
こんにちは、薬剤師のしぐです。
在宅訪問の日程を組むとき、祝日や患者さんの予定に合わせて訪問日を前倒ししたくなることがあります。そこで課題になるのが、居宅療養管理指導の算定間隔です。
2026年10月19日の介護給付費分科会で、薬剤師の居宅療養管理指導について、算定日の間隔を6日以上とする要件の見直しが提案されました。医療保険で先行した「週1回」との整合性が論点です。
2026年10月25日時点では見直し案です。介護保険の算定要件が、すでに週1回へ変更されたわけではありません。
今回のポイント
- 薬剤師の居宅療養管理指導の算定間隔を見直す案が示された。
- 背景には、定期訪問の日程変更で算定できないケースがある。
- 病状変化で高度な薬学管理に対応できる薬局へ変更する場合の扱いも整理する方向。
- 医療機関に勤務する薬剤師の算定回数上限は、別の論点として検討されている。
現行ルールと見直し案の違い
| 項目 | 現行の扱い・状況 | 今回の論点 |
|---|---|---|
| 介護保険の算定間隔 | 薬局薬剤師が月2回以上算定する場合、原則として算定日の間隔は6日以上 | 医療保険との整合性を踏まえ、この要件を見直す |
| 医療保険の訪問薬剤管理 | 2026年度診療報酬改定で、原則の算定頻度を週1回へ変更 | 介護保険側の見直しを考える際の背景 |
| 病状変化に伴う薬局変更 | 高度な薬学管理への対応を理由とする変更時の扱いに不明確さがある | 継続的な支援を確保できるよう整理する |
| 医療機関の薬剤師の回数上限 | 介護保険では月2回 | 診療報酬の取扱いも踏まえて評価を検討 |
なお、薬局薬剤師が対応する、がん末期、中心静脈栄養、注射による麻薬投与を受けている利用者には、週2回かつ月8回という別の扱いがあります。一般の利用者の間隔要件と分けて確認する必要があります。
なぜ算定間隔が課題になるのか
例えば、毎週同じ曜日に訪問している患者さんで、次の訪問日だけ祝日や受診予定に合わせて前倒ししたい場面があります。
患者さんの生活に合わせた調整でも、前回からの間隔が要件を満たさなければ、算定できないケースが生じます。こうした日程調整に対応しやすくすることが、今回の見直しを考える背景です。
ただし、「週1回」は毎週訪問しなければならないという意味ではありません。訪問の必要性や頻度は、患者さんの状態と薬学的な課題に応じて考えます。週の区切り、月の上限、オンライン指導との関係など、改定後の具体的な運用は最終的な通知等の確認が必要です。

病状変化で薬局を変更するときも、支援を途切れさせない
もう一つの論点が、麻薬調剤や無菌製剤処理など、高度な薬学管理が必要になったときの薬局変更です。
在宅療養の途中で治療内容が変われば、対応できる設備や体制を持つ薬局への引継ぎが必要になることがあります。今回、そのような変更時の取扱いを整理する案も示されました。
現行でも、居住地の変更等で従来のサービスを受けられなくなった場合には例外規定があります。ただし、情報の適切な引継ぎと、月の算定回数上限を超えない調整が必要です。今回の提案を受けて、薬局変更時の算定が自由になったと判断することはできません。
薬局で考えたい+α:訪問日を動かす理由を記録する
現場で準備したいのは、患者さんごとの訪問目的を明確にすることです。
| 場面 | 残しておきたい情報 |
|---|---|
| 訪問日を変更する | 変更理由、患者・家族の希望、次に確認する課題 |
| 処方が変更された | 変更点、服用開始日、残薬、観察してほしい症状 |
| 別の薬局へ引き継ぐ | 当月の訪問・算定状況、最終訪問日、薬剤の供給状況、関係職種の連絡先 |
| 在宅療養を継続する | 飲めているか、保管・管理方法、介護者の負担、相談先 |
これらは実務上の準備例です。新しい算定要件として示されたチェックリストではありません。
訪問日を柔軟に調整できても、薬を届けるだけで終わってしまえば、患者さんの困りごとは見えにくいままです。服薬状況や生活上の変化を確認し、次の支援につなげる。そのための制度見直しとして注目したいですね。
病院から地域への引継ぎについては、薬薬連携と、病院・薬局で実践したい情報共有もあわせてどうぞ。
地域で支える体制づくりは、「断らない在宅薬局」を可視化する春日井モデルでも紹介しています。
FAQ
Q. 介護保険でも、もう週1回の扱いになっていますか?
2026年10月25日時点では、今回取り上げた内容は見直し案です。現行の介護保険の要件に沿って算定します。
Q. 週1回になれば、月5回算定できますか?
週の頻度と月の算定上限は別の条件です。今回の間隔見直し案だけを根拠に、月5回算定できるとは判断できません。
Q. 病院薬剤師の回数上限の見直しは、薬局にもそのまま当てはまりますか?
医療機関に勤務する薬剤師の上限に関する別の論点です。薬局薬剤師の回数要件と混同しないよう確認します。
Q. 薬局を変更すれば、月の算定回数はリセットされますか?
リセットされると考えてはいけません。現行の例外規定でも、以前の薬局等との情報共有と、月の上限を超えない調整が求められます。

おわりに
算定間隔の見直しは、患者さんの状態や生活に合わせて在宅支援を続けるうえで注目したい動きです。今後は、適用時期と最終的な要件を確認し、訪問計画や引継ぎの運用に反映していきたいところです。
参考:厚生労働省 第271回介護給付費分科会(2026年10月19日)「居宅療養管理指導」9・11・12ページ。2026年10月25日時点。


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