AGは先発品と同じ?オーソライズドジェネリック3分類と選び方

薬剤師のしぐです。
薬局で患者さんから、こんな質問を受けることがあります。
「このジェネリックは、先発品とまったく同じなんですか?」
そんなときに話題になるのが、**オーソライズドジェネリック(Authorized Generic:AG)**です。
AGは、先発医薬品メーカーから許諾を受けて製造・販売されるジェネリック医薬品です。ただし、「AGなら、どの製品も先発品とすべて同じ」とは限りません。
実務上は、先発品との原薬・添加物・製法・製造工場などの関係から「AG1・AG2・AG3」と整理されることがあります。
まず結論からまとめると、次のようになります。
| 分類 | 原薬 | 添加物・製法 | 製造工場・ライン | 先発品との近さ |
|---|---|---|---|---|
| AG1 | 同じ | 同じ | 同じ | 最も近い |
| AG2 | 同じ | 同じ | 異なる | 工場などが異なる |
| AG3 | 異なる | 同じとされる | 異なる | 原薬も異なる |
| 一般的なGE | 同一有効成分 | 異なることがある | 異なることがある | 製品ごとに異なる |
ここで大切なのは、AG1・AG2・AG3は法令や薬価制度上の正式な区分ではないという点です。製品を理解しやすくするための実務上の呼び分けであり、承認上はいずれも後発医薬品として扱われます。
この記事では、AGとは何か、3分類の違い、患者さんへの説明、そしてAGの販売終了や供給不足が起きたときの薬局対応まで整理します。
オーソライズドジェネリック(AG)とは

オーソライズドジェネリックは、先発医薬品メーカーから特許や製造に関する許諾を受け、別の会社が製造販売するジェネリック医薬品です。
厚生労働省の資料では、AGに法律上の明確な定義はないものの、一般的には有効成分だけでなく、原薬・添加物・製法なども先発品と同一である後発医薬品と説明されています。
ただし、実際のAGには製造工場や原薬の違いがある製品も含まれます。そのため、「AG」という表示だけで判断するのではなく、個々の製品情報を確認する必要があります。
一般的なジェネリック医薬品との違い
ジェネリック医薬品は、先発品と有効成分、含量、効能・効果、用法・用量が原則として同じで、品質・有効性・安全性が同等であると認められた医薬品です。
一方、添加物、錠剤の大きさ、形、色、味、製造方法、包装、使用感などは異なる場合があります。AGは先発メーカーの許諾を受けているため、これらの点でも先発品に近い製品が多いことが特徴です。
とはいえ、一般的なGEが劣るという意味ではありません。 一般的なGEも承認に必要な品質・同等性の審査を受けています。AGは「後発品のなかで、先発品との共通点が多い選択肢」と考えるとわかりやすいでしょう。
AG1・AG2・AG3の違い
AG1:先発品と同じ工場・製造ラインで作られるタイプ
AG1は、先発品と同じ原薬、添加物、製法、製造工場・製造ラインを使って作られるタイプです。
先発品と中身が同じで、製品名や包装、販売会社などが異なるイメージです。先発品からジェネリックへ変更する際、患者さんへ説明しやすいという利点があります。
ただし、刻印、表示、PTPシート、販売名などまで必ず同一とは限りません。取り違え防止の観点からも、外観や包装は現物で確認する必要があります。
AG2:原薬・添加物・製法は同じでも、工場が異なるタイプ
AG2は、先発品と同じ原薬、添加物、製法を使いながら、許諾を受けた会社が別の工場や製造ラインで作るタイプです。
処方内容としての同等性に問題があるという意味ではありませんが、「先発品とまったく同じ場所で作られた薬」ではありません。患者さんに説明する際は、「成分や作り方は同じですが、製造する工場は異なります」と伝えると誤解を防げます。
AG3:原薬が異なるタイプ
AG3は、先発品メーカーの許諾を受けていますが、先発品とは異なる原薬を使用し、別の工場で製造するタイプです。添加物や製法は同じと整理されます。
有効成分そのものは同じで、後発医薬品として必要な審査を受けています。ただし、患者さんが「AG=先発品と原薬まで同じ」と考えている場合には、説明の仕方に注意が必要です。

「AG=先発品と完全に同じ」と言い切れない理由
AGという言葉は、先発品と同じであることを保証する単一の公的規格ではありません。製品によって共通する範囲が異なるからです。
確認したいポイントは次のとおりです。
- 原薬の製造元は同じか
- 添加物は同じか
- 製法は同じか
- 製造工場・製造ラインは同じか
- 錠剤やカプセルの外観、刻印、包装は同じか
- 適応症や用法・用量に違いがないか
AGかどうかだけでなく、添付文書、インタビューフォーム、製品情報、メーカーからの案内を製品ごとに確認することが確実です。
AGのメリット
先発品からの切り替えを説明しやすい
添加物や製法まで同じAGであれば、剤形変更に不安を感じる患者さんにも説明しやすくなります。特に、見た目や飲み心地の変化に敏感な患者さんでは安心材料のひとつになります。
患者負担を抑えられる可能性がある
AGは後発医薬品として薬価収載されるため、先発品より薬価が低い場合があります。ただし、実際の窓口負担は薬価だけでなく、自己負担割合、調剤料、服用期間、選定療養の対象かどうかなどでも変わります。
先発品で蓄積された情報を参照しやすい
製剤の共通点が多いAGでは、先発品で蓄積された製剤情報を活用しやすい場合があります。ただし、販売会社や包装、問い合わせ窓口などは異なるため、採用品目ごとの確認は欠かせません。
AGの注意点
AGだから供給が安定するとは限らない
以前はAGのメリットとして「安定供給」が強調されることもありました。しかし現在は、先発品・AG・一般的なGEを問わず、限定出荷や供給停止、販売終了が起こり得ます。
AGが販売終了すると、需要がほかのGEへ集中し、連鎖的に限定出荷や入手困難が生じることもあります。採用時には先発品との近さだけでなく、メーカーの供給状況や代替候補も確認しておきたいところです。
実際の薬局対応は、デュタステリド「武田テバ」AGの販売終了と供給不安で詳しくまとめています。
AGが販売終了することもある
一度AGへ切り替えた患者さんが、販売終了や供給不足によって先発品や別のGEへ再び変更になることがあります。
薬の名称、外観、包装が何度も変われば、患者さんの不安や飲み間違いにつながります。薬局では、変更理由、成分と効果が同じであること、見た目の違い、残薬との混在に注意することを丁寧に説明する必要があります。
AGかどうかは販売名だけでは判断しにくい
屋号に先発メーカー名が入っていても、製品名だけからAG1・AG2・AG3まで判断できるとは限りません。反対に、屋号が違っても先発品と同じ製造ラインで作られている製品があります。
「メーカー名が同じだから完全に同一」と決めつけず、一次資料を確認しましょう。

しぐブログで紹介してきたAGの具体例
AGの違いは、実際の製品で見ると理解しやすくなります。
プレガバリン「ファイザー」とリリカ
プレガバリン「ファイザー」はリリカのAGでは、先発品との違いに加え、眠気・めまい・浮腫、腎機能に応じた用量調整など、切り替え後も確認したいポイントを整理しています。

ドロエチフレックス配合錠「バイエル」とヤーズフレックス
ヤーズフレックスのGE・ドロエチフレックス「バイエル」は、AGという点だけでなく、類似名称の製品との用法の違いにも注意したい例です。

デュタステリドとアボルブ
デュタステリド〈アボルブ〉のAGは、一包化のしやすさや剤形の違いに加え、AGの販売終了後に先発品と複数のGEを行き来する現場の負担まで考えるきっかけになります。

セレコキシブとセレコックス
セレコキシブ〈セレコックス〉のAGでは、発売時の薬価や製品情報を具体例として確認できます。

エゼチミブとゼチーア
エゼチミブ〈ゼチーア〉のAGも、先発品から後発品へ変更する際の具体例として参考になります。
※リンク先の製品情報や供給状況は、公開後に変更されている可能性があります。採用・調剤時は最新のメーカー情報をご確認ください。

薬局でAGへ変更するときの確認ポイント
薬局では、次の順番で確認すると説明が整理しやすくなります。
- その製品が本当にAGか
- 先発品と何が同じで、何が異なるか
- 適応症や用法・用量に違いがないか
- 錠剤・カプセル、刻印、包装の変更点
- 一包化、粉砕、簡易懸濁、保管方法への影響
- 最新の供給状況と次の代替候補
- 患者さんが変更を理解し、継続して服用できるか
患者さんへの説明は、次のようにすると伝わりやすくなります。
「先発品メーカーの許可を受けて作られたジェネリックです。成分は同じです。添加物や作り方も同じタイプですが、商品名や包装は変わります」
一方、先発品と異なる部分がある場合は、その範囲を正確に伝えます。「まったく同じです」と言い切らないことが大切です。
AGは変更調剤や薬価制度で特別扱いされる?
AGも、薬価制度上は一般的な後発医薬品と同じ位置づけです。「AG」という理由だけで別の薬価算定や特別な変更調剤ルールが設けられているわけではありません。
処方箋からの変更可否は、処方箋の記載、変更不可欄、剤形・規格、適応、保険上の取り扱いなどを確認して判断します。
また、AGだから患者負担が必ず最も安くなるとも限りません。後発品間で薬価が異なることもあるため、価格を重視する場合は採用品の薬価を個別に確認しましょう。
まとめ:AGは名称より「どこまで同じか」を確認しよう
オーソライズドジェネリックは、先発医薬品メーカーの許諾を受けて製造・販売されるジェネリック医薬品です。
- AG1は、原薬・添加物・製法・工場・製造ラインまで先発品と同じ
- AG2は、原薬・添加物・製法は同じでも製造工場などが異なる
- AG3は、原薬と製造工場が異なる
- AG1・AG2・AG3は法令上の正式区分ではない
- AGも薬価制度上は一般的な後発医薬品と同じ扱い
- AGでも販売終了や供給不足は起こり得る
大切なのは「AGかどうか」だけでなく、その製品が先発品と何を共有し、何が違うのかを確認することです。
先発品からの変更、AGから別のGEへの再変更が続く場面では、患者さんが安心して服用を継続できる説明まで含めて、薬剤師の役割がより重要になります。
FAQ
Q1. オーソライズドジェネリックとは何ですか?
先発医薬品メーカーから許諾を受けて製造・販売されるジェネリック医薬品です。一般に原薬、添加物、製法などが先発品と同じものを指しますが、製品によって同じ範囲は異なります。
Q2. AGは先発品とまったく同じですか?
必ずしもすべて同じではありません。AG1では製造工場・ラインまで同じとされますが、AG2やAG3では工場や原薬が異なります。名称、刻印、包装、販売会社も異なることがあります。
Q3. AG1・AG2・AG3は国が定めた正式な分類ですか?
いいえ。法令、承認制度、薬価制度上の正式な区分ではなく、先発品との製造上の違いを説明するために使われる実務上の分類です。
Q4. AGと一般的なジェネリックは、どちらが効きますか?
いずれも承認に必要な品質、有効性、安全性の基準を満たした医薬品です。AGだから効果が上、一般的なGEだから効果が下という関係ではありません。
Q5. AGは先発品より安いですか?
多くは後発医薬品として先発品より低い薬価が設定されます。ただし窓口負担は、薬価、自己負担割合、処方日数、調剤料、選定療養などによって変わります。
Q6. AGなら供給は安定していますか?
いいえ。AGでも限定出荷、供給停止、販売終了は起こります。AG終了後に別のGEへ需要が集中し、入手しにくくなる場合もあります。
Q7. 処方箋に先発品が書かれていたらAGへ変更できますか?
処方箋の変更不可の記載、剤形・規格、適応、保険上の取り扱いなどを確認して判断します。AGであっても、通常の後発医薬品への変更ルールに従います。
ここ数年、いや、数ヶ月の間だけでも、すごくたくさんのオーソライズドジェネリック【AG】が新しく発売されています。



このオーソライズドジェネリック【AG】という言葉そのものが比較的新しいもののように感じますが、実はこのオーソライズドジェネリック【AG】にも、3つの分類があるのはご存知ですか??
今回はこのオーソライズドジェネリック【AG】の分類について解説してみようかと思います。

AG1、AG2、AG3という3分類になります。それぞれ、まとめるよ
オーソライズドジェネリック【AG】とは
そもそも、オーソライズドジェネリック【AG】とは。
オーソライズド・ジェネリック【AG】は「許諾を受けたジェネリック医薬品」という意味です。先発医薬品メーカーからお墨付きを得て製造した、原薬、添加物および製造方法等が先発医薬品と同一のジェネリック医薬品や、特許使用の許可を得て、優先的に先行して販売されるジェネリック医薬品のことを指します。

英語で「Authorized Generic」と書き、略して【AG(エージー)】と呼ばれています。
溶出試験や安定性試験、薬物動態については先発医薬品のデータを活用することができます。
AGは、通常、先発医薬品と同じ品質管理が徹底された工場で製造されるため、品質確保はもちろん、今後ジェネリック医薬品80%時代が到来しても「安定供給」が可能となります。

現在、この安定供給に関しては先発医薬品・ジェネリック医薬品に関わらず日本の製薬メーカー全体の課題となっているように感じます。
また、情報提供面でも製剤的に同ーなため、先発医薬品で長く蓄積された情報を有効に利用することができます。
オーソライズドジェネリック:AGとはいえ、薬価算定・後発医薬品変更調剤率上も他後発医薬品と同様に扱われます。

オーソライズドジェネリック【AG】の分類
製造方法の過程において、オーソライズドジェネリック【AG】はおおまかに3つに分類されます。
1つ目は、先発医薬品メーカーの原薬、製法、技術、製造ライン(工場)を用いて製造し、後発医薬品メーカーが販売する方法。
2つ目は、先発医薬品メーカーと同じ原薬を用いて後発医薬品メーカーが製造する方法。
3つ目は、異なる原薬を用いて同じ製法で後発医薬品メーカーが製造する方法です。

ジェネリック医薬品を国に申請する際に必要な試験のひとつ(生物学的同等性試験)も1つ目の方法では不要ですが、2つ目と3つ目の方法の場合は、他のジェネリック医薬品と同様に必要になります。オーソライズドジェネリックだからといって、先発医薬品と全てが同じというわけではありません。
オーソライズドジェネリック【AG】の3種類
| 先発医薬品との比較 | AG1 | AG2 | AG3 | 一般的なGE |
| 有効成分 | 同一 | 同一 | 同一 | 同一 |
| 原薬 | 同一 | 同一 | 異なる | 異なることもある |
| 添加物 | 同一 | 同一 | 同一 | 異なることもある |
| 製法 | 同一 | 同一 | 同一 | 異なることもある |
| 製造工場 | 同一 | 異なる | 異なる | 異なることもある |
| 製造技術 | 同一 | 異なる | 異なる | 異なることもある |
AG1
先発医薬品の原薬、製法、製造ラインを用いて製造・販売するタイプ
AG2
先発医薬品と同じ原薬、製法を用いて、許諾を得た会社が自社の工場で製造・販売するタイプ
AG3
有効成分は同じですが、異なる原薬を用いて、許諾を得た会社が自社の工場で製造・販売するタイプ

今回はこんな感じですねー

正直ここまでは知らなくても、全く問題ない知識ではありますが。
なんでも知っておいて損はしませんよね。
このご時世、何よりも情報に価値があると言われてますからね。
ではではーしぐでしたっ


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