OTC類似薬の追加負担、アトピーのステロイド外用剤はどうなる?プロアクティブ療法は対象外へ【2027年制度】

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OTC類似薬の追加負担、アトピーのステロイド外用剤はどうなる?プロアクティブ療法は対象外へ【2027年制度】

こんにちは、薬剤師のしぐです。

2027年3月から開始予定の「OTC類似薬の追加負担」。

医療用医薬品のうち、市販薬と同一成分などを含むOTC類似薬について、通常の医療費とは別に、薬剤費の4分の1を患者さんが負担する仕組みが予定されています。

皮膚科領域で気になるのが、

「アトピー性皮膚炎に使うステロイド外用剤も追加負担になるの?」

という点です。

2026年9月11日に厚生労働省から示された資料では、

アトピー性皮膚炎に対し、プロアクティブ療法として通年にわたり定期的にステロイド外用薬を使用する場合は、別途負担の対象外とする

という方針案が示されました。

ただし、アトピー性皮膚炎に使われるステロイド外用剤が、すべて一律で対象外になるわけではありません。

今回は、プロアクティブ療法とは何か、対象となる使い方との違い、薬局で確認したいポイントを整理します。

※本記事は2026年9月11日時点の厚生労働省資料をもとにしています。制度の最終的な内容は、今後の省令・告示・通知等で変更される可能性があります。

OTC類似薬の追加負担とアトピー性皮膚炎のステロイド外用療法を表すイメージ

2027年3月からOTC類似薬に追加負担

OTC類似薬とは、一般用医薬品、いわゆる市販薬と同一成分などを含む医療用医薬品です。

今回予定されている制度では、対象となるOTC類似薬が処方された場合、

  • 薬剤費の4分の1を「別途負担」
  • 残り4分の3には従来の保険給付を適用
  • 保険診療そのものから完全に外れるわけではない

という仕組みになります。

たとえば3割負担の患者さんでは、薬剤費の4分の1を別途負担したうえで、残る4分の3のうち3割を通常の一部負担金として支払う形です。

つまり、「薬剤費の25%分だけ負担が増える」という単純な計算ではありません。

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制度は2027年3月からの開始が予定されていますが、具体的な対象品目や請求方法については、今後の正式な通知を確認する必要があります。

アトピーのステロイド外用剤は追加負担になる?

結論からいうと、使用方法によって扱いが分かれる方針です。

ステロイド外用剤の使い方追加負担の方針案
通年で定期的に続けるプロアクティブ療法対象外
症状が出たときだけ使用するリアクティブ療法対象
プロアクティブ療法として一定期間使用した後に中止対象
乾癬・掌蹠膿疱症など、OTCと実質的に効能が一致しない疾患対象外となる整理

ここで重要なのは、

「アトピー性皮膚炎だから対象外」でも、「ステロイド外用剤だから対象外」でもない

ということです。

同じステロイド外用剤でも、処方目的や治療計画によって追加負担の有無が変わる可能性があります。

プロアクティブ療法とは?

プロアクティブ療法は、アトピー性皮膚炎の症状が改善した後も、再燃を繰り返しやすい部位にステロイド外用剤などを定期的に塗り、良い状態を維持する治療法です。

一般的には、

  1. 急性期にステロイド外用剤などで炎症を抑える
  2. 症状が落ち着いた後も保湿を続ける
  3. 再燃しやすい部位には週2回程度、抗炎症外用薬を塗る
  4. 良い状態を長く維持する

という流れになります。

「症状がないのにステロイドを塗っている」のではなく、症状の再燃を予防するために、計画的に間欠使用しているわけです。

厚労省資料でも、プロアクティブ療法は「再燃予防のため計画的・継続的に行われる治療」と整理されています。厚生労働省・第215回社会保障審議会医療保険部会資料

ステロイド外用剤を定期的に使用するプロアクティブ療法のイメージ

なぜプロアクティブ療法が対象外になる?

今回の方針には、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024の位置づけが大きく関係しています。

プロアクティブ療法は、急性期治療後の寛解状態を維持し、再燃を予防するための治療として診療ガイドラインに示されています。

そのため、単に市販薬で対応できる軽い症状へステロイドを使う場合とは異なり、

  • 医師による皮膚症状の評価が必要
  • 急性期から維持期まで一連の治療計画がある
  • 再燃予防のため計画的に継続する
  • 副作用についても定期的な確認が必要

という医学的管理が求められます。

厚労省はこうした治療上の必要性を踏まえ、

通年にわたって定期的にステロイド外用剤を使用するプロアクティブ療法は、追加負担の対象外とする

という考えを示しました。

リアクティブ療法は追加負担の対象に

一方、症状が出現したときだけステロイド外用剤を使用する方法は、リアクティブ療法と呼ばれます。

今回の資料では、リアクティブ療法は別途負担の対象となる例として示されています。

また、

「プロアクティブ療法として6か月間使用した後に中止する」

といったケースも、通年使用ではないため、追加負担の対象となる例に挙げられました。

ここは、患者さんにとって少し分かりにくいところです。

プロアクティブ療法リアクティブ療法
症状改善後も計画的に塗布症状が出てから塗布
週2回などの間欠使用必要時使用
再燃予防が目的出現した炎症の治療が目的
通年使用なら対象外となる方針原則として追加負担の対象
プロアクティブ療法とリアクティブ療法の違いを表すイメージ

「6か月続ければ対象外」ではない

注意したいのが、6か月という期間です。

今回の資料では、

「プロアクティブ療法として一定期間、例として6か月間使用した後に中止した場合」

は、追加負担の対象となる例に分類されています。

つまり、

6か月以上使用すれば自動的に対象外になる

という意味ではありません。

プロアクティブ療法については、

  • アトピー性皮膚炎に対する処方である
  • 再燃予防を目的としている
  • 定期的な間欠使用である
  • 通年での継続が必要と判断されている

といった条件がポイントになります。

ヘパリン類似物質や尿素はどうなる?

