シンポニー・ランマークの国内初バイオシミラーが発売直後に限定出荷|薬剤師が整理

こんにちは、薬剤師のしぐです。
2026年。
バイオシミラーに、
かなり大きな動きがありました。
まず7月。
シンポニーの国内初バイオシミラー
となる、
ゴリムマブBS皮下注50mgシリンジ「F」
が発売。
そして8月。
今度は、
ランマークの国内初バイオシミラー
となる、
デノスマブBS皮下注120mgRM「F」
が発売されました。
「おお、BSの選択肢がまた増えた!」
と思ったんですが……
ここで気になるニュース。
なんと、
両剤とも発売から間もなく限定出荷。
となっています。
2026年度診療・調剤報酬改定では、
バイオシミラーの使用をさらに進めよう、
という流れが強くなっています。
そのタイミングで、
国内初BSが出た。
でも、
安定して供給できない。
これ。
かなり考えさせられるニュースですよね。
今回は、
- そもそもバイオシミラーとは?
- ゴリムマブBSとは?
- デノスマブBSとは?
- 先行バイオ医薬品は何?
- なぜ注目されている?
- 限定出荷で現場は何に注意する?
まで整理してみます。
ちなみに、ですが、以前まとめました「フリュザクラ」。大腸がんに用いられる抗がん剤ですが、このフリュザクラも発売後間も無く、半年くらい出荷調整でしたね。

まず、バイオシミラーって何?
バイオシミラー。
正式には、
バイオ後続品
といいます。
一般的なジェネリック医薬品と同じように、
先行する薬の特許期間などが終了した後に登場する医薬品。
ただし、
普通の低分子医薬品と違って、
バイオ医薬品は分子構造がものすごく複雑です。
そのため、
「化学的に全く同一のものを作る」
という考え方ではなく、
先行バイオ医薬品と品質・有効性・安全性について同等・同質であることを確認して承認
されます。
以前にも、


でもバイオシミラーを取り上げています。
ヒュミラ、
レミケード、
ハーセプチン、
リツキサン。
今では多くのバイオ医薬品でBSが使われています。

シンポニー初のBS「ゴリムマブBS『F』」
まず一つ目。
ゴリムマブBS皮下注50mgシリンジ「F」。
先行バイオ医薬品は、
シンポニー皮下注50mgシリンジ。
2026年7月6日に発売されました。
ゴリムマブは、
抗TNFα抗体。
関節リウマチなどで使われる生物学的製剤です。
富士製薬の製品情報では、
先行バイオ医薬品との同等性・同質性が、
臨床薬理試験、
非臨床試験、
品質に関する試験などで確認されています。
そして重要なのが、
国内初のゴリムマブBS
ということ。
これまでシンポニーを使っていた患者さんに、
初めてBSという選択肢ができたわけです。
ゴリムマブBSは関節リウマチだけではない
ゴリムマブBS「F」は、
現在、
関節リウマチに加えて、
中等症から重症の潰瘍性大腸炎
にも使用できます。
シンポニーというと、
どうしてもリウマチのイメージが強い。
でも、
消化器領域でも使われる薬です。
つまり、
今回の供給問題は、
リウマチ科だけの話ではありません。
そして発売直後に限定出荷
ところが、
ゴリムマブBS「F」は、
8月26日には日本リウマチ学会などを通じて、
限定出荷
が案内されています。
7月6日発売なので、
発売から約1カ月半。
かなり早いですよね。
「BSへ変更したい」
と思っても、
安定供給されなければ、
医療機関としては簡単に採用できません。
もう一つはランマークのBS
そして、
さらに注目なのが、
デノスマブBS皮下注120mgRM「F」。
こちらは、
2026年8月20日に発売されました。
先行バイオ医薬品は、
ランマーク皮下注120mg。
デノスマブは、
RANKLに結合するモノクローナル抗体。
がん患者さんでは、
骨転移などに伴う骨関連事象を抑える目的で使われます。
つまり、
しぐブログとしては、
かなりど真ん中。
がん薬物療法に関係するBS
なんですよね。
ランマークにも初めてBSが登場
このデノスマブBSも、
日本初。
これまでランマークには、
バイオシミラーという選択肢がありませんでした。
バイオ医薬品は高額。
しかも、
がん治療では長期間使用することもあります。
だからこそ、
BSの登場には、
患者負担、
医療費、
医療機関の経営、
いろいろな面で意味があります。
薬価差もかなり大きい
デノスマブBS「F」の薬価は、
23,481円/筒。
一方、
先行品ランマークは、
約4万円台。
つまり、
BSへの切り替えが進めば、
1回投与だけでもかなりの薬剤費差になります。
4週に1回使う患者さんなら、
年間ではかなり大きな差。
これこそ、
バイオシミラーが期待される理由ですよね。

でも「安いBSが出た」だけでは進まない
ここが今回、
一番考えたいところ。
2026年度改定では、
バイオシミラー使用をさらに進める方向になっています。
しぐブログでも、
2026年度調剤報酬改定の中で、
バイオ後続品調剤体制加算
などを追ってきました。
国としては、
「BSをもっと使っていこう」
という方向。
でも、
現場側からすると、
それ以前に必要なのが、
安定供給。
なんですよね。
患者さんへ、
「今回からBSに変えますね」
と説明して。
次回、
「やっぱり入らないので元に戻します」
では、
患者さんも不安になります。
バイオ医薬品は「今月だけ別メーカー」がしにくい
通常の錠剤GEなら、
供給不足で、
メーカーA→メーカーB、
という変更を行うことがあります。
もちろん、
それだって患者さんへの説明は必要。
でも、
バイオ医薬品では、
もっと慎重になります。
投与デバイス、
自己注射手技、
患者さんの心理的な不安、
医療機関での採用管理。
いろいろ絡みます。
だから、
BSを普及させるなら供給の安定性はかなり重要。
今回のニュースは、
そこを改めて感じさせます。
がん領域ではデノスマブBSの供給は特に注目
ランマークは、
がん領域でよく使われる薬です。
例えば、
骨転移のある患者さん。
多発性骨髄腫。
こうした患者さんでは、
治療そのものだけではなく、
骨関連事象を防ぐことも重要。
そこで、
デノスマブを定期的に使います。
だから、
デノスマブBSが安定して使えるようになれば、
患者さんにとっても、
医療費全体にとってもメリットがあります。
一方、
供給が不安定なら、
「安いから採用する」だけでは決められない。
これが現場の難しいところですよね。
専門医療機関連携薬局ともつながる話
がん患者さんの薬物療法を地域で支える、
という意味では、
今回の話は、

ともつながります。
専門医療機関連携薬局では、
がん治療に関する専門性だけではなく、
医療機関との情報共有も重要。
バイオシミラーへの変更、
治療内容、
副作用、
そして供給。
こうした情報を、
病院と薬局で共有できるか。
今後ますます大切になってくると思います。

薬剤師が確認したいポイント
今回の限定出荷。
薬剤師としては、
まず、
現在の採用品と供給状況を確認。
特に、
これからBSへ切り替え予定だった施設では重要です。
そして、
患者さんの次回投与まで確保できるか。
バイオ医薬品は、
「今回だけ手に入った」
ではなく、
継続投与まで見据えて考える必要があります。
さらに、
患者さんへBSを提案する際には、
薬価だけでなく、
供給状況も含めて説明できる体制
が理想だと思います。
2026年度改定でBSは重要。でも供給が土台
2026年度改定では、
バイオシミラーの使用促進が、
これまで以上に明確になっています。
医療費を考えれば、
当然の流れだと思います。
そして、
今回のゴリムマブBS、
デノスマブBS。
どちらも、
国内初。
かなり期待されている製品です。
だからこそ、
発売直後の限定出荷は残念。
BSを、
「出たけど使えない薬」
にしないためにも、
供給体制の安定化が重要だと思います。
まとめ|国内初BSが相次いで登場。でも発売直後から供給課題
2026年、
シンポニー初のゴリムマブBS
と、
ランマーク初のデノスマブBS
が発売されました。
これは、
バイオシミラー普及にとってかなり大きな一歩。
しかも、
2026年度改定では、
BSの利用を後押しする方向が強まっています。
ところが、
今回、
両製品が発売から間もなく限定出荷に。
薬価が安い。
患者負担も下げられる。
医療費削減にもなる。
でも、
必要なときに薬が入らなければ使えない。
結局、
医薬品の土台は、
安定供給なんですよね。
ゴリムマブBS、
デノスマブBS。
今後の供給回復、
しっかり追っていきたいと思います。
ではではー。
しぐでしたっ。
FAQ
Q1. ゴリムマブBS「F」は何のバイオシミラー?
シンポニー皮下注50mgシリンジのバイオシミラーです。2026年7月6日に発売されました。
Q2. デノスマブBS「F」は何のバイオシミラー?
ランマーク皮下注120mgのバイオシミラーです。2026年8月20日に発売されました。
Q3. どちらも国内初?
はい。ゴリムマブとデノスマブでは、いずれも国内初のバイオシミラーです。
Q4. バイオシミラーはジェネリックと同じ?
考え方は似ていますが、バイオ医薬品は非常に複雑な構造を持つため、一般的なジェネリックのような「同一成分の複製」とは異なります。先行バイオ医薬品との品質・有効性・安全性の同等性/同質性を確認して承認されます。
Q5. なぜ発売直後の限定出荷が問題?
継続投与が必要なバイオ医薬品では、供給が不安定だとBSへの切り替えや新規採用を進めにくくなるためです。


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