マルシロン配合錠が発売|ヤーズ・ドロエチとの違い、飲み方・薬価を解説【2026年版】

2026年9月1日、月経困難症治療薬「マルシロン配合錠」が発売されました。
マルシロンの大きな特徴は、1日1錠を24~80日間連続して服用し、その後4日間休薬するという服用方法です。
「ヤーズやドロエチとは何が違うの?」
「いつ休薬すればいいの?」
「避妊目的でも保険が使える?」
「発売直後は何日分まで処方できる?」
今回は、マルシロンの基本情報から薬価、飲み方、副作用、既存の月経困難症治療薬との違い、薬局で確認したいポイントまで薬剤師の視点でまとめます。
※本記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。実際の服用方法は、医師・薬剤師から受けた説明を優先してください。
マルシロン配合錠とは
マルシロン配合錠は、月経困難症に使用される黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | マルシロン配合錠 |
| 有効成分 | デソゲストレル0.15mg/エチニルエストラジオール0.02mg |
| 効能・効果 | 月経困難症 |
| 用法・用量 | 1日1錠を24~80日間連続投与後、4日間休薬 |
| 薬価 | 1錠276.90円 |
| 包装 | 80錠〔20錠PTP×4〕 |
| 製造販売元 | オルガノン株式会社 |
| 承認日 | 2026年6月19日 |
| 薬価収載日 | 2026年8月13日 |
| 発売日 | 2026年9月1日 |
1錠には、黄体ホルモン成分のデソゲストレルと、卵胞ホルモン成分のエチニルエストラジオールが配合されています。
エチニルエストラジオールの含有量は0.02mgで、一般的には超低用量に相当する量です。

マルシロンの特徴は「休薬する日を調整できること」

マルシロンは、1日1錠を毎日一定の時刻に服用します。
基本的な流れは次のとおりです。
- 1日1錠を24~80日間連続して服用する
- その後4日間休薬する
- 休薬終了後、再び服用を開始する
- 以後、連続投与と4日間の休薬を繰り返す
少なくとも24日間は続けて服用し、80日間に達した場合は翌日から4日間休薬します。
24日間服用したあとは、消退出血を起こしたい時期など、患者さんの希望に応じたタイミングで4日間の休薬を設定できます。
つまり、仕事や学校、旅行、試験などの予定を考えながら、医師と相談して休薬時期を調整できることが特徴です。
ただし、自分の判断で早く休薬したり、4日を超えて休薬したりするのは避けてください。
発売直後は「1回20日まで」の投薬制限に注意
薬局で特に確認しておきたいのが、新薬の投薬期間制限です。
マルシロンは新医薬品ですが、通常の14日ではなく、特例として1回20日を限度に処方できます。
ここで少し気になるのが、マルシロンの最短連続投与期間は24日間であることです。
発売直後は1回の処方だけでは24日分に届かないため、20日間服用したところで薬を中断するのではなく、次の処方を受けて服用を継続できるようにする必要があります。
薬局では、次の点を確認しておきたいところです。
- 次回受診日が服用終了後になっていないか
- 服用が途中で途切れないスケジュールになっているか
- 20日後に休薬すると誤解していないか
- 次の処方分を受け取る方法が説明されているか
マルシロンのPTPシートが20錠単位なのも、発売直後の投薬期間制限を考えると分かりやすい設計ですね。
マルシロンの薬価と自己負担額
マルシロンの薬価は、1錠276.90円です。
薬剤料だけを単純計算すると、次のようになります。
| 錠数 | 薬価合計 | 3割負担の目安 |
|---|---|---|
| 20錠 | 5,538円 | 約1,661円 |
| 24錠 | 6,645.60円 | 約1,994円 |
| 28錠 | 7,753.20円 | 約2,326円 |
| 80錠 | 22,152円 | 約6,646円 |
実際の窓口負担には、診察料や調剤基本料、薬学管理料なども加わります。また、服用期間と休薬時期によって1か月あたりの薬剤費は変わります。
なお、日本で承認されている効能・効果は「月経困難症」です。
避妊だけを目的として処方された場合は、保険給付の対象になりません。
海外では避妊薬として使用されている国もありますが、日本における承認内容や保険上の取り扱いとは分けて考える必要があります。
マルシロンとヤーズ・ドロエチの違い

マルシロン、ヤーズ、ドロエチはいずれも月経困難症に使用されますが、黄体ホルモン成分や服用方法が異なります。
| 薬剤 | 黄体ホルモン成分 | 卵胞ホルモン成分 | 基本的な服用方法 |
|---|---|---|---|
| マルシロン | デソゲストレル0.15mg | EE 0.02mg | 24~80日連続投与後、4日休薬 |
| ヤーズ | ドロスピレノン3mg | EE 0.02mg | 実薬24錠+プラセボ4錠 |
| ドロエチ | ドロスピレノン3mg | EE 0.02mg | 実薬24錠+プラセボ4錠 |
| ヤーズフレックス | ドロスピレノン3mg | EE 0.02mg | 最長120日まで連続投与可能 |
※EE:エチニルエストラジオール
ドロエチはヤーズの後発医薬品ですが、マルシロンはヤーズのジェネリックではありません。
マルシロンでは黄体ホルモン成分としてデソゲストレルが使われており、服用スケジュールも異なります。
ドロエチ配合錠の特徴とヤーズとの違いはこちら

