テルミサルタン〈ミカルディス〉と肝障害。添付文書上の減量、RAAS系の概要。

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テルミサルタン〈ミカルディス〉と肝障害

薬剤師のしぐです。

今回は皆さんご存知のARB、テルミサルタンについて!

あなたかも
あなたかも

テルミサルタンなんて、もう大抵のことはわかってるでしょ。

今さらそんな、テルミサルタン、、、?と思ったそこのあなた。
本当にテルミサルタンについて詳しく知ってますか?

その鑑査、その服薬指導で、保険薬剤師としての業務を全うできていますか!?

今や降圧剤での第1選択になることも多いARB。
ARBって何だったか、新人薬剤師にしっかり説明できますか!?!?

ってな感じで、自分の薬局にやってきた突合点検も交えてカンタンにARBであるテルミサルタンについておさらいしていきましょう〜。

レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAAS)について

この図が1番わかりやすいですよねー。

腎臓の輸入細動脈にある傍糸球体細胞からレニンが分泌され、血液中のアンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンIという物質をつくります。アンジオテンシンIはアンジオテンシン変換酵素(ACE)によりアンジオテンシンIIに変換されます。

アンジオテンシンIIはATⅡ受容体に作用することで、全身の動脈を収縮させるとともに副腎皮質からアルドステロンを分泌させます。

アルドステロンはNaを体内に溜める働きがあり、これにより循環血液量が増加して心拍出量と末梢血管抵抗が増加し、血圧が高くなります。

これをレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(Renin-Angiotensin-Aldosterone System;RAAS)といい、血圧や細胞外容量の調節に関わるホルモン系の総称です。血圧上昇後にはレニンの分泌は抑制され、この系の働きが低下します。

ちなみに、この過程に関する高血圧薬のことを【RAS阻害薬】と呼びます。

レニン阻害薬

RAAS系の出発地点から阻害してしまおうというこのお薬。
今のところ、アリスキレン(ラジレス)のみとなります。

機序的にはもっと使われてもいいお薬かと思うのですが、
「ACEI、ARB投与中の糖尿病患者は禁忌」
という少し厄介な制限があるため、避けられることが多いみたい。

あとはイトラコナゾール、シクロスポリンとの併用も禁忌。
うん、使いづらそう。

アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)

古くからあるこのお薬。〇〇プリルの方々ですね。

腎保護作用や心肥大改善作用等、降圧以外の+αな効果も魅力。心血管イベント抑制効果はARBよりも高いというエビデンスがあるので、今でもけっこう処方されるのをみますよね。

ACEIと言ったら空咳!服薬指導しやすくて良いですね。

ちなみに、ウチの薬局だとエナラプリル(レニベース)が1番処方されます。
ACEIの中では適応が広く、心不全にも適応を持ってます。

慢性心不全で使用する場合は利尿剤やジギタリスとの併用が必要ですね〜。添付文書上はね。

アンギオテンシンⅡ受容体阻害薬(ARB)

アンギオテンシンⅡが作用するのはAT1受容体とAT2受容体があるが、血圧上昇効果が高いのはAT1受容体の方。なので選択的にAT1受容体を阻害した方が効率はいいんだよね。

〇〇サルタンの方々ですね。

ACEIの空咳を改善した作用機序のお薬として登場しました。
自分が薬剤師になった頃は新しいお薬だったのになー。今やアジルサルタン(アジルバ)以外は全てGEが発売してるという衝撃。

ウチで1番処方されてるのはアジルバかなー?
いや、全規格合わせるとオルメサルタンかな??って感じ。

抗アルドステロン薬

アルドステロンの作用を抑えることで、尿中にナトリウムと水分が多く排出。これにより降圧効果を示します。K保持性利尿薬やミネラルコルチコイド受容体阻害薬とも呼ばれます。

スピロノラクトン(アルダクトン)、エプレレノン(セララ)、エサキセレノン(ミネブロ)の3種類があります。詳細は以前書いた記事で解説済みです

エサキセレノン(ミネブロ)とは?心不全の「ファンタスティック4」特徴・服薬指導・フォローアップ解説
ミネブロ(エサキセレノン)とは?ファンタスティック4との関係と服薬指導・高K血症の確認ポイント薬剤師のしぐです。今回は、…

さてさて。RAAS系の全体像はこんな感じ。

やっとこさ「テルミサルタン」について。

テルミサルタン(ミカルディス)について(PPARγ活性)

胆汁排泄型のARBです。食事の影響を受けやすく、空腹時服用で血中濃度が高くなる。なので食前服用か食後服用かはしっかり統一する必要がありますね。

特に、普段は食後に飲んでいる方が、ある日から空腹時に飲むようになるケースには注意したいところ。添付文書でも、食後に服用している患者さんには毎日食後に服用するよう注意すること、とされています。

服薬指導では「毎日だいたい同じタイミングで飲めていますか?」と一言確認しておくと安心ですね。

テルミサルタンとPPARγ活性

テルミサルタンには他のARBにはほぼない作用であるPPARγ活性化作用があります。ピーパーガンマって読むよ。

ちなみにこのPPARγとは、ペルオキシゾーム増殖因子活性化受容体γ(Peroxisome Proliferator-Activated Receptor gamma;PPARγ)のこと。30分後には忘れちゃうねコリャ。

PPARγといえば、糖尿病治療薬のピオグリタゾンを思い浮かべる方も多いですよね。テルミサルタンにもPPARγに作用するという報告があって、ほかのARBと比較するとちょっと気になる特徴です。

ただし、「テルミサルタンを飲めば糖尿病や脂質異常症も治療できる」という話ではありません。ミカルディスの承認された効能・効果は高血圧症。PPARγの話は、テルミサルタンの特徴を知るための+αとして押さえておくくらいがよさそうです。

代わりといっちゃなんですが、他の多くのARBが持つインバースアゴニスト作用は持ってないのです。このテルミサルタン。

あ、インバースアゴニスト作用とは、AIIのAT1受容体への結合を阻害すると共に、AT1受容体の自立活性も抑制することで、部分活性型から不活化型にする作用の事ですね。

テルミサルタンについてはこんな感じかなー。

そして、突合点検で帰ってきた内容がこちら。

テルミサルタンの用量、肝障害時は40mg/日まで。

これ、知ってました?

ここ!ここかーーー!!こんな、、、
せめて普通の用法用量のところに書いてくれよぉおぉおぉぉ

なかなかみないっすよーーー。ってね。

まあ、胆汁排泄型ってのが特徴だからしっかり考えればわかるんだけどさ。でもさ、ずっとテルミサルタン80mgで服用してた患者さんにウルソデオキシコールが追加されて、それで
「肝障害時は40mgまでだから、これじゃ過量だな。」(`・ω・´)なんて。

絶対無理じゃーーーーーっ。無理だよ。

無理だったけど、今回勉強したよ。重篤な肝障害では禁忌ね。肝障害時は40mgまでね。

ただ、ここはもうひとつ大事な点があって。ウルソデオキシコール酸が追加された=肝障害がある、と決めつけてはいけないんですよね。処方薬だけでは、何を目的に追加されたのか、肝機能がどの程度なのかまでは判断できません。

もしテルミサルタン80mgを服用中の方に肝疾患の情報が見つかったら、まず病名や検査値、処方の経緯を確認。それでも肝障害の有無や80mgを継続する意図が分からなければ、処方医に確認する。今回の経験から、そこまでをセットで覚えておきたいと思いました。

オーケーオーケー。
学習することが最大の武器ですからね。
ハギャ改めレオル先輩もこのようにおっしゃっておりますので。

薬局で確認したい、テルミサルタンのポイント

肝機能のことを中心に書きましたが、テルミサルタンを監査するときは、ほかにも確認しておきたいことがあります。

まずは、腎機能と血清カリウム値。特に腎機能が低下している方や、カリウムが上がりやすい方では注意が必要です。スピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿薬、カリウム製剤、ACE阻害薬との併用も確認しておきたいですね。痛み止めとしてNSAIDsを使っている場合も、腎機能への影響を意識しておきます。

服薬指導では、飲み始めや増量後のめまい・ふらつきも聞いておきたいところ。立ち上がったときにふらつかないか、日常生活で困っていないかを確認すると、患者さんも答えやすいと思います。

そして、妊娠中や妊娠している可能性がある方には使用できません。妊娠を計画している場合も、自己判断で服用を続けたり中止したりせず、早めに処方医へ相談してもらうことが大切です。

テルミサルタンは見慣れた薬ですが、**「肝機能・腎機能・カリウム値・併用薬・服用タイミング」**まで見ると、いつもの処方監査が少し変わってきますね。

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なんか、1番話したいことがすごくあっさり終わっちゃったけど、今回はこんな感じーー。

ではでは、しぐでしたーーー。

コメント

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