
こんにちは、薬剤師のしぐです。
アインホールディングスが、2026年の「薬と健康の週間」の啓発活動に協力すると発表しました。
全国のアイングループの薬局で、ポスターの掲示や地域の皆さんに向けた健康イベントなどを行う取り組みです。
こうした活動を全国規模で継続できるところには、大手薬局グループの力を感じますよね。
ただ、このニュースで考えたいのは、企業の規模だけではありません。薬剤師が普段から大切にしている「薬の使い方を支える」「困ったときに相談に乗る」という役割が、地域の皆さんにどれくらい伝わっているか。そこを見直す機会にもなると思います。
今回は、薬と健康の週間の基本とアインHDの発表内容、そして地域の薬局でも取り入れたい視点をまとめます。
アインHDは何をする?全国の薬局で啓発活動に協力
アインHDは2026年10月15日、厚生労働省などが主催する「薬と健康の週間」への協力を発表しました。
| 項目 | 発表内容 |
| 実施期間 | 2026年10月17日(土)〜10月23日(金) |
| 対象 | 全国のアイングループの薬局 |
| 主な内容 | 啓発ポスターの掲示、地域住民に向けた健康イベント等の啓発活動 |
| 取り組みの位置づけ | 地域社会との連携や健康維持・増進に向けた活動 |
同社によると、この活動には毎年協力しているとのことです。また、同社が加盟する日本保険薬局協会は、この週間を後援しています。
ここで気をつけたいのは、全国の薬局が対象でも、すべての店舗で同じ健康イベントが開催されるという発表ではないこと。個別店舗の開催日、実施内容、予約の要否、参加費などは、それぞれの案内を確認する必要があります。
「近くのアイン薬局で何かあるのかな?」と思った方は、店頭や店舗のお知らせを確認してみるとよさそうですね。
「薬と健康の週間」とは?毎年10月17〜23日の啓発週間
「薬と健康の週間」は、薬を正しく使うことの大切さや、薬剤師などの専門家が果たす役割を広く知ってもらうための週間です。
主催は、厚生労働省、都道府県、日本薬剤師会、都道府県薬剤師会。アインHD独自のキャンペーンではなく、全国的な啓発活動に薬局グループとして協力する形です。
ポスターやパンフレットを使った情報発信のほか、各地ではお薬相談会、講演会、子ども向けの調剤体験など、さまざまな取り組みが行われています。これらは週間全体の活動例で、今回のアインHDの全店舗で実施される内容を示すものではありません。
「薬を正しく使いましょう」と聞くと、少し当たり前に感じるかもしれません。
でも実際には、飲み忘れたときの対応がわからない、他の病院の薬と一緒に使ってよいのか迷う、市販薬を買ったけれど伝えていない。そんな小さな迷いは、日常の中にありますよね。
その迷いを、自己判断のまま抱え込まずに相談できる。啓発活動は、そんな行動につながってこそ意味があると思います。
さすが大手。全国規模で「相談できる」を届ける意義
今回の取り組みでいいなと感じるのは、普段の来局の中で、薬局の役割を知るきっかけをつくれるところです。
地域のイベントに参加する機会がない人でも、いつも薬を受け取る薬局の掲示なら目に入るかもしれません。そこで薬剤師がひと言添えれば、ポスターの情報が自分の生活と結びつきます。
たとえば、「お薬手帳には、市販薬やサプリメントのことも一緒にまとめておくと相談しやすいですよ」と声をかける。あるいは、「家に薬が余っていて困っていませんか?」と聞いてみる。
大きな企画でなくても、そこから始まる相談はあるはずです。
全国規模の発信には、薬局への理解を広げる力が期待できます。ただ、今回の発表だけで、相談件数が増えた、健康状態が改善したという効果まで確認できるわけではありません。取り組みの意義と、実際に得られた成果は分けて見ていきたいですね。

地域の薬局でもできる、相談につなげる3つの工夫
ここからは、発表内容を踏まえた薬局実務への提案です。アインHDが具体策として発表したものではありません。
① 「何でも相談して」から、具体的な困りごとへ
「薬のことなら何でも相談してください」は大切な言葉です。でも、患者さんには「こんなことを聞いていいのかな?」という遠慮があるかもしれません。
相談例を見せると、自分の困りごとと結びつけやすくなります。
| 相談の入り口 | 薬局で一緒に確認したいこと |
| 家に飲み残しの薬がある | 何が、どのくらい、なぜ残っているか |
| 市販薬も使っている | 処方薬との組み合わせや成分の重複 |
| 薬が多く、管理が大変 | 飲むタイミング、管理方法、生活上の負担 |
| 薬を使い始めて気になる変化がある | 症状の経過と服薬状況、医療機関への連絡の必要性 |
| 家族の薬の管理に困っている | 本人の状況、支援者、続けやすい方法 |
相談のゴールは、その場で薬を減らすことや、薬局だけですべてを解決することではありません。困りごとを整理し、必要に応じて医師や他の職種とつなぐことも大切な役割です。
② 処方箋がない日の相談も、具体的に案内する
薬局に慣れている私たちと、地域の皆さんとでは、入りやすさの感覚が違うかもしれません。
「処方箋を持っていないのに入っていいの?」
そんな疑問をもっている人にも、薬や健康に関する相談を受け付けていることを伝えたいですね。
一方で、個別のサービスやイベントは薬局によって内容や費用が異なります。「いつでも、何でも、無料で対応できる」と受け取られる案内は避け、相談できる内容や対応時間を具体的に示すと親切です。
混み合う時間帯に十分な時間が取れない場合も、改めて話せる時間を案内できれば、次につながります。

③ イベント後の「次にどうするか」を残す
健康イベントは、参加して楽しかった、測定できてよかった、で終わってしまうともったいないですよね。
次に来るときにお薬手帳を持ってきてもらう。飲み残しがあれば、自己判断で処分や調整をする前に相談してもらう。気になる症状があれば、必要な受診につなぐ。
こうした「次の行動」を一つ持ち帰ってもらえると、日常の薬の使い方に近づきます。
薬局側も、参加人数だけでなく、どんな相談があったか、その後の相談につながったかを、個人情報に配慮して振り返るとよさそうです。次の企画を、地域の困りごとに合わせて考えやすくなります。
学校薬剤師の健康教育ともつながる
薬の使い方を知り、困ったときには相談する。この視点は、学校薬剤師が行う健康教育とも共通しています。
子どもたちには、「薬は用法・用量を守る」「友達や家族の薬を自分の判断で使わない」といった基本とともに、わからないときに誰に確認するかまで伝えたいところです。
薬の知識を覚えるだけで、日常のすべての場面に対応できるわけではありません。迷ったときに、保護者や先生、薬剤師などに確認できることも、自分の健康を守る力になります。
薬物乱用防止教室で伝えたい内容は、コチラでもまとめています。

また、学校での健康教育を含む仕事内容は、コチラもあわせてどうぞ。

今回の週間に合わせて、すべての学校薬剤師に新たな授業やイベントが義務づけられたという話ではありません。普段の健康教育と、地域の薬局での声かけをつなげて考えるきっかけにしたいですね。

しぐの薬局メモ|「知っているつもり」の役割を、伝わる言葉に
アインHDのような大手が、全国でこうした活動を続けることには、やはり意義があると思います。
薬剤師の仕事は、薬を渡す場面だけでは伝わりきらない部分があります。飲み合わせを確認したり、生活に合わせた使い方を考えたり、気になる変化を医師に伝えたり。日々行っていることでも、患者さんから見えやすいとは限らないんですよね。
だからこそ、「薬剤師はこんなに仕事をしています」と説明するだけでなく、「その困りごと、一緒に確認できますよ」と伝えたいところです。
忙しい薬局で、新たに大きなイベントを開くのは簡単ではありません。それでも、掲示に相談例を一つ添える、いつもの説明の最後に困りごとを聞く、といった工夫なら考えられそうです。
ポスターを貼ったことで終わらせず、地域の人が相談するきっかけを一つ増やす。今回のニュースから、自分たちの薬局でも取り入れたいのは、その部分だと思います。
「薬と健康の週間」についてよくある質問
2026年の薬と健康の週間はいつですか?
2026年10月17日(土)から10月23日(金)までです。毎年10月17〜23日に実施されます。
アインHD独自の取り組みですか?
週間そのものは厚生労働省、都道府県、日本薬剤師会、都道府県薬剤師会が主催する全国的な取り組みです。アインHDは、その啓発活動に協力します。
すべてのアイン薬局で同じイベントを行いますか?
公式発表には、全国のグループ薬局でポスター掲示や健康イベント等の啓発活動を行うとありますが、全店舗で同一イベントを実施するとは書かれていません。内容や日時などは個別店舗の案内を確認してください。
処方箋がなくても薬局で相談できますか?
薬や健康について、処方箋がない場合も相談できます。個別サービスの内容、対応時間、費用、予約の要否は薬局によって異なるため、必要に応じて事前に確認すると安心です。
小規模な薬局でも取り組めますか?
ポスター掲示や資材の配布、日々の声かけなども啓発の方法です。薬局の人員や地域の実情に合わせて、相談につながる内容を考えたいですね。
まとめ|薬と健康の週間を、相談しやすい薬局づくりのきっかけに
アインHDは、2026年10月17〜23日の「薬と健康の週間」に合わせ、全国のグループ薬局で啓発活動に協力します。
全国に発信できる大手の力には期待したいですし、地域の薬局にも取り入れられる視点があります。
薬の正しい使い方と、困ったときに相談できる先を知ってもらう。そのために、普段の声かけを少し具体的にすることから始めてもいいのだと思います。
「こんなことも聞いてよかったんだ」
そう感じてもらえる場面を、日々の薬局の中で増やしていきたいですね。
※2026年10月15日時点の公式発表等に基づく内容です。店舗ごとの実施内容は、各店舗の最新案内をご確認ください。


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