マルシロンとヤーズフレックスの違い
どちらも連続投与が可能ですが、最長連続投与期間が異なります。
- マルシロン:24~80日間連続投与後、4日間休薬
- ヤーズフレックス:最長120日間の連続投与が可能
休薬へ移行する条件も同じではありません。切り替える場合は、以前の薬と同じ飲み方を続けないよう注意が必要です。

マルシロンを飲み始める日は?
マルシロンは、月経周期のいずれの日からでも服用を開始できます。
ただし、月経開始日以外から服用を開始する場合には、服用前に妊娠していないことを確認する必要があります。
また、飲み始めの最初の1週間は、妊娠を避けるためにホルモン剤以外の避妊法を用いることとされています。
月経困難症治療薬として処方されたからといって、避妊について自己判断してよいわけではありません。
マルシロンを飲み忘れた場合は?
前日の飲み忘れに気づいた場合
気づいた時点で前日分の1錠を服用し、当日分も通常の服用時刻に服用します。
結果として、同じ日に2錠服用する場合があります。
2日以上飲み忘れた場合
気づいた時点で前日分の1錠を服用し、当日分も通常の時刻に服用します。その後は、もとの服用スケジュールどおり継続します。
それより前に飲み忘れた錠剤を、すべてまとめて服用するわけではありません。
飲み忘れた日数や服用状況によって確認が必要になるため、処方元の医療機関や薬局へ相談してください。
主な副作用
マルシロンで報告されている主な副作用には、次のようなものがあります。
- 月経中間期出血
- 悪心
- 頭痛
- 気分の落ち込みや気分変化
- 乳房の痛みや不快感
- 浮腫
- 体重増加
- 肝機能検査値の上昇
国内臨床試験では、月経中間期出血が50.7%に報告されています。
服用初期には不正出血が起こることがありますが、出血量が多い、長く続く、痛みを伴うなどの場合は医療機関へ相談しましょう。
最も注意したい副作用は血栓症

マルシロンで特に注意が必要な重大な副作用が血栓症です。
次のような症状が突然現れた場合は、服用を中止し、すぐに救急医療機関を受診してください。
- 片脚の急激な痛みや腫れ
- 突然の息切れ
- 鋭い胸の痛み
- 胸が押しつぶされるような痛み
- 突然の激しい頭痛
- 手足の脱力や麻痺
- ろれつが回らない
- 急な視力低下や目のかすみ
「いつもの頭痛かな」「脚がむくんだだけかな」と様子を見ず、服用していることを受診先へ伝えることが大切です。
長時間の移動、脱水、手術、安静などで身体を動かせない状態になる場合にも、あらかじめ医師へ相談してください。
服用前に確認したいこと
血栓症の既往歴、前兆を伴う片頭痛、喫煙状況、年齢、血圧、BMI、糖尿病や肝疾患などによっては、服用できない場合があります。
特に、35歳以上で1日15本以上喫煙する人や、前兆を伴う片頭痛がある人などは禁忌に該当します。
また、セント・ジョーンズ・ワートを含む健康食品は、マルシロンの効果を弱め、不正出血を増やす可能性があります。市販薬やサプリメントを含め、服用中のものは必ず医師・薬剤師へ伝えましょう。
保険薬局で確認したいポイント
マルシロンを初めて受け付ける場合は、次の点を確認しておきたいところです。
- 月経困難症に対する処方か
- 1日1錠で指示されているか
- 24~80日間の連続投与と4日間休薬を理解しているか
- 発売直後の20日投薬制限に対応できているか
- 次回受診前に薬がなくならないか
- 飲み忘れ時の対応を理解しているか
- 血栓症の初期症状を説明されているか
- 喫煙、片頭痛、血栓症の既往などを確認できているか
- 他のホルモン製剤が重複していないか
- セント・ジョーンズ・ワートを使用していないか
特に発売直後は、「20錠を飲んだら4日間休薬」と患者さんが誤解していないか確認する必要があります。
20錠という処方日数と、最短24日という連続投与期間は別の話です。
まとめ
マルシロン配合錠は、2026年9月1日に発売された月経困難症治療薬です。
1日1錠を24~80日間連続して服用し、その後4日間休薬することで、患者さんの希望に応じて休薬時期を調整できます。
一方で、発売直後は1回20日までの投薬期間制限があるため、薬が途中で切れないように次回受診や処方スケジュールを確認することが重要です。
また、ヤーズやドロエチとは黄体ホルモン成分と服用方法が異なります。切り替え時には、以前の薬と同じ感覚で服用しないよう注意しましょう。
患者さんの生活に合わせた治療の選択肢が増える一方、飲み方や血栓症についての丁寧な説明が、これまで以上に大切になりそうです。
FAQ
マルシロンは避妊薬ですか?
日本で承認されている効能・効果は月経困難症です。海外では避妊薬として使用されている国もありますが、日本で避妊のみを目的に処方された場合は保険給付の対象になりません。
マルシロンはヤーズのジェネリックですか?
いいえ。マルシロンはデソゲストレル、ヤーズはドロスピレノンを含みます。成分と服用スケジュールが異なる別の薬です。
20錠飲んだら4日間休薬しますか?
原則として違います。マルシロンは最低24日間連続して服用します。20錠は発売直後の1回の投薬上限であり、20日後に休薬するという意味ではありません。
食前・食後の決まりはありますか?
食事による臨床的に重要な影響は小さいとされています。食事よりも、毎日一定の時刻に忘れず服用することが重要です。
不正出血があったら休薬してよいですか?
自己判断で休薬せず、あらかじめ医師から説明された方法に従ってください。出血量が多い、長く続く、強い痛みがある場合は医療機関へ相談しましょう。


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