セルトラリン錠「JG」全規格が限定出荷

こんにちは、薬剤師のしぐです。
セルトラリンOD錠「アメル」の限定出荷に続き、今度はセルトラリン錠「JG」も、25mg・50mg・100mgの全規格が限定出荷となりました。
「アメルが入りにくいから、別の製品を確認しよう」
そう考えたところで、JGにも供給制限。継続して服用するお薬だけに、薬局では次回処方分まで見越した対応が必要になりますね。
今回押さえたいのは、供給状況とメーカー変更、そして特定薬剤管理指導加算3(ロ)の算定漏れを防ぐことです。
供給不安により前回の銘柄の必要数を確保できず、別銘柄への変更について必要な説明・指導を行った場合は、要件を満たすか確認し、適切に算定しましょう。
ただし、「メーカーを変えたら自動的に10点」ではありません。どの薬が足りず、何を説明し、初回の条件を満たしているかまで整理することが大切です。
JGは25mg・50mg・100mgの全3規格が対象
日本ジェネリックは2026年10月8日、セルトラリン錠25mg・50mg・100mg「JG」の限定出荷を案内しました。
| 対象製品 | 対象包装 |
|---|---|
| セルトラリン錠25mg「JG」 | PTP100錠 |
| セルトラリン錠50mg「JG」 | PTP100錠 |
| セルトラリン錠100mg「JG」 | PTP100錠 |
理由は、製造工場の製造キャパシティが逼迫し、生産計画と在庫状況から安定供給に支障が生じると予測されているためです。
出荷量の区分はB「出荷量減少」、対応状況は②「自社の事情」とされています。今回確認した案内には、限定出荷の解除時期は記載されていません。
「全規格」とは、今回のJGの25mg・50mg・100mgを指します。セルトラリンの全メーカーが一斉に限定出荷になったという意味ではありません。
また、今回の案内は限定出荷であり、販売中止や自主回収の案内とは異なります。患者さんに「この薬はもう飲めない」と伝えないよう、供給と服用の話を分けて説明したいところです。
アメルとJGでは、対象の剤形も理由も違う
同じセルトラリンでも、メーカーごとの案内は分けて確認します。
| 比較項目 | JG | アメルの今回のOD錠の供給案内 |
|---|---|---|
| 剤形・規格 | 通常錠25・50・100mg | OD錠25・50mg |
| 限定出荷の理由 | 製造工場の生産能力の逼迫 | 原薬の入手難に伴う製造遅延 |
| 案内された対応 | 限定出荷 | 限定出荷、在庫消尽後は一時供給停止 |
アメルの供給案内を、通常錠を含む全製品の状況として広げて説明しないことも大切です。他の剤形・包装の最新状況は、それぞれ確認します。
アメルOD錠の詳細は、コチラで整理しています。

なお、アメルのニトロソアミン検出のお知らせは、今回の供給案内とは別に確認する内容です。JGの今回の案内に、その問題が原因であるとの記載はありません。
品質のお知らせについては、コチラも参考にしてください。

薬局は「代替品がある」より「次回分を用意できるか」
メーカーの一覧に製品が載っていても、その薬局が必要数を入手できるとは限りません。
供給情報を確認したら、まず継続患者さんの次回処方を見越して、在庫と必要量を照らし合わせます。
- 規格別の在庫と、卸からの入荷見込みを確認する。
- 患者さんの処方日数・服用量・次回来局予定を確認する。
- 不足が見込まれる規格について、他メーカー品の納品可否を調べる。
- 処方内容と変更の可否、患者さんの服用上の事情を確認する。
- 必要な説明・変更調剤・記録・算定確認まで行う。
たとえば50mgを1日1錠、28日分で継続する患者さんが4人いれば、次回分だけで112錠必要になります。「100錠あるから大丈夫」では、足りないことがあります。
一方、限定出荷になっていても、その患者さんの必要分を同じ銘柄で確保できる場合があります。供給案内を見たという理由だけで、全員を一律に切り替える必要はありません。
他メーカーへ需要が集中することも考えられるため、必要量に基づいて発注し、過剰な確保は避けたいですね。

メーカー変更では、見た目と飲み方まで説明する
同じ有効成分・同じ含量の後発品を検討する場合も、患者さんにとっては「いつもの薬が変わる」出来事です。
「白い錠剤だから、同じ薬だと思っていた」
「前の薬と新しい薬を、両方飲むのかと思った」
「OD錠だったのに、飲み込みにくくなった」
こうした行き違いを防ぐために、製品名だけでなく、実際の薬を見せて違いを確認します。
| 確認・説明すること | 実務で見たい点 |
|---|---|
| 変更理由 | 供給不足による変更であること |
| 成分・含量・用法 | 処方された服用量を保てること |
| 外観 | 錠剤の形・大きさ・刻印、PTPの違い |
| 服用のしやすさ | OD錠を選んでいる理由、通常錠を飲み込めるか |
| 残薬 | 旧製品と新製品を重複して飲まないか |
| 費用 | 薬価や算定内容に伴う負担の変化 |
後発品同士の変更でも、処方箋の変更不可の指示や変更調剤の要件を確認します。剤形・規格の変更が必要な場合は、その可否や薬剤料等の条件も確認し、必要に応じて処方医へ照会します。
供給が厳しいことを理由に、別成分の抗うつ薬へ薬局だけで置き換えることはできません。
患者さんには、薬が足りないからと自己判断で減量・中止しないこと、手元の薬が少なくなる前に相談することも伝えましょう。
他メーカーへ変更したら、加算3(ロ)の確認を忘れずに
特定薬剤管理指導加算3(ロ)は、10点です。
供給不安の場面では、供給が安定せず前回調剤した銘柄の必要数を確保できないため、別銘柄の薬の交付が必要となる患者さんに説明を行った場合が対象になります。
今回であれば、JGの通常錠やアメルのOD錠を継続していた患者さんについて、供給不足で必要数を用意できず、別銘柄へ変更する場面が考えられます。
アメルもJGも、必要なメーカー変更の説明を行ったときは、加算3(ロ)の要件を確認し、算定漏れを防ぎましょう。
算定前に確認するポイント
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| 供給不足 | 前回の銘柄の必要数が確保できない状況か |
| 変更の必要性 | 別銘柄の薬を交付する必要があるか |
| 説明・指導 | 薬剤師が重点的な指導の必要性を判断し、調剤前に必要な説明を行ったか |
| 初回 | 当該医薬品についての説明・算定履歴を確認したか |
| 薬歴 | 対象薬が分かるように記録したか |
| 摘要欄 | 必要数を確保できなかった薬剤名を記載したか |
薬局の採用品を整理する都合でメーカーを変えただけのケースや、必要数を確保できているのに変更したケースは、供給不安によるこの要件にそのまま当てはめられません。
「毎回10点」ではない
原則は、患者1人につき当該医薬品に関して最初に処方された1回に限る扱いです。継続薬でも、要件を満たす重点的な説明・指導を初めて行った場合は初回に限り算定できるという疑義解釈があります。
供給不安が続いていることや、毎回説明したことだけで、同じ品目に繰り返し算定するものではありません。メーカー変更のたびに無条件で「初回がリセットされる」とも扱わず、過去の対象品目・説明内容・算定履歴を確認します。
また、同じ受付で複数の対象薬があっても、3(ロ)を薬の数だけ算定することはできません。JGの25mgと50mgを変更したから20点、という計算にはしないようにしましょう。
服薬管理指導料の区分や、加算できない取扱いも確認が必要です。服薬管理指導料4のロ・ハや、服薬管理指導料の特例では算定できません。

薬歴とレセプトは、別々に漏れなく
薬歴には「何を、なぜ、どう変更したか」
通知上は、対象となる医薬品が分かるように薬剤服用歴等へ記載します。実務では、変更理由と説明内容、患者さんの反応まで残すと、次の担当者も対応を引き継げます。
以下は、JG50mgから同じ成分・含量の別銘柄へ変更する場合の記載例です。実際に確認した内容に合わせて修正してください。
前回調剤:セルトラリン錠50mg「JG」。限定出荷に伴い処方数量28錠の確保が困難。卸に納品見込みを確認し、別銘柄の同成分・同含量製品を確保。処方箋の変更可否と変更調剤の要件を確認。調剤前に供給不足による銘柄変更、成分・含量・服用方法、錠剤とPTPの外観の違いを説明。残薬と切替方法を確認し、旧製品との重複服用を避けるよう指導。自己判断で減量・中止せず、困った場合は相談するよう案内。患者の意向・理解状況は実際の応答に基づいて記載。対象品目の説明・算定履歴を確認。
「メーカー変更。説明済み。」だけでは、必要数が確保できなかった背景や説明内容が伝わりにくいですよね。
記録の型は便利ですが、「同意あり」「理解良好」などを確認せずに入れないことも大切です。
摘要欄は、確保できなかった薬剤名
供給状況を踏まえた説明で3(ロ)を算定する場合は、レセプト摘要欄に、調剤に必要な数量を確保できなかった薬剤名を記載します。
上の例なら「セルトラリン錠50mg『JG』」です。変更後に渡した薬の名前だけでは、この記載要件を満たす情報になりません。
アメルOD錠50mgが不足して変更した場合なら、「セルトラリンOD錠50mg『アメル』」と、剤形と規格も分かるようにします。
薬歴に書いたから摘要欄も自動入力される、とは限りません。請求システムの入力項目を確認し、薬剤師と事務さんで情報を共有しておきたいところです。
同じ3(ロ)でも、バイオシミラーの説明とは対象場面が異なります。制度全体の整理には、コチラもつなげておきます。


しぐ的には、変更・説明・記録・算定を一続きにしたい
供給が厳しくなると、代替品を探して、卸に確認して、患者さんに説明して……と、普段の調剤に上乗せされる仕事が増えます。
やっと薬を用意できたところで、薬歴や算定の確認が後回しになる。現場では、起こりやすい流れだと思います。
だからこそ、メーカー変更が必要になった段階で「供給不足での変更」と共有し、薬剤師が説明の必要性と算定要件を判断する。説明後は、薬歴と摘要欄、算定履歴まで確認する。
この流れを薬局内でそろえておくと、算定漏れと説明漏れの両方を減らせます。
加算のために変更を増やすのではなく、治療を続けるために必要な対応を丁寧に行い、その仕事を適切に評価してもらう。
JGもアメルも供給に注意が必要な今、入荷確認で終わらず、患者さんが安心して飲み続けられるところまで対応していきたいですね。
まとめ
セルトラリン錠「JG」は25mg・50mg・100mgの全3規格、PTP100錠が限定出荷の対象です。
アメルの今回の供給案内はOD錠25mg・50mgが対象で、JGとは理由や今後の対応が異なります。代替品の供給は、製品ごとに確認しましょう。
供給不足で前回の銘柄を確保できず、他メーカーへの変更について必要な説明・指導を行ったときは、特定薬剤管理指導加算3(ロ)10点の算定要件を確認します。
必要な説明を行い、対象薬と対応内容を記録し、摘要欄も整えて、算定漏れを防ぐ。
治療を途切れさせない対応と、薬局で行った仕事の適切な評価を、両方大切にしていきましょう。
ではでは、しぐでしたっ。
FAQ
Q.JGは何mgが限定出荷の対象ですか?
A.25mg・50mg・100mgの全3規格、PTP100錠です。全メーカーの製品が対象という意味ではありません。
Q.JGは販売中止や自主回収になったのですか?
A.今回確認した案内は限定出荷です。販売中止や自主回収の案内ではありません。
Q.アメルも通常錠を含めて全部が同じ供給状況ですか?
A.今回取り上げた供給案内の対象はアメルOD錠25mg・50mgです。他の剤形・包装はそれぞれ確認してください。
Q.他メーカーに変えたら必ず加算3(ロ)を算定できますか?
A.必ずではありません。供給不足で前回銘柄の必要数を確保できず、別銘柄の交付が必要となり、要件を満たす説明・指導を行ったかを確認します。初回や算定履歴、記録も必要です。
Q.何点ですか?
A.特定薬剤管理指導加算3(ロ)は10点です。患者さんの窓口負担は負担割合や会計全体、公費等によって変わります。
Q.供給不足が続いている間、毎回算定できますか?
A.同じ品目への説明を繰り返すだけで毎回算定するものではありません。過去の対象品目・説明・算定履歴を確認してください。
Q.摘要欄には変更後の薬剤名を書きますか?
A.供給状況を踏まえた説明で算定する場合に求められるのは、必要な数量を確保できなかった薬剤名です。剤形・規格・メーカーまで分かるように記載します。
Q.薬が入りにくいので、自分で減らして飲んでもよいですか?
A.自己判断で減量・中止せず、薬がなくなる前に医師・薬剤師へ相談してください。残薬と次回受診日を伝えると対応を相談しやすくなります。


コメント