ジクトルテープの「久光」GEが承認|出荷調整中に気になるステルスAGの正体と薬局への影響

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ジクトルテープの後発品「久光」が承認|ステルスAGとは?出荷調整は改善するのか

ジクトルテープの供給と後発品の承認を表す薬局棚

こんばんは、薬剤師のしぐです。

えー、わたくし、しぐ。

ジクトルテープ75mgの手配に、毎日追われている。卸に問い合わせ、在庫を確認し、次の処方に間に合うか考える。そんな薬局にとって、「ジクトルの後発品が承認された」という知らせは、思わず身を乗り出したくなるニュースでした。

承認されたのは、ジクロフェナクNaテープ75mgZI「久光」。名前を見て、まず気になるのは「久光」の二文字。ジクトルテープの製造販売元も久光製薬です。

しかも、「当初は」ジクトルのオーソライズド・ジェネリック(AG)として報じられていましたが。

「これで調達が楽になる?」「先発品と同じテープなの?」「AGなら薬価は安くなる?」。気になることが一気に出てきますよね。今回は承認というニュースを起点に、いわゆる“ステルスAG”と呼ばれる理由、ジクトルならではの注意点、薬局で今から確認しておきたいことを整理します。

最初に大切な点をひとつ。2026年9月28日時点で確認できるのは後発品の承認です。薬価収載、発売、卸への出荷開始を確認したわけではありません。 いま目の前にあるジクトルの手配が、明日から楽になるというニュースではありませんからね。

ジクトルテープの後発品として承認されたのは?

2026年8月17日の後発医薬品一斉承認で、「ジクロフェナクNaテープ75mgZI『久光』」が承認されたと報じられました。ジクトルテープ75mgの有効成分はジクロフェナクナトリウム。先発品の製造販売元は久光製薬です。

確認したい点現時点で分かっていること
先発品ジクトルテープ75mg
承認された後発品ジクロフェナクNaテープ75mgZI「久光」
承認に関する報道2026年8月17日の後発品一斉承認
販売名の「ZI」製品名の一部。これだけで同一処方・同一工場と判定しない
発売日・薬価・流通量今後の公表を確認する必要がある

ここは「承認された」と「薬局が注文できる」を分けて考えたいところ。承認後には薬価収載や実際の発売、流通が続きます。もちろん、収載されても十分な量が入るとは限りません。今まさに品物を探している薬局ほど、この違いは切実です。

そもそもジクトルは、よくあるジクロフェナクの湿布と何が違う?

名前だけを見ると、ナボールテープやジクロフェナクNaテープ15mg・30mgを思い浮かべるかもしれません。でも、ジクトルは「貼ったところだけを治療する、いつもの湿布」と同じ感覚で扱えません。

ジクトルテープ75mgは、薬が皮膚から吸収され、全身への作用を期待する経皮吸収型の持続性疼痛治療剤です。効能・効果は「各種がんにおける鎮痛」と「腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱鞘炎における鎮痛・消炎」。用途によって使い方も異なります。

がんの痛みでは通常1日1回2枚、症状により3枚まで。整形外科領域の対象疾患では通常1日1回1枚または2枚です。胸部、腹部、上腕部、背部、腰部、大腿部に貼り、およそ24時間ごとに交換します。がんの痛みに対する3枚貼付時には、ジクロフェナク経口剤の通常用量に近い全身曝露となることも、電子添文に明記されています。

つまり「貼る薬だから胃や腎臓への影響を考えなくていい」とはいきません。ほかのNSAIDsの飲み薬や貼り薬、腎機能、胃腸障害、喘息歴などを確認する必要があります。普段のジクロフェナクテープ15mg・30mgを、規格の足し算だけでジクトル75mgの代わりにすることもできません。承認された75mgZI「久光」の適応や用法が公表されたら、電子添文で改めて確認しましょう。

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「ステルスAG」と呼ばれる理由を、順番に整理

まずAGは、先発品の製造販売元から許諾を受けて販売される後発品を指す呼び方です。ただし、AGとひと口にいっても、原薬・添加物・製造工程・製造場所が先発品とどこまで同じかは品目ごとに確認が必要です。「AG」の二文字だけで、すべて同一とは言えません。

今回の品目が“ステルスAG”と話題になる背景には、次の三つが重なっています。

一つ目は、先発品を扱う久光のグループから、後発品が登場すること。 ジクトルの製造販売元は久光製薬、承認品目の名前はジクロフェナクNaテープ75mgZI「久光」。第三者の別会社が似た製品を作った、という構図とは異なります。報道でもジクトルのAGとして扱われていました。

二つ目は、製品名の「ZI」です。 単なる「ジクロフェナクNaテープ75mg『久光』」ではなく、成分名と剤形のあとに「ZI」が入ります。この独特の名称が、既存の局所作用型ジクロフェナクテープとの違いを意識させます。ただし、「ZI」が何を正式に意味し、先発品との製剤同一性をどこまで表すかについて、公表資料だけから断定はできません。名称を“同じ製造ラインの証拠”として扱うのは早計です。

三つ目は、AGをめぐる2026年度の薬価ルールです。 新規に薬価収載されるAGについては、先発品と同額で算定する制度が導入されています。先発と同じものに見えても、従来イメージされていた「AGなら安い」という期待とはずれる可能性があります。このルールを背景に、名称や位置づけが注目されているのです。

ここでいう**“ステルスAG”は制度上の正式な品目区分ではなく、業界での見方や呼び方**として扱うのが正確でしょう。「制度の網を抜けて薬価を下げられる仕組み」と断定できる材料もありません。今回の承認品目について、実際の薬価と後発品使用割合などの取扱いは、収載後に公表される情報で確認する必要があります。

先発品と後発品の貼付剤を比較するイメージ

AGなら、ジクトルと「まったく同じ」と説明していい?

