こんにちは。薬剤師のしぐです。
最近の保険薬局業界。
ニュースを追っていると、
「門前減算」
「外部委託」
「OTC類似薬の一部保険外し」
「オンライン資格確認」
など、“制度そのものが薬局の形を変えようとしている”流れを強く感じます。
以前は、
- いい立地に出店する
- 処方箋枚数を集める
- 正確に調剤する
これが薬局経営の中心でした。
でも今は違います。
“地域で何をできる薬局なのか”
“患者さんとどう関わるのか”
そこが問われる時代に、確実に変わってきています。
今回は、最近の保険薬局業界ニュースをもとに、
「これから薬局はどう変わっていくのか」を、整理していきます。
■「門前薬局」への風向きが明確に変わってきた
今回かなりインパクトが大きかったのが、
“門前薬局等立地依存減算”に関する疑義解釈です。
これまでは、
「先に出店していればセーフ」
のような空気感もありました。
しかし今回、
- 後から近隣に他薬局が出店した場合でも
- 一定条件を満たせば
- 翌年度から減算対象になり得る
ことが明確化されました。
厚労省は、
“早い者勝ち”を防ぎたい
という趣旨を説明しています。
■「処方箋枚数を集めるだけ」の時代へのメッセージ
これは単なる減算の話ではなく、
「立地依存型の薬局モデルから脱却してほしい」
という、かなり強いメッセージにも見えます。
もちろん、病院前立地そのものが悪いわけではありません。
大学病院前などでは、
- 高度薬学管理
- がん薬物療法対応
- トレーシングレポート
- 多職種連携
など、重要な役割を担っている薬局も多いです。
ただ、
「処方箋が来るから存在している薬局」
ではなく、
「地域に必要だから存在している薬局」
へ。
そこへの転換を、制度側が求め始めている印象があります。
■“対物業務の外部委託”は薬局をどう変えるのか
最近かなり議論が進んでいるのが、
“一包化など調剤業務の外部委託”です。
現在は、
- 一包化
- 一包化した薬への追加添付
などを中心に制度設計が進んでいます。
■対物業務は「集約化」へ向かう可能性
今後もし、
- 取り揃え
- ピッキング
- 一包化
- セット化
まで外部委託が進むと、
“薬局ごとに全てを抱える必要性”は薄れていくかもしれません。
つまり、
「どこで調剤するか」
より、
「誰が患者さんを支えるか」
の価値が上がっていく可能性があります。
■薬剤師の価値は“説明できる力”へ
調剤機器やDXが進めば進むほど、
最終的に残るのは、
- 副作用フォロー
- アドヒアランス支援
- 在宅対応
- 多職種連携
- 患者背景の理解
といった“人にしかできない部分”です。
逆に言えば、
「ただ薬を渡すだけ」
では、厳しくなる時代とも言えます。
■OTC類似薬の「一部保険外し」が示すもの
最近かなり大きなテーマになっているのが、
OTC類似薬の一部保険外療養です。
厚労省は、
- 医療保険制度維持
- 現役世代の負担軽減
を理由にしています。
■セルフメディケーション推進はさらに進む?
この流れは、
「軽症はOTCで」
という方向性を、さらに加速させる可能性があります。
つまり薬局は、
- “処方箋を待つ場所”
から - “健康相談の窓口”
へ変わっていく必要があります。
OTC販売や健康相談を、
単なる物販ではなく、
“地域医療機能”としてどう作れるか。
ここは今後かなり重要になりそうです。
■オンライン資格確認と“現場負担”
生活保護受給者へのオンライン資格確認運用見直しも話題になりました。
紙の調剤券削減による効率化は進む一方、
現場としては、
- オン資トラブル
- 通信速度
- システム負荷
- 患者説明
など、“実務負担”もかなり感じています。
制度としては理想的でも、
現場では、
「結局、薬局側が吸収している」
場面も少なくありません。
■「お薬手帳」が改めて重要になってきている
今後の業界の流れとして、
生活保護受給者のお薬手帳持参原則化についても議論されています。
実際、
- 重複投与
- 多剤投与
- OTC併用
- 複数受診
が増える中で、
情報の一元化は本当に重要です。
ただ一方で、
「持参しないと成立しない」
という問題もあります。
だからこそ、
電子お薬手帳や電子処方箋との連携は、今後さらに重要になりそうです。
保険薬局薬剤師として感じること
最近の制度改定を見ていると、
厚労省が薬局に求めているのは、
“調剤をする場所”
ではなく、
“地域医療を支える機能”
なんだろうな、と感じます。
そして今後は、
- 立地
- 枚数
- 物量
だけではなく、
- 在宅
- フォローアップ
- 地域連携
- 専門性
- DX対応
など、“総合力”が問われる時代になっていきそうです。
保険薬局業界は今、かなり大きな転換点にいるのかもしれません。
でも逆に言えば、
患者さんにしっかり向き合ってきた薬局ほど、
これから価値が見直される時代になる気もしています。
現場は大変ですが、
だからこそ「薬剤師として何ができるか」が、面白くなる時代なのかもしれません。

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