薬剤師のしぐです。
先日自分の薬局で起こったGLP -1作動薬「ビクトーザ皮下注」によるちょっとしたイザコザをご紹介。
薬局あるあるかな?いや、タイミングてきな部分も大きいからあんまりないかな。
ついでに最近の糖尿病治療「BPT療法」で話題になるGLP-1受容体作動薬ビクトーザ皮下注についても簡単にご紹介しますね〜
ビクトーザ皮下注の最大用量が1.8mgに変更
2019.6あたりに、ビクトーザの最高用量が0.9mgから1.8mgに変更になりました。
もう1年経つんですね〜はやいなー
これまでは、比較的小柄な日本人に合わせての用量設定でしたけど、この1.8mgてのはビクトーザの海外における最高用量と同じ用量になるわけですね〜。
これに伴い、1回注入量が今まで最大0.9mgだったキットから最大1.8mg注入可能なキットが発売となります。操作方法は従来品とほぼ一緒なんですけどね。
1.8mgまで使えるようになったのは2019.6なのに、これに対応したキットの発売がなんと2019.9頃というあいまいで出遅れてる感じ。
そんなこんなで、処方箋には「1回1.2mg」で使用の処方を受けても、「0.9+0.3」で使ってもらったり「0.6+0.6」で使ってもらったりする必要があったわけですねー。
これだと2回注射する必要があり、患者負担も大きく、まさかの「メーカーも推奨していない」という状況。
それなら最高用量の変更と対応キットの発売を同時にしてくれないと、、、こういった不具合が起こるのは当たり前だよねーーーー?
ビクトーザ皮下注適正使用のマニュアル
これは、ノボさんがすごくわかりやすいものを公開してくれてるのでそちらへのリンクを貼りますね。
ビクトーザ皮下注1.8mgを1回で投与可能なダイアル変更品の納品
2019.10の増税の月になってもダイアル変更品の納品はなかったんです。
週に数本〜10数本は処方受けるんですけどね。
そんでもって、やっぱりクレームにつながっちゃうわけです。
「先生からは1回で1.2mg打てる新しい注射が出たから注射は1回でいいと聞いてる。なんで2回打たなきゃいけないの?先生が言った内容で用意するのが薬局の仕事でしょう!!」
おっしゃる通りです。でもメーカーも卸もなくなるまでは優先的に旧品を使ってはけさせないと、使われない在庫として残っちゃうんです、、、。
ムダな在庫ってどこの職業でも嫌がられるじゃないですか?処方する医者と、薬を準備する薬局なんですけど、その他にもいろんな人や会社が間に入っていて、全てがうまくいくわけではないんですよ、、、。
しかもしかも、このビクトーザ皮下注。1本あたりの薬価ってご存知ですか?
なんと、、、、、10435円/1本するんだよ!!
1箱2本入だから、20000円超えちゃうからね。そりゃ在庫ははけさせたいよね。
と、いうわけで、卸に電話で発注してみました。
「ダイアル変更品となると、支店には在庫がないのですがセンターには在庫があるので本日中には納品可能です。」
いやーー助かった。ん?助かったのかな?
1日1回のビクトーザだし、なんとか患者様にも納得いただけました。
ちなみに、このイザコザがあってから数週間後の先日、卸さんからこんな連絡がありました。
いつも電話で発注いただいてるビクトーザ皮下注ですが、旧品とダイアル変更品でバーコードが異なるので、通常通り欲しい方のバーコードでオンライン発注いただいて大丈夫ですよ。
メーカーさんも、旧品を出来るだけ使って欲しいわけではないみたいなので、今後全てダイアル変更品でも大丈夫です。
えっ!そーなの??もっと早く言ってよーーーー!!
使われなくなった旧品は結構な金額での廃棄になっちゃうと思うけど、、、
まあ、それは、会社のパワーでなんとかなるのか。
いいなー製薬会社のこのパワー。カッコイイ。
ってなわけで、今後はダイアル変更品オンリーで発注することにしました。
ビクトーザ皮下注旧ダイアル品出荷停止
従来品である旧ダイアル品の出荷が12/26をもって出荷停止になるんだとか。
完全にダイアル変更品に切り替えるってことですね!!よしよし(๑و•̀ω•́)و
、、、もっと早くからやってくれーーーぃ。
ビクトーザ皮下注の空打ちと日数計算
ビクトーザ皮下注の空打ちは2クリックしたところにある「空打ちメモリ」で行います。
この2クリックは「0.12mg」に相当するんです。と、いうことは!
