世界薬剤師デーは9月25日|2026年のテーマと「薬剤師の仕事」を現場から考える

薬剤師のしぐです。
9月25日は「世界薬剤師デー(World Pharmacists Day)」です。名前は聞いたことがあっても、「なぜこの日?」「2026年のテーマは?」「薬剤師は薬を渡す以外に何をしているの?」と聞かれると、意外と説明が難しいかもしれません。
僕は保険薬局で働きながら、学校薬剤師としても活動しています。薬の使い方を伝える日もあれば、副作用の兆候を拾って医療機関につなぐ日もあり、学校では教室や給食室の環境を確認する日もあります。世界薬剤師デーをきっかけに、そんな仕事のつながりを紹介します。
この記事では、国際薬剤師・薬学連合(FIP)の公式発表をもとに、世界薬剤師デーの由来、2026年のテーマ、現場で考えたいことを整理します。
世界薬剤師デーはいつ?なぜ9月25日?
世界薬剤師デーは毎年9月25日。FIPは2009年の会議でこの記念日を採択しました。日付は、FIPが1912年9月25日に発足したことに由来します。薬剤師が健康づくりに果たす役割を知ってもらい、各地でその活動を広げる日です。
2026年は、9月19日から25日までが「世界薬学週間(World Pharmacy Week)」です。薬剤師に加え、薬学研究、教育、調剤を支える職種など、幅広い人たちの貢献にも目を向ける期間です。
2026年のテーマは「薬剤師が力を発揮できる未来へ」

2026年の公式テーマは “Empowering pharmacists for healthier futures”。日本語なら「より健康な未来のために、薬剤師が力を発揮できるように」といった意味合いです。ここでの訳は、内容を伝えるための本記事での意訳です。FIPは、予防、医療へのアクセス、保健医療体制の強さ、持続可能性への薬剤師の貢献を強調しています。
ポイントは「薬剤師個人の努力だけに任せる話ではないところ。FIPは、必要な知識と技術を身につけられる教育、専門性への適切な評価、力を発揮できる職場環境や制度の整備を呼びかけています。人口構成の変化、生活習慣病などの非感染性疾患、医療のデジタル化、気候変動による負荷を背景に、薬剤師の働き方を社会全体で考えるテーマだと受け止めています。
薬局の薬剤師は「処方箋を確認して渡す」だけ?
薬局で患者さんと接する時間は、病院での診察に比べて短いことが多いです。それでも、その短い会話から確認したいことがあります。
- 処方された薬の量や組み合わせに問題はないか
- 市販薬やサプリメントとの重なりはないか
- 飲み始めてから困っている症状はないか
- 飲み忘れの背景に、生活時間や薬の数などの理由はないか
- 必要な薬が手に入りにくいとき、治療をどう途切れさせずに済むか
たとえば「この薬、飲むと少しつらいんです」という一言が、副作用の確認や処方医への連絡につながることがあります。抗がん薬では服薬日と休薬日の確認、自宅で生じた症状の聞き取り、受診の目安の共有が大切です。薬を手渡したあとも患者さんの生活は続いています。
経口抗がん薬の具体例コチラ

病院、地域、学校。それぞれの場所で健康を支える
病院では、薬の選択や投与量の確認、相互作用の評価、治療中の副作用への対応などに薬剤師が関わります。退院後や外来通院中は、薬局との情報の受け渡しも重要です。患者さんにとって治療は一つでも、支える場所は一つではありません。
地域では、処方薬だけでなく、市販薬の選び方や飲み合わせ、薬の管理について相談できます。薬の供給に問題が生じたときも、患者さんの自己判断で中止する前に、医師と連携して対応を考える役割があります。
そして学校薬剤師は、子どもが過ごす環境にも関わります。教室の空気や明るさ、給食室の衛生、飲料水などを確認し、学校へ助言します。健康教育に参加することもあります。

学校薬剤師の仕事は、コチラに詳しくまとめました。

「薬剤師が力を発揮できる」と患者さんに何が変わる?
薬剤師への教育や連携の仕組みが整えば、相談の中で見つかった問題を医療チームに伝えやすくなります。適切な情報を必要なタイミングで共有できれば、治療を続けるうえでの困りごとにも早く対応できる可能性があります。ここはFIPのテーマを、日本の現場に引き寄せて考えた部分です。
一方、薬剤師の仕事が患者さんに見えなければ、相談できることも伝わりません。「こんなことを聞いていいのかな?」と思う内容こそ、薬局の窓口で話してみてください。
- 「飲み合わせが心配」
- 「副作用かどうかわからない症状がある」
- 「薬を飲む時間が生活に合わない」
- 「飲み忘れが続いている」
- 「市販薬も使いたい」
症状が強い、急に悪化したなど緊急性がある場合は、薬局への相談を待たずに医療機関へ連絡してください。
僕が世界薬剤師デーに考えたいこと

世界薬剤師デーは、薬剤師の仕事を知ってもらう日であると同時に、僕たち自身が仕事の中身を見直す機会でもあります。
薬を正確に渡すことは土台です。そのうえで、薬が患者さんの毎日にどう組み込まれているか、学校で子どもたちがどんな環境で過ごしているか、必要な支援につながっているか。目の前の人の生活まで想像できる薬剤師でありたいと思います。
9月25日をきっかけに、薬剤師に聞いてみたかったことを一つ、相談してもらえたらうれしいです。
まとめ
- 世界薬剤師デーは毎年9月25日。FIPの発足日に由来します。
- 2026年のテーマは “Empowering pharmacists for healthier futures”。
- テーマには、薬剤師の教育、評価、職場環境、医療との連携を支える意味が込められています。
- 薬局、病院、学校など、薬剤師はさまざまな場所で健康を支えています。
- 薬に関する気がかりがあれば、身近な薬剤師に相談してください。
FAQ(記事本文の続き)
Q. 世界薬剤師デーは毎年同じ日ですか?
はい。毎年9月25日です。FIPが1912年に発足した日に由来します。
Q. 2026年の公式テーマは何ですか?
“Empowering pharmacists for healthier futures”です。本記事では「より健康な未来のために、薬剤師が力を発揮できるように」と意訳しています。公式な日本語訳として示しているわけではありません。
Q. 世界薬剤師デーと世界薬学週間は違いますか?
世界薬剤師デーは9月25日。FIPの世界薬学週間は2026年には9月19〜25日で、薬学に関わる幅広い職種や分野にも光を当てます。
Q. 処方箋がなくても薬剤師に相談できますか?
薬局では、処方薬の飲み合わせだけでなく、市販薬の選び方や服薬上の困りごとなども相談できます。対応できる範囲は内容によって異なるため、受診が必要な場合は医療機関につなぐこともあります。
Q. 学校薬剤師は薬を配る人ですか?
主な仕事の一つは、学校環境衛生の検査や学校への助言です。教室の空気・明るさや給食室の衛生など、子どもの学習環境を確認します。

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