レボセチリジンDS「日本臓器」が供給停止|他社の供給状況一覧

こんにちは、薬剤師のしぐです。
レボセチリジン塩酸塩ドライシロップ0.5%「日本臓器」が、供給停止となっています。
小児のアレルギー性鼻炎や、じんましん・皮膚のかゆみなどで使われるお薬だけに、「いつものメーカーが入らない。では、次はどこに切り替える?」と悩む場面もあるのではないでしょうか。
しかも今回は、日本臓器の製品だけを確認すれば終わり、という話ではありません。他社のDSにも限定出荷の製品があり、変更先を探すときはメーカーごとの状況を見ておきたいところです。
今回のポイントは、日本臓器は製造販売終了に伴う供給停止であること、他社DSの供給状況は一律ではないこと、そして液体シロップへの変更では用量と飲み方の確認が必要なことです。
2026年10月8日に厚生労働省が公表した供給状況をもとに、DSと液体シロップを分けて整理します。
日本臓器のDSは、製造販売終了に伴う供給停止
対象は、レボセチリジン塩酸塩ドライシロップ0.5%「日本臓器」です。
厚生労働省の10月8日公表データでは、出荷対応は「供給停止」、理由は「薬価削除」、出荷量の区分は「薬価削除予定」とされています。この品目の出荷対応の情報更新日は10月7日です。
つまり、10月8日は公表データの基準日であり、全国の薬局で一斉に在庫がなくなった日ではありません。
日本臓器製薬は、2026年3月の時点で製造販売終了を案内していました。メーカーが示した包装別の最終供給予定は、次のとおりです。
| 包装 | メーカーが案内した最終供給時期 |
|---|---|
| バラ100g・アルミ袋 | 2026年9月 |
| 0.5g×100包 | 2026年4月 |
※販売状況により前後する可能性があるとされています。実際の最終出荷日や、卸・薬局の在庫消尽日を示すものではありません。
製造販売終了の理由は「諸般の事情」と案内されており、それ以上の具体的な事情は、このお知らせからは確認できません。
薬局での対応は、入荷再開を待つことより、継続して使える製品への切替を準備することが中心になります。
メーカーの3月の案内では、経過措置は2027年3月31日予定とされています。ただし、経過措置の期限と、薬が供給される期限は別です。「来年3月まで予定されているから、まだ発注できる」とは判断できません。保険請求上の期限は、調剤時点の薬価・経過措置情報でも確認しましょう。
他のメーカーも入りにくい?DSの供給状況を一覧で確認
まずは、同じレボセチリジンのDSを見てみます。
以下は、厚生労働省の2026年10月8日公表データに掲載された品目単位の状況です。包装別・卸別の在庫や、各薬局への納品可否を示す一覧ではありません。
| 製品名 | 製造販売業者 | 公表上の出荷対応 | 出荷量の区分 | 理由・解除見込み |
|---|---|---|---|---|
| レボセチリジン塩酸塩ドライシロップ0.5%「日本臓器」 | 日本臓器製薬 | 供給停止 | 薬価削除予定 | 薬価削除。製造販売終了の案内あり |
| レボセチリジン塩酸塩DS0.5%「杏林」 | キョーリンリメディオ | 限定出荷・他社品の影響 | 出荷量増加 | 需要増/解除見込み未定 |
| レボセチリジン塩酸塩DS0.5%「タカタ」 | 高田製薬 | 限定出荷・自社の事情 | 出荷量減少 | その他の理由/解除見込み未定 |
| レボセチリジン塩酸塩ドライシロップ0.5%「YD」 | 陽進堂ホールディングス | 通常出荷 | 出荷量増加 | ― |
| レボセチリジン塩酸塩DS0.5%「TCK」 | 辰巳化学 | 通常出荷 | 出荷量増加 | ― |
この一覧を見ると、「他社DSにも供給制限がある」は確認できますが、「レボセチリジンDSがすべて供給停止」「全メーカーが限定出荷」という状況ではありません。
日本臓器の終了案内では、代替品として「YD」が挙げられています。ただし、代替品として紹介されていることと、自局で必要量を確保できることは別です。切り替える前に、包装と納品数量、今後の入荷見通しまで確認しておきたいですね。
「出荷量増加」なのに限定出荷になるのはなぜ?
「杏林」は、出荷量が増加している一方で、出荷対応は限定出荷です。
これは矛盾ではありません。出荷量の区分は比較対象に対してどれくらい出荷しているか、出荷対応の区分は注文に対応できているかを示すものです。出荷を増やしていても、需要がそれ以上に増えれば、すべての受注には対応できません。
薬局で知りたいのは、「作っているか」だけでなく、その患者さんの処方日数分を、必要な時期までに用意できるかです。出荷量だけで入手のしやすさを判断せず、出荷対応と卸の納品見通しを合わせて確認します。

