慢性便秘症について!生活習慣の改善方法、食事等注意点から薬物治療まで

便秘症

薬剤師のしぐです。

今回は若い人から高齢者まで悩んでる方が多い疾患、便秘症についてです。

便秘の有症率は一般人口の 2〜28%で、患者数は500万人と推計されています。

日本消化器病学会の関連機関から2017年10月に初めて「慢性便秘症診療ガイドライン」が出されました。日本では、高齢者の半数に便秘薬が処方されているとも言われています。

身近な疾患であるこの便秘症。

概要から治療法まで、知識の再確認のためにまとめてみます〜

慢性便秘症の概要

一般に、便が出ない状態のことを「便秘」と言います。この便秘という言葉は疾患名や症状名ではなく「排便回数や排便量が少なく糞便が大腸にたまった状態」または「直腸内 にある糞便を快適に排出できない状態」という「状態名」と定義されています。

「便が出ない」と言っても人によって程度や期間はさまざまです。
「1週間、便が出ていないけど、それほど苦しくない」という人もいれば
「1日出ないだけでお腹が張って不快だ」という人もいます。

慢性便秘症診療ガイドライン2017においては、「便秘とは本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。また、日本内科学会の定義では「便秘とは3日以上排便がない状態」とされています。

便秘症は、食事や運動不足・睡眠不足などと関連して発症することがほとんどです。でも大腸がんといった重篤(非常に重い)な病気の前兆であるケースも稀にあるので、早めの検査は必要です。

腹筋の量も便秘に関わっているようで、男性に比べて女性の方が便秘を訴える理由の1つになっているみたいです。

慢性便秘症:便とはなんなのか

健康な人の場合、便の75〜80%が水分でできています。また、重量のうちの1/3が生きた腸内細菌の重さと言われています。すごく、ビックリですよね、、、。どんだけ菌だらけなんだ。わずか(乾燥した状態で)1gの便に、約1兆個もの腸内細菌が含まれているとも言われています。

最近だと腸内フローラ腸活といった腸内環境に関する言葉も結構話題に上がったりしますよね。なぜ、腸内細菌が大切かというと、腸内の細菌が体の健康に大きく貢献しているからです。健康な人の腸内は、善玉菌や悪玉菌といった腸内の菌バランスが一定の条件で保たれています。このバランスが崩れることで、様々な不調が出てきます。

体の免疫機能の70%は腸に存在するとも言われていますしね。この免疫機能にも、腸内細菌が大きく影響しているとも言われています。

あ、あと、食事をしてから排便にかかる時間は24〜72時間と言われています。

慢性便秘症の症状・分類

便秘症では、1週間のうちに数回程度しか排便がないといった症状が現れます。便をしっかりと出しきったという感覚がなく、残便感を覚えることもあります。

また、お腹の痛みや腹部膨満感などを自覚することもあります。さらに、便が硬くなることから、うさぎのようなコロコロとした硬い便が出ることもあり、それに伴って、切れ痔の症状が現れることもあります。便秘が続くと、お腹が張って苦しかったり、おならが続いたり、皮膚に吹き出物ができたり、いろいろなトラブルが発生します。

慢性便秘症の検査・診断

診断にあたって、実際にどのような排便習慣であるかを詳細に確認します。具体的には、以下のような内容が挙げられます。

  • 週何回の排便があるか
  • 便の硬さはどうか
  • 排便後の感じはどうか

何かしらの病気や薬剤が便秘に関与していることもあるため、それも踏まえて確認をおこないます。

便秘をまず「器質性」と「機能性」に 大きく分け、更に「 器質性 」を「 狭窄性 」と「 非 狭窄性」に分けた上で、「非狭窄性」及び「機能性」を「排便回数減少型」と「排便困難型」に大別して食事・生活習慣指導や下剤療法で初期診療を行っていきます。

慢性便秘症に対して生活習慣の改善

便秘症の治療では、食物繊維の多い食事を心がけることが大切です。そのほかにも、規則正しい食事や睡眠時間をとること、適度な運動を行うこと、適宜水分摂取を行うこと、なども重要な観点です。

便秘の対策で大事なのは、「食べ物」です。
特に、日頃から便秘になりやすい人は、まず食生活を見直すことが必要です。
その際には、次のようなポイントに注意してみましょう。

食物繊維と水分

食物繊維は、腸のぜん動運動を活発にし、便を排出しやすくしてくれます。
食物繊維を豊富に含む食品をしっかり摂りましょう。排便回数や排便量が少ない大腸通過正常型便秘症では、食物繊維摂取不足が原因であることが多く、食物繊維摂取量の適正化 (18 ~ 20g/ 日が目標)で症状が改善する場合が多いです。

また、水分の摂取量が少ないと便が硬くなり、排出しにくくなります。こまめに水分を摂ることを意識しましょう。特に、朝、水や牛乳などの水分をコップ1杯摂る習慣をつけると、腸が目覚め、動きが活発になります。

ただ、水分をしっかり取っていたとしても糞便の原料である食物繊維の摂取が少ないとなかなか排便回数は増えません。水分摂取も大事ですが、食物繊維ありきでの水分ということも理解しておきましょう。

腸内環境を整える

排便は腸内環境のバロメーター。腸内環境が整っていると、便の状態も良くなりますから、日頃から腸内環境をよくする食べ物を意識して摂るようにしましょう。腸内環境を整えることで、下痢も便秘も改善することができます。

腸内環境を整えてくれる食品として、乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトや、納豆などの発酵食品、ビフィズス菌など善玉菌のエサになるオリゴ糖があります。腸内環境を整え便秘や下痢を改善してくれる効果が期待できます。

ダイエットはほどほどに!バランスのとれた食生活をキープ

ダイエットのために食事量を減らすと、食物繊維や水分も不足してしまいがち。そうすると、便のカサが減って、カチカチに硬くなってしまい便秘症状につながります。

さらに、カロリーを気にして油の摂取を控えると便の滑りが悪くなって、ますます出にくくなることも。便秘になると、皮膚にニキビや吹き出物などのトラブルが発生しやすくなりますし、膨満感で苦しむこともあります。極端なダイエットは避け、バランスのとれた食生活を意識しましょう。オリーブオイルやアーモンドなど、手軽に食物繊維や油分を摂取できる食品もチェックしておくといいかもしれません。

食事のリズムを整える

朝昼晩の3食をきちんと摂って、内臓の働くリズムを整えることも便秘改善にはとても大切。特に、朝食をしっかり摂ることが重要です。胃腸の働きが活発になり、朝から活発に行動するために脳へのエネルギー供給もできます。毎日同じ時間に食事を摂るようにして、体内のリズムを一定に保ちましょう。

基礎疾患(原因となっている病気)の存在が疑われる場合には、その病気に対しての特異的な治療介入も検討されます。

慢性便秘症に対しての薬物治療

薬物療法を行うこともあります。具体的には、酸化マグネシウムやセンノシド、ピコスルファートナトリウムなどの薬物を使用することが検討されます。ブリストルスケールという便の形状と硬さを7段階に分類したスケールを指標の1つに用います。

薬物治療を行うにあたって使い分ける作用・特徴として大きく3つに分けられます。

軟らかくする薬:便に水分を保持させる

酸化マグネシウム・ルビプロストン(アミティーザ)・リナクロチド(リンゼス)やラクツロースがこの分類に分けられます。一般的にはマグネシウムが汎用され、市販薬としても多くみられます。

酸化マグネシウムについての記事チョイと書いたよ。一緒にみてみてね

動かす薬:大腸を刺激して動かす刺激性下剤

センノシド(プルゼニド)・ピコスルファート(ラキソベロン)・漢方成分の1つ大黄がこの分類になります。市販薬としてもみられますが、長期連用で耐性がみられ、この薬による刺激がないとなかなか大腸がうまく動いてくれない状態になってしまうみたいです。
ガイドラインでも頓服か、短期間での投与を推奨しています。

出す薬:どうしても出ない場合に、直腸に作用させて排便させる

ここには坐薬や浣腸が入ります。使用後20〜60で効果が出るものがほとんどで、浣腸は即効性が期待できます。

これまでの経験上、まずは便を軟らかくして、それでも出にくい場合に刺激性下剤を用いる。どうしても出ない・腹痛などの症状があり急いで排便させる必要がある場合に坐剤や浣腸を使用する、というのが一般的な治療の流れな印象です。

慢性便秘症に関してのまとめ

これまでみてきたように、便秘の原因は大腸内のトラブルです。つまり、大腸の中に食べたもののカスが何日も止まってしまったり、水分が腸壁に過剰に吸収されて便がカチカチになってしまったり、大腸そのものの働きが弱まってしまったりすることが原因となって、便秘が起こっているのです。

ということは、逆に考えれば、大腸を健康にすれば便秘は改善できるということになります。

便秘とサヨナラしたいと思ったら、まずは、食事や就寝、起床の時間を一定にそろえることが必要です。

また、日常的にストレスを感じている人も、自律神経のバランスが乱れやすくなり、腸の働きが鈍くなってしまうことが多いので注意。

ストレスをためず、心身ともに規則正しい生活を送ることが、便秘解消の第一歩なのです。

排便時の姿勢でもだいぶかわってくるみたいだよ。

こん感じです。今回は薬物治療についてはサラっと。
また細かく使用薬剤の特徴なんかを書いてみたいと思います。

ではでは〜しぐでした!

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