薬剤師のしぐです。
調剤報酬改定の内容がある程度決まってきてます。
そんな中、やはり注目をあびているのは抗がん剤治療に関して、調剤薬局薬剤師がどのようにからんでいけるか。
「特定薬剤管理指導加算2」がね。どうしてもね。
気になっちゃうよね。
そんなこんなで、「調剤薬局に勤務する薬剤師」対象に日本医療薬学会により新設される「地域薬学ケア専門薬剤師(がん)」について、まとめていくよー
日本医療薬学会とは
とりあえず、日本医療薬学会のホームページがコチラです。
→ https://www.jsphcs.jp/index.html
あと、概要と思われるところがこんな感じです。
日本医療薬学会の設立趣旨
医薬品は疾病の診断、治療や予防に必要不可欠ですが、使い方を誤れば効果が得られないだけでなく、副作用や生活の質(QOL)低下をもたらします。医薬品を安心して使用し有用性を最大限に引き出すには、医薬品適正使用のための良質のエビデンスを構築し、薬の専門家である薬剤師が他の医療職種や関係者と連携しながら科学的根拠に基づいて薬物療法を実践する必要があります。
日本医療薬学会の前身である日本病院薬学会は、平成2年6月に(社)日本病院薬剤師会が中心となって設立されました。平成13年1月に名称が「日本医療薬学会」に変更され、平成20年12月に法人化され、「一般社団法人 日本医療薬学会」となりました。日本医療薬学会の目的は、「病院、薬局、製薬企業、薬学教育機関、行政等に携わる個人を会員とし、医療薬学に関する学理及びその応用についての研究発表、知識の交換、会員相互及び内外の関連学会との連携協力等を行うことにより、医療薬学の進歩及び普及を図り、もって我が国の学術文化の発展と国民の福祉の向上に寄与する」ことです。
本学会の会員数は年々増加し(平成30年12月末現在 12,650名)、その構成も病院・保険薬局の薬剤師、薬系大学教員・学生、製薬企業関係者等多岐にわたっています。年会における一般演題数も1,740題を超えるなど、名実ともに日本の医療薬学領域を代表する学会に成長しています。
日本医療薬学会の活動概要
本学会では、「医療薬学」誌の編集・発行、年会の開催、公開シンポジウムの開催、学会賞等の選考・表彰、認定薬剤師の認定、がん専門薬剤師の認定、薬物療法専門薬剤師の認定、学術書籍の編集・出版などの事業を行っています。
地域薬学ケア専門薬剤師
日本医療薬学会が、薬局薬剤師向けに創立する「地域薬学ケア専門薬剤師」制度。
薬局薬剤師向けにつくられた初の専門薬剤師制度であり、注目を集めているこの制度ですが、この制度創立の発端になったのが厚生労働省が2015年に発表した「患者のための薬局ビジョン」。
患者のための薬局ビジョン
この薬局ビジョンで、薬局は2つの機能に特化した薬局に分化するよう盛り込まれています。
- 「かかりつけ薬剤師・薬局機能」に特化した「地域連携薬局」
- 「高度薬学管理機能」に特化した「専門医療機関連携薬局」
この後者である「専門医療機関連携薬局」の要件に「学会認定等の専門性が高い薬剤師の配置」が加えられているんですよね。
専門医療機関連携薬局の認定条件
患者に配慮した構造設備
プライバシーに配慮した構造設備(パーテーション、個室その他相談できるスペース)
医療提供施設との情報共有
- 入院時の持参薬情報の医療機関への提供
- 医師、看護師、ケアマネージャーなどとの打ち合わせ(退院時カンファレンス等)への参加
- 専門医療機関の医師、薬剤師などとの治療方針等の共有
- 専門医療機関などとの合同研修の実施
- 患者が利用する地域連携薬局などとの服薬情報の共有
業務を行う体制
学会認定等の専門性が高い薬剤師の配置
↑ここですね。ここに、地域薬学ケア専門薬剤師が必要になってくるってことですね。
では、ここまでの内容をまとめると、こんな感じ。
厚生労働省が発表した「患者のための薬局ビジョン」での「専門医療機関連携薬局」として認定されるのに必要な要件の1つとして「地域薬学ケア専門薬剤師」の配置がある。
地域薬学ケア専門薬剤師の認定要件
認定要件はこんな感じ。地域薬学ケア専門薬剤師(がん)については、赤字で追記
① 実務経験を5年以上有する
② 5年以上継続して日本医療薬学会会員である
③ いずれかの認定を受けている
- 日本薬剤師研修センター(JPEC):研修認定薬剤師
- 日本病院薬剤師会:病院薬学認定薬剤師
- 日本薬剤師会:生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上
- その他、本学会が認めた認定制度による認定薬剤師