通常出荷でも、発注前に確認したいこと
公表上は通常出荷でも、手元の発注画面では欠品になっている、いつもの卸には在庫がない、という場合は、個別の流通状況を確認する必要があります。
メーカーの公表区分は重要な出発点ですが、特定の薬局への即日納品を保証するものではありません。また、情報の更新から反映までに時間差が生じる可能性もあります。
「通常出荷だから大丈夫」と決めず、バラ包装と分包包装それぞれの在庫、納品予定、継続的な取り寄せの可否まで確認する。ここまでそろって、変更先として検討しやすくなります。

液体シロップの供給状況は?
同じ有効成分の液体シロップも、変更候補として確認しておきたい製剤です。
ただし、DS0.5%とシロップ0.05%は剤形と単位が異なります。一覧も分けて見ておきましょう。
| 液体シロップ0.05% | 製造販売業者 | 公表上の出荷対応 | 出荷量の区分 |
|---|---|---|---|
| ザイザルシロップ0.05% | グラクソ・スミスクライン | 通常出荷 | 出荷量通常 |
| レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「アメル」 | 共和薬品工業 | 通常出荷 | 出荷量減少 |
| レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「サワイ」 | 沢井製薬 | 通常出荷 | 出荷量通常 |
| レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「ニプロ」 | 東亜薬品 | 通常出荷 | 出荷量通常 |
| レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「トーワ」 | 東和薬品 | 通常出荷 | 出荷量通常 |
※厚生労働省2026年10月8日公表分。製造販売業者名を記載しており、販売会社名とは異なる場合があります。
確認した液体シロップは、いずれも通常出荷でした。「アメル」は出荷量減少の区分ですが、出荷対応は通常出荷です。ここでも、出荷量の表示だけで限定出荷と判断しないことが大切です。
DSの供給制限から液体製剤への需要が増える可能性は考えられますが、この一覧だけで、今後の供給制限や入手困難を予測することはできません。変更を検討する時点で、最新情報を確認します。
DSからシロップへの変更は「同じ数字」で置き換えない
レボセチリジンDS0.5%は、製剤1g中に有効成分5mgを含みます。一方、シロップ0.05%は、1mL中に有効成分0.5mgを含みます。
DSのgと、シロップのmLを取り違えないことが、変更時の大事な確認ポイントです。
| 有効成分量 | DS0.5%の製剤量 | シロップ0.05%の液量 |
|---|---|---|
| 1.25mg | 0.25g | 2.5mL |
| 2.5mg | 0.5g | 5mL |
| 5mg | 1g | 10mL |
これは含有量の換算表であり、個々の患者さんへの処方量や変更を指示するものではありません。年齢、腎機能、処方内容を確認し、変更調剤の可否や処方元への確認の要否を判断します。
小児では1回量だけでなく、回数も確認
DS「YD」の電子添文では、6か月以上1歳未満は1回0.25gを1日1回、1歳以上7歳未満は1回0.25gを1日2回、7歳以上15歳未満は1回0.5gを1日2回とされています。小児では、年齢により投与回数も異なります。
メーカーや剤形を変更するときも、前回と同じ総量を用意すればよい、とは考えず、1回量・1日回数・服用時点をそれぞれ確認しましょう。腎障害のある小児では個別の用量調整が必要です。
また、DSは用時溶解して服用する製剤です。液体シロップに変更した場合は、量り取る手順や使用する計量器具が変わります。
「粉から液体に変わります」という説明だけでなく、保護者が実際に何mLを、どう量るのかまで確認しておくと安心です。


