ポンタールカプセル販売中止へ|ファイザーの対象一覧と代替薬【2026年10月

こんばんは、薬剤師のしぐです。
ファイザーから届いた「販売中止予定のご案内」。一覧を見て、思わず目が止まりました。

こ、こんなに……。ポンタールカプセルまで!?
ピメノール、スルペラゾン、ユナシン小児用細粒。長く処方箋や薬棚で見てきた名前が並びます。見慣れた薬が少しずつ姿を消していく。そんな寂しさを感じるお知らせです。
ただ、今回の一覧には昔ながらの薬だけでなく、トラスツズマブとベバシズマブのバイオシミラーも含まれています。保険薬局だけでなく、病院の採用薬や治療体制にも関わる内容です。
先に結論をまとめると、ポンタールカプセル250mgは2027年12月に販売中止予定。対象製品によって時期は異なり、在庫状況で前後する可能性があります。代替候補があっても、成分が違う場合には処方変更の検討が必要です。
「そのうちなくなるらしい」で終わらせず、患者さんの治療をどうつなぐかまで考えておきたいニュースです。
ファイザーの販売中止予定一覧
2026年10月の案内に掲載された対象は、次のとおりです。規格を分けて数えると13製品名が並び、ゼルフォームには2つの包装・規格が記載されています。
| 対象製品 | 一般名・成分など | 販売中止予定時期・状況 |
|---|---|---|
| トラスツズマブBS点滴静注用60mg・150mg「ファイザー」 | トラスツズマブ(遺伝子組換え)[後続3] | 2027年12月 |
| ベバシズマブBS点滴静注100mg・400mg「ファイザー」 | ベバシズマブ(遺伝子組換え)[後続1] | 2027年3月 |
| ピメノールカプセル50mg・100mg | ピルメノール塩酸塩水和物 | 2027年6月 |
| スルペラゾン静注用0.5g・1g | セフォペラゾンナトリウム・スルバクタムナトリウム | 2027年12月 |
| ユナシン細粒小児用10% | スルタミシリントシル酸塩水和物 | 2027年3月 |
| ポンタールカプセル250mg | メフェナム酸 | 2027年12月 |
| ゼルフィルム・眼科用ゼルフィルム | 滅菌吸収性ゼラチンフィルム | 出荷停止中 |
| ゼルフォーム | 滅菌吸収性ゼラチン製剤 | 出荷停止中 |
予定時期は在庫状況により前後します。「2027年12月まで必ず発注できる」という保証ではありません。
また、ゼルフィルム、眼科用ゼルフィルム、ゼルフォームは「出荷停止中」とされています。一覧に将来の日付が並んでいても、すべての製品に準備の猶予があるわけではない点に注意が必要です。
ポンタールは1966年発売。約60年のなじみがある薬
ポンタールカプセル250mgの成分はメフェナム酸。鎮痛・消炎・解熱剤です。電子添文に記載された販売開始は1966年7月。2026年で約60年になります。
月経痛や歯痛、腰痛症などで使われてきた薬で、「昔からある痛み止め」として記憶に残っている方もいるでしょう。薬剤師にとっても、処方箋にその名前があるだけで、いつもの棚が思い浮かぶような薬の一つです。
新薬の登場はうれしいニュースですが、長く付き合ってきた薬がなくなる知らせには、また違った感情があります。「最近あまり見ないな」と思っていた名前が、いつの間にか販売中止一覧に載っている。薬局の棚から、時代の移り変わりを感じますね。
今回の対象はカプセル250mgの2包装
対象包装は次の2つです。
- 100カプセル:PTP10カプセル×10
- 500カプセル:缶・バラ
今回の案内で確認できるのは、ポンタールカプセル250mgの販売中止予定です。このお知らせだけを根拠に、散、細粒、シロップなどを含めた「ポンタール全製剤が販売中止」と広げてはいけません。
ほかの剤形への変更を考える場合も、別途、最新の供給情報や処方条件を確認します。「一覧にないから安定して入る」とも限らないためです。

ポンタールの代替候補は、同じ成分ではない
メーカーはポンタールカプセルの代替候補として、カロナール錠200・300・500とロキソプロフェンNa錠60mg「サワイ」を挙げています。
ここで押さえたいのは、カロナールはアセトアミノフェン、ロキソプロフェンはロキソプロフェン。メフェナム酸と同じ成分ではないということです。
同じ「痛み止め」という言葉でまとめられても、薬の特徴や適応、用量、注意点がすべて同じになるわけではありません。ポンタール250mgをカロナールの特定の規格へ、そのまま数字で置き換えるような換算はできません。
薬局では、まず「何のために使っているか」を確認したいところです。頓用なのか、定期的に使っているのか。どの症状に、どの程度効いているのか。ほかの鎮痛薬や市販薬を併用していないか。こうした情報が、処方医との相談に役立ちます。
特に、変更前の薬が手元に残っている患者さんには、切替日と旧薬の扱いを具体的に伝えたいですね。「どちらも痛み止めだから一緒に飲んでよい」と受け取られないよう、実際の処方に沿って説明します。
「なじみがある」と「安全に使える」は、別に確認
長く使われてきた薬でも、副作用や禁忌がなくなるわけではありません。ポンタールの電子添文では、消化性潰瘍、重篤な腎機能障害、アスピリン喘息またはその既往、妊娠末期などが禁忌です。他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましいとされています。
販売中止を機に薬が変わるときも、「次の薬を確保する」だけでなく、患者さんの状態と併用薬を改めて確認する機会にしたいところです。
ピメノールとユナシンも、単純な製品変更では済まない
ピメノール:代替候補は別成分の抗不整脈薬
ピメノールカプセル50mg・100mgは、2027年6月に販売中止予定です。メーカーが挙げる代替候補はシベンゾリンコハク酸塩錠50mg・100mg「サワイ」です。
ピメノールの成分はピルメノール。シベンゾリンは別成分であり、同じ50mg・100mgという数字でも同等量の置換を意味しません。
抗不整脈薬の変更は、病状や検査結果を含めた医師の判断が必要です。薬局が「代替候補に載っているから」と読み替えて調剤する話ではありません。継続患者がいる薬局は、残薬、次回受診日、現在の入荷見込みを整理して、薬がなくなる前に処方元と相談したいところです。
ユナシン小児用細粒:同じ濃度でも、同じ抗菌薬ではない
ユナシン細粒小児用10%は2027年3月に販売中止予定です。代替候補にはクラバモックス小児用配合ドライシロップ、サワシリン細粒10%、ワイドシリン細粒10%が挙げられています。
いずれもユナシンのスルタミシリンとは成分が異なります。「小児用」「10%」「細粒」という表示が似ていても、そのまま同じグラム数に置き換えられるわけではありません。
小児の処方では、体重、感染症の診断、成分ごとの用量、服用回数などを確認して処方医と調整します。切替後に飲み方が変わる場合には、保護者への説明も更新が必要です。薬剤情報提供書だけ渡すのではなく、「1回に何を、どれだけ、何回飲むか」を一緒に確かめたいですね。
抗がん薬のバイオシミラーも対象
今回の一覧を「昔ながらの薬がなくなる話」だけで終わらせられない理由が、トラスツズマブBSとベバシズマブBSです。
メーカーはトラスツズマブBSについて150mg「NK」、ベバシズマブBSについて100mg・400mg「CTNK」を代替候補として示しています。
ここでの中止対象は**「ファイザー」の製品**です。トラスツズマブやベバシズマブによる治療全体が終了するという意味ではありません。
ただし、製品が変われば、院内採用、発注、薬剤マスター、調製手順などの確認が必要になります。トラスツズマブでは、今回示された候補が150mgである点も含め、使用規格や必要本数を確認します。病院では治療スケジュールに合わせ、採用変更と入荷を計画して進めたいところです。
保険薬局でも、患者さんから「点滴の薬が販売中止になると聞いた」と相談されるかもしれません。今回の対象製品と治療全体を分けて説明し、具体的な変更予定は治療施設に確認する流れにつなげます。
なぜ販売中止?「古い薬だから」とは断定できない
ファイザーが今回示した理由は「諸般の事情」です。製品ごとの詳しい背景は、この案内には記載されていません。
そのため、「採算が合わないから」「薬価が安すぎるから」「新しい薬に置き換わったから」といった説明を、今回の中止理由として断定することはできません。
なじみの薬が消えていく寂しさと、確認できた中止理由は分けて書きたいところです。また、この通知は販売中止予定の案内であり、手元の薬を回収する指示ではありません。「危険な薬だったからなくなる」と受け取られないよう、患者さんには確認できた事実を伝えます。

