メトホルミン等ビグアナイド系薬剤とヨード造影剤との相互作用!ヨード造影剤を用いる検査まとめ

薬剤師のしぐです。

昨年末に、メトホルミン製剤の発がん性物質検出について書きました。

その流れで、今回はメトホルミン等ビグアナイド系薬剤服用時に注意しなければいけない相互作用、ヨード造影剤との併用についてまとめるよー。

ヨード造影剤とは

静脈投与にて用いる造影剤。

画像診断を行う際に、特定の臓器や血管の細部を映し出せるように投与される医薬品です。

CT検査等では、造影剤を使わないと小さな病変や正常な組織と同じようにみえる病変の診断が難しいと言われています。

ヨード造影剤はそれ自体がX線を吸収するため、ヨード造影剤が存在する部分では造影剤濃度に比例して高いコントラストを得ることが画像上可能となります。

造影剤なしではまったくみることができなかった細部までみることができるってわけですね。

ちなみに、十分な造影能を持ち安全性が確立されてるヨード造影剤が各検査で広くもちいられてるみたいです。

ヨード造影剤とビグアナイド系薬剤が併用注意の理由

これ、薬剤師の中でも知らない人が意外と多いです。

ヨード造影剤とビグアナイド系薬剤は併用注意!ってのは知ってるけど、それがなぜなのか。ってとこまでは知らないって感じ。

「ヨード造影剤では腎障害を起こしやすい。」
「ヨード造影剤で腎障害を起こし、ビグアナイド系薬剤で注意が必要な乳酸アシドーシスを起こしやすくなるから」

というのが理由です。

乳酸アシドーシスは発症してしまうと、死亡率が50%近くあるので少しでもリスクは下げとかないとね。

ヨード造影剤を用いる各種検査

と、いうわけで、ヨード造影剤を用いる検査をまとめておきます。

ただ、先ほども書いた通りヨード造影剤は最も用いられている造影剤です。

ビグアナイド系薬剤服用患者から「検査を行う」って内容を聞き取れたら注意が必要だってことを前提においておきましょう!

  • CT検査(造影CT検査)
  • X線TV検査
  • アンジオグラフィ
  • 排泄性尿路造影

こんな感じ。

CT検査はけっこういろんな医療機関で、いろんな疾患で用いられるので注意が必要です。

ビグアナイド系薬剤を中止する期間

たぶん各医療機関で取り決めがあると思うので、その決まりを守ってください。

一般的には、ヨード造影剤は投与後24時間で95〜99%が体外に排出され、最終的にはまったく体には残らないようになっている。

と言われています。コレを加味して、ビグアナイド系薬剤の服用中止期間は

「検査2日前から、検査2日後(48時間後)まで中止する」

というふうに言われてます。一般的にはね。

注意すべきビグアナイド系薬剤

メトホルミン製剤

単剤であれば、けっこう注意してみることができるんですけど。最近多い合剤になるとスルーしてしまうってことが多いみたい。

自分の会社内でも何度か聞いたことあります。合剤との重複、それによる過量投与。

現在使われてるビグアナイド系薬剤は、大半がメトグルコ(メトホルミン)かなーという印象です。

なので、メトホルミンが含まれる配合剤には特に注意しましょう。

メトホルミンが含まれる配合剤

エクメット配合錠

エクア(ピルダグリプチン)とメトグルコ(メトホルミン)の配合剤です。

DPP4阻害薬とビグアナイド系薬剤の合剤。

うちの薬局ではLDもHDも、月5000〜6000錠ずつくらいでます。

もちろん、バラ錠も在庫してます。

イニシンク配合錠

ネシーナ(アログリプチン)とメトグルコ「メトホルミン)の配合剤。

エクメットと同じく、DPP4阻害薬とビグアナイド系薬剤の合剤です。

ウチではこのお薬はあんまりでないです。

月に100〜200錠くらいかな。

メトアナ配合錠

スイニー(アナグリプチン)とメトグルコ(メトホルミン)の合剤。

これもDPP4阻害薬とビグアナイド系薬剤の合剤ですね。

このお薬もあんまりでないな。

LDもHDも月に100〜200錠とか。

今回はこんな感じですねーーー。

メトホルミン単剤であれば、ウチの薬局では月に何1000錠もでます。

注意が必要ですよね。ホント。

先発医薬品のメトグルコ錠に関して、自主回収があったのでコチラもまとめてあります。

ではではーーーしぐでしたっ

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