こんにちは。薬剤師のしぐです。
これは個人的に、かなり待っていたニュースです。
トルバプタンOD錠30mg「TE」について、製造販売承認取得のお知らせが出ました!
そして何より注目したいのが……
10錠包装だけではなく、100錠包装が用意されます!

いや、これは本当にありがたい。
トルバプタン30mgを扱っている薬局なら、この「100錠包装」のありがたさ、かなり共感してもらえるんじゃないでしょうか。
今回のお知らせでは、
- 10錠[PTP(10錠×1)]
- 100錠[PTP(10錠×10)]
の2種類の包装規格が予定されています。お知らせ上では現在「発売準備中」とされています。
トルバプタンOD30mgに念願の100錠包装!
今回しぐが一番注目したのは、やっぱりここ。
30mgに100錠包装がある!
というところです。
資料にも、腎疾患での使用が増加しており、さらに30mgは使用頻度が高いことから、医療機関や保険薬局での日常業務の効率を考えて100錠包装を用意したという趣旨が記載されています。
これ、現場ではかなり大きいですよね。
10錠包装だけだと、100錠調剤するだけでも10箱。
普通に、200錠以上することも多々あります、、、
在庫棚のスペースも使うし、箱を開ける回数も増えるし、発注・検品・在庫管理も地味に手間がかかります。
もちろん薬価や在庫金額との兼ね合いはありますが、処方頻度の高い店舗にとっては、
「最初から100錠包装で仕入れられる」
というだけで、かなり扱いやすくなると思います。
こういう包装規格の改善って派手ではないんですけど、薬局の現場では本当に助かるんですよね。
AGの「オーツカ」は10錠包装のみ
そして今回、もうひとつ注目したいところ。
トルバプタンにはAG(オーソライズド・ジェネリック)の**「オーツカ」がありますが、こちらの30mgは10錠包装のみ**。
そのため、
30mgをある程度継続的に扱う薬局にとって、「TE」の100錠包装はかなり魅力的な選択肢
になってきそうです。
もちろん採用を考えるときには、価格や取引条件、供給状況なども含めて判断する必要があります。
ただ、
「10錠包装を何箱も在庫している」
という薬局であれば、100錠包装が選べるメリットはかなり大きそうです。
個人的には、
「30mgこそ100錠包装が欲しかった!」
というのが今回の一番の感想です。

ところで30mgって、他の規格と適応が違うの知ってた?
ここは今回ぜひ一緒におさらいしておきたいポイントです。
トルバプタンには、
3.75mg・7.5mg・15mg・30mg
がありますが、
「同じトルバプタンだから、規格が違うだけで適応は全部同じ」
ではありません。
ここ、結構重要です。
添付資料の「効能又は効果」を規格ごとに整理すると、こんな感じです。
| 規格 | 心不全における体液貯留 | 肝硬変における体液貯留 | ADPKDの進行抑制 |
|---|
| 3.75mg | ○ | ○ | ○ |
| 7.5mg | ○ | ○ | ○ |
| 15mg | ○ | ― | ○ |
| 30mg | ― | ― | ○ |
こうして並べてみると、かなり分かりやすいですよね。
30mgはADPKDのみ!
今回発売準備が進められている30mgについては、
腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制
が適応です。
つまり、
30mgには、心不全や肝硬変における体液貯留の適応はありません。
ここはかなり重要。
「トルバプタン30mgだから、心不全で使うこともあるんだろう」
と考えてしまうのはNGです。
15mgも肝硬変には適応なし
さらにもうひとつ注意したいのが15mg。
15mgは、
- 心不全における体液貯留
- ADPKDの進行抑制
には適応があります。
一方、
肝硬変における体液貯留には適応がありません。
肝硬変について資料上で適応があるのは、
3.75mgと7.5mg
です。
こうして見ると、
「規格によって適応が微妙に違う薬」
なんですよね。
処方監査の際にも、トルバプタンは単純に薬剤名だけを見るのではなく、
「何mgなのか」
「何の疾患で使われているのか」
までセットで確認しておきたいところです。

30mgに100錠包装が設定された理由も納得
そう考えると、今回なぜ30mgに100錠包装が用意されたのかも分かりやすくなります。
30mgの適応はADPKDの進行抑制。
つまり、心不全や肝硬変に対する体液貯留治療とは位置づけが異なる規格です。
資料でも、腎疾患での使用増加や30mgの使用頻度の高さを背景として、100錠包装を設定したことが説明されています。
だからこそ、
「10錠包装だけではなく100錠包装も欲しい!」
という現場のニーズにつながっていたんでしょうね。
今回の包装追加は、薬そのものが新しくなるわけではありません。
でも、
在庫管理・発注・調剤業務という薬局の日常を考えると、かなり実用的な変更
だと思います。
先発サムスカとGEでは適応が一致しない
そして今回、もうひとつ絶対に押さえておきたいのがここ。
「先発医薬品のサムスカと、トルバプタンOD錠『TE』では効能・効果が完全には一致していません。」
同じトルバプタン、同じ規格だからといって、
「先発と後発品で適応も全部同じ」
と思ってしまうのは要注意です。
今回の資料に掲載されている「TE」の効能・効果を見ると、3.75mg・7.5mg・15mg・30mgについて、心不全、肝硬変、ADPKDの適応が規格ごとに整理されていますが、SIADHにおける低ナトリウム血症の改善は含まれていません。
一方、先発医薬品のサムスカでは、SIADHの適応があります。
もちろん、AGの「オーツカ」でも、適応は不一致ですよ。
先発サムスカの電子添文では、7.5mgは心不全・肝硬変・SIADH・ADPKD、15mgは心不全・SIADH・ADPKD、30mgはSIADH・ADPKDに適応があります。
特に注意したいのが「30mg」
ここ、個人的にはかなり大事だと思います。
今回のトルバプタンOD錠30mg「TE」はADPKDのみ。
でも、
先発のサムスカOD錠30mgは「ADPKDだけ」ではありません。
サムスカ30mgには、
- SIADHにおける低ナトリウム血症の改善
- ADPKDの進行抑制
という2つの適応があります。
つまり、
「トルバプタン30mg=ADPKD専用」ではない
ということ。
正確には、
「トルバプタンOD錠30mg『TE』は、現時点ではADPKDのみ」
なんですよね。
ここは処方監査でもかなり意識しておきたいところです。
後発品への変更時には適応症も確認!
ジェネリック医薬品を見ていると、どうしても
「成分が同じ」
「規格が同じ」
というところに目が行きがちです。
でも今回のトルバプタンのように、
先発医薬品にはある適応が、後発医薬品にはない
というケースがあります。
特にサムスカから「TE」への変更を考える場面では、
何の疾患に対して処方されているトルバプタンなのか
まで確認しておくことが大切です。
ADPKDなら今回の「TE」も選択肢になります。
一方で、SIADHに対する処方であれば、先発サムスカと「TE」は適応が一致しません。
今回の100錠包装は確かにすごく魅力的。
でも、
「100錠包装が便利だから」という包装面だけでなく、適応までセットで確認する。
薬剤師としては、ここまで押さえておきたいですね。
まとめ
今回のポイントをまとめると、
- トルバプタンOD錠30mg「TE」が製造販売承認を取得
- 現在は発売準備中
- 10錠包装に加えて、念願の100錠包装が用意される
- AGの「オーツカ」30mgは10錠包装のみ
- 30mgを多く扱う薬局では100錠包装のメリットが大きそう
- 30mgの適応はADPKDの進行抑制のみ
- 心不全・肝硬変の体液貯留には30mgの適応はない
- 15mgにも肝硬変の適応はない
- 規格によって適応が違うので処方監査時には要注意
となります。
いやぁ……
100錠包装、待ってました!
30mgの処方が多い薬局ほど、このありがたさは大きいんじゃないでしょうか。
AGの「オーツカ」が10錠包装のみということを考えても、今回の**「TE」100錠包装**は採用を検討するひとつの大きなポイントになりそうです。
そして今回を機に、
「トルバプタンは規格によって適応が違う」
ということも、改めて頭に入れておきたいですね。
ではではーしぐでした


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