薬局では、予定日の早さだけで優先順位を決めない
今回の中止予定は2027年3月、6月、12月と分かれています。まず早い時期の製品から確認するのは自然ですが、実務上は継続患者がいるか、別成分への変更が必要か、入荷の見込みがあるかも重要です。
| 薬局で確認すること | 次の行動につなげるポイント |
|---|---|
| 採用製品・規格・包装 | 一覧と在庫を照合し、対象を取り違えない |
| 継続患者・頓用患者 | 定期処方だけでなく、時々処方される患者も確認 |
| 残薬・次回受診日 | 患者ごとに、相談が必要になる時期を把握 |
| メーカー・卸の供給状況 | 予定月と実際の発注可否を分けて確認 |
| 代替候補の成分・処方条件 | 別成分の場合は処方元へ相談 |
| 変更後の情報共有 | 薬歴、手帳、薬袋、棚札、入力画面を更新 |
先に患者リストを作っておけば、処方箋が来てから「もう入りません」と慌てる場面を減らせます。問い合わせるときも、在庫が何日分あるか、次回受診はいつか、どの候補が入荷可能かまで整理すると、処方元が判断しやすくなります。
一方、販売中止予定を聞いて、必要以上に在庫を積み上げることは避けたいところです。月間使用量と切替計画をもとに、必要な数量を卸と相談します。
販売中止予定月と経過措置期限は別
今回の案内には販売中止予定時期が記載されていますが、薬価の経過措置期限は示されていません。
「2027年12月に販売中止予定」から、保険請求できる最終日や薬価削除日を推測してはいけません。出荷・流通の状況、薬価の経過措置、手元の製品の使用期限は、それぞれ別に確認します。
同じく、代替候補に名前があることは、必要な数量がすぐに入荷する保証ではありません。候補を調べるところから、実際の納期確認まで進めておくことが大切です。
供給変更に備える考え方は、コチラでも整理しています。


患者さんへの説明は「次にどうするか」まで
「販売中止になります」とだけ伝えると、「今飲んでいる薬は大丈夫?」「治療は続けられるの?」という不安が残ります。
伝えたいのは、対象となる製品、今後の予定、そして相談の進め方です。
たとえば、「いつもの薬は今後販売中止が予定されています。今ある薬をこの通知だけでやめる必要はありません。次の処方に備えて、先生と薬の変更について相談していきます」と説明したうえで、残薬と受診予定を確認します。
薬が決まる前に「同じような薬に替わるから大丈夫」と約束するより、いつまでに確認して、誰から連絡するかを伝えるほうが、具体的な安心につながります。
名前が変わるだけの製品変更なのか、成分や飲み方まで変わる治療変更なのか。ここを分けることが、患者さんへの説明でも大切です。
しぐ的まとめ:薬の名前は消えても、治療をつなぐ役割は残る
ポンタールカプセルまで販売中止予定。約60年使われてきた名前だけに、やっぱり寂しいですね。薬棚の札を一つ外すとき、そこには処方箋を受け、患者さんに薬を渡してきた時間も重なります。
でも、なじみの薬を惜しむ気持ちと、次の治療を準備することは一緒にできます。
今回、特に押さえたいのは、ポンタール、ピメノール、ユナシン小児用細粒では、メーカーが挙げる代替候補が別成分だということ。そして、昔ながらの薬だけでなく、抗がん薬のバイオシミラーも対象に含まれることです。
販売中止予定一覧を見たら、対象製品を確認し、患者さんを思い浮かべ、処方元と次の一手を相談する。
**「こんなに、なくなるのか……」という驚きを、「この患者さんの治療をどう続けるか」につなげたい。**今回の知らせを見て、そう感じました。
なじみの薬との別れと、治療を続ける準備については、コチラもあわせてご覧ください。

よくある質問
ポンタールカプセルはいつ販売中止になりますか?
2027年12月予定です。在庫状況により前後する可能性があり、その月まで必ず購入できるという意味ではありません。
ポンタールの散・細粒・シロップもすべて販売中止ですか?
今回の販売中止予定一覧に掲載されているのはカプセル250mgです。ほかの剤形については、別途、最新の供給・販売情報を確認します。
ポンタールの代わりにカロナールを同じ量で飲めますか?
同じ量で置き換えることはできません。成分が異なるため、処方医が症状や状態に応じて薬と用量を判断します。
ピメノール50mgをシベンゾリン50mgに替えればよいですか?
同じ含量表示でも別成分です。薬局や患者さんの判断でそのまま変更せず、処方医に相談します。
販売中止は、安全性に問題があったという意味ですか?
今回の理由は「諸般の事情」とされ、詳しい背景は記載されていません。この通知から安全性を理由とした中止と断定することはできません。
服用中の薬はやめるべきですか?
販売中止予定の通知だけを理由に自己判断で中止・減量せず、薬局や処方医へ相談してください。気になる症状がある場合は、その症状について相談が必要です。
ファイザーの抗がん薬BSが中止になると、治療も終わりますか?
今回の対象は「ファイザー」の該当製品です。治療全体の終了を意味しません。製品変更などの具体的な予定は治療施設で確認します。
経過措置期限はいつですか?
今回の案内には記載されていません。今後の正式な情報で確認してください。
ゼルフィルムには代替品がないのですか?
メーカーの表現は「了承を得られている代替候補製品はありません」です。医療現場に代替手段が一切ないという意味まで広げず、施設で用途に応じた対応を検討します。



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