患者さんから聞かれそうなところです。ここは慎重に答えたいと思います。

先発企業に関係するAGであることと、添加物、粘着性、貼り心地、袋の開け方まで同じであることは別の話です。後発品の電子添文、インタビューフォーム、製品写真、包装規格が出たら比較する。とくに毎日使う貼付剤は、剥がれやすさ、皮膚への刺激、貼り替えのしやすさが継続に直結します。

もし両者の同一性が公式に示されれば、切替時の安心材料になります。一方、現時点で「中身も工場も先発と完全に同じ」と言い切るのは避けたいところ。薬局での説明は、確認済みの製品情報を基準にしましょう。

貼付剤の在庫と入荷予定を確認する薬局の棚

いちばん知りたい「出荷調整」は、GEで解決する?

久光製薬は2026年4月、需要増加に伴いジクトルテープ75mgの限定出荷を開始しました。その後も期間延長を案内しています。日々の手配に追われている現場からすると、後発品の承認は待ち遠しい知らせです。

ただ、後発品が増えることと、供給源が独立して二つに増えることは同義ではありません。 原料、製造設備、製造工程、包装能力、出荷配分などを先発品と共有する場合、同じ制約を受ける可能性があります。反対に別枠の生産や流通体制が確保されれば、調達の選択肢になる可能性もあります。現時点で、この品目がどちらかは決めつけられません。

発売後にも確認したいのは「後発品が存在するか」だけではなく、自局の卸から何枚を、いつ、継続して手配できるかです。がん疼痛で定期使用している患者さんでは、処方日数と手元の残数、次回受診日を見ながら、早めに処方元と情報を共有する必要があります。

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薬局では、今から何を準備する?

まずは既存のジクトル使用患者さんを把握し、1日何枚使うか、次の受診日はいつか、手持ち分がどれほどあるかを確認しておきたいところです。1日1枚と3枚では、同じ70枚包装でも見通しが大きく違います。

貼付枚数と次回受診日を確認するための薬とカレンダー

次に、発売情報が出たら、次の順番で確認すると実務につながりやすいと思います。

  1. 薬価収載日と発売日、卸での取扱開始日
  2. 後発品の電子添文に記載された効能・効果、用法・用量
  3. 先発品との製剤・包装・貼付感に関する公式な比較資料
  4. 卸への配分、包装単位、継続的な供給見込み
  5. 薬価と後発医薬品調剤に関する算定上の扱い
  6. 採用・切替時のレセコン登録と患者説明

「切り替えられる後発品ができたら安心」と思いたくなりますが、処方内容や供給量が確認できるまでは手配の段取りを変えられません。なじみの患者さんが困らないことを最優先にしたいですね。

服薬指導では、貼付枚数と交換タイミングに加え、ほかのNSAIDsとの重複、胃痛・黒色便、むくみ・尿量変化、息苦しさ、貼付部位の皮膚症状などを確認します。とくにがん疼痛で使っている場合は、「湿布が足りない」という言葉の奥に、痛みの悪化や治療の中断がないかも聞き取りたいところです。

よくある質問

ジクトルテープの後発品はもう薬局で注文できますか?

2026年9月28日時点で確認できるのは承認の情報です。薬価収載、発売、流通開始を確認してから判断してください。

「久光」と付くなら先発品と完全に同じですか?

AGと報じられていますが、名称や企業との関係だけで添加物、製法、製造所、貼付感まで同じとは判断できません。後発品の公式資料が公表された時点で比較します。

ジクロフェナクNaテープ15mgや30mgを代用できますか?

ジクトルは全身への作用を期待する75mg製剤で、適応や使い方も異なります。枚数を換算して機械的に置き換える薬ではありません。代替が必要なら処方医と相談してください。

GEが発売されればジクトルの限定出荷は終わりますか?

現時点では分かりません。先発品と後発品で生産・供給の制約を共有する可能性もあるため、メーカーの案内と卸の実際の納入状況を確認する必要があります。

「ステルスAG」は正式な分類ですか?

正式な薬事上の分類ではありません。今回のような先発メーカー系の後発品と、その名称や薬価制度をめぐる議論を表す通称として、意味を限定して使うのが適切です。

ジクトルテープのGE?AGこういうこと!

ジクトルテープのGE承認は、手配に追われる薬局には朗報。ただし、承認だけでは患者さんの次の一箱は確保できません。

久光グループの製品で、ジクトルのAGと報じられていた点は確かに気になる。だからこそ「ステルスAG」という言葉だけを一人歩きさせず、実際の薬価、製剤の同一性、発売日、そして安定して何枚届くかを確認したいところです。薬局が本当に待っているのは、“GEが出る”という見出しより、明日の処方を安心して受けられる供給です。


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