デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉!作用機序JAKの詳細や薬価まとめ

薬剤師のしぐです。

汗をかきやすい季節になり、しっかり汗を拭き取る習慣のない患者は悪化することが多くなるアトピー性皮膚炎

自分の薬局で応需している皮膚科の処方箋では「乾癬」か「アトピー性皮膚炎」が9割を占めます。

これまでまとめたことのある「乾癬」での内容がコチラ!

「アトピー性皮膚炎」についての内容がコチラ!

そして、今回は「アトピー性皮膚炎」の新薬デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉について!

作用機序である「JAK阻害薬」といえば、これまで関節リウマチでの適応を持つ医薬品が数品目出ていました。そんな中、まさかの「アトピー性皮膚炎」での発売!

今回は、そんなデルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉についてまとめてみます。

すでに処方を受けたことのある薬剤師さんも多いかと思います。復習も兼ねて、読んでみてみてください〜

コレクチム軟膏の有効成分

デルゴシチニブ

ちなみに、販売は「日本たばこ」さんと「鳥居薬品」さんが共同で行うようです。

に、日本たばこ、、、。初めて聞く製薬会社さん。製薬会社さん?なのかな。まず。

デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉の適応、効能効果

アトピー性皮膚炎

これのみです。

アトピー性皮膚炎に適応を持つ軟膏剤ではじめてのJAKファミリー阻害薬となります。

デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉の用法用量

通常,成人には,1日2回,適量を患部に塗布する。なお,1回あたりの塗布量は5gまでとする。

用法用量における注意点

治療開始4週間以内に皮疹の改善が認められない場合は,使用を中止すること。

 症状が改善した場合には継続投与の必要性について検討し,漫然と長期にわたって使用しないこと。

ちなみに、治験対象は16歳以上であり、小児に対する治験は実施中です。他のアトピー性皮膚炎治療に用いられる併用薬は特に制限されてません。

このコレクチム軟膏。1回5gまで。ということは、1日2回の用法用量なので1日10gまで。計2本まで処方可能。

で、14日換算だと28本まで処方可能ということになります。

デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉の作用機序

デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉は、ヤヌスキナーゼファミリー(JAK1、JAK2、JAK3及びTyk2)のすべてのキナーゼ活性を阻害することにより、T細胞、B細胞、マスト細胞および単球等、種々のサイトカインシグナル伝達を阻害し皮膚の炎症を抑える。

本作用機序に基づき,サイトカインにより誘発される免疫細胞及び炎症細胞の活性化を抑制して皮膚の炎症を抑制する。また,サイトカイン(IL-31)により誘発される掻破行動(そう痒)を抑制する。

細胞内の免疫活性化シグナル伝達を担うJAKの働きを阻害し、免疫反応の過剰な活性化を抑制することで、自己免疫・アレルギー性疾患を改善するとされています。

また、フィラグリン等の皮膚バリア機能に関係する分子の発現を低下させ痒みを改善する。

このデルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉を含め、最近話題の作用機序である、JAK(ヤヌスキナーゼ)についてまとめた内容がコチラ。

デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉の副作用

主な副作用として、適用部位毛包炎(2.4%)、カポジ水痘様発疹(1%以上)、接触皮膚炎(1%以上)、適用部位ざ瘡(2.2%)、適用部位刺激感(1%以上)、適用部位紅斑(1%以上)が認められています。

ステロイドとの大きな違いは、やはりここの副作用になりますかね〜

一応、免疫機能や皮膚のバリア機能を抑制する働きがあるため、皮膚感染症のリスク増大に注意が必要となります。

デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉の特徴

ステロイドのような副作用がないため、顔への塗布も可能です。

現在顔など、皮膚が薄い部位に使用できる軟膏は限られていました。ストロングまでのステロイド。タクロリムス〈プロトピック軟膏〉など。

そこに、このデルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉も仲間入りします。

アトピー性皮膚炎のようにどの年代にも、一定数の患者さんがいるような疾患には、選択肢が増えていくことはすごくいいことですよね。

コレクチム軟膏の名称の由来

Immu(免疫) + correct(ただす) → correct immu → corectim

日本タバコさん。シンプルでわかりやすい!!

コレクチム軟膏に愛着が湧きますね。

デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉の禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

使いやすそうですね〜

デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉の薬価

  • デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉:139.70円/g

デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉の指導箋

こんな感じですねー

デルゴシチニブ〈コレクチム軟膏〉の使用上の注意点が書いてある患者用指導箋もあるので、今度紹介します。

ステロイドに抵抗のある患者さん、ご家族は多いですからね。どんどん使用する方も増えていくと考えられます。

アトピー性皮膚炎の話題で、最近最も注目されているのがこのデュピクセント皮下注!

ではではーしぐでしたっ

コメント

  1. […] […]

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