そう、この0.12mgってビクトーザ皮下注の全量18mgに対して1/150の量なんです。
インスリンで言うところの、2単位/300単位と一緒ってこと!すごいなーノボさん。
わかってるーーー!日数計算するときも、これを覚えておけば大丈夫。
18mgを300単位として、0.3mgは5単位、0.6mgは10単位、0.9mgは15単位てこと。
これに空打ちの2単位を足して計算すれば日数計算も簡単ですねーーー。
最大量の変更で1.2mgは20単位、1.5mgは25単位、1.8mgは30単位ってことですね。
ビクトーザ皮下注の日数計算をまとめるとこんな感じ
ビクトーザ投与量 | 空打 | 0.3mg | 0.6mg | 0.9mg | 1.2mg | 1.5mg | 1.8mg | 全量18mg |
インスリン換算時の単位数 | 2 | 5 | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 | 全量300 |
意外とこの「ビクトーザ皮下注の日数計算」できない薬剤師もいるようなので、みなさん注意しましょう。
ちょいと、今までとは違う内容で書いてみました。
薬剤師の仕事のリアルなところですね。
ちなみに、このビクトーザ皮下中のダイアル変更品を調剤するにあたって、メーカーさんからは
「今まで0.9mgで使用していた患者さんは、メモリを見ないで回せるだけ回して注射してしまう可能性があるので、それだと1.8mgの投与になってしまう。そこはしっかり説明してあげてください。」
とのこと。確かに。倍量投与になっちゃ大変。というわけで、うちの薬局ではダイアル変更品をお渡しする患者さんにはこの説明を徹底することにしました。
例の一件以来、結構0.9mgを超えて処方されることが増えていて、この説明に対して
「あー、大丈夫大丈夫。」と、なんだか素っ気ない返答をいただくことも、、、。
ば、倍量投与になったら大変だからね。めげずに説明は続けますが。
そして、また別の患者さん。処方箋上の単位は1回0.9mg。薬局在庫を完全にダイアル変更品に切り替えることができていました。今回初めてダイアル変更品をお渡しするのですが、もちろん上記指導を行います。すると、患者さん。
「あ、ビクトーザ変わったの?先生からビクトーザが新しいものに変わったら1.2mgで使用するように言われてるんだよ。」
ほうほう。なるほど。そうきたか。
前回Dr.の希望通りに在庫できていなかったので、そう言った指示をしているのですね。
「もう大丈夫です。全てダイアル変更品で準備できております。」
と、ドヤ顔で先生のところへ報告に行く薬剤師しぐなのでした。
今回はこんな感じーーー!
ビクトーザ皮下注・GLP-1作動薬関連の内容
ビクトーザ関連のブログも一緒にのっけときます。
まずはビクトーザの作用機序GLP-1ってなんなのか!インクレチンについてまとめたよ。
最近話題のGLP-1受容体作動薬を含むBPT療法などインスリンの使用レシピ一覧はこちら。
こっちは同じGLP-1受容体作動薬のトルリシティについてもふれてます。
→ https://shg11710blog.com/bptとゾルトファイ配合注
そしてそして、トルリシティについてのまとめがコチラ。週に1回タイプだから、使いやすいよね。
1番最新のオゼンピック皮下注SDはコチラ
興味のある方はぜひみてみてください。
今後もたまにはこういった【ちょいネタ】な内容でも書いてみたいと思います。
ではではーーしぐでしたっ
最後に紹介したいのがコチラ!
最近自分が気に入ってるレシピプラスの糖尿病治療で用いられる注射剤特集。
インスリンから、今回のビクトーザ皮下注を含むGLP-1作動薬の各デバイスの使い方や、プレフィルド製剤の使い方までまとめてくれています。
それぞれの薬についての説明に加えて、使用方法についても説明が必要になる注射製剤。
とてもわかりやすく、詳しくまとまってるのでとてもオススメです!!
コメント
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