プラルエント皮下注!PCSK9阻害薬の薬価や自己注射の使い方等

こんばんは。薬剤師のしぐです。

今回は脂質異常症に使われる、プラルエント皮下注(アリロクマブ)についてです。
今や脂質異常症に対しても皮下注を使用する時代になったんですねー。

ちなみに、レパーサ皮下注に続く2剤目のPCSK9阻害薬となりますねー。

自分的におもしろいと思うところは、用法用量
脂質異常症の概要についてはまたそのうち記載します。

プラルエント皮下注の有効成分

成分名:アリロクマブ

他でまとめてる、ベバシズマブに似てるよね。

「mab:マブ」はモノクローナル抗体につけられる名前なんだよね。

プラルエント皮下注の用法用量

○HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場合

通常、成人にはアリロクマブ(遺伝子組換え)として 75mgを2週に1回皮下投与する。効果不十分な場合に は150mgを2週に1回投与に増量できる。
HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用すること。

○HMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない場合

通常、成人にはアリロクマブ(遺伝子組換え)として 150mgを4週に1回皮下投与する。効果不十分な場合 には150mgを2週に1回投与に増量できる。

【治療が適さない場合】 本剤は以下に示す患者に使用すること。
1.副作用の既往等によりHMG-CoA還元酵素阻害剤の使用が困難な患者
2.HMG-CoA還元酵素阻害剤の使用が禁忌とされる患者

そーなんです。かたや、スタチン系との併用必須。かたや、スタチン系との併用はできない。
これはまた、なかなか、、、薬剤師泣かせな用法用量を設定してくれたもんだ。

同系統のレパーサ皮下注(エボロクマブ)に至っては、スタチン系と併用する場合でも、できない場合でも、同じ用法用量。えーーーーーと、これどうやって判断すりゃいいんだろか。
うーーーーむ。

75mgならスタチンと併用、150mg4週に1回ならスタチンと一緒はダメ。
くらいの認識でいいのかなー。増量後は150mgを2週に1回投与に統一されちゃうんだけど。

プラルエント皮下注自己注射の使い方

使い方は、注射部位に押し当てて注射ボタンを押します。
「カチッ」となって注入開始。

もう1度「カチッ」となったら注入終了です。

2回「カチッ」って音を聞くのが大事。

安全窓から薬液が見えるようになってますが、注入完了するとその窓は黄色い製剤部分しか見えなくなります。これで注入終了の確認もできます。

プラルエント皮下注の薬理作用・作用機序

アリロクマブはヒトプロ蛋白質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(proprotein convertase subtilisin/kexin type9:PCSK9)に対する遺伝子組換えヒト型免疫グロブリンG1モノクローナル抗体であり、高い親和性及び特異性でPCSK9と結合する。

肝細胞表面の低比重リポ蛋白受 容体(LDLR)は、血中LDLコレステロールを除去する主な受容体であるが、PCSK9が LDLR に結合することで、その複合体は肝細胞内に取り込まれた後に分解されるため、LDLR 数が減少し、血中LDLコレステロール値が増加する。

一方、アリロクマブを投与すると、アリロクマブが PCSK9と結合してLDLRへのPCSK9の結合を阻害しLDLR数が増えて肝細胞への LDLコレステロールの取り込みが促進されることから、血中LDLコレステロール値が低下す る。

プラルエント皮下注の適応、効能・効果

家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症

ただし、以下のいずれも満たす場合に限る。

  • 心血管イベントの発現リスクが高い 
  • HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない

プラルエント皮下注使用で、コレステロール値を50%下げることができるみたいです。
140あれば70くらいまで。すごい効き目。

最近ではガイドラインで推奨される目標値も結構厳しくなってるようで、70だったり55だったりになるみたいですね。

下げ過ぎる不具合ってのはないのかメーカーさんに聞いてみたのですが、30mg/dlまで下げての実験では、特に不具合はでなかったという結果になったみたいです。

専門医の中には、このコレステロールはもう体の中では不要なものだ!って断言してる先生もいるみたい。

注射部位

大腿部(太もも)、へその周り5cmを避けた腹部または上腕部(二の腕)。前回注射した部位とは違う部位に注射し、もし同じ部位に注射する場合は前回注射した場所からずらして注射する。

副作用

正直、これといった副作用があまりみられなかったらしいですよ。プラセボとの比較で高かった副作用としては、「注射部位反応」だったみたいです。注射部位の発疹だったりあかみだったり。そんなにたいした副作用じゃないですもんね。

薬価

  • プラルエント皮下注75mgぺン:22948円/本
  • プラルエント皮下注150mgペン:44481円/本

なかなか高額です。

こんな感じのお薬。
自分はまだこのプラルエント皮下注処方患者は数名しかみたことないんですが。
(レパーサ皮下注にいたっては1名のみ、、、。)

「プラルエント」の名前の由来

ちなみに、名前の由来は「プラーク」「エンド」する。
ふむふむ。くっつけて、ゴロを良くしてプラルエント。ね。

なかなかいいネーミング。

ストロングスタチンをご存知ですか?

脂質異常症って、内服だけでしっかりコレステロール値コントロールできる方が多い印象。
まあたくさん薬もありますからね。

ただ心疾患リスクをできるだけ下げるために、基準値をすごく下回る数値でLDL値をコントロールする必要のある患者もいるとか。
そんな方には必要なお薬ということですね!

ちなみに、ストロングスタチンって聞いたことありますか??

  • ロスバスタチン
  • アトルバスタチン
  • ピタバスタチン 

上記3つのことを指す言葉。
スタチンの中でも LDL低下作用が強いこの3種類のことですね。

自分の薬局では圧倒的にロスバスタチンの処方量が多いです。

ではでは。しぐでしたーーーっ!

まさかのプラルエント皮下注販売停止!

2020.5に追記しました。

プラルエント皮下注が、まさかの販売停止になってます。

詳細はコチラにまとめてあります。

大人な事情ですね、、、。

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