
確認日、製造番号、数量、隔離場所、連絡先、引き渡し日を記録しておくと、担当者が交代しても追跡できます。メーカーや納入元の案内に従い、回収方法を統一しましょう。
③ 購入者には「確認すること」を具体的に伝える
「胃腸薬が回収されています」だけでは、自宅のどの薬を見ればよいか分かりません。
「新富士胃腸薬プラスという製品で、18包入りと1包の試供品の一部が対象です。箱と製造番号を確認しますので、現物を残してご相談ください」と、行動につながる説明が役立ちます。
薬局で販売していない場合でも、常備薬の相談から回収対象品が見つかることがあります。処方薬に加え、市販薬や配置薬も確認できる薬局でありたいですね。

薬剤師として考えたいこと|薬箱の中まで届く回収情報を
回収情報は、店舗の在庫確認が終われば完了するわけではありません。すでに家庭へ渡った常備薬や試供品にも、確認の目を向ける必要があります。
特に配置薬は、普段から毎日使う薬とは限らず、薬箱の中に長く保管されていることがあります。薬の整理を手伝う場面でも、製品名と製造番号を確認するきっかけを作れます。
伝えたいのは、必要以上の不安ではなく、「対象か確認する」「対象なら使わず相談する」という具体的な行動です。


よくある質問(FAQ)
Q. 新富士胃腸薬プラスはすべて回収ですか?
回収対象として指定された製造番号の製品が対象です。製品名だけで判断せず、包装と製造番号を確認してください。
Q. 使用期限が残っている場合も対象ですか?
はい。使用期限内に承認規格を下回る可能性があるロットも回収対象です。
Q. 1包だけの試供品も確認が必要ですか?
はい。1包包装にも対象ロットがあります。18包の箱だけでなく、試供品も確認してください。
Q. すでに飲んでしまいました。どうすればよいですか?
メーカーは重篤な健康被害の可能性を極めて低いと評価しています。残っている対象品の使用は控え、回収を相談してください。体調に気になる変化があれば医師や薬剤師に相談しましょう。
Q. 箱やレシートがなくても相談できますか?
まず購入先やメーカーに相談してください。残っている分包などを保管し、製品の特定や回収の条件を確認しましょう。
Q. クラスⅡはどのような区分ですか?
一時的または医学的に回復可能な健康被害の可能性がある場合、あるいは重篤な健康被害のおそれがまず考えられない場合に割り当てられる回収区分です。今回の健康影響は、製品ごとのメーカー評価と併せて確認します。
まとめ
新富士胃腸薬プラスの該当ロットについて、2026年10月22日からクラスⅡの自主回収が始まっています。
18包包装と1包包装の製造番号を確認し、対象品は使用・販売・配布を控えて、入手経路に応じた回収相談を進めましょう。
※2026年10月23日時点。回収対象や対応は、メーカーの最新案内をご確認ください。


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