近江兄弟社メンターム15gが自主回収!45ロットが対象、原因と健康影響・確認方法を解説

スポンサーリンク
近江兄弟社メンターム15gの45ロット自主回収を伝えるイメージ

こんばんは、薬剤師のしぐです。

2026年10月16日、株式会社近江兄弟社は、一般用医薬品「近江兄弟社メンターム15g」の一部製造ロットについて、クラスⅡの自主回収を開始しました。

今回の回収は、有効成分のdl-カンフルとシネオールの含量が、有効期間4年以内に承認規格を下回る製品が確認されたことによるものです。

対象は15g製品の45ロット。使用期限内の該当ロットが回収対象となります。

メーカーは、期待される効果が弱まる可能性はあるものの、重篤な健康被害が発生する可能性はないと評価しており、現時点で本件に起因すると考えられる健康被害の報告はないとしています。

長年親しまれている家庭の常備薬だけに、すでに自宅で使用している方も少なくないかもしれません。

今回は、回収対象や原因、メンタームの成分と特徴、薬局・販売店で確認しておきたい対応について整理します。

近江兄弟社メンターム15gの自主回収概要

まずは今回の自主回収の基本情報を確認します。

項目内容
製品名近江兄弟社メンターム
対象規格15g
製造販売業者株式会社近江兄弟社
医薬品区分第3類医薬品
回収区分クラスⅡ
回収開始日2026年10月16日
対象使用期限内の該当45ロット
回収理由dl-カンフル、シネオールの含量低下
健康影響効果減弱の懸念。重篤な健康被害の可能性はないとのメーカー評価
回収情報番号2-12996

ここで注意したいのは、回収対象が「近江兄弟社メンターム15g」であることです。

メンタームには容量違いの製品や、同じブランド名を冠したさまざまな商品があります。

今回の自主回収を理由に、それらすべてを回収対象と判断する必要はありません。

販売名、容量、製造番号を確認して対象を特定することが重要です。

なぜ自主回収になった?原因は有効成分の含量低下

今回の回収理由は、有効成分の含量が承認規格を下回る可能性が確認されたことです。

メーカーによる安定性モニタリングと使用期限内の参考品の確認で、以下の2成分について問題が見つかりました。

  • dl-カンフル
  • シネオール(ユーカリ油の主たる成分)

近江兄弟社メンタームの有効期間は4年間ですが、その期間内に成分量が承認規格を下回る製品が確認されたため、使用期限内の対象ロットを自主回収することになりました。

使用期限内でも品質規格を満たさないことがある?

医薬品の使用期限は、定められた保管条件などのもとで、一定の品質が維持される期間として設定されています。

しかし、期限内であっても、有効成分の含量が想定以上に低下することがあります。

製造時に規格を満たしていたとしても、有効期間中に規格を維持できなければ、医薬品としての品質保証に問題が生じます。

今回のメンタームの回収は、まさにこの点に関係する事例です。

なお、公表された回収情報からは、成分含量の低下を引き起こした具体的な原因までは断定できません。

dl-カンフルやユーカリ油由来成分には揮発性がありますが、今回の含量低下が揮発によるものと決まったわけではありません。

このように、確認された品質上の問題と、その発生原因を区別して考えることも大切です。

メンタームの有効成分であるdl-カンフルやユーカリ油などのイメージ

そもそも近江兄弟社メンタームとは?

近江兄弟社メンタームは、切り傷やすり傷、虫さされ、かゆみ、ひび、あかぎれなどに用いられる第3類医薬品です。

家庭の常備薬として、長年親しまれてきた外用薬の一つです。

メンタームの有効成分と特徴

成分含有量主な働き
dl-カンフル9.60%清涼感を伴う刺激作用によって痛みやかゆみをやわらげる
l-メントール1.35%清涼感を与え、痛みやかゆみをやわらげる
ユーカリ油1.30%刺激作用などによって疼痛や血液循環に働きかける

今回、含量低下が確認されたのはdl-カンフルと、ユーカリ油の主たる成分であるシネオールです。

一方、l-メントールについては、今回の自主回収理由に含量低下が示されていません。

メンタームとメンソレータムは同じ?

名称やパッケージの印象から、近江兄弟社の「メンターム」とロート製薬の「メンソレータム」を混同する方もいるかもしれません。

両者は現在、異なるメーカーが展開する別のブランドです。

今回の回収対象は近江兄弟社メンターム15gであり、メンソレータム製品が今回の回収対象になったという意味ではありません。

購入者への説明では、ブランド名だけでなく、製造販売業者と商品名を確認することが重要です。

クラスⅡ自主回収とは?危険性はどの程度?

医薬品の自主回収は、健康への危険性に応じてクラスⅠからクラスⅢに分類されます。

区分意味
クラスⅠ重篤な健康被害や死亡につながる可能性がある
クラスⅡ一時的・医学的に治癒可能な健康被害の可能性がある、または重篤な健康被害のおそれはまず考えられない
クラスⅢ健康被害の原因になるとはまず考えられない

今回のメンタームはクラスⅡに分類されています。

重要なのは、クラスⅡという分類が、実際に健康被害が生じたことを意味するわけではない点です。

今回のメンタームで考えられる健康への影響

メーカーは、成分含量の低下によって期待される効果が弱まる可能性があると説明しています。

一方で、使用上の注意には、5~6日間使用しても症状が改善しない場合は使用を中止して医師、薬剤師または登録販売者に相談するよう記載されています。

こうした点も踏まえ、メーカーは重篤な健康被害が発生する可能性はないと判断しています。

また、公表時点で本件に起因すると考えられる健康被害の報告はありません。

ただし、健康被害が報告されていないことと、品質上の問題がないことは別です。

対象ロットであることが分かった場合は、引き続き使用するのではなく、回収案内に従って対応する必要があります。

メンターム15gの自主回収対象ロットを確認するイメージ

対象ロットの確認方法

今回の自主回収は45ロットが対象となっています。

対象となる製品は15g規格で、使用期限内の該当製造ロットです。

確認するときは、次の3点を順番にチェックしましょう。

  1. 製品名が「近江兄弟社メンターム」であること
  2. 内容量が15gであること
  3. 製造番号が回収対象に該当すること

対象ロットの一覧は、PMDAが公開している「医薬品回収の概要(回収番号2-12996)」に掲載されています。

対象ロット①対象ロット②対象ロット③
CCN01CCN02CDC05
CDC06CDD07CDD08
CDF07CDF08CDG08
CDG09CDK01CDM03
CDM04CDN11CDN12
CEB10CEC11CEC12
CEE07CEE08CEG09
CEG10CEH01CEK05
CEK06CEL09CEL10
CEM09CEM10CFB01
CFC07CFC08CFE01
CFE02CFG07CFH09
CFH10CGB01CGB02
CGC05CGC06CGE10
CGF01CGH01CGH02

ロット情報は必ず最新の公表内容と照合してください。
https://www.info.pmda.go.jp/rgo/MainServlet?recallno=2-12996&utm_source=chatgpt.com

すでに購入・開封したメンタームはどうすればよい?

自宅に近江兄弟社メンターム15gがある場合は、まず製品名、容量、製造番号を確認しましょう。

該当ロットであれば、使用を中止してメーカーの回収案内に従ってください。

未開封の製品だけでなく、すでに開封・使用している製品についても、回収対象として案内されています。

使用済みだからといって自己判断で捨てず、メーカーの案内に沿って手続きを確認することが大切です。

一方、これまで使っていて特に症状が出ていない方も、今回の情報だけで過度に不安になる必要はありません。

ただし、患部の症状が改善しない場合や悪化している場合は、適切な医療機関への相談を検討しましょう。

薬局で自主回収対象製品の在庫確認と回収対応を行うイメージ

薬局・ドラッグストアではどう対応する?

今回の回収は一般用医薬品ですが、薬局やドラッグストアの現場でも確認しておきたい内容です。

① 15g製品の在庫と製造番号を確認

まずは店頭在庫・バックヤード在庫の15g製品を確認します。

該当ロットがある場合は販売を停止し、通常在庫と分けて保管します。

メーカーや卸売業者からの指示を確認し、所定の手順で返品・回収対応を進めましょう。

② ほかのメンターム製品まで回収しない

今回の自主回収対象は15g製品の該当ロットです。

同じブランドの商品であっても、名称や容量が異なるものまで一律に回収する必要はありません。

対象範囲を正確に伝えることは、不要な混乱や問い合わせを減らすうえでも重要です。

③ 購入者には開封済み製品も確認してもらう

購入者から相談を受けた際は、製品名、容量、製造番号を確認します。

開封済みの製品であっても該当ロットなら回収対象となることを伝え、返送や交換・返金等の具体的な方法についてはメーカーの最新案内を確認してもらいましょう。

④ 効果減弱の可能性と安全性を分けて説明する

今回の自主回収は、有効成分の含量低下が原因です。

「危険な成分が混入した」「有害物質が発生した」といった内容ではありません。

購入者には、効き目が弱くなる可能性があるため回収していること、メーカーは重篤な健康被害の可能性はないと評価していることを分けて説明すると、誤解を防ぎやすくなります。

薬剤師として今回の回収から考えたいこと

メンタームは、医療用医薬品に比べれば身近な存在です。

しかし、一般用医薬品であっても、承認された有効成分の含量を使用期限内に維持することは大切な品質要件です。

今回、個人的に注目したいのは、問題の発見が安定性モニタリングや参考品の確認によるものだったという点です。

医薬品の品質管理は、製造して出荷すれば終わりではありません。市場に流通した後も、品質が維持されているかどうかを確認する取り組みが求められます。

そして薬局側にも、もう一つ大切な役割があります。

それは「回収情報を正しく伝えること」です。

自主回収と聞くと、不安を感じる方もいるでしょう。

しかし、すべての製品が危険というわけではなく、今回のように特定の容量・製造ロットが対象となるケースもあります。

健康被害の可能性を過大に伝えず、かといって「問題ないから使ってよい」と軽く扱わない。

回収対象を正確に把握して、購入者が適切に行動できるよう支えることが薬局の役割だと感じます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 近江兄弟社メンタームはすべて回収対象ですか?

いいえ。今回公表された対象は、近江兄弟社メンターム15gの該当45ロットです。別の容量やシリーズ商品まで一律に回収対象になるわけではありません。

Q2. すでに開封して使っていますが、回収してもらえますか?

対象ロットであれば、開封済み製品も回収対象として案内されています。具体的な手続きはメーカーの回収案内で確認してください。

Q3. 使ってしまった場合、健康被害はありますか?

メーカーは重篤な健康被害が発生する可能性はないと評価しており、公表時点で本件に起因すると考えられる健康被害の報告はありません。ただし、症状の悪化や異常がある場合は医療機関等に相談してください。

Q4. なぜ使用期限内なのに回収するのですか?

有効期間4年以内に有効成分の含量が承認規格を下回る製品が確認されたためです。使用期限内であっても、品質規格を満たさない製品は回収対象となる場合があります。

Q5. メンソレータムも回収対象ですか?

今回の回収は近江兄弟社メンターム15gに関するもので、別ブランドであるメンソレータム製品まで対象になったということではありません。

Q6. クラスⅡは重大な自主回収ですか?

クラスⅡは、一時的・医学的に治癒可能な健康被害の可能性がある場合や、重篤な健康被害のおそれはまず考えられない場合の区分です。今回、メーカーは重篤な健康被害の可能性はないと評価しています。

まとめ|対象は15gの45ロット、まずは製造番号の確認を

2026年10月16日に発表された近江兄弟社メンタームの自主回収について整理しました。

今回のポイントは以下の通りです。

  • 対象は近江兄弟社メンターム15gの45ロット
  • 回収開始日は2026年10月16日
  • dl-カンフルとシネオールの含量低下が原因
  • クラスⅡの自主回収
  • メーカーは重篤な健康被害の可能性はないと評価
  • 公表時点で関連する健康被害報告はなし
  • 開封済み製品についても回収対象
  • 容量や製造番号を確認し、対象外商品と区別することが重要

今回のような自主回収情報は、薬局・ドラッグストアだけでなく、家庭で薬を保管している方にも関係する話題です。

「使い慣れた薬だから大丈夫」と考えるのではなく、正確な情報を確認し、必要な対応につなげることが大切ですね。

※本記事は2026年10月17日時点の公表情報に基づいています。対象ロットや回収方法については、PMDAおよび製造販売業者の最新案内をご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました