こんばんは、薬剤師のです。
ADHD治療薬として使われているインチュニブ錠(グアンファシン)。
そのGEとして、東和薬品から
グアンファシン徐放錠1mg/2mg/3mg「トーワ」
が準備されています。
2026年8月時点の製品資料では薬価基準未収載となっていますが、製品写真や包装などもすでに公開されています。
で、資料を見ていて、まず思ったのが……
「えっ、2mg作ってくれてるじゃん!」
でした。
これ、個人的にはかなりポイント高いです。
東和薬品さん、気が利いてる!

先発のインチュニブは「1mg」と「3mg」
先発品のインチュニブ錠には、
1mgと3mg
の2規格しかありません。
ところが今回の「トーワ」では、
1mg・2mg・3mg
の3規格。
つまり、先発には存在しない2mg錠が新たに用意されています。
「たった1規格増えただけでしょ?」
と思うかもしれません。
でも、インチュニブを実際に調剤・服薬指導する薬剤師からすると、
この2mg、けっこうありがたいと思うんです。
なぜ「2mg」がそんなにありがたいのか?
インチュニブは、患者さんの年齢や体重に応じながら、基本的に1mgずつ調整していく薬です。
成人では通常、1日2mgから開始し、1週間以上の間隔をあけながら1mgずつ増量して、4~6mgを維持用量とします。
18歳未満でも、体重によって2mgが開始用量や維持用量になるケースがあります。
ここで問題になるのが、
先発には2mg錠がない
ということ。
たとえば2mgを服用するなら、
「1mg錠を2錠」
になります。
5mgなら、
「3mg錠+1mg錠+1mg錠」
という組み合わせになります。
でも2mg錠があれば、
2mg → 2mg錠を1錠
5mg → 3mg錠+2mg錠の2錠
で済みます。
錠数が減る。
これ、地味なんだけど大事なんですよね。
患者さんにとっても分かりやすくなりますし、調剤する側としても規格の組み合わせがシンプルになります。
しかもインチュニブは「割って調整」ができない
そして、ここがさらに重要。
グアンファシンは徐放錠です。
インチュニブでは以前から、
分割・粉砕・かみ砕いて服用しない
よう注意喚起されています。
徐放性製剤なので、割ったり砕いたりすると血中濃度が急激に上昇し、重篤な副作用につながる可能性があるためです。
ということは、
「3mg錠を割って2mgっぽくしよう」
なんてことは当然できません。
だからこそ、最初から2mgという規格そのものを作ってくれた意味が大きいんですよね。
個人的には、
「先発と同じ規格だけ作りました」ではなく、実際の使われ方まで考えて2mgを準備してくれた
ように感じました。
こういうGE、好きです。
そして錠剤の色も、なんだかセンスがいい
もうひとつ、資料を見ていて「おっ」と思ったのが錠剤の色。
グアンファシン徐放錠「トーワ」は、
1mg:白系
2mg:黄色系
3mg:淡い緑系
になっています。
先発のインチュニブは1mgが白色、3mgが淡緑白色です。
そこへ今回追加された、先発には存在しない2mg。
その2mgを黄色系にしてきました。
これ、いいですよね。
白 → 黄色 → 緑。
規格ごとに見た目で区別しやすいですし、2mgだけをちゃんと独立した色にしている。
もちろん色だけで薬を判断するものではありませんが、毎日服用する患者さんにとっても、調剤・監査する薬剤師にとっても、規格ごとの視認性は高いに越したことはありません。
なんというか……
2mgを作ったことも含めて、東和薬品さんのセンスを感じます。
ちなみにPTPシート側も、1mg・2mg・3mgでアクセントカラーが変えられていて、見分けやすいデザインになっています。
そもそもグアンファシンってどんな薬?
ここで改めて、グアンファシンについて少しおさらいしておきます。
グアンファシンは、
選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬
に分類されるADHD治療薬です。
コンサータなどの中枢刺激薬とは異なり、非中枢刺激薬に分類されます。
また、アトモキセチンのようにノルアドレナリンの再取り込みを阻害する薬でもありません。
グアンファシンはα2Aアドレナリン受容体に作用し、ノルアドレナリンのシナプス伝達を調節することで、前頭前皮質や大脳基底核のシグナルを調整している可能性が考えられています。
ただし、ADHDに対して効果を示す詳細な作用機序については、現在も完全には明らかになっていません。

「刺激する薬」というより、情報伝達を整えるイメージ
グアンファシンの作用をざっくりイメージすると、
脳を強く刺激して集中させる
というより、
前頭前皮質で行われている情報伝達を整えて、必要な情報を処理しやすくする
というイメージの方が近いと思います。
その結果として、
注意を維持することや、衝動を抑えること、多動をコントロールすることなどへの効果が期待されます。
「ADHD治療薬=全部同じようにドパミンやノルアドレナリンを増やす薬」
ではないところが、グアンファシンの面白いところですね。
薬剤師として押さえておきたい服薬指導
グアンファシンで特に意識しておきたいのは、先ほど触れた徐放錠であること。
患者さんには、
「割らない・砕かない・かみ砕かない」
をしっかり伝えておきたいところです。
さらに、グアンファシンでは低血圧、徐脈、失神などの循環器系への影響や、傾眠・めまいなどにも注意が必要です。
特に増量時には、
「眠気は強くなっていないか」
「立ちくらみやふらつきはないか」
「脈が極端に遅くなっていないか」
などを確認しておきたいですね。
また、自己判断で突然中止すると血圧上昇や頻脈が起こることがあるため、中止する場合には原則として段階的に減量します。
しぐのまとめ|こういう「ちょっとした工夫」がうれしい
今回のグアンファシン徐放錠「トーワ」。
もちろん一番大きいのは、インチュニブにGEという選択肢が加わることだと思います。
でも、しぐが一番気になったのは、
「2mgをちゃんと作ってくれたこと」
でした。

しかもグアンファシンは徐放錠なので、分割して用量を調整することができません。
だから、
1mg+1mgだった2mgが1錠になる。
そして5mgなら、
3mg+1mg+1mgだったところを3mg+2mgにできる。
この差は、実際の服薬を考えると意外と大きいと思います。
さらに、先発にはなかった2mgを黄色系にして、1mg・2mg・3mgを見分けやすくしているところも個人的には好印象。
単に「インチュニブのGEを作りました」ではなく、
「実際に使うなら、この規格があった方がいいよね」
というところまで考えてくれているように感じます。
東和薬品さん。
2mgを準備してくれてるあたり、やっぱり気が利いてますね!
あとは薬価がどうなるのか。
2026年8月作成の資料ではまだ薬価基準未収載となっているので、ここは正式な薬価収載・発売情報が出たら、またチェックしていきたいと思います。
ちなみに最近は、ヤーズフレックスでもジェネリック発売の動きがあり、先発品からGEへの切り替えは薬局現場でもますます身近になってきました。
ヤーズフレックスのジェネリック(GE)については、こちらの記事で詳しくまとめています。

ではではーしぐでした


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