薬局では、在庫と「飲めるか」を一緒に確認する
供給が厳しいと、どうしても「手に入る製品を探すこと」が優先になります。しかし、小児の薬では、入手できても飲めなければ治療につながりません。
いつもの粉薬なら飲めていた子が液体を嫌がる、逆に粉が苦手でシロップの方が飲みやすい、ということも考えられます。薬の形が変わると、家庭での服薬手順も変わります。
切替時には、これまでの飲ませ方、苦手な味や剤形、保護者の計量の負担を確認したいところです。添加剤や製剤の性状も、変更先の製品ごとに確認します。
まず、次の処方までに必要な量を把握
在庫確認は「何gあるか」で終わらせず、処方患者さんの1日使用量と処方日数を踏まえて行います。
例えば、DSを1回0.25g、1日2回、14日分調剤する処方であれば、製剤量は合計7gです。これは必要量を把握するための計算例であり、個別の処方の妥当性を示すものではありません。
継続患者さんでは、手元の残薬、次回受診日、現在の在庫、入荷予定を確認します。不足が見込まれるときは、薬がなくなる前に変更候補を整理し、処方元と相談できるように準備します。
同じ成分が確保できないときは、他成分への変更を相談
同じ成分の他社DSや液体シロップでも必要量を確保できない場合は、年齢や適応、症状、これまでの効果、副作用、飲みやすさを踏まえて、処方元に相談します。
他の抗ヒスタミン薬へ変更する場合は、レボセチリジンのmg数をそのまま当てはめることはできません。薬ごとに用量、対象年齢、投与回数、注意事項が異なります。
供給対応で慌ただしいときこそ、「入手できる薬」と「その子に適した薬」の両方を確認しておきたいですね。
保護者には、薬がなくなる前の相談を
患者さんや保護者にとって、供給停止や販売終了という言葉は、「今飲んでいる薬にも問題があるの?」という心配につながることがあります。
今回の製造販売終了・供給停止の情報だけを根拠に、手元のお薬を自己判断で中止する必要はありません。回収情報とは分けて受け止め、処方どおりの服用について不安があれば医師・薬剤師に相談してもらいましょう。
薬局では、例えば次のように説明できます。
「これまでのメーカーの製品は製造販売が終了しています。次回のお薬を用意できるよう、同じ成分の別メーカーや、液体のお薬も含めて確認します。飲み方が変わる場合は改めて説明しますので、残りが少なくなる前にご相談ください」
変更が必要になったときには、有効成分の確認に加えて、見た目、味、1回の量、計量方法など、家庭で実際に変わる点を伝えます。

まとめ:再開待ちではなく、継続できる製剤の準備を
レボセチリジンDS「日本臓器」は、製造販売終了に伴い供給停止となっています。
他社のDSは、10月8日公表データでは「杏林」「タカタ」が限定出荷、「YD」「TCK」が通常出荷でした。液体シロップも候補になりますが、DSとは単位や服用手順が異なるため、変更時の確認が欠かせません。
薬局で大切なのは、供給一覧を確認した先で、必要量を確保できるか、そして患者さんが続けて飲めるかまで考えることです。
いつもの製品がなくなっても、治療を続けられるように。残薬と次回処方を見越して、早めに準備していきたいですね。
FAQ
Q.レボセチリジンDS「日本臓器」は再開しますか?
A.日本臓器製薬は製造販売終了を案内しています。一時的な停止として再開を待つのではなく、継続して使用できる製品への変更を準備する必要があります。
Q.他のメーカーのDSも、すべて供給停止ですか?
A.いいえ。厚生労働省の2026年10月8日公表分では、「杏林」「タカタ」が限定出荷、「YD」「TCK」が通常出荷でした。実際の入手可否は包装や卸によっても異なるため、発注時に確認してください。
Q.通常出荷なら、すぐに取り寄せられますか?
A.特定の薬局への即日納品を保証するものではありません。卸の在庫、必要な包装、納品数量と時期を確認する必要があります。
Q.ザイザルシロップや他社のシロップに変更できますか?
A.同じ有効成分の製剤として検討できますが、DSと液体シロップでは単位と服用方法が異なります。処方内容、用量、変更調剤の可否を確認し、必要に応じて処方元に相談します。
Q.DS0.5%の0.25gは、シロップ0.05%では何mLですか?
A.有効成分量だけを換算すると、いずれも1.25mgに相当し、シロップでは2.5mLです。実際の変更は年齢、回数、腎機能、処方内容を確認して判断します。自分で置き換えないでください。
Q.手元にある日本臓器の薬は、飲むのをやめた方がよいですか?
A.今回の供給停止・製造販売終了だけを理由に、自己判断で中止しないでください。残りが少ない場合や服用に不安がある場合は、医師・薬剤師へ相談してください。
Q.経過措置が来年3月までなら、それまで入手できますか?
A.経過措置と供給期間は別です。メーカーの3月の案内では経過措置は2027年3月31日予定ですが、最終供給予定はそれより前でした。最新の薬価情報と、卸・薬局の在庫をそれぞれ確認します。

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