④ 研修施設において、地域薬学ケアに関する5年以上の研修歴(がん領域を含む)を有する(月に3〜4回カンファレンスなどに参加)
⑤ 以下の薬物療法の講習会を5年間で50単位以上履修している
- がん薬物療法集中講義(必須)
- 日本医療薬学会が主催する薬物療法に関する公開シンポジウムなど
- 日本医療薬学会が主催・共催する教育セミナー
- 日本医療薬学会が認定する他学術団体等主催の教育セミナー
⑥ 薬物療法専門薬剤師集中講義に1回以上(および癌に関する集中講義に)参加している
⑦ 日本医療薬学会年会に1回以上参加している
⑧ (がん領域に関する)学会発表2回(日本医療薬学会年会での筆頭発表1回含む)、若しくは(がん領域の)論文発表1回(筆頭)
⑨ 4領域以上の疾患で50症例(+がん領域の20症例)
⑩ 認定試験合格
研修施設とは
研修施設は、「基幹施設」と「連携施設」に分類される。
基幹施設
自施設の薬剤師を対象にした研修に加え、連携施設から申請のあった薬剤師の研修を行う。薬局での基幹施設は認めず、連携施設のみの運用となる。
連携施設
指導薬剤師がいない薬局でも、「一定の条件を満たし、指導薬剤師がいる基幹施設の連携施設になること」で研修を行うことができる。
薬局が連携施設になるための要件
- 4領域以上の疾患患者に対する調剤業務の実施および要指導医薬品・一般用医薬品による自己治療の支援を実施している
- 月2回以上の患者薬学管理に関する検討会を実施している
- 高度管理医療機器販売業の許可を有している
- 薬学的指導をする際に患者のプライバシー確保がされている
- 基幹施設の指導薬剤師の責任の下で研修計画を作成し学会から承認を受けている
- 別途定める研修コアカリキュラムに沿った研修を可能とする設備と機能を有する
ここまでは必須要件。以下は4項目以上該当すること
- 複数の医療機関に処方箋を持参した患者が25%以上いる、または直近1年間において月ごとの平均受付医療機関数が15医療機関以上ある
- 医薬品の安全性情報を一元管理している
- 居宅療養管理指導または在宅訪問薬剤管理指導を実施している実績がある
- 入退院時の連携体制や医療機関への情報提供体制を有する
- 麻薬処方箋の応需実績がある
- クリーンベンチなどにおける無菌製剤の調剤実施可能な体制を有する
- 腎機能など臨床検査値などに基づく処方鑑査や処方提案を実施している
連携施設(薬局)に在籍を求める薬剤師の要件
① 日本医療薬学会の地域薬学ケア指導薬剤師などの指導薬剤師、地域薬学ケア専門薬剤師などの専門薬剤師のいずれか1人以上が常勤
② または、下記の要件をみたいしている薬剤師が1人以上常勤として勤務している
- 日本医療薬学会会員である
- 日本薬剤師研修センター:研修認定薬剤師
日本病院薬剤師会:病院薬学認定薬剤師
日本薬剤師会:生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上
その他、日本医療薬学会が認めた認定制度による認定薬剤師
上記のいずれかの認定を受けている - 薬剤師生涯学習達成度確認試験合格
- 学会発表または論文掲載の研究業績
地域薬学ケア専門薬剤師(暫定)の過渡的措置
2020年〜2024年申請分までの過渡的措置が行われる予定です。詳細は下記分。
- 日本薬剤師研修センター:研修認定薬剤師
日本病院薬剤師会:病院薬学認定薬剤師
日本薬剤師会:生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上
上記のいずれかの認定を受けている - 実務歴5年
- 申請時に会員である
- 学会発表(筆頭)が1回以上、もしくは論文(筆頭)が1報以上ある
- 学会等参加・発表単位を20単位以上取得している
- 上記の条件を全て満たすもので、日本医療薬学会委員会の選考を経て。理事会で承認された者
1回目の更新までにその他の要件を満たせば、正式に地域薬学ケア専門薬剤師として認定される。満たさなければ、暫定の資格は消失する。
今回の内容はこんな感じですね。
ハードルが高く、まだ探り探りなところは多いのですが調剤薬局薬剤師にも求められる業務が多岐にわたってきました。
信頼される薬剤師になるために、自己研鑽が必須ということですね、、、。
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ではではっしぐでした
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