アトピー性皮膚炎に対してヘパリン類似物質や尿素などの保湿剤を通年使用する場合も、追加負担の対象外とする方向で整理されています。

ただし、保湿剤についても、すべての処方が一律に対象外になるわけではありません。

疾患、使用目的、長期使用の必要性などによって判断されるため、

「ヘパリン類似物質なら追加負担なし」

とは限らない点に注意が必要です。

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薬局では何を確認することになる?

今回の制度は、薬品名だけを見ても追加負担の対象か判断できません。

薬局では、少なくとも次の情報が重要になりそうです。

1.何の疾患に使用しているか

アトピー性皮膚炎なのか、別の湿疹・皮膚炎なのかによって扱いが変わる可能性があります。

2.治療目的は何か

急性期の炎症を抑える処方なのか、再燃を予防する維持療法なのかを確認する必要があります。

3.プロアクティブ療法か

単なる頓用ではなく、医師の管理下で定期的な間欠塗布が指示されているかがポイントになります。

4.通年使用が必要か

一定期間で終了する予定なのか、年間を通した継続治療なのかによって取り扱いが分かれます。

5.処方箋やレセプトにどう反映されるか

薬局側が患者さんへの聞き取りだけで判断する仕組みでは、医療機関や薬局ごとに判断が分かれてしまいます。

病名、コメント、処方区分など、どの情報をもとに判定するのかについては、正式な運用通知を待つ必要があります。

OTC類似薬の追加負担について薬局で確認するポイントのイメージ

薬局で患者さんから聞かれそうなこと

今後は、

「前回は追加負担がなかったのに、今回はなぜかかったの?」

「同じステロイドなのに、家族と負担が違うのはなぜ?」

といった質問が増えるかもしれません。

その際は、

同じ薬でも、病気や治療目的、使用期間によって制度上の扱いが変わる

と説明する必要があります。

薬局としても、薬品名だけで決めつけず、必要に応じて処方医へ確認できる体制を整えておきたいところです。

まだ最終決定ではない点に注意

2026年9月11日に示された内容は、制度を円滑に実施するための方針案です。

「プロアクティブ療法は対象外へ」という方向性は示されていますが、記事公開時点では最終的な省令・告示・通知がすべて確定した段階ではありません。

今後確認したいのは、

  • 対象となる具体的なステロイド外用剤
  • 通年使用の判定方法
  • 医師が記載する情報
  • 処方箋やレセプト上の取り扱い
  • 薬局での請求・患者説明方法
  • タクロリムス外用剤などの取り扱い

です。

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なお、厚労省資料における今回の対象外案は「ステロイド外用薬」について示されたものです。プロアクティブ療法の定義にはタクロリムス外用薬も含まれますが、タクロリムス外用薬まで同じ追加負担の整理になるという意味ではありません。

まとめ

今回のポイントをまとめます。

  • OTC類似薬の別途負担は2027年3月から開始予定
  • 対象となる場合は薬剤費の4分の1を別途負担
  • アトピーのステロイド外用剤がすべて対象外になるわけではない
  • 通年のプロアクティブ療法は対象外とする方針案
  • 症状時だけ使用するリアクティブ療法は対象
  • 一定期間で終了するプロアクティブ療法も対象となる例
  • ヘパリン類似物質や尿素の通年使用も対象外となる方向
  • 最終的な判定方法は今後の通知確認が必要

同じステロイド外用剤でも、「何のために、どのように使っているのか」で患者負担が変わる制度になりそうです。

薬局でも、薬そのものだけではなく、治療目的や使用計画まで確認する場面が増えてきそうですね。

正式な通知が出たら、薬局での具体的な運用も改めて追記していきます。


FAQ

Q1.アトピー性皮膚炎のステロイド外用剤は追加負担になりませんか?

すべてが対象外になるわけではありません。通年で定期的に行うプロアクティブ療法は対象外、症状が出たときだけ使用するリアクティブ療法などは対象とする方針案です。

Q2.プロアクティブ療法とは何ですか?

急性期の治療で症状が改善した後も、再燃しやすい部位にステロイド外用剤などを週2回程度、間欠的に塗布して良い状態を維持する治療法です。

Q3.6か月以上使っていれば対象外ですか?

単純に使用期間だけで決まるわけではありません。通年にわたる計画的なプロアクティブ療法として使用することがポイントです。

Q4.症状が出たときだけ塗る場合はどうなりますか?

厚労省資料では、症状出現時だけ使用するリアクティブ療法は、追加負担の対象となる例に挙げられています。

Q5.保湿剤も追加負担になりますか?

アトピー性皮膚炎に対してヘパリン類似物質や尿素を通年使用する場合は、対象外となる方向です。ただし、同じ製剤でも疾患や使用目的によって扱いが異なる可能性があります。

Q6.この内容は確定していますか?

2026年9月11日時点では厚労省から示された方針案です。最終的な取り扱いは、今後の省令・告示・通知等を確認する